FXニュース:最新米雇用統計が上振れ

2025年7月04日
今日2025年7月4日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円80銭付近から、円の高値でドルの安値の144円18銭付近の値幅約62銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円40銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年07月04日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米NFPと米失業率が堅調
  • 米ISM非製造業景況改善
  • 米早期利下げ予想が後退
  • 米トランプ減税下院可決
  • 日米関税交渉の不確実性
  • 今年最大の円安ユーロ高

今日2025年7月4日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円80銭付近から、円の高値でドルの安値の144円18銭付近の値幅約62銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円40銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の143円89銭付近の前東京終値比で約51銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時143円86銭付近の始値で、昨夜21時30分の最新米国重要経済指標の6月米国雇用統計の発表直前のイベントリスクにより一時143円75銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録したが、昨夜21時30分頃に発表された6月米国雇用統計の6月米国非農業部門雇用者数変化 (NFP / Non-Farm Payrolls) は前回の13.9万人が前回14.4万人に上方修正されたほか、悪化が予想されていた市場予想の11.0万人に反して前回と市場予想を上回る14.7万人に上振れし、6月米国失業率も前回の4.2%と市場予想の4.3%よりも改善された4.1%であったことから、発表時の1分間の値動きの中でドルは円相場で一時144円96銭付近と1円以上も急伸した。

同時発表の6月米国平均時給は、前月比が前回の0.4%と市場予想の0.3%を下回る0.2%の上昇率で、前年同月比も前回の3.9%が前回3.8%と市場予想通りに下方修正されたものに届かない3.7%の上昇率であったが、同じく発表された前週分米国新規失業保険申請件数は前回の23.6万件と前回修正の23.7万件と市場予想の24.1万件よりも堅調な23.3万件で、前週分米国失業保険継続受給者数は前回の197.4万人と市場予想の196.2万人に対し前回修正と同じ196.4万人であったが、前日に発表された6月米国ADP (Automatic Data Processing / オートマティック・データ・プロセッシング) 雇用報告の6月米国ADP雇用者数の下振れを受けて悪化の市場予想が増えていたことに反しての良い意味でのサプライズになり、市場予想以上に米国雇用市場が堅調であるとの市場の受け止めから早期の米国利下げ予想が後退する中で、安全資産の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.354%付近に向けて上昇し、円だけでなく他の主要通貨に対してもドルが一時全面高になり、欧州ユーロに対する円安が昨夜23時台の今年最大規模に向けて進行していた外貨影響波及もあって、昨夜21時50分頃にドルは円相場で一時145円23銭付近と145円台に乗せ、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、同じく発表されていた5月米国貿易収支は、前回の−616億ドルと前回上方修正の−603億ドルと市場予想の−710億ドルよりも赤字額増加の−715億ドルに悪化しており、今月7月2日に米国連邦議会上院で可決されてドナルド・トランプ米国大統領が推進している大規模なトランプ減税・歳出法案などを含めた米国OBBB (One Big Beautiful Bill Act / 大きく美しい1つの法案) 修正案が、この日には米国連邦議会下院でも可決に向けて調整していたことでは米国財政赤字懸念は燻り、米国関税収入予想額などを上回る可能性が高い10年でおよそ3.4兆ドル (約490兆円) の赤字拡大試算額を米国連邦議会予算局 (CBO / Congressional Budget Office) が算出したことなどが話題になったことへの警戒感などがあったことでは、市場高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めた。

その影響から、続いて昨夜22時45分に発表された最新経済指標の6月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値は、前回の53.1と市場予想の53.1を下回る52.9に下方修正された一方で、6月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は前回と市場予想の52.8を上回る52.9と強弱混合であったが、昨夜22時56分頃にはドルは円相場で一時144円61銭付近に上昇幅を縮小していた。

しかし、昨夜23時に発表された景気関連の重要米国経済指標の6月米国ISM (Institute for Supply Management / 米国サプライマネジメント協会) 非製造業景況指数は、前回の49.9と市場予想の50.6を上回る50.8に上振れし、景気ボーダーラインの50を超える好景気寄りの指標へと前回の不景気寄りから改善されたことではドルは円相場で再び上昇し、深夜24時5分頃に一時145円16銭付近と145円台に反発し、午前1時41分頃にも一時145円21銭付近に上昇していた。

とはいえ、今夜7月4日の米国独立記念日 (Independence Day) の祝日までの大統領署名をドナルド・トランプ大統領が目指していたことで知られる米国OBBB修正案が、米国連邦上院議会での一票差の可決後に、この日の米国連邦下院議会でも賛成218対反対214の僅差で可決されたことでは、米国財政赤字懸念が燻ったことは抵抗になっていた。

一方、今月7月9日の米国相互関税の猶予期限が迫る中での不透明感などもあり、米国経済チャンネルのCNBCテレビに出演した米国政府のスコット・ベッセント財務長官は、現在難航している日米関税交渉について、「日本は偉大な同盟国だが、現在は厳しい状況にある」と発言し、「合意をまとめるには日本国内の制約が多い」と、今月7月20日の日本の参議院選挙が合意に向けた制約になっていることを示唆したが、一方で、他の同盟国である欧州連合 (EU / European Union) とは、この日にも「欧米貿易交渉の協議を行い、双方が合意に向けて取り組んでいる」と前向きで、「日本とのディールの行方は今後分かるだろう」としたものの、「貿易相手国が7月9日の交渉期限までに米国との合意に至らなければ、4月2日の税率に戻る可能性がある」としており、期限延長の可能性については、「ドナルド・トランプ大統領が次第」と語ったが、ドナルド・トランプ大統領本人はこれまでの発言では延長は考えていないことや、米国で決めて一方的に通知する姿勢を見せていたこともあり、この日の米国市場では円安ドル高だけでなく、円安ユーロ高も進行していた。

7月4日の米国独立記念日の祝日連休を控える米国市場では、市場後半には利益確定や持ち高調整が優勢になったことでは、ドルは円相場で高値を上抜けせずに再び144円台後半へと上昇幅を縮小したが、米国ニューヨーク債券市場が短縮営業で米国長期金利が一時4.351%付近の高利回りで終えた後にも、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏で続伸の高値の終値をつけた株価リスク選好のリスクオン (Risk-on) では低リスク通貨の円売りも入り、ドルは円相場で堅調な値動きを見せていた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の143円75銭付近から、円の安値でドルの高値の145円23銭付近の値幅約1円48銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円93銭付近と、前営業同時刻の143円66銭付近のニューヨーク終値比で約1円27銭の大幅な円安ドル高をつけた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、昨夜の米国雇用統計を受けて、次回7月30日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国金利据え置き予想値が、今日の時点でもフェドウオッチ (FedWatch) で95.3%と、先日の一時70%台から大幅に上昇した一方で早期の米国利下げ予想が後退した影響では、ドルは円相場で高値圏から始まり、今朝7時30分頃に一時144円97銭付近に上昇していた。

しかし、今朝未明の米国連邦議会下院におけるトランプ減税・歳出法案などの米国OBBB修正案可決のニュースを受けた米国財政赤字懸念の燻りや、今年年内の米国利下げ予想値は9月17日のFOMCでは金利据え置き予想値の28.9%に対し0.25%の小幅利下げ予想は67.9%と、市場で確定値と考えられている70%には届かないものの優勢で、一部ではあるものの 0.5%の大幅利下げ予想が3.2%でていることもあり、今日は米国市場が米国独立記念日で今夜は祝日休場予定であり、現地ドル実需見込みの減少予想の影響もあり、高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整が進んだため、今朝8時58分頃にはドルは円相場で一時144円68銭付近に上昇幅を縮小していた。

また、今朝8時30分に発表された日本の最新経済指標の5月日本全世帯家計調査の消費支出の前年同月比は、前回の−0.1%と市場予想の1.2%を大きく上回る4.7%に上振れしており、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時144円71銭付近の始値であった。

日本市場でも、日米関税交渉の不透明感の様子見に加えて、日本の参議院選挙などもあり、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が追加利上げ方向を維持しながらも、早期の追加利上げを進めにくいことが意識されていたため、昨夜の米国雇用統計の上振れを受けた米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の早期の米国利下げ予想の後退を受けた当面の間の日米金利差予想では円売りドル買いが入り、今朝11時1分頃にドルは円相場で一時144円80銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、今夜から米国市場が祝日連休に入るため、日本企業のドル実需の減少があったことでは市場高値後のドルの利益確定売りで持ち高調整の円の買い戻しも入り、ドルは円相場で上昇幅を縮小し始めた。

また、日本市場でも米国財政懸念に加えて、日本国内のエコノミストの分析で6月の米国雇用統計の重要指標の6月米国非農業部門雇用者数変化 (NFP / Non-Farm Payrolls) は上振れしたが、詳細では米国民間部門の雇用にはやや減速感があるなどの指摘があり、前回分は上方修正されていたものの、今後また修正が出てくる可能性も意識された。

また、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、「明日、10〜12通の新しい米国関税率の書簡を送付する。対象国は、8月1日から通知された米国関税を支払うことになる」と発言したニュースが話題になり、日米関税交渉難航中の米国関税政策についての警戒感が高まり、東京株式市場では今朝はプラス圏から始まった今日の日経平均株価が一時反落してマイナス圏に転じていた時間があったため、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが入り、午後15時24分頃に対ドルの円相場は一時144円18銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、東京株式市場の終盤には安値からの株の買い戻しで株価が小幅ながらも反発してプラス圏に転じ、午後15時30分に日経平均株価は3万9810円88銭の終値をつけて、前日比24円98銭高の+0.06%の小幅高で大引けした株価影響では、市場高値後の低リスク通貨の円売りによりドルは円相場で反発した。

午後からの欧州市場に続き、夕方から英国ロンドン外国為替市場が参入したが、米国関税政策への警戒感がある中で、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktienindex) がマイナス圏から始まった影響では、昨夜に今年最大の円安ユーロ高を更新後も今日の日本市場で一時は170円台だったユーロ円が169円台に戻した外貨影響の波及もあり、ドルは円相場で反発後も144円台前半に留まった東京終値に向けていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円40銭付近で、昨夜17時の143円89銭付近の前東京終値比では約51銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場は米国独立記念日の祝日で週末にかけて連休入りするため、最新米国経済指標などの発表イベント予定は特にないが、世界情勢などのニュースや、世界の株式市場や債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響と、日本や各国との米国関税交渉などを含めた世界の政治経済の影響に加え、要人発言などのファンダメンタルズ分析のニュースは、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は169円95銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の169円83銭付近の前東京終値比で約12銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨日に続き、日銀の早期利上げ予想が後退による円売りに対し、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の利下げサイクルが終了に近い市場予想が依然として優勢で、ECB高官達の発言の影響もあって欧米金利差予想などにより円安ユーロ高が進み、昨夜にも2024年7月以来の一時170円台の今年最大の円安ユーロ高になった影響が残っていた。

ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1770ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1803ドル付近の前東京終値比で約0.33セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、昨夜の米国雇用統計で米国失業率が改善され、早期の米国利下げ予想の後退を受けて米国長期金利が上昇し、欧米金利差トレードのユーロ安ドル高になっていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は197円23銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の196円50銭付近の前東京終値比で約73銭の円安ポンド高だった。

主な要因は、昨夜にも英国財政懸念後の英国ポンドの買い戻しが入っていたが、日銀が早期利上げに動きにくいことが市場予想で優勢になっていることで、対ドルでの円安や主要通貨の中でも高金利通貨かつ欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも円相場で上昇していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年7月4日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時58分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時58分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:58の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 144.33 〜 144.34 +0.44 (円安)
ユーロ/円 169.97 〜 169.99 +0.04 (円安)
ユーロ/ドル 1.1775 〜 1.1777 −0.0028 (ドル高)
英ポンド/円 196.96 〜 197.02 +0.46 (円安)
スイスフラン/円 181.83 〜 181.89 +0.02 (円安)
豪ドル/円 94.63 〜 94.67 −0.03 (円高)

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