FXニュース:米JOLTS求人件数上振れ

2025年7月02日
今日2025年7月2日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の143円32銭付近から、円の安値でドルの高値の144円5銭付近の値幅約73銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円93銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年07月02日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米ISM製造業が予想以上
  • 米長期金利反発4.2%台
  • 米早期利下げ予想が後退
  • 米上院トランプ減税を可決
  • 米対日関税引き上げ示唆
  • 米ADP全米雇用報告控え

今日2025年7月2日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の143円32銭付近から、円の安値でドルの高値の144円5銭付近の値幅約73銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円93銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の143円4銭付近の前東京終値比で約89銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下し、昨夜20時10分頃には一時4.190%付近と4.1%台に低下していたため、債券利回りの日米金利差縮小時を受けた円買いドル売りや欧州ユーロなどの他の主要通貨に対するドル売りが進行し、昨夜20時58分頃にはドルは円相場で一時142円71銭付近と142円台に低下しており、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時142円74銭付近の始値となり、昨夜21時1分頃に一時142円68銭付近と米国市場および日通しの円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、米国市場では最新米国経済指標の発表を控えており、同時進行中の欧州市場でも昨夜22時30分頃から欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 主催のECBフォーラム討論会におけるECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁と、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長と、英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) のアンドリュー・ベイリー総裁と、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の要人発言のイベントを前にした利益確定や持ち高調整の抵抗が入り、ドル実需に加えた日通し安値後のドルのショートカバーや買い戻しも入り始めたことでは、ドルは円相場で反発を始め、昨夜22時30分頃のECBフォーラム討論会の開始前の昨夜22時24分頃にはドルは円相場で一時143円27銭付近と、143円台を回復していた。

昨夜22時30分頃から欧州ユーロ圏のポルトガルのシントラで始まったECBフォーラムのパネル討論会では、 FRBのジェローム・パウエル議長は、「米国経済は極めて良好な状態にあり、米国関税政策の不確実性を除けば、米国インフレは予想通り、そして期待通りの動きをするだろう」としたものの、米国関税交渉の猶予期間が7月9日に終了すると見込まれていることなどから、「夏には物価指数が上昇すると予想」しており、米国関税影響の規模の様子見により米国政策金利を据え置きにしたことを示唆した上で、「米国経済が堅調である限り、我々は時間をかけられる。賢明なのは待つこと」とこれまでと同じデータ重視で米国追加利下げを急がない慎重な様子見の姿勢を強調していた。

ただし、FRBのジェローム・パウエル議長は、「米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) 参加者の過半数が、今年後半の米国追加利下げが適切と判断している」と今年年内の米国利下げについての発言もしており、金利先物市場の動向から市場予想値を算出するフェドウオッチ (FedWatch) では今日の時点でも75.8%付近と、市場で確定値と考えられている70%を超え続けている今年9月のFOMCにおける0.25%の米国追加利下げ予想は継続した。

また、現在も米国金利据え置き予想が80.9%付近と市場確定値の70%超えが続いている次回7月のFOMCにおける早期利下げの可能性については、「毎回のFOMCにおける利下げの可能性を除外しない」ことや、7月のFOMCでの米国利下げが時期尚早かどうかは言えない」、「データ次第だ」とジェローム・パウエル議長は発言しており、データ次第では市場で確定値と考えられている9月以前の次回7月の早期利下げの可能性も否定しなかったことでは、最新米国経済指標の発表を控える中で、物価安定と雇用最大化の二大責務を掲げるFRBの明日の重要指標の米国雇用統計が注目され、この日にも米国景気や雇用関連の経済指標発表の発表を控えていた時間であったことから、最新データに市場の注目が集まった。

ジェローム・パウエル議長は、ドナルド・トランプ米国大統領からの政治圧については、「自分の仕事に集中している」とスルーし、前回もFOMCメンバー全員一致の米国政策金利据え置きは議長の一存ではなく個人攻撃対象ではないことも示唆しており、「2026年5月以降もFRBに理事として留任するかどうかはノーコメント」だが、「新金融監督担当のミシェル・ボウマン副議長のレバレッジ比率に関する提案を全面的に支持」し、「政治問題には介入するべきではない」と、毎回FOMCメンバー達は多数決で決めており、中銀の独立性が政治介入により揺らぐべきでないことを示唆し続けていたことでは、主要通貨に対するドル信任の買い戻しが入った。

一方、日銀 (BoJ) の植田和男総裁の発言は、「日銀の追加利上げは、日本のインフレ動向の3つの要素による」と、同じくデータ重視の姿勢を強調したものの、「現在の日本の政策金利は中立水準を下回っている」と、これまでと同じ日銀の追加利上げ方向の維持を示唆しており、「後任にはバランスシート縮小を慎重に進めるよう伝えたい」と、来年で任期終了の可能性のあるFRB議長への心遣いと共に日本の金融政策の長期的視野の考えも含めていた。

欧州中央銀行 (ECB) のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、「欧州インフレに対する警戒を続ける必要がある」としたが、最近のユーロ高については、「為替レートは、経済の強さを示す」としており、為替市場に対する寛容な姿勢を示していた。

英国イングランド銀行 (BoE) のアンドリュー・ベイリー総裁は、「英国経済と労働市場の軟化の兆候が見られる」と警戒感を示し、「英国政策金利の方向性は、引き続き低下傾向」であるとしたが、「米国関税措置による物価影響を確認するのにはまだ時期尚早」と、米英関税交渉への合意後も米国関税引き上げなどの可能性が残ることなどから今後の慎重な様子見の姿勢も示し、「英国金融政策は引き続き、引き締め的であり、今後もそうあり続けるだろう」、「金融引き締め的な状況が、中立的水準に近づくことを予想している」などの発言をしていた。

欧州市場の後半にあたる昨夜22時45分の米国市場では、最新米国経済指標の発表が始まり、6月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の改定値は、前回と市場予想の52.0を上回る52.9に上方修正され、先ほどのFRB議長の発言を裏付けする市場予想以上に堅調な米国景気を示した。

続いて、昨夜23時に発表された最新米国重要経済指標の6月米国ISM (Institute for Supply Management / 米国サプライマネジメント協会) 製造業景況指数も、前回の48.5と市場予想の48.8を上回る49.0に上振れし、景気ボーダーラインの50は下回り続けていたものの市場予想以上に改善していた。

そして、明日の重要雇用指標の米国雇用統計の発表を控える中で、昨夜23時に同じく発表された米国雇用関連の最新経済指標の5月米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数が、前回の739.1万件が前回739.5万件に上方修正されたほか、前回よりも減少が警戒されていた市場予想の730.0万件に反して前回と市場予想を上回る776.9万件に上振れしたことを受けては、早期の米国利下げ予想が後退し、米国長期金利が反発上昇し、深夜24時55分頃の一時4.277%付近に向けたため、主要通貨に対するドルの買い戻しが起き、ドルは円相場で下げ幅を縮小し、143円台後半に向け始めた。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、前日には史上最高値を更新していた米国主要株価三指数の米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) が利益確定や持ち高調整の抵抗の影響もあり反落したことでは、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による低リスク通貨の円買いの抵抗も混ざったが、米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) は反発上昇してプラス圏の安定推移に転じて前日比の高値引けの終値に向けたほか、市場終盤には米国S&P 500種株価指数 (S&P500) が下げ幅を縮小して小幅安になり、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ) にも買い戻しが混ざって小幅安になったことでは、今朝未明の午前4時31分頃にドルは円相場で一時143円81銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、米国連邦議会上院では、トランプ減税の延長などを含めた税金と歳出法案を可決しており、この後の米国連邦議会下院では減税による米国財政懸念の保守派も多いことが報じられたことで難航する可能性はあるが、米国内減税と米国外関税における政策の不確実性への警戒感が米国市場で燻ったことでは、市場高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整が入り、ドルは円相場で反落した。

また、米国政府のドナルド・トランプ大統領の発言のニュースも話題になり、米国との貿易協定交渉の猶予期限である7月9日の延長を「考えていない」とした上で、「我々は日本と交渉したが、合意できるかどうかは分からない。おそらくできないだろう」と発言し、「日本は米国で数百万台の自動車を販売している一方で、米国が求める『簡単なこと』である米国産輸入米などを拒否している」と指摘し、「だから手紙を書いて、感謝を述べて、我々が必要としていることをあなた方にはできないと分かったから、30%か35%、あるいは我々が決定する米国関税率を支払うように日本に伝えるつもりだ」と、一方的な米国関税率の引き上げを示唆したことから、日本や各国との米国通商交渉の先行きへの警戒感も燻った。

このため、米国市場終盤のドルには利益確定や持ち高調整が入り、低リスク通貨の円に対して143円台前半に戻していたため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の142円68銭付近から、円の安値でドルの高値の143円81銭付近の値幅約1円13銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は143円42銭付近と、前営業同時刻の144円3銭付近のニューヨーク終値比で約61銭の円高ドル安をつけた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時143円37銭付近の始値で、今日の日本市場では今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時に記録した一時143円32銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となり、昨夜の米国経済指標の上振れを受けた早期の米国利下げ予想の後退の影響などで時間外の米国債券取引で米国長期金利が4.2%台で上昇し、債券利回りを受けた日米金利差トレードの円売りドル買いが優勢になり、ドルは円相場で上昇した。

日米関税交渉の不透明感と一方的な米国関税引き上げへの警戒感などから今日の日経平均株価がマイナス圏から始まり、マイナス圏の推移を続け、午後15時30分に今日の日経平均株価が3万9762円48銭の終値をつけて、前日比223円85銭安の-0.56%の安値の大引けに向けた株価下落時のリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いの抵抗も混ざったが、米国関税引き上げへの警戒感などから円売りでドル準備資金買いなども入っていた影響では、今日の日本市場の時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇トレンドで、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場参入後の午後16時53分頃の一時4.280%付近に向けて上昇しており、債券利回りの金利差トレードの円売りドル買いや主要通貨に対するドルの買い戻しの影響では、今日の午後16時32分頃にはドルは円相場で一時144円5銭付近と、一時144円台の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、前日比で一時は大幅な円安ドル高が進行した。

夕方のニュースでは、日本政府の石破茂首相は、先行き懸念が出ている日米関税交渉について、「何としても国益を守り抜かねばならない」と発言し、「日本は世界最大の対米投資国であり、最も雇用を生み出している。他の国とはわけが違う」としており、日本製鉄とUSスチール連携も上手くいったことなどを示唆し、対米の貿易赤字は減らす方針ではあるが、「基本にあるのは、関税よりも投資だ」と強調しており、日米関税交渉継続への市場期待感もあり、一時144円台からは日本市場終盤のドルの利益確定売りや持ち高調整の円の買い戻しの抵抗も入りやすく、ドルは円相場で143円台後半へと今日の日本市場での上昇幅を一時縮小した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円93銭付近で、昨夜17時の143円4銭付近の前東京終値比で約89銭の円安ドル高になった。

ただし、今夜その後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、米国長期金利の上昇が続き、今夜18時台には一時4.290%付近に上昇したため、今夜18時36分頃にはドルは円相場で一時144円25銭付近と再び144円台に上昇した時間が観測されている。

今夜この後の欧米市場では、明日の米国雇用統計発表のイベントを前にした米国雇用関連の最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜20時30分に6月米国チャレンジャー人員削減数と、今夜21時15分に6月米国ADP (Automatic Data Processing / オートマティック・データ・プロセッシング) 雇用統計などを控えている。

また、世界情勢などのニュースや、世界の株式市場や債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響と、日本および各国との米国関税交渉などを含めた世界の政治経済の影響に加え、要人発言などのファンダメンタルズ分析のニュースは、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は169円43銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の168円55銭付近の前東京終値比で約88銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨日は日銀短観を受けた日銀の早期利上げ予想が意識されたが、昨夜の日銀総裁の発言では利上げ方向を維持しながらも慎重な姿勢が見られ、その一方で昨夜の米国経済指標上振れを受けて早期の米国利下げ予想が後退し、米国長期金利上昇を受けて対ドルで一時大幅な円安が進行した外貨影響がクロス円にも波及したほか、昨夜はECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁が欧州インフレへの警戒感を見せると同時に最近のユーロ高に対して肯定的であった影響もあり、日米関税交渉の不透明感を受けた今日の円売り市場ではユーロ円やポンド円も前日比で円安の東京終値になっていた。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は197円22銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の196円90銭付近の前東京終値比で約32銭の円安ポンド高だった。

ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1772ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1784ドル付近の前東京終値比で約0.12セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、昨夜の市場予想以上に堅調な米国経済指標を受けて、昨夕には一時4.1%台に低下していた米国長期金利が今日は一時4.2%台後半に上昇しており、米国長期金利上昇時の主要通貨に対するドル買いが起き、昨夜にはユーロドルが今年最大のユーロ高ドル安を記録後で、ユーロドルには利益確定や持ち高調整が入りやすく、今日はユーロに対してドルが買い戻されて7営業ぶりに反発していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年7月2日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時1分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時1分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:01の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 143.92 〜 143.93 +0.88 (円安)
ユーロ/円 169.36 〜 169.37 +0.81 (円安)
ユーロ/ドル 1.1766 〜 1.1768 −0.0018 (ドル高)
英ポンド/円 197.23 〜 197.29 +0.33 (円安)
スイスフラン/円 181.60 〜 181.66 +0.64 (円安)
豪ドル/円 94.46 〜 94.50 +0.23 (円安)

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