FXニュース:日与党過半数割れ3議席
2025年7月21日
東西FXニュース – 2025年07月21日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 欧株上昇時の独国債売り
- 米期待インフレ率が鈍化
- 米トランプFRB政治圧増
- 米対欧関税15~20%+
- 米大統領ドル安容認せず
- 日石破首相続役正式表明
- 日米関税交渉8月1日控え
今日2025年7月21日月曜日の日本の東京外国為替市場は「海の日」の祝日休場であったが、世界FX市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの日本市場相当時間の対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の148円56銭付近から、円の高値でドルの安値の147円78銭付近の値幅約78銭で、今日17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場の終値は148円8銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の148円73銭付近の前東京終値比で約65銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の先週金曜日の夜の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index) 上昇を受けて独10年債の利回りが指標となる欧州長期金利が上昇し、英国主要株価指数の英FTSE 100 (Financial Times Stock Exchange 100 index) も連れて英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利も上昇し、欧州英国通貨が対円だけでなく対ドルでも買われた一方で、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のクリストファー・ウォラー理事のハト派再発言に続き、米国政府のドナルド・トランプ大統領の米国利下げ要求の政治圧がジェローム・パウエル議長だけでなく利下げに慎重な他の高官達のFRB全体への批判に拡大した警戒感から、米国10年債券利回りが指標となる米国長期金利が低下し、先週金曜日の21時頃には一時4.429%付近に低下していたため、債券利回りの金利差トレードの影響で先週金曜日の夜21時から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時148円50銭付近の始値であった。
米国市場では、先週金曜日の夜21時30分に最新米国経済指標の発表があり、6月米国住宅着工件数は年率換算件数が前回の125.6万件と前回上方修正の126.3万件と市場予想の130.0万件を上回る132.1万件に上昇し、前月比も前回マイナス圏だった−9.8%と前回修正の−9.7%と市場予想の3.3%を上回るプラス圏の4.6%に改善され、同時発表の6月米国建設許可件数も年率換算件数が前回の139.3万件と前回上方修正の139.4万件と市場予想の139.0万件を上回る139.7万件に上昇し、前月比も前回の−2.0%と市場予想の−0.5%を上振れするプラス圏の0.2%に改善された影響では、低下中だったドルは円相場で発表時に一時148円50銭付近に反発して戻したが、米国長期金利の低下は続いており、先週金曜日の夜22時頃には一時4.425%付近へと更なる低下を見せた影響では、ドルは円相場で先週金曜日の夜22時24分頃には一時148円19銭付近に反落した。
先週金曜日の夜23時には7月米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値の発表があり、前回の60.7と市場予想の61.5を上回る61.8に上昇したものの、同7月の米国ミシガン大学の消費者調査では米国消費者による1年先の期待インフレ率が4.4%と市場予想よりも鈍化しており、5〜10年先の期待インフレ率も3.6%と市場予想を下振れしたことから、米国ニューヨーク債券市場では米国長期金利低下時の金利差トレードのドル売りが強まり、先週金曜日の夜23時6分頃にドルは円相場で一時148円18銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録し、この日の世界FX市場での日通しのドルの安値も更新していた。
また、米国主要企業の決算報告のニュースの後の値動きもあり、米国ニューヨーク株式市場では、前営業日には揃って高値引けした米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) が反落し、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) は反落後も反発してプラス圏に戻したものの、米国主要株価三指数中の二指数が反落の終値に向けた米国主要株価影響のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも安全資産の米国債買いに伴う債券価格上昇時の利回り低下と、低リスク通貨の円買いの為替相場に影響を与えていた。
しかし、英国経済紙のフィナンシャル・タイムズ (FT / Financial Times) が、8月1日の欧米関税交渉の期限に向けて、欧州連合 (EU / European Union) は第二次ドナルド・トランプ米国政権と協議を継続しているが、「ドナルド・トランプ米国大統領は、EUとのいかなる合意があっても、EU製の全輸入品に最低でも15~20%の米国関税を課す意向」と報じたニュースの影響があり、対ドルで買われていた欧州ユーロ売りが入った影響の対ドル円相場への波及があり、市場安値後のドルは7月20日の日曜日の日本の参議院選挙の週末を前にしていた米国市場での日本円のイベントリスクによる円売りの影響もあって反発した。
今回の日本の参議院選挙 (参院選) では、自民党と公明党の与党の議席数が非改選を含めて過半数を下回る可能性が世論調査で指摘されており、与党に対する野党の議席数が過半数を上回ることによる日本政治の先行き不透明感や、選挙公約の財源不明のバラマキ給付金や減税案などによる財政悪化の可能性への警戒感などがあり、週末を控えた世界市場では、日本の参院選の選挙結果の様子見による円の持ち高調整や買い控えが入っていた。
また、週末の7月19日土曜日の大阪万博訪問のために来日した米国政府のスコット・ベッセント財務長官が、先週金曜日の夜に石破茂首相を訪問した際に、「日米相互利益となる日米貿易交渉の合意は依然として可能」と発言し、それに対して石破茂首相も、「必ず良い合意ができると、スコット・ベッセント米国財務長官から発言あった」と述べていたが、英国報道を受けて欧米関税交渉の難航への警戒があった一方で、ドナルド・トランプ米国大統領が、「世界的な準備通貨としてのドルを失うのは、戦争に負けるようなものだ」、「ドル安を容認するつもりはない」と発言し、以前の日本市場で一時期警戒されたことがあった円安是正が交渉に上がることへの警戒感が後退していたことも米国市場終盤のドルの買い戻しに影響を与えていた。
米国ニューヨーク債券市場では、世界的な安全資産の米国債買いの影響もあり、米国長期金利は先週土曜日の午前2時10分頃に一時4.421%付近に低下したことは、債券利回りの金利差縮小時のドル売りも混ざったが、午前4時45分頃には一時4.435%付近に反発する抵抗も入り、その後の5時45分頃にも再び一時4.421%付近に低下したものの再び反発して午前6時前頃には一時4.423%付近に戻すという4.42%台の底堅さ見せており、米国ニューヨーク株式市場で前述の米国ダウ工業株 (DJIA) と米国S&P500種株価指数 (S&P500) が反落後に前営業日比の安値の終値をつけたものの、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) は反発後前営業日比で高値の終値をつけた後の市場終盤の先週土曜日の朝5時52分頃には、参院選の週末を控えた円売りとドルの買い戻しも入り、ドルは円相場で一時148円83銭付近と米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
このため、先週金曜日の夜21時頃から先週土曜日の朝5時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の148円18銭付近から、円の安値でドルの高値の148円83銭付近の値幅約65銭で、先週土曜日の朝5時55分頃のニューヨーク終値は148円81銭付近と、前営業同時刻の148円58銭付近のニューヨーク終値比で約23銭の円安ドル高をつけていた。
週末の7月20日には日本の参議院選挙の投票が行われ、全開票に先立ち自民党の石破茂首相は、「党内に辞任の声あれば等閑せず」と発言し、野党の立憲民主党の野田佳彦代表は石破茂政権との連立構想に関し、今回の参院選で自民党と公明党の両党の与党が国民の信認が得られなかったのは明らかだと指摘し、「国民からノーと言われた与党との大連立はあり得ない」と発言し、内閣不信任案の提出について、「当然、視野に入ってくる」と述べていたが、第27回参院選は週明けの今朝7月21日までに改選124に欠員補充1を加えた125議席の全当選者が確定し、与党は自民党が39と公明党が8の計47議席で非改選の75議席を合わせて過半数の125議席に3議席届かない過半数割れとなった一方で、野党の立憲民主党は22議席の横ばいで国民民主党は17議席と参政党は14議席に躍進のニュースがあった。
石破茂首相は、今日の自民党の臨時役員会と公明党との与党党首会談を終えた後の本日午後14時から記者会見を開く予定とされたが、8月1日が期限の日米関税交渉の合意に向けて首相継続の意向であるとの観測があったことでは、今日の日本市場は海の日の祝日休場であるが、今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、先週末の米国長期金利低下を受けたドル売りと、日本の参院選の政治結果が市場予想通りの与党の過半数割れとなったが3議席差に留まり、無所属議員や野党の一部議員への声がけによる過半数確保への可能性などの観測が燻り、8月1日までが期限の日米関税交渉に向けて当面の間の首相継続などのイベントリスク経過後の円の買い戻しが入り、今朝早朝6時頃の週明けオセアニア市場ではドルは円相場で一時147円89銭付近への急落の窓開きを見せて始まり、今朝7時43分頃には窓埋めに向けて148円66銭付近にドルの買い戻しが入ったが、先週末のニューヨーク終値時点の148円81銭付近にやや届かず、今朝9時頃の東京外国為替市場の始値相当時間の対ドル円相場は一時148円45銭付近で、今朝11時49分頃の一時148円56銭付近が今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値となった。
今日の日本市場は、国民の休日の海の日 (旧名:海の記念日) の祝日で週末から連休休場であったが、前述の通り、今日は自民党の石破茂首相の参院選の過半数の125議席割れをした結果を踏まえた記者会見があり、「政治には一刻の停滞も許されない」と発言し、正式に続投を表明し、今後に党内などから退陣要求が出た場合の対応については、「議論を見守り、適切に判断する」としたが、米国の関税政策や物価高と自然災害や安全保障環境などの政治的な課題を挙げ、「今、最も大切なことは、国政に停滞を招かないということだ」と強調し、「問題の解決に道筋をつけるよう全力で対応する」考えを示したことでも円が買われて上昇したほか、午後15時頃から欧州市場が参入すると、時間外の米国債券取引で米国長期金利が更に低下し、午後15時41分頃には一時4.400%付近と4.4%割れに向け始めたため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りや主要通貨に対するドル売りが入り、午後15時36分頃にドルは円相場で一時147円78銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。
夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入後には、米国長期金利は更なる低下を続けており、今夜17時頃の東京終値相当時間には一時4.386%と4.3%台に低下したため、英国市場では世界的な流動性の高さから主要取引通貨としてのドルの買い戻しも入ったものの、市場安値後のドルの円相場での反発は夕方16時32分頃の一時148円24銭付近に留まって再び反落し、今夜17時頃の今日の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場の終値は148円8銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の148円73銭付近の前東京終値比では約65銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、今夜23時に6月米国景気先行指標総合指数などを控えている。
また、今週は今夜この後にも米国主要企業の決算報告シーズンの続報が予定されており、世界の株式市場や債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響と、来日中のスコット・ベッセント財務長官との日米関税交渉の続報や欧州などの各国との米国関税交渉の続報に加えて、世界情勢などのニュースではロシアとウクライナ情勢を含めた世界の政治経済の影響や、ドナルド・トランプ大統領や政府および中銀高官などの要人発言や日本の国内政治の先行きなどのファンダメンタルズ分析のニュースは、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値相当時間は172円42銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の172円99銭付近の前東京終値比で約57銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、日本の参議院選挙で与党 の過半数割れが3議席差に留まり、8月1日が期限の日米関税交渉に向けて石破茂首相が継続を正式に表明したことから、イベントリスク経過後と当面の間の日本の政権継続観測の円の買い戻しが入ったほか、米国長期金利低下に伴う円買いドル売りの外貨影響もユーロ円やポンド円の円相場に波及した。
そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値相当時間は199円10銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の199円79銭付近の前東京終値比で約69銭の円高ポンド安だった。
ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値相当時間は1.1644ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.1631ドル付近の前東京終値比で約0.13セントのユーロ高ドル安だった。
主な要因は、FRBのクリストファー・ウォラー理事のハト派発言とドナルド・トランプ米国大統領の利下げ要求のFRB政治圧 が利下げに慎重なFRB理事会全体に拡大したことを受けた警戒感などもあり、米国ミシガン大学の消費者予想の期待インフレ率が鈍化したことを受けた米国長期金利低下時のドル売りにより欧州ユーロなどが買われていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年7月21日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時0分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時0分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 20:00の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 147.74 〜 147.75 | −0.99 (円高) |
ユーロ/円 | 172.04 〜 172.06 | −0.95 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.1644 〜 1.1646 | +0.0013 (ドル安) |
英ポンド/円 | 198.80 〜 198.86 | −0.99 (円高) |
スイスフラン/円 | 184.55 〜 184.61 | −0.85 (円高) |
豪ドル/円 | 96.23 〜 96.27 | −0.65 (円高) |
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