FXニュース:中東停戦合意でドル売り

2025年6月24日
今日2025年6月24日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の145円94銭付近から、円の高値でドルの安値の145円0銭付近の値幅約94銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円28銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年06月24日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 原油先物価格反落円反発
  • 米トランプ政権利下げ圧
  • 米FRB副議長ハト派発言
  • 今夜米FRB議長発言控え
  • 日米主要株価指数が上昇

今日2025年6月24日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の145円94銭付近から、円の高値でドルの安値の145円0銭付近の値幅約94銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円28銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の147円34銭付近の前東京終値比では約2円6銭の大幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨夜20時7分頃に中東情勢緊迫化を受けた有事のドル買いの影響でドルは円相場で一時148円3銭付近に上昇していたが、イランが米国の軍事介入への報復でカタールの米国軍基地にミサイルを発射したが、「イランは外交ルートを通じ、米国とカタールに攻撃を事前通知」との一部報道に続き、「米国軍はミサイル迎撃に成功し人的被害はなかった」と報じられ、ドナルド・トランプ米国大統領が、「イランが事前通知したことに感謝」と発言し、「イランに報復するつもりはない」としており、「ドナルド・トランプ米国大統領は、中東における更なる軍事関与を望んでいない」との報道も入り、中東情勢への過度な警戒感が緩和され、有事のドル買いで買われたドルが売られ、原油先物価格反落により日本の貿易赤字リスクが後退した円の買い戻しが入り、対ドルの円相場が反発を始めた。

その影響から、昨夜21時から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時147円59銭付近の始値となり、昨夜21時35分頃に低下中の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.349%付近から一時4.350%付近への小反発に向けていた時間につけていた対ドル円相場の一時147円64銭付近が昨夜の米国市場での円の安値でドルの高値となり、対ドルで円相場は反発を続けた。

ただし、昨夜22時45分に発表された最新米国経済指標の6月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値は、市場予想の51.0を上回る前回と同じ52.0で、6月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の53.7と市場予想の52.7に対し53.1と市場予想を上回り、6月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の53.0と市場予想の52.2に対し52.8と、いずれも市場予想以上であったことはやや抵抗になった。

また、昨夜23時に発表された5月米国中古住宅販売件数も、年率換算件数が前回の400万件と市場予想の395万件を上回る403万件に上昇し、前月比も前回の−0.5%と市場予想の−1.3%を上回るプラス圏の0.8%であった。

しかし、昨夜の米国市場における中東情勢への過度な警戒感の緩和により原油先物価格が下落したことでインフレ圧への警戒感が後退し、米国ニューヨーク債券市場では米国長期金利が低下する中で、米国政府のドナルド・トランプ大統領は米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長への米国利下げ要求の政治圧を続けており、以前にも来年の次期FRB議長には他者を選任する意向を示したことから来年の時期議長候補達が意識され、先日には次期議長候補の一人と考えられているFRBのクリストファー・ウェラー理事がハト派発言をしていたが、昨夜には第二次ドナルド・トランプ米国政権の米国国家安全保障会議 (NSC / National Security Council) のケビン・ハセット委員長も、「FRBが利下げしない理由はない」と発言したことに続き、同じく次期議長候補の一人のFRBのミシェル・ボウマン副議長が、「インフレ圧力が抑制されれば、米国政策金利を中立的な水準に近づけ、健全な米国労働市場を維持するために、早ければ次回7月会合で利下げを支持するだろう」とハト派発言をしたため、午前1時30分には米国長期金利が一時4.295%付近に急落し、その後にはやや反発したものの債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響により、ドルは円相場で146円台前半に向けていた。

午前2時10分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国シカゴ連邦準備銀行のオースタン・グールズビー総裁の発言の影響もあり、「意外だったのは、少なくともここ3カ月間の米国インフレ指標では、それほどのインフレは見られなかったこと」で、「米国関税の引き上げでインフレが生じないのであれば、米国経済は関税導入前に歩んでいた黄金の道を決して外れていなかったことになると私は考える」と言及し、「不透明感が払拭されたならば、前進するべきだと思う」と、米国利下げの可能性を示唆した影響もあり、午前3時22分頃には、ドルは円相場で一時146円1銭付近にまで下落し、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、今夜この後には、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達の中でも市場への影響力が最も大きいジェローム・パウエル議長の要人発言予定のイベントを米国下院銀行委員会における半期に1度の議会証言で控えていることでは、様子見の姿勢も広がった。

一方、中東情勢への過度な市場警戒感が緩和する中で、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が一時反落後に揃って反発上昇し、市場後半に三指数揃って前営業日比での高値の終値に向けたことでは、市場高値後の低リスク通貨の円売りの抵抗が入り、一時4.2%台に低下後の米国長期金利が安全資産の米国債売りの影響による債券価格低下に伴う利回り上昇を受けて反発し、米国市場の終盤には一時4.349%付近と4.3%台に戻していた債券利回りを受けては円売りドル買いが入り、前ニューヨーク終値比では対ドルの円相場は大幅な下げ幅を縮小したが、小幅な円安ドル高のニューヨーク終値に向けた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円64銭付近から、円の高値でドルの安値の146円1銭付近の値幅約1円63銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は146円15銭付近と、前営業同時刻の146円9銭付近のニューヨーク終値相当時間比で約6銭の小幅な円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今朝7時過ぎに米国政府のドナルド・トランプ大統領が、「イスラエルとイランが、完全かつ全面的な停戦で合意した」と発言し、「イスラエルとイランの両国が12日間の戦争を終わらせるための持久力や勇気、知性を示したことに、心から感謝する」と、自己運営のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS / Social Networking Service) のトゥルース・ソーシャル (Truth Social) に投稿したことを受けて、中東情勢への警戒感が更に緩和され、今朝8時45分頃には対ドルの円相場は一時145円70銭付近に上昇したため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場も一時145円92銭付近と145円台の始値となり、147円台だった前東京終値比では今日の日本市場は大幅な円高ドル安になった。

ただし、今朝までの米国主要株価三指数の上昇や原油先物価格の低下を受けて、今日の東京株式市場では日経平均株価が大幅高から始まった株価影響では、低リスク通貨の円売り抵抗も入った今朝9時8分頃の一時145円94銭付近は今日の日本市場の円の安値でドルの高値となった。

しかし、イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相はソーシャルメディアのX(旧ツイッター)の投稿で、「イスラエルが、テヘラン現地時間の本日6月24日午前4時 (日本時間の今朝9時30分) までに攻撃を止めれば、イランは応酬する意図はない」と発言しており、イスラエルとイランとの停戦合意について、「我々の軍事作戦の終了についての最終決定は、今後なされる」としたが、日本時間の今朝9時30分を過ぎると、セイエド・アッバス・アラグチ外相が「我が強大な軍隊の作戦はテヘラン現地時間の本日午前4時の最後の瞬間まで続いた」と発言し、イスラエルへの最後の攻撃を終えた停戦を示唆したことから、中東情勢への警戒感がさらに緩和され、主要通貨に対するドル売りと円の買い戻しが再び優勢になった。

これに対し、イスラエル軍も今朝のその「最後の瞬間」の頃に、イランからイスラエルにミサイルが複数回に渡り発射され、南部ベエルシェバで3人が死亡したと発表していたが、イランメディアは、今日の日本時間の午後13時から、「イランとイスラエルによる停戦協定が発効された」と報じ、「それから12時間のイラン停戦を行う予定」としたと発表したことから、原油先物価格が一時64ドル台に大幅な低下を見せ、日本の貿易赤字リスク減少により主要通貨に対する円の買い戻しが進んだ。

今日の午後15時30分に今日の日経平均株価は3万8790円56銭の終値をつけ、前日比436円47銭高の+1.14%の大幅高で大引けしたことはやや抵抗になったが、今日の国内債券市場では中東情勢の警戒感緩和の影響があり、安全資産の日本国債が売られて債券価格低下に伴う利回り上昇が起きたほか、今日の財務省の20年日本国債の入札結果が低調であったこともあり、他の種類の日本国債の利回りにも上昇圧が波及し、新発10年物の日本国債利回りが指標となる国内長期金利の上昇を受けては、円買いが続いた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、「イランとの停戦に同意した」と発言したとのニュースを受けて、午後からの欧州市場の参入と夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入でもドル売りが先行したため、夕方16時26分頃には対ドル円相場は一時145円0銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録し、1分間の値動きの中で瞬時に一時144.995と144円台をタッチした時間もあったが、一部報道が「イスラエル軍がイランからイスラエルに向けて発射されたミサイルを確認した」と報じ、たことで警戒感も燻り、世界的に流動性が高いドルは日本市場の安値後には買い戻しが入り、イスラエル国防相が「イスラエル軍にイランへの強力な対応を指示」との発言をした影響もあり、市場終盤の夕方16時54分頃にはドルは円相場で一時145円41銭付近に下げ幅を縮小したが、前東京終値比では大幅な円高ドル安の東京終値に向けていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円28銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の147円34銭付近の前東京終値比で約2円6銭の大幅な円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定と米国債入札などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に1〜3月第1四半期米国経常収支、今夜22時に4月米国住宅価格指数と4月米国S&Pケース・シラー住宅価格指数、今夜23時に6月米国消費者信頼感指数と6月米国リッチモンド連銀製造業指数、そして今夜23時頃からFRBのジェローム・パウエル議長の要人発言予定が半期に1度の議会証言が米国下院銀行委員会であり、続いて25時30分頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国ニューヨーク連邦準備銀行 (連銀) のジョン・ウィリアムズ総裁の発言予定と、26時に米国2年債入札、27時頃から同じくFOMC投票権を持つFRB高官の米国ボストン連銀のスーザン・コリンズ総裁の発言予定と、29時頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRBのマイケル・バー理事の発言予定などを控えている。

また、中東情勢などニュース続報の影響と、世界の株式市場や債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響と、米国通商交渉なども含めた世界の政治経済の影響に加えて、世界情勢と要人発言などのファンダメンタルズ分析のニュースは、最新経済指標データやテクニカル分析と共にFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロも、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は168円43銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の169円44銭付近の前東京終値比で約1円1銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、イスラエルとイランとの停戦合意が発表されたことを受けた中東情勢警戒感の緩和により、中東産の輸入原油依存率が約95%の日本の輸送コスト増加や貿易赤字拡大リスクが後退し、低リスク通貨の円の買い戻しが主要通貨に対して起きており、昨日の有事のドル買いの反動で売られていたドルに対してだけでなく、欧州ユーロや英国ポンドなどの主要通貨に対しても今日の日本市場では円相場が反発上昇していた。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は197円31銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の198円2銭付近の前東京終値比で約71銭の円高ポンド安になった。

ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1593ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1500ドル付近の前東京終値比で約0.93セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、昨日は週末の米国の軍事介入を受けた中東情勢緊迫化による地政学リスク回避のリスクオフ (Risk-off) の有事のドル買いで欧州ユーロが売られていたが、今日は中東情勢の停戦発表などを受けた警戒感緩和によりリスクオン (Risk-on) に転じたことから、ドル売りで欧州ユーロが買い戻されて反発上昇したほか、米国長期金利低下時のドル売りの影響もあった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年6月24日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時53分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時53分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:53の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 145.05 〜 145.06 −2.29 (円高)
ユーロ/円 168.22 〜 168.23 −1.22 (円高)
ユーロ/ドル 1.1596 〜 1.1597 +0.0096 (ドル安)
英ポンド/円 197.41 〜 197.47 −0.61 (円高)
スイスフラン/円 179.03 〜 179.09 −1.40 (円高)
豪ドル/円 94.44 〜 94.48 −0.17 (円高)

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