FXニュース:日銀総裁債券利回り警戒

2025年5月28日
今日2025年5月28日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の143円85銭付近から、円の安値でドルの高値の144円77銭付近の値幅約92銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円16銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年05月28日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日国債発行計画修正観測
  • 欧米株価上昇時の円売り
  • 米国消費者信頼感上振れ
  • 財務相国債懸念認識発言
  • 40年物国債入札倍率2.2
  • 新RBNZ予想通り利下げ後

今日2025年5月28日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の143円85銭付近から、円の安値でドルの高値の144円77銭付近の値幅約92銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円16銭付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の143円71銭付近の前東京終値比で約45銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨夜の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨日の日本市場の午後に「財務省が2025年度国債発行計画の見直し検討」や、「財務省が6月20日に国債市場特別参加者 (PD / Primary Dealers / プライマリー・ディーラー) 会合を開く」、「需給の悪化を踏まえ、超長期債の発行計画を修正するとの観測浮上」などのニュース観測報道を受けた日本国債買いで国債価格上昇に伴う利回り低下が起き、国内長期金利低下時の日米金利差拡大を受けた低金利通貨の円売りで高金利通貨のドルや英国ポンドなどへの円安の影響が続いていた。

また、昨夜には欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) が続伸しており、欧州主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) でも低リスク通貨の円が売られて欧州ユーロなどの主要通貨が買われていた株価影響の円相場下落圧の外貨波及もあり、昨夜19時49分頃と19時55分頃にドルは円相場で一時144円18銭付近と144円台への大幅な上昇を見せていたが、ドルが円相場で二度目の高値を上抜けできなかったことでは、テクニカル分析的なダブルトップ (Double Top) の売りサインを受けた利益確定売りや持ち高調整の抵抗も入り、昨夜21時頃から始まった米国連休明けの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時144円9銭付近の始値であった。

米国市場では最新米国経済指標の発表があり、昨夜21時30分の4月米国耐久財受注は、前月比が前回の9.2%と前回上方修正の7.6%と市場予想の−7.9%に対し−6.3%で、輸送用機器を除くコアの前月比も前回の−0.0%と前回下方修正の−0.2%と市場予想の−0.1%に対し0.2%と市場予想ほどの悪化は見せなかったが、続いて昨夜22時に発表された3月米国S&P/ケース・シラー住宅価格指数の前年同月比は前回と市場予想の4.5%を下回る4.1%に下振れし、3月米国住宅価格指数の前月比も前回の0.1%と前回下方修正の0.0%と市場予想の0.1%を下回るマイナス圏の−0.1%に予想比で下振れし、1〜3月四半期米国住宅価格指数の前期比も前回の1.4%から0.7%に低下したことではドルが売られて、昨夜22時6分頃に対ドル円相場は一時143円88銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、米国連休明けの米国ニューヨーク株式市場が始まると、先週末の米英連休前に利益確定や持ち高調整で売られた株の買い戻しが入っており、米国主要株価三指数がプラス圏から始まって上昇トレンドを見せたため、欧米株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響ではドルは円相場で反発し、対ドル円相場は再び144円台に向けて上昇した。

さらに、昨夜23時に発表された最新米国経済指標の米国コンファレンス・ボードの5月米国消費者信頼感指数が、前回の86.0と前回下方修正の85.7と市場予想の87.2を大幅に上回る98.0に上振れした影響により、安全資産の米国債売りが入り、米国債券価格低下に伴う利回り上昇の影響により、一時低下していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反発し、昨夜23時に一時4.485%付近に上昇し、低リスク通貨の円相場だけでなく欧州ユーロなどの他の主要通貨に対するドル買いも入った外貨影響が対ドル円相場に波及し、昨夜23時40分頃にはドルは円相場で一時144円46銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

一方、米国ニューヨーク債券市場では、今朝未明の午前2時に米国2年債の入札があり、第二次ドナルド・トランプ米国政権による米国外の米国相互関税政策で米欧貿易摩擦懸念は延期により一時緩和されてはいたが先行きの不透明感は依然としてして燻っていたほか、米国内のトランプ減税による米国財政悪化懸念への警戒感も燻っており、先日の米国信用格下げ後も依然として世界的な安全資産としての認識が残る米国債の買い戻しも入ったことでは、債券価格上昇に伴う利回り低下により上昇後の米国長期金利が入札後の午前4時頃に一時4.431%付近まで反落したことでは、市場高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入ったが、その後の米国市場終盤の午前5時15分頃には一時4.455%付近まで再び反発した影響では、ドルは円相場で144円台に留まる形で上昇幅を縮小した。

この原因として、米国ニューヨーク株式市場では米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏で上昇し、前営業日比で大幅高の終値をつけていた欧米株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りや安全資産売りの影響があった。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の143円88銭付近から、円の安値でドルの高値の144円46銭付近までの値幅約58銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円33銭付近で、世界市場の前日同時刻の142円83銭付近の前ニューヨーク終値相当時間比で約1円50銭の大幅な円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時144円13銭付近の始値であったが、今朝9時頃から日本銀行 (日銀 / BoJ / bank of Japan) の植田和男総裁などが衆院財務金融委員会に出席しており、答弁で先日2025年5月20日の20年物の日本国債入札が記録的な不調に終わって以来、国内超長期債が不安定さを増し、30年や40年債利回りが過去最高を更新していた最近の国内超長期金利上昇について、経済への影響がより大きい中期・短期金利ゾーンに影響が波及する可能性があることに留意が必要だとの分析を示し、その上で超長期金利が大きく変動した場合、「その影響が長期さらには短中期金利に及ぶ可能性もある点に留意しつつ、今後の市場動向あるいは経済への影響について注意深く見ていきたい」と発言して利回りへの懸念を見せたことでは、次回6月16〜17日の日銀金融政策決定会合での国債買い入れ減額計画の中間評価を控えていることもあって円の買い戻しが入ったことなどでは、今朝9時30分頃に対ドル円相場は一時143円85銭付近と一時143円台に円が反発し、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、続いては加藤勝信財務相が、「最近の国債利回り上昇の背後にある市場の懸念を認識している」と発言したことを受けては、昨日の午後の円売りの原因となった日本国債発行計画見直し観測報道で超長期債を減額して短中期債を増額する発行期限の調整を行う可能性が再び市場で意識され、市場高値後の円の利益確定売りや持ち高調整が入る中で、債券利回りの日米金利差を受けた円売りドル買いやショートカバーなどが入ってドルは円相場で反発し、今朝10時9分頃には対ドル円相場は一時144円76銭付近と、ドルは円相場で再び144円台に上昇した。

今朝11時頃には、時間帯が近いオセアニア市場で、ニュージーランドの中央銀行にあたるニュージーランド準備銀行 (RBNZ / Reserve Bank of New Zealand) の新政策金利発表があり、市場予想で優勢であった通りにこれまでの3.50%から3.25%へと0.25%の追加利下げを決定したが、その後の正午12時頃からの記者会見のRBNZのクリスチャン・ホークスビー総裁の発言では、「新政策金利は大幅に引き下げており、その効果はまだ経済全体に十分に浸透していない」と様子見姿勢を見せたほか、「今後の金融政策については経済指標や状況の変化に応じて判断する」とし、「世界経済や貿易政策の不透明感が高い中、リスクを慎重に見極めていく」と今後の追加利下げには慎重な姿勢を示したことに続き、 チーフエコノミストのポール・コンウェイ氏が「新政策金利が3.25%になり、中立ゾーンに入った」と発言したことで今後の追加利下げ予想が後退したニュージーランドドルの買い戻しが入っていた。

また、今日の東京株式市場でも、今朝早朝の米国主要株価三指数の大幅高を受けて、今朝は日経平均株価が大幅高から始まっていたことでは、正午12時33分頃にも株価上昇時の低リスク通貨の円売りの影響や外貨影響の波及などにより、ドルは円相場で一時144円76銭付近の高値圏を再記録していたが、今後も日銀の追加利上げ方向が維持されることや米国相互関税交渉が日米間でまだまとまっていないことなどへの警戒感もあり徐々に上昇幅を縮小していったことは抵抗になったが、プラス圏の推移を続けていた午後14時20分頃にはドルは円相場で一時144円77銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、今日の国内債券市場では、財務省の40年物日本国債の入札があり、今朝11時50分の申し込み締め切り後の午後14時から日本国債市場特別参加者を対象に非価格競争入札を実施し、昨日のニュースを受けて超長期日本国債の需給改善観測が市場で高まっていたことでは期待感があったが、結果は応札倍率が2.21倍と前回の2.92倍を下回る弱い結果となり、投資家の需要が乏しい低調であるとの市場の受け止めがあり、最高落札利回りが市場予想を上回り、需給不安による国内金利の先高観が強まり、市場安値後の円の買い戻しとドルの利益確定売りや持ち高調整が起きたほか、国内金利上昇への警戒感から市場終盤の日経平均株価が今朝からの上昇幅の縮小後にわずかながらもマイナス圏に達し、午後15時30分頃に3万7722円40銭の終値をつけ、前日比1円71銭安の小幅安に転じたことでも、低リスク通貨の円の買い戻しが入った影響では、市場安値後の対ドルの円相場は一時大幅だった下げ幅を小幅域へと縮小していた。

ただし、財務省の40年物国債入札では、その後の第二非価格競争入札では予想以上の落札があった続報もあり、他の年度の国内長期債にも国債買いが波及したことでは、新発10年物国債利回りが指標となる国内長期金利が反落し、債券利回りの日米金利差の影響では日本市場終盤の利益確定や持ち高調整の中でもドルは円相場で144円台に留まっていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円16銭付近で、昨夜17時の143円71銭付近の前東京終値比では約45銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定と米国債入札予定や米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の前回5月6〜7日開催分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の議事録の公開予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜20時に米国MBA (Mortgage Bankers Association / 米国抵当銀行協会) 住宅ローン申請指数、今夜23時に5月米国リッチモンド連銀製造業指数、26時に米国5年債入札予定、27時に米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事要旨発表などを控えている。

また、今夜から明日早朝の米国株式市場の株引け後の時間となる予定であるが、米国エヌビディア (NVIDIA) の決算報告予定なども控えており、世界の株式市場や債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響と、世界経済と欧州や各国との米国関税政策なども含めた政治などの影響に加え、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は163円29銭付近で、昨日17時の163円2銭付近の前東京終値比で約27銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、先ほどの第二非価格競争入札結果を受けた国内債券価格上昇に伴う利回り低下では、東京終値時点でもドルが円相場で円安ドル高の144円台に留まったほか、欧州ユーロや英国ポンドなどの高金利通貨に対しても小幅な円安の為替相場に影響を与えていた。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は194円59銭付近と、昨日の夜17時の194円42銭付近の前東京終値比で約17銭の円安ポンド高だった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1328ドル付近と、昨日の夜17時の1.1344ドル付近の前東京終値比では約0.16セントのユーロ安ドル高だった。

主な要因は、今日の東京株式市場終盤に今日の日経平均株価が上昇幅を縮小して小幅安に反落していたが、今日の夕方の欧州株式市場でも欧米関税交渉を見極めたいという様子見の値動きもあって、プラス圏で始まった独DAXが反落に向け、リスクオン時に買われた欧州ユーロが売られてドルが買い戻される値動きもあった。

また、今日は最新欧州経済指標の発表もあり、午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの4月独輸入物価指数の前月比と前年同月比が共に市場予想以下のマイナス圏になり、午後15時45分のフランスの4月仏消費支出も市場予想以下で、4月仏卸売物価指数 (PPI / Producer Price Index) の前月比も前回の−0.6%と前回修正の−0.5%に対し−4.3%と大幅に鈍化しており、夕方16時55分のドイツの5月独失業者数の前月比は前回の0.40万人と前回上方修正の0.60万人と市場予想の1.00万人に対し3.40万人に悪化し、欧州シェンゲン域内では労働者の自由移動が可能なため、5月独失業率は前回と市場予想通りの6.3%の横ばいに留まったが、市場予想以下の指標を受けた欧州ユーロ売りで世界的な流動性が高いドルが買い戻されていた時間があった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年5月28日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時53分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時53分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:53の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 144.25 〜 144.26 +0.41 (円安)
ユーロ/円 1.1328 〜 1.1330 +0.61 (円安)
ユーロ/ドル 1.1342 〜 1.1344 −0.0016 (ドル高)
英ポンド/円 194.73 〜 194.79 +0.31 (円安)
スイスフラン/円 174.27 〜 174.33 +0.06 (円安)
豪ドル/円 92.91 〜 92.95 +0.23 (円安)

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