FXニュース:米雇用統計市場予想以上

2025年6月09日
今日2025年6月9日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円95銭付近から、円の高値でドルの安値の144円10銭付近の値幅約85銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円12銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年06月09日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米雇用前月分は下方修正
  • 米失業率横ばい予想通り
  • 米平均賃金は予想上振れ
  • 米長期金利一時4.5%台
  • 米トランプFRB利下げ圧
  • 米主要株価三指数大幅高
  • 日経平均株価も高値引け
  • 今夜の米中ロンドン協議

今日2025年6月9日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円95銭付近から、円の高値でドルの安値の144円10銭付近の値幅約85銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円12銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の143円94銭付近の前東京終値比で約18銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の先週金曜日の夜18時の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロ圏総合の最新欧州重要経済指標の1〜3月第1四半期欧州域内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) 確定値の発表があり、前期比は前回速報値の0.3%と市場予想の0.4%に対し0.6%に上方修正され、前年同期比も前回と市場予想の1.2%を上回る1.5%に上方修正されたことを受けては欧州ユーロが低リスク通貨に円に対して買い戻されていた外貨影響の波及などがあり、先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時144円16銭付近の始値と、前東京終値比の円安ドル高から始まった。

米国市場では、先週金曜日の夜21時30分に世界的な注目を集めていた最新米国重要経済指標の5月の米国雇用統計の発表が始まり、5月米国非農業部門雇用者数 (NFP / Non-Farm Payrolls) は前回の17.7万人と前回下方修正の14.7万人と市場予想の13.0万人に対し13.9万人で、市場予想を上振れしたことでは発表の瞬間にドルは円相場で一時144円68銭付近に上昇したが、前回分の下方修正を受けては先週金曜日の夜21時33分頃に対ドル円相場は一時144円8 銭付近に反落し、米国市場の円の高値でドルの安値を記録したが、5月米国失業率は前回と市場予想通りの4.2%の横ばいとなり、5月米国平均時給は前月比が前回の0.2%と市場予想の0.3%を上回る0.4%に上昇し、前年同月比も前回の3.8%が3.9%に上方修正された上で、市場予想の3.7%を上回る3.9%に上振れしたことでは、安全資産の米国債売りで米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、ドルは円相場で反発上昇し、145円台に向けて上昇した。

5月の米国雇用統計の発表前の先週金曜日の夜21時25分頃には一時4.410%付近の4.4%台で推移していた米国長期金利は、発表後の4.5%台に向けて急伸したほか、米国ニューヨーク債券市場で先週土曜日の午前4時15分頃の一時4.515%付近に向けた大幅上昇に向け、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いと、米国雇用市場の堅調さを受けた米国景気減速懸念後退による米国主要株価上昇時の伴うリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円がドルなどに対して売られ、深夜24時9分頃にドルは円相場で一時145円9銭付近と145円台の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏の推移を続け、前営業日比で大幅高の終値に向けていた。

ただし、市場予想比で堅調な米国雇用統計を受けて、当面の間の米国政策金利据え置きの市場予想が高まる中で、米国政府のドナルド・トランプ大統領は、「米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の対応が遅すぎると大惨事」と、FRBのジェローム・パウエル議長に対する非難を継続し、米国政策金利の1%の大幅利下げを要求する発言があるなど米国中央銀行制度にあたるFRBの独立性に対する政治圧力への懸念が燻ったことでは、一時145円台の市場高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整の抵抗も入り始めた。

また、米国と中国との米中貿易交渉について、週明けの今夜に米国と中国の閣僚級の関税協議が英国ロンドンで予定されることが明らかになったことで、交渉進展期待感と共にイベントリスクも意識される中で、米国内のニュースでは、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで第二次ドナルド・トランプ政権の移民政策に対する抗議運動が起きるなどの抵抗もあった。

一方、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のミシェル・ボウマン理事の発言があり、FRBの銀行監督担当副議長就任にあたり、内部データでは2024年前半に米国大手銀行の3分の2が「不十分」と評価された一方で、大半は監督当局による資本と流動性の要件を満たしていたとされるなど、「財務状況と監督評価との間のこの奇妙な不一致は、慎重な見直しと現在の評価手法の適切な修正を必要とする」と指摘し、「大手銀行への現在の評価の枠組みでは単一項目に対する評価が不十分なだけで経営が不適切とみなされる可能性があり、それが経営の健全性と財務状況との間の不一致を生んでいる」と対処する考えを示していた。

続いて、先週土曜日の午前4時頃に発表された最新米国経済指標の4月米国消費者信用残高は、前月比が前回の101.7億ドルが前回86.0億ドルに下方修正されたものの、市場予想の100.0億ドルを上回る178.7億ドルに上振れしており、4月の米国信用成長が市場予想を上回るなど、ドルは円相場で下押し後にも144円台後半に留まっていた。

米国主要株価三指数が大幅高で終値をつけた株価リスク選好のリスクオンでは、低リスク通貨の円売りだけでなく安全資産の米国債売りの影響も続き、米国ニューヨーク市場の終値の頃の米国長期金利も一時4.512%付近と、日米金利差の影響もあり先週末の米国市場では前営業日比で大幅な円安ドル高のニューヨーク終値に向けた。

このため、先週金曜日の夜21時頃から先週土曜日の朝5時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の144円8銭付近から、円の安値でドルの高値の145円9銭付近までの値幅約1円1銭で、先週土曜日の朝5時55分頃のニューヨーク終値は144円85銭付近と、前営業日同時刻の143円53銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円32銭の大幅な円安ドル高をつけて、週末を迎えていた。

週末のニュースでは、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで起きていた第二次ドナルド・トランプ政権の移民政策に対する抗議運動が暴動に発展し、ドナルド・トランプ大統領が「不法移民と犯罪者によって占拠された」と発言し、国土安全保障省長官や国防長官達に愛し、「移民による侵略からロサンゼルスを解放し、暴動を止めるのに必要な行動を取るよう指示する」と、兵隊出動などの事件が嫌気された。

また、米国主要株価三指数が大幅高で終えた後に、第二次ドナルド・トランプ米国政権で審議が進んでいる米国関税政策の合法化に関する市場予想と共に、今年の春の米国税制と歳出法案の中にあったセクション899と呼ばれる内国歳入法899条も再び話題になり、米国が不公正と見なす課税国および地域の企業や個人投資家の米国投資などでの収益額に対しても報復課税の内容があったことなどへの警戒感も燻っていた。

週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、主要通貨に対するドル売りが先行したほか、今朝8時50分に発表された日本の最新重要経済指標の1〜3月第1四半期日本実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) 改定値が、前期比は前回と市場予想の−0.2%が0.0%に上方修正されており、同GDPは年率換算も改定値が前回と市場予想の−0.7%から−0.2%に上方修正されたほか、同時発表の4月二本国際収支の貿易収支も前回の5165億円と市場予想の−1748億円に対し−328億円と市場予想ほど赤字額が増加しなかったことなどでも円の買い戻しが起きた影響から、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時144円69銭付近の始値であった。

先週末の米国主要株価三指数の大幅高の影響では、今朝の東京株式市場でも今日の日経平均株価がプラス圏に上昇して始まり、株価上昇時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円売りがあったほか、今朝9時55分の週明けの日本市場の仲値決済では日本企業の輸入実需や準備金の円売りドル買いが優勢で、今朝9時58分頃にドルは円相場で一時144円95銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、続いては日本企業の円買いドル売りが入り始めたほか、今日の日本市場の時間外の米国債券取引では、世界的な安全資産でもある米国債の安値からの買い戻しが入っており、今朝の一時4.5%台から今夜17時頃の一時4.486%付近の4.4%台に向けて米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇幅を縮小しており、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りも入った。

今日の日経平均株価はプラス圏の推移を続けたまま、午後15時30分頃に3万8088円57銭の終値をつけ、前営業日比346円96銭高で+0.92%の高値で大引けしたことでは低リスク通貨の円売りの影響は抵抗になっていた。

しかし、午後からの欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の参入では、今夜に英国ロンドンで米中関税協議のイベントを控え、また今週水曜日には最新米国重要インフレ指標の5月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表のイベントも控える中で、米国長期金利低下時のドルの利益確定売りや持ち高調整などの影響があり、今夜17時0分頃の1分間の値動きの中で、ドルは円相場で瞬時144円10銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録し、先週末の大幅な円安ドル高から小幅域へと円相場が反発していた。

そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円12銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の143円94銭付近の前東京終値比では約18銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官はブラックアウト期間入りで発言予定はないものの、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に4月米国卸売売上高と、深夜頃に5月の米国ニューヨーク連邦準備銀行のインフレ期待などを控えている。また、英国ロンドンに昨日から13日まで中国政府の何立峰副首相が滞在しており、本日付けで米中閣僚級協議を米国のスコット・ベッセント財務長官達と開催予定である。

また、世界の株式市場や債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、各国の米国関税交渉なども含めた政治経済の影響に加え、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースも、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は164円61銭付近で、先週金曜日の夜17時の164円44銭付近の前東京終値比で約17銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、日経平均株価上昇を受けたリスクオンで、今日は低リスク通貨の円が欧州ユーロや英国ポンドなどに対して売られやすかった。

英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は195円50銭付近と、先週金曜日17時の194円95銭付近の前東京終値比で約55銭の円安ポンド高だった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1423ドル付近と、先週金曜日の夜17時の1.1425ドル付近の前東京終値比で約0.02セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、先週末の最新米国雇用統計を受けたドル上昇時の影響が残ったが、上昇幅は縮小していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年6月9日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時1分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時1分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:36の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 144.02 〜 144.03 +0.70 (円安)
ユーロ/円 164.52 〜 164.53 +0.94 (円安)
ユーロ/ドル 1.1422 〜 1.1424 +0.0011 (ドル安)
英ポンド/円 195.11 〜 195.17 +0.72 (円安)
スイスフラン/円 175.35 〜 175.41 +0.61 (円安)
豪ドル/円 93.50 〜 93.54 +0.32 (円安)

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