FXニュース:米ダラス製造業景況悪化
2025年4月29日
東西FXニュース – 2025年04月29日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米長期金利低下時のドル
- 米ナズダック続伸後反落
- 今週米重要経済指標控え
- 日銀金融政策市場予想も
- 欧ECB利下げ継続予想
今日2025年4月29日火曜日の日本の東京外国為替市場は昭和の日の祝日休場ですが、今朝9時頃から今夜17時頃までの世界FX市場の東京外国為替市場相当時間の対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の142円6銭付近から、円の安値でドルの高値の142円58銭付近の値幅約52銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は142円37銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の143円66銭付近の前東京終値比では約1円29銭の大幅な円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨日の夕方の中国政府の米中関税交渉期待感を低下させるコメントの影響などがあり、ドルが低リスク通貨の円相場で下落していたため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時143円37銭付近の始値であった。
ただし、米国ニューヨーク債券市場では、米国債売りの影響で米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、昨夜22時頃に一時4.292%付近に上昇したことを受けては、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円買いドル売りの抵抗が入り、ドルは円相場で一時143円44銭付近に反発し、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、特に世界的な重要度が高い米国経済指標の発表が予定されていなかった昨夜の米国市場においても、昨夜23時に米国ダラス連邦準備銀行 (Federal Reserve Bank of Dallas) が毎月、米国テキサス州の製造業見通し調査を実施している景況感の4月の米国ダラス連銀製造業活動指数の発表があり、市場予想の−17.0を大幅に下回るマイナス圏の−35.8に下振れし、ドナルド・トランプ米国大統領の関税政策が起こした混乱を、企業経営者達が「カオス(Chaos / 混沌)」や「狂気」と表現し、高関税が今年のビジネスに悪影響を与えると60%近くがアンケート回答をしており、2020年5月以来、そしてコロナ禍以降の最低水準に悪化したニュースが市場で話題になり、安全資産の米国債の買い戻しが入り、米国債券価格上昇に伴う利回り低下により債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りが起き、昨夜23時41分頃にドルは円相場で一時142円60銭付近に下落した。
米国ニューヨーク株式市場でも、開場時には一時は揃ってプラス圏で始まっていた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が一時揃って反落してマイナス圏になったため、米国主要株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも安全資産の米国債買いと低リスク通貨の円買いが起きた。
その後、米国ダウ工業株 (DJIA) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500) は買い戻されて再びプラス圏の終値に向けたものの、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は買い戻されてもマイナス圏に留まり、前日比で小幅安の終値をつけたほか、米国ニューヨーク債券市場では安全資産の米国債買いの影響が続き、市場終盤の米国長期金利は一時4.209%付近に向けて低下していたため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響が続き、今朝5時21分頃にドルは円相場で一時141円98銭付近に大幅な下落を見せており、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
米国市場では、今週に最新米国重要経済指標の1〜3月第一四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) 速報値の発表イベントを控えるほか、3月の米国個人消費支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) 物価指数にあたる米国PCEデフレーターの発表予定と4月の米国雇用統計などの発表イベントも控えていることもあり、イベントリスクを控えた早期の利益確定や持ち高調整なども入っていた。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の143円44銭付近から、円の高値でドルの安値の141円98銭付近の値幅約1円46銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は142円1銭付近と、前営業日同時刻の143円67銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円66銭の大幅な円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、米国関税政策の不透明感や経済影響懸念が燻ったことでは、米国長期金利低下時のドル売りが入った影響では、今朝6時1分頃にドルは円相場で一時141円97銭付近と、ドルは円相場で米国市場の安値を下抜けしたが、その後には買い戻しが入り始めたため、今日の日本市場は祝日休場であったが、今朝9時頃の今日の東京外国為替市場相当時間の対ドル円相場は一時142円18銭付近の始値で、今朝9時15分頃の一時142円6銭付近が今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値となり、ドルは円相場で今朝までの大幅な下げ幅をやや縮小し始めた。
日本市場は祝日休場で世界市場の流動性が減少しており、円実需がなかったことではドルの買い戻しの影響が続いたほか、時間帯が近い世界FX市場では、今週4月30日~5月1日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合では、不透明感が残る米国政府のドナルド・トランプ米国大統領の米国相互関税政策の経済への影響の様子見などで日本の政策金利が据え置かれる市場予想が優勢であった影響では、当面の間の日米金利差予想の円売りドル買いも入り、昼の13時47分頃にドルは円相場で一時142円58銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。
午後からの欧州市場の参入ではドル売りの抵抗も入ったが、時間外の米国債券取引で夕方の米国長期金利が東京終値相当時刻の一時4.248%付近に向けて上昇していたことを受けては、英国ロンドン外国為替市場参入によるドルの買い戻しも入り、今朝までのより大幅な円高ドル安の下げ幅をやや縮めていた。
そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は142円37銭付近で、昨夜17時の143円66銭付近の前東京終値比で約1円29銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定があり、日本市場の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に 3月の米国卸売在庫と、今夜22時に 2月の米国S&P/ケース・シラー住宅価格指数と 2月の米国住宅価格指数、今夜23時に 3月米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数と4月米国消費者信頼感指数などの発表を控えている。
また、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国関税ディール交渉の行方などを含めた経済と政治影響に加え、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。
なお、今後の日本のゴールデンウィーク期間中にも、世界FX市場は平日開場予定の市場が多数あり、市場流動性や値動きに注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円34銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の163円1銭付近の前東京終値比で約67銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、昨夜に、米国政府のスコット・ベッセント財務長官が欧州ユーロ高ドル安に対し、「我々は強いドル政策を堅持している」と発言したほか、「欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) は欧州ユーロの押し下げのために追加利下げを行うだろう」と発言し、市場予想でも優勢であった欧州追加利下げ継続予想が高まり、欧州ユーロが一時売られた影響があったほか、対ドルでの大幅な円高ドル安の外貨影響が円高ユーロ安に波及した。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1404ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1347ドル付近の前東京終値比で約0.57セントのユーロ高ドル安であった。
主な要因は、先述の米国長期金利低下時の主要通貨に対するドル売りの影響があったほか、今日の大幅な円高ドル安の外貨影響もユーロドルにおけるドル下落圧として波及していた。
また、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の5月独GFK消費者信頼感調査が、前回の−24.5と前回修正の−24.3と市場予想の−26.0に対し−20.6と、前回や市場予想ほどの低下を見せなかったことも影響を及ぼした。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は191円7銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の191円16銭付近の前東京終値比で約9銭の円高ポンド安であった。
主な要因は、経済圏が近い欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドの円相場であるが、ポンドドルが上昇していた外貨影響の波及などでユーロ円よりも小幅域の下げ幅になっており、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜18時台には小幅な円安ポンド高への市場反転も見せている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月29日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の18時57分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の10時57分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 18:57の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 142.72 〜 142.73 | −0.94 (円高) |
ユーロ/円 | 162.46 〜 162.48 | −0.55 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.1382 〜 1.1384 | +0.0035 (ドル安) |
英ポンド/円 | 191.19 〜 191.25 | +0.03 (円安) |
スイスフラン/円 | 172.80 〜 172.86 | ±0.0000 (レンジ) |
豪ドル/円 | 91.51 〜 91.55 | +0.01 (円安) |
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