FXニュース:今夜米雇用統計発表控え
2025年5月02日
東西FXニュース – 2025年05月02日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米ISM製造業景況予想以上
- 米中関税交渉進展期待感
- 日米主要株価指数が上昇
- 日米関税交渉は5月継続
- 米イベントリスクの調整も
今日2025年5月2日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の145円92銭付近から、円の高値でドルの安値の145円4銭付近の値幅約88銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円13銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の144円33銭付近の前東京終値比で約80銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合と日本市場終了後の欧州市場はドイツやフランスなどが一部祝日休場であったが、夕方からの英国ロンドン外国為替市場でも日本の政策金利据え置きと早期の追加利上げ予想の後退を受けた当面の間の日米金利差が意識された日本市場時間の円売りドル買いの影響が続き、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時144円48銭付近の始値であった。
米国市場では、最新米国経済指標の発表が始まり、昨夜21時30分の前週分米国新規失業保険申請件数は前回の22.2万件と前回修正の22.3万件と市場予想の22.4万件よりも軟調な24.1万件で、前週分米国失業保険継続受給者数も前回の184.1万人と前回修正の183.3万人と市場予想の186.4万人よりも弱い191.6万人であったことではドル売りが入り、昨夜21時31分にドルは円相場で一時144円15銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録したが、日米金利差予想の影響が続いていたことではドルは円相場で反発上昇したが、続いて昨夜22時45分に発表された4月米国製造業購買担当者景気指数も前回の50.7と市場予想の50.5を下回る50.2であったことはやや抵抗になった。
しかし、昨夜23時に発表された景気関連の最新米国重要経済指標の4月米国ISM (Institute for Supply Management / サプライマネジメント協会) 製造業景況指数が、前回の49.0と市場予想の48.0に対し48.7と、市場予想よりも堅調であったことを受けては、米国景気減速懸念が緩和され、米国ニューヨーク債券市場で安全資産の米国債が売られて米国債券価格低下時の利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.1%台から4.2%台へと大幅な上昇を見せ、午前3時頃には一時4.242%付近に上昇したため、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いが起きた。
米国ニューヨーク株式市場でも、米国主要企業の決算報告シーズンの影響などで米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏で推移していたものが上昇し、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) でも低リスク通貨の円が売られたため、午前3時27分頃にドルは円相場で一時145円75銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
また、アメリカ合衆国国家経済会議 (NEC / National Economic Council) のケビン・ハセット委員長が、「関税に関する何らかのニュースが今日中にあるだろう」と発言したほか、「中国との通商交渉は順調に進んでいる」と述べたニュースが話題になり、米中関税交渉進展への期待感もドル買い要因となり、円だけでなく欧州ユーロや英国ポンドなどの主要通貨全般に対するドルインデックス (U.S. Dollar Index / ドル指数) も一時100.38付近に上昇した。
ただし、今夜この後の翌米国市場では米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が注視しているデータとして注目されている最新米国重要経済指標の4月の米国雇用統計の発表を控えるほか、来週の5月6~7日には米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) による米国政策金利や金融政策発表予定のビッグイベントを控えており、イベントリスクの影響では市場高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整の抵抗が混ざり始めた。
とはいえ、米国主要企業の決算報告シーズンの影響が続いていた米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って前営業日比の高値で終値をつけており、リスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響も続き、対ドル円相場は一時145円台の大幅な円安ドル高が進行していた。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の144円15銭付近から、円の安値でドルの高値の145円75銭付近の値幅約1円60銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は145円39銭付近と、前営業日同時刻の143円7銭付近の前ニューヨーク終値比で約2円32銭の大幅な円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間には、日本の最新経済指標の発表があり、今朝8時30分の3月の日本失業率は、前回と市場予想の2.4%に対し2.5%とやや軟化したものの欧米と比較すると完全雇用に近い堅調さを続けており、3月の日本有効求人倍率は前回の1.24と市場予想の1.25を上回る1.26に上昇し、ハローワークにおける企業の求人広告数に対する求職者数不足が深刻化していることを示唆していた。
今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時145円41銭付近の始値であったが、今朝のニュースで米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) などが、中国商務省は米国が中国との関税交渉の開始を期待して中国側に積極的に情報を伝えていることについて「評価している」と説明し、米国との米中関税交渉の可能性を検討しているという趣旨の談話を発表したと報じたこともドル買い要因となり、今朝9時33分頃にドルは円相場で一時145円92銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
今朝早朝の米国主要株価三指数の上昇を受けて、今朝の東京株式市場でも今日の日経平均株価がプラス圏で推移したことも、低リスク通貨の円売りで為替相場に影響を与えた。
国内ニュースでは、今朝早朝に日本政府の加藤勝信財務相が、為替について米国政府のスコット・ベッセント財務長官と協議することを確認したと述べたと日経新聞が報じていたが、今日の日米関税交渉の閣僚級協議後に赤沢亮正経済財政・再生相は、「為替と安全保障は議論を全くしていない」と発言したと報じられていたことでは、米国側の円安是正への警戒感は緩和していた。
とはいえ、二度目にあたる今日の日米関税交渉については、赤沢亮正経済財政・再生相が、「突っ込んだ話ができた」と報告したものの、日本政府は自動車と鉄鋼およびアルミニウムの25%の関税に加えて、90日間の一時停止期間中は10%である24%の米国相互関税の両方の米国関税率の引き下げを米国政府に求めていることに対して、米国政府は今回の関税協議では24%の米国相互関税の合意枠組み案を提示したと報じられて認識のギャップが指摘されるなど、今後の日米関税交渉継続に向けた期待感と不透明感が入り混じっていたが、「次回の閣僚間の協議を5月中旬以降、集中的に実施すべく日程調整していくことで一致をした」と述べていた。
なお、今日の午後15時30分に、今日の日経平均株価はプラス圏の推移のまま、3万6830円69銭の終値をつけ、前日比378円39銭高の+1.04%%で大引けした。
一方、午後からの欧州市場に続き、夕方から英国ロンドン外国為替市場が参入すると、今夜この後の最新米国重要経済指標の4月米国雇用統計の発表イベントを控えたイベントリスクのドルの利益確定売りや持ち高調整が勢いを増し、今朝の日本市場の高値を記録後の利益確定売りや持ち高調整が続いていたドルは円相場で上昇幅を縮小し、夕方16時6分頃に一時145円4銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、時間外の米国債券取引では、今朝は一時4.253%付近まで上昇していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、今朝の上昇幅を縮小しつつも、今夜17時頃の東京終値の頃にも一時4.220%付近と、4.2%台に留まっていたことでは、イベントリスクの中でも日米金利差の影響があり、ドルは円相場で底堅い値動きも見せていた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円13銭付近で、昨夜17時の144円33銭付近の前東京終値比では約80銭の円安ドル高になった。
今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標などの発表予定があり、日本市場の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に市場注目度の高い重要指標の4月の米国雇用統計の 4月米国非農業部門雇用者数変化と 4月米国失業率と4月米国平均時給などの発表イベント時間があり、イベント時の値動きが予想されている。続いて、今夜23時には、3月米国製造業新規受注なども発表される予定である。
また、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国関税交渉などを含む経済と政治影響に加えて、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料である。
これからの日本の大型連休のゴールデンウィーク時期を控えた世界FX市場では、日本市場休場時の海外市場での市場流動性などにも注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は164円37銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の163円31銭付近の前東京終値比で約1円6銭の大幅な円安ユーロ高であった。
主な要因は、昨日の日銀の金利据え置きと早期の追加利上げ予想の後退による金利差予想の円売りが今日も円相場に影響を及ぼし続けていたことに加えて、日米主要株価上昇を受けた株価影響のリスク選好のリスクオンでも低リスク通貨の円売りがリスクオン市場で買われやすい欧州ユーロや英国ポンドや豪ドルなどに対して起きており、外貨影響も波及していた。
そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は192円97銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の192円7銭付近の前東京終値比で約90銭の円安ポンド高であった。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1325ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1314ドル付近の前東京終値比で約0.11セントのユーロ高ドル安であった。
主な要因は、日米主要株価上昇時のリスク選好のリスクオンで欧州ユーロが買われやすかったことに対し、今夜この後の最新米国雇用統計の発表イベントを控えたイベントリスクではドルの利益確定売りや持ち高調整が入りやすかったことなどがユーロドル相場に影響した。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年5月2日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の18時52分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の10時52分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 18:52の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 144.45 〜 144.46 | +0.12 (円安) |
ユーロ/円 | 164.02 〜 164.04 | +0.71 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.1352 〜 1.1353 | +0.0038 (ドル安) |
英ポンド/円 | 192.30 〜 192.36 | +0.23 (円安) |
スイスフラン/円 | 175.62 〜 175.68 | +1.04 (円安) |
豪ドル/円 | 93.07 〜 93.11 | +0.90 (円安) |
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