FXニュース:欧ECB政策金利据え置き
2025年7月25日
東西FXニュース – 2025年07月25日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米雇用指標6週連続好調
- 米長期金利上昇4.4%台
- 米景気指標PMI強弱混合
- 米新築住宅販売予想以下
- 米トランプFRB解任否定
- 東京都CPI市場予想以下
- 日銀予想と日経平均下落
今日2025年7月25日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円50銭付近から、円の高値でドルの安値の146円81銭付近の値幅約69銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円38銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の146円45銭付近の前東京終値比で約93銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧米関税交渉進展への期待感などから欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index) が上昇し、時間外の米国債券取引で世界的な安全資産の米国債が売られて米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、昨夜19時20分頃には一時4.406%付近と4.4%台で上昇を続けていたため、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いと、昨夜21時15分の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会前のイベントリスクの欧州ユーロ売りでドルの買い戻しなどが入っていた外貨影響も対ドル円相場に波及し、昨夜19時20分頃にドルは円相場で一時146円66銭付近に上昇していた。
欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時146円48銭付近の始値であったが、昨夜21時15分には欧州中央銀行 (ECB) 理事会の欧州政策金利発表があり、欧州利下げサイクル終了が近いという市場予想で優勢であった通り、これまでも2.15%であった欧州政策金利の据え置きを決定し、2024年7月以来のおよそ1年ぶりとなる8会合ぶりに利下げを見送り、声明では貿易をめぐる不確実性を金利維持の理由として挙げており、金利決定は経済と金融の最新データおよび基調的なインフレの動向と金融政策が影響を及ぼす効果によるものであると言及していたが、市場では今後の見通しについて、昨夜21時45分頃から予定されていたECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁の定例記者会見での要人発言に注目が集まっていたため、発表後には欧州ユーロが対ドルでまだイベントリスクの継続で売られており、対ドル円相場も小動きになっていた。
米国市場では、昨夜21時30分に米国雇用関連の最新米国経済指標の前週分米国新規失業保険申請件数の発表があり、前回の22.1万件と市場予想の22.7万件よりも堅調な21.7万件に改善され、6週連続で市場予想よりも好調さを保ち、今年4月以来の低水準となったほか、前週分米国失業保険継続受給者数も前回195.6万人が前回195.1万人に改善の修正をされた上で、市場予想の196.0万人よりも堅調な195.5万人であったことから、堅調な米国雇用市場を受けた安全資産の米国債売りで米国長期金利が4.4%台で更に上昇した。
同時進行中の欧州市場では、昨夜21時45分頃から欧州中央銀行 (ECB) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の定例記者会見の要人発言が始まり、「毎回の会合毎にデータ次第で決定しているが、現状の金融政策はとても良い位置にある」と、今後の金利見通しについての質問への回答で、「今後の追加利下げなどはまだ決めていない」と、追加利下げを急がないタカ派寄りの発言があった昨夜22時5分頃には対ドルで欧州ユーロが買われて上昇したが、対円でも欧州ユーロが買われた影響ではこの時間の対ドル円相場への外貨影響はやや限定的で、米国ニューヨーク債券市場では米国長期金利の上昇が続き、昨夜22時台には一時4.443%付近の高利回りになったため、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響により、昨夜22時17分頃にドルは円相場で一時146円88銭付近に上昇していた。
昨夜22時45分頃には米国景気関連の最新米国経済指標の発表があり、7月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値は前回の52.9と市場予想の52.7を下回る49.5に低下し、米国関税影響の景気先行きへの警戒が燻る中で輸出入に関与する米国製造業が好景気と不景気を分けるボーダーラインの50を下回る不景気寄りの指標に下振れした弱さを見せたことではドルは円相場で反落を見せたが、同時発表だった7月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の52.9と市場予想の53.0を上回る55.2に上振れし、7月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の52.9と市場予想の52.8を上回る54.6に上振れした好景気寄りの指標であったことでは強弱混合となり、発表時の昨夜22時45分頃のドルは円相場で一時146円77銭付近に留まった。
ただし、続いて昨夜23時に発表された最新米国重要経済指標の6月米国新築住宅販売件数は、年率換算件数が前回の62.3万件と市場予想の65.0万件に対し62.7万件と市場予想以下で、前月比も前回の−13.7%と前回上方修正の−11.6%と市場予想の4.3%に対し0.6%といずれも市場予想以下であったことではドルが売られて下落し、安全資産の米国債の買い戻しが入り米国長期金利も昨夜23時3分頃には一時4.413%付近に急落したため、昨夜23時4分頃に対ドル円相場は一時146円36銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、米国ニューヨーク債券市場では、昨夜23時27分頃には米国長期金利は一時4.420%付近に反発するなど4.4%台に留まり、米国ニューヨーク株式市場では、前日の米国主要株価三指数の高値引け後の利益確定や持ち高調整などの影響もあって、金利に敏感な米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) は反落したが、米国主要企業の決算報告の影響があり、米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) は続伸して史上最高値の更新に向けており、米国主要株価三指数中二指数の続伸による株価影響では、先行していた欧州英国株式市場で一時の上昇幅を縮小しながらも欧州主要株価指数の独DAXや英国FTSE 100も高値引けを見せたため、株価影響のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りが入ってドルは円相場で反発上昇し、欧米株式市場終了後の午前5時50分と54分頃に一時147円2銭付近と、147円台の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の146円36銭付近から、円の安値でドルの高値の147円2銭付近の値幅約66銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円1銭付近と、前営業同時刻の146円51銭付近のニューヨーク終値比で約50銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、米国政府のドナルド・トランプ米国大統領が、改修工事が高額だと批判していた米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の本部ビルを視察し、来週7月29〜30日に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を控えるFRBのジェローム・パウエル議長に、「金利を引き下げてくれると嬉しい」と発言していたが、先立って米国政府のハワード・ラトニック商務長官達が「辞任か交代を」とジェローム・パウエル議長に政治圧の発言を続けていたことなどに対しては、今朝はドナルド・トランプ米国大統領が記者団に対して、「パウエル議長の解任は、必要だと思わない」と解任を否定する発言したことが話題になったため、米国政治圧による中央銀行制度のFRBの独立性懸念の緩和による主要通貨に対するドルの買い戻しが起き、今朝7時2分頃にドルは円相場で一時147円24銭付近に上昇した。
ただし、米国信任懸念による米国債売りもやや収まる可能性からは、今朝の米国長期金利が上昇幅を縮小する可能性もあることなどでは、ドルは円相場で上昇幅を縮小したが、今朝8時30分に総務省が発表した日本の最新経済指標でインフレ指標の7月日本東京都区部消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の生鮮食料品除く前年同月比が前回の3.1%と市場予想の3.0%を下回る2.9%に下振れしたことでは、日米関税交渉合意後に市場で高まっていた日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の早期の追加利上げ予想がやや後退したことでは、今朝8時34分頃にドルは円相場で一時147円12銭付近だった。
ただし、前回と市場予想よりはやや鈍化したものの、依然として日銀が目標としている2%は上回っており、市場予想よりも早期ではないものの今年年内の日銀の追加利上げ予想は意識された円の買い戻しが入った一方で、前述の今朝のドル信任懸念の緩和による米国債の買い戻しで今朝9時前頃には時間外の米国債券取引で米国長期金利が一時4.395%付近と4.4%台から4.3%台への低下を見せた時の円買いドル売りが影響を及ぼし、今朝9時頃から始まった東京外国為替市場の対ドル円相場は一時147円1銭付近の始値となった。
今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けて、今日は日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10がつく日の五十日 (ごとおび / ゴトーび) であることから、円売りドル買いが優勢となったことに続き、ドナルド・トランプ米国大統領がFRBのジェローム・パウエル議長の解任を否定したことで、来週のFOMCの米国政策金利維持の市場予想が優勢で、今朝は一時4.3%台に低下していた米国長期金利が一時4.4%台に反発した影響による世界市場でのドル買いの影響も入り、今朝11時40分頃にドルは円相場で一時147円50銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、今月7月30〜31日の日銀金融政策決定会合では国内金利維持の市場予想が依然として優勢であるが、日米関税交渉合意後の今年年内の日銀の追加利上げ予想値が上昇していたことに続き、米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) が日銀関係者筋の情報として、「日米関税交渉合意後の日銀は、企業行動次第で今年年内に利上げができる環境が整う可能性があるとみている」と報じたニュースが話題になり、今日の日本の国内債券市場では新発10年物の日本国債利回りが指標となる国内長期金利が一時1.605%付近に向けて上昇し、2008年10月以来のおよそ17年ぶりの高利回りとなり、前日まで続伸していた今日の日経平均株価が反落後に金利警戒感で低下幅を広げたこともあり、国内長期金利上昇時の円買いと日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の低リスク通貨の円買いが入った影響では円相場が反発し、午後14時55分頃に対ドル円相場は一時146円81銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
午後15時頃からは欧州市場の参入の影響があり、午後14時台には一時4.389%付近にまで反落していた米国長期金利が反発して午後15時台には4.4%台に戻したため、ドルも円相場で反発して147円台に戻したが、午後15時30分頃には今日の日経平均株価は4万1456円23銭の終値をつけ、前日比370円11銭安の-0.88%で大引けしていた。
夕方からの世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の参入では、午後15時に発表された最新英国経済指標の6月英国小売売上高が前回のマイナス圏からプラス圏に転じた安全資産の米国債売りの影響などもあり、時間外の米国債券取引で米国長期金利が夕方16時55分頃には一時4.419%付近に上昇して更になる上昇に向けていたことでは、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円38銭付近となり、昨夜17時の146円45銭付近の前東京終値比で約93銭の円安ドル高になった。
英国ロンドン外国為替市場では今夜その後にも米国長期金利の上昇が続き、今夜17時21分頃にはドルは円相場で一時147円83銭付近と日本市場の高値を上抜けており、今夜18時台の米国長期金利は一時4.426%付近になり、今夜19時1分頃にはドル円は一時147円90銭付近に上昇し、追記として今夜20時24分頃にはドル円は一時147円94銭付近にも続伸している。
今夜この後には、米国市場でも、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に6月米国耐久財受注の発表などを控えている。
また、世界の株式市場や債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響と、欧米関税交渉などの各国との貿易交渉の続報に加え、世界情勢などのニュースではロシアとウクライナ情勢を含めた世界の政治経済の影響や、第二次ドナルド・トランプ米国政権の要人発言や世界の政治の続報などのファンダメンタルズ分析のニュースは、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は173円24銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の172円26銭付近の前東京終値比では約98銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、先述の通り、昨夜の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の欧州政策金利維持とクリスティーヌ・ラガルド総裁のタカ派寄りの発言の影響などが為替相場に影響を与えていた。
ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1754ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1763ドル付近の前東京終値比で約0.09セントのユーロ安ドル高だった。
主な要因は、米国長期金利上昇時の主要通貨に対するドル買いの外貨影響が波及したほか、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) への米国政治圧が続く中でもドナルド・トランプ大統領がジェローム・パウエル議長の解任を否定したことから、ドル信任警戒感の緩和によるドル買い戻しが入っていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は198円55銭付近で、営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の198円61銭付近の前東京終値比では約6銭の円高ポンド安だった。
主な要因は、今日の午後15時に発表された英国景気関連の最新英国経済指標の6月英国小売売上高は、前月比が前回マイナス圏だった−2.7%と前回下方修正の−2.8%と市場予想の1.2%に対し、市場予想ほどではないものの0.9%のプラス圏に転じており、前年同月比も前回の−1.3%と前回上方修正の−1.1%と市場予想の1.8%に対し1.7%とプラス圏に転じたことは好感されたが、市場予想以下に範囲に留まったことでは小幅な円高ポンド安の東京終値になり、今夜その後の欧州英国市場では小幅な円安ポンド高にも転じている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年7月25日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時13分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時13分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 20:13の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 147.77 〜 147.78 | +1.32 (円安) |
ユーロ/円 | 173.25 〜 173.27 | +0.99 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.1722 〜 1.1724 | −0.0041 (ドル高) |
英ポンド/円 | 198.78 〜 198.84 | +0.17 (円安) |
スイスフラン/円 | 185.39 〜 185.45 | +0.82 (円安) |
豪ドル/円 | 96.99 〜 97.03 | +0.16 (円安) |
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