FXニュース:米消費者物価指数を控え

2025年6月11日
今日2025年6月11日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の144円66銭付近から、円の安値でドルの高値の145円25銭付近の値幅約59銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円14銭付近と、

 

東西FXニュース – 2025年06月11日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米中閣僚級通商交渉期待
  • 米中貿易枠組み実施合意
  • 日米主要株価指数が上昇
  • 米控訴裁判所が関税延長
  • 日財務省幹部の国債発言
  • 独長期金利上昇ユーロ高

今日2025年6月11日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の144円66銭付近から、円の安値でドルの高値の145円25銭付近の値幅約59銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円14銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の144円70銭付近の前東京終値比で約44銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨日の午後に発表された最新英国雇用統計の下振れを受けて、夕方に世界的な安全資産である米国債が買われて債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利低下時の円買いドル売りが入る中で、昨夜17時30分に欧州ユーロ圏のドイツの調査会社センティックス (Sentix) が発表した6月の欧州ユーロ圏投資家信頼感指数が前月のマイナス圏の−8.1と市場予想の−5.3を大幅に上回るプラス圏の0.2に改善し、1年ぶりの高水準となったことから欧州ユーロが買われて世界的に流動性が高いドルが売られた外貨影響の対ドル円相場への波及もあり、昨夜20時15分頃にドルは円相場で一時144円46銭付近に下落していた。

しかし、前日から英国ロンドンで開催されている米中閣僚級通商交渉のニュースがあり、米国政府のハワード・ラトニック商務長官が会場入りの際に、「協議は順調に進んでおり、10日は終日行われる見通しだ」と発言したことが話題になり、米中通商交渉進展への期待感によるドルの買い戻しも入り、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時144円59銭付近の始値と、ドルが円相場で反発していた。

米国ニューヨーク債券市場では、米中通商交渉の行方が注目される様子見ムードの中で、安全資産の米国債買いの影響による米国長期金利の低下が続き、昨夜21時20分頃には一時4.456%付近だった米国長期金利が昨夜22時25分頃には一時4.447%付近に低下したため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りが入り、昨夜22時29分頃にドルは円相場で一時144円40銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、米国ニューヨーク株式市場では、米中通商協議進展への期待感が高まり、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が反発上昇してマイナス圏からプラス圏に転じたほか、米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) もプラス圏で上昇したため、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りや安全資産の米国債売りが入った影響では、米国ニューヨーク債券市場で昨夜22時50分頃の一時4.445%付近を底に米国長期金利も反発上昇し、深夜24時15〜30分頃にかけて一時4.478%付近で高止まりを見せた後にも高利回りを維持していたため、午前1時31分頃にドルは円相場で一時145円4銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

来週6月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達はイベント週を控えた発言自粛のブラックアウト (Blackout) 期間入りをしており要人発言はないものの、金利先物動向から市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ・ツール (FedWatch Tool) では、先週末の最新米国雇用統計の上振れを受けて、次回の米国政策金利の据え置き予想値が99.9%付近と市場で確定値と考えられている70%を大幅に超えており、その次の7月も85.5%と確定値超えが続いており、米国政府のドナルド・トランプ大統領の米国利下げ要求の政治圧の一方で、当面の間の米国政策金利の先高観の市場織り込み度が高止まりしていたことも影響を及ぼしていた。

とはいえ、今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標でインフレ指標の5月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントを控えており、物価安定と雇用最大化の二大責務を持つデータを重視のFRBのFOMCイベントリスクが意識されたことでは、市場高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整が入り、ドルは円相場で上昇幅を縮小した。

一方で、米国ニューヨーク債券市場では、午前2時の米国3年債の入札後にも米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が4.47%台付近で高止まりを続け、米中貿易交渉期待感が続く中で米国主要株価三指数が揃って前日比で高値の終値をつけて株引けすると、低リスク通貨の円売りや安全資産の米国債売りの影響で今朝6時頃のニューヨーク終値の頃の米国長期金利は一時4.480%付近に上昇しており、ドルは円相場で底堅い値動きを見せた。

米国政府のハワード・ラトニック商務長官は、「中国との米中通商協議は非常に上手く行っている」と発言したことが話題になり、「必要ならば、米中通商協議は明日6月11日まで続く可能性がある」と述べていたことなどがニュースで報じられていた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の144円40銭付近から、円の安値でドルの高値の145円4銭付近までの値幅約64銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円87銭付近と、前営業日同時刻の144円57銭付近の前ニューヨーク終値比で約30銭の円安ドル高をつけた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) などが、英国ロンドンにおける米中通商協議で以前にスイスのジュネーブにおける米中協議で合意した「ジュネーブ合意実施の枠組みで合意」と報じ、米国政府のハワード・ラトニック商務長官が、「中国のレアアース (Rare-Earth Elements / 希土類) の問題は解決されるだろう」とポジティブな見解を述べたほか、中国政府の李成鋼商務次官も、「今回、成し遂げた前進が、信用醸成にプラスとなることを望む」と発言したことが話題になり、米中貿易摩擦への警戒感が緩和され、今朝8時18分頃にドルは円相場で一時145円16銭付近に上昇した。

一時145円台の高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入ったことでは今朝8時50分頃にドルは円相場で一時144円80銭付近に上昇幅を縮小したものの、今朝8時50分には日本の最新経済指標の発表があり、5月の日本国内企業物価指数は、前月比が前回と市場予想の0.2%と前回上方修正の0.3%を下回るマイナス圏の−0.2%に鈍化し、前年同月比も前回の4.0%と前回上方修正の4.1%と市場予想の3.5%を下回る3.2%に鈍化したことではドルは円相場で反発し、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時144円84銭付近の始値になった。

ただし、「米国連邦巡回区控訴裁判所は、米国国際貿易裁判所による第二次ドナルド・トランプ米国政権の関税差し止め命令の一時停止の延長を認めた」と報じられた今朝のニュースを受けては、日本や欧州などの米国関税交渉が難航中の各国の米国トランプ関税がより長期間維持できると米国控訴裁判所が判断したことへの懸念が燻り、ドルが売られて低リスク通貨の円が買われ、今朝9時16分頃に対ドル円相場は一時144円66銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては、日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入り、市場安値後のドルは円相場で反発上昇に向けたほか、今日の東京株式市場でも今朝早朝までの米国主要株価三指数の高値引けの影響を受けて今日の日経平均株価が上昇し、プラス圏の推移を続けていた株価影響によるリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りが続き、今日の午後15時30分の3万8421円19銭の前日比209円68銭高の+0.55%の終値に向けていた今朝15時29分頃に、ドルは円相場で一時145円25銭付近と今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

とはいえ、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のクリスティーヌ・ラガルド総裁が、中国人民銀行主催の会合で講演し、「強制的な貿易政策は持続可能な解決策ではない」ことや、「第二次ドナルド・トランプ米国政権の関税政策により、国境を超えた商取引の緊張がかつてないほど高まっている」と発言し、「強制的な貿易政策は報復を招き、相互に損害を与える結果をもたらす可能性がはるかに高い」と警告したことはドル上昇時の抵抗になった。

また、日本の国内国債市場では今年の5月以来、30年物や40年物などの超長期物の日本国債の価格の低迷や入札の不調が続いていたことなどから、市場観測で広がっていた当局による超長期国債の買い入れ消却について、日本政府の財務省幹部が米国ブルームバーグ通信に電子メールで、「市場で観測が広がる超長期債の買い入れ消却について方針を固めたという事実はない」とした上で、「当局としては、7月からの実施は現実的ではなく、想定していない」と答えたというニュースも、今日の日本市場で円買い戻しの抵抗が混ざる話題になった。

一方、米国政府のハワード・ラトニック商務長官が、「レアアース問題が解決されれば、米国の輸出規制は緩和される可能性」について発言していた影響では、今日の日本市場で市場高値を記録後のドルは利益確定売りや持ち高調整などの抵抗を交えながらも底堅い値動きを見せ、時間外の米国債券取引で米国長期金利は午後15時38分頃に一時4.494%付近に上昇後の一時反落後にも反発し、今夜17時の東京終値の頃にも一時4.491%付近であったため、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場参入後の今夜17時のドル円は145円台に留まった東京終値に向けた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円14銭付近で、昨夜17時の144円70銭付近の前東京終値比では約44銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表イベントや米国債入札などを控えており、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に重要インフレ指標の5月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントがあり、続いて、今夜23時30分に週間米国原油在庫、26時に米国10年債入札予定、27時に5月月次米国財政収支などを控えている。

また、世界の株式市場や債券市場やコモディティ市場などの為替相場の影響と、各国との米国通商交渉なども含めた政治経済の影響に加えて、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースも、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

なお、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達は来週のFOMCを控えたブラックアウト期間で発言予定は特に予定されていない。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は165円73銭付近で、昨日の夜17時の164円88銭付近の前東京終値比で約85銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、先日の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のクリスティーヌ・ラガルド総裁やECB理事会メンバーの「欧州利下げサイクルが終わりに近づいた」との発言後の影響が続いていたほか、今日の日経平均株価続伸を受けたリスク選好のリスクオンにより、低リスク通貨の円がドルだけでなく欧州ユーロや英国ポンドなどに対しても売られていた。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は195円65銭付近と、昨日17時の194円99銭付近の前東京終値比で約66銭の円安ポンド高だった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1419ドル付近で、昨夜17時の1.1395ドル付近の前東京終値比で約0.24セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、米中通商交渉進展を受けてはドル買いもあったが、今夜この後の米国消費者物価指数 (CPI) 発表イベント前のイベントリスクもあり、ドルの利益確定売りや持ち高調整が入り欧州ユーロが買い戻されたことに加えて、今日の夕方には欧州利下げサイクル終了が近いことが意識された影響などもあって独長期金利が上昇しており、欧州ユーロがドルに対して反発上昇した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年6月11日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時41分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時41分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:41の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 145.14 〜 145.15 +0.44 (円安)
ユーロ/円 166.01 〜 166.03 +1.13 (円安)
ユーロ/ドル 1.1436 〜 1.1438 +0.0041 (ドル安)
英ポンド/円 195.89 〜 195.95 +0.90 (円安)
スイスフラン/円 176.52 〜 176.58 +0.48 (円安)
豪ドル/円 94.50 〜 94.54 +0.43 (円安)

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