FXニュース:今夜から米FOMC始まる
2025年9月16日
東西FXニュース – 2025年09月16日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米利下げ日英欧維持予想
- 米トランプ大幅利下げ圧
- 米製造業景況指数が悪化
- 米ミランFRB理事に承認
- 欧米日主要株価指数上昇
- 日赤沢経済再生相の発言
- 日総裁選にタカ派候補も
今日2025年9月16日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円54銭付近から、円の高値でドルの安値の146円69銭付近の値幅約85銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円90銭付近と、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の147円47銭と比較すると約57銭の円高ドル安で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円46銭付近の前東京終値比では約56銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場は祝日休場であったが、昨日の午後から始まった欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜19時28分頃に一時4.059%付近に低下したため、債券利回りの日米金利差縮小を受けた金利差トレードの円売りドル買いの影響により、この時間にドルは円相場で一時147円25銭付近に下落していた。
一方、欧州株式市場では、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index / German Stock Index) が上昇しており、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) により、欧州ユーロや英国ポンドが世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルだけでなく低リスク通貨の円に対しても買われた外貨影響が対ドル円相場に波及したことや、世界的な安全資産の米国債に売りが入り、米国債券価格低下に伴う利回り上昇により米国長期金利が昨夜20時44分頃の一時4.082%付近に向けて反発したため、昨夜20時43分頃にドルは円相場で一時147円61銭付近に下げ幅を縮小した。
ただし、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、今週9月16~17日に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を控えてブラックアウト期間入りしている反論不可能な米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) に対し、「遅すぎだ。今すぐ金利を引き下げなくてはならない。しかも、当初の想定よりも大幅な引き下げだ。米国住宅価格が高騰する!」と発言するなどの米国大幅利下げ要求の政治圧を続けていたことでは、 市場の一部で燻っている米国大幅利下げの可能性が意識されたほか、FRBの政治圧からの独立性懸念などもありドルが売られて反落したため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円42銭付近の始値だった。
米国市場では、昨夜21時30分に最新米国経済指標の9月米国ニューヨーク連銀製造業景気指数の発表があり、前回プラス圏だった11.9と市場予想の4.8を大きく下回るマイナス圏の−8.7に下振れし、米国景気懸念が浮上したこともドル売り要因となり、安全資産の米国債が再び買われて米国長期金利が昨夜22時3分頃の一時4.040%付近に向けて急落したため、債券利回りの金利差トレードのドル売りも入り、昨夜22時2分頃にドルは円相場で一時147円23銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、時差で先行していた欧州株式市場の上昇に続き、昨夜22時30分頃から始まった米国株式市場でも、時間外のプレマーケットから米国主要株価三指数が上昇しており、前日には反落していた米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) が史上最高値で連日続伸中の米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) と共に揃ってプラス圏から始まり、一時抵抗を交えながらも上昇に向けた欧米株価上昇時のリスク選好のリスクオンの影響では、今週9月18〜19日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Band of Japan) の日銀金融政策決定会合で金利据え置き予想が優勢な低リスク通貨の円が売られやすくなり、市場安値後のドルは円相場で反発し、昨夜23時30分頃に一時147円47銭付近と昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値をつけたほか、昨夜17時の前東京終値相当時間のレベルに戻した。
しかし、欧州市場では、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 高官達の発言が話題になっており、 イザベル・シュナーベル専務理事が、「欧州金利水準は適切なレベルにある」と次回の欧州金利維持を示唆する発言をした一方で、「欧州インフレは上方リスクが優勢になりつつある」とややタカ派寄りの発言した影響もあったほか、オーストリアの中央銀行にあたるオーストリア国立銀行総裁のマーティン・コッハーECB理事も、「欧州のインフレリスクはかなり均衡しており、現在の金利は適切」と、欧州利下げサイクルの終了予想を高める発言をしており、また英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) にも次回の英国金利据え置き予想が市場で優勢になっていた影響もあり、欧州英国通貨に対するドルや円の下落圧が対ドル円相場に波及した影響では、ドルは円相場で揉み合いながらも世界的な流通量の多さからより下落したため、米国主要株価三指数が揃って高値引けした低リスク通貨の円売り抵抗を交える中でも小幅な円高ドル安のニューヨーク終値に向けた。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の147円23銭付近から、円の安値でドルの高値の147円47銭付近の値幅約24銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円40銭付近と、前営業日同時刻の147円68銭付近の前ニューヨーク終値比で約28銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のニュースでは、米国上院本議会が米国政府のドナルド・トランプ大統領が指名したスティーブン・ミラン氏の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 理事への就任を承認し、今夜この後の9月16日から米国現地時間の翌17日 (時差先行の日本時間では9月18日未明) にかけて開催される米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) にFRB理事として正式に出席する見通しとなった。
その一方で、米国連邦控訴裁は先日のドナルド・トランプ米国大統領による米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のリサ・クック理事の一方的な解任要求は認めないと解任の一時差し止めの判決を下しており、米国連邦地裁に続きドナルド・トランプ大統領の敗訴となったが、ドナルド・トランプ大統領側はすぐに米国連邦最高裁に申し立てる可能性が高い観測報道のニュースもあり、今夜から始まる米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国利下げ予想において、大幅か小幅か、そして今後の米国政策金利見通しのドットチャート (Dot chart / Dot pot / ドットプロットともいう) に市場の注目が集まった。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今朝6時6分頃にドルは円相場で一時147円30銭付近に下落したが、今日の時点では金利先物市場のデータを基に米国政策金利の市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウォッチ・ツール (FedWatch Tool) では、米国小幅利下げ予想値が96.1%台の優勢で、それに対する米国大幅利下げ予想値は3.9%付近に後退していた影響などがあり、今朝8時39分頃にドルは円相場で一時147円41銭付近に反発したため、今朝9時頃から始まった連休明けの今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時147円40銭付近であった。
日本市場では、昨夜から今朝早朝までの欧米主要株価上昇の影響などもあり、今朝の東京株式市場でも今日の日経平均株価がプラス圏から始まって上昇し、史上最高値続伸に向けた株価影響による低リスク通貨の円売りが先行した影響では、連休明けの日本企業の輸入実需の今朝の仲値決済における円売りドル買いの影響もあって、今朝10時26分頃に対ドル円相場は一時147円54銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、今朝の朝刊を含めて来月10月4日に投開票予定のフルスペック方式の自民党総裁選に向けた国内ニュース報道が続いており、日本銀行 (日銀 / BoJ / Band of Japan) の利上げに否定的だったハト派の高市早苗前経済安全保障担当相の他にも、利上げに肯定的なタカ派寄りとの一部観測などがあった候補達も出馬意向を表明し、小泉進次郎農林水産大臣、林芳正官房長官、小林鷹之元経済安全保障相、茂木敏充前幹事長、そして先週の世論調査で話題になった高市早苗前経済安全保障担当相を含めたおよそ五名の有力候補についての報道を受けて、今週の日銀金融政策決定会合では金利据え置き予想が優勢ではあるが、今年年内の日銀追加利上げ予想が復活してきたことや米国利下げ予想の影響もあって日米金利差縮小予想が意識された円買いが入り始めて対ドルの円相場が反発上昇した。
また、日本政府の赤沢経済再生相が、「日銀には引き続き、政府と緊密に連携し、物価目標に向けて適切な政策運営を期待」していることや、「金融政策の具体的な手法は、日銀に委ねられている」といった日本における中銀の政治圧からの独立性を尊重したより協調的な関係を強調する発言をしたことでも円が買われたため、米国政治圧による米国中銀の独立性懸念によるドル売りに対する円買いとなり、日銀の利上げに否定的な高市早苗前経済安全保障担当相が選出された場合にも、日銀の利上げ方向の維持に影響を与えない可能性からも先週に売られた円が買い戻されていた。
今日の日経平均株価は、利益確定売りによる一時抵抗を交えながらも反発上昇し、史上最高値を再び更新した後に、午後15時30分に4万4902円27銭の終値をつけて前営業日比134円15銭高の+0.30%上昇で高値の大引けし、株価影響による低リスク通貨の円売り圧が収まっていた一方で、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入後の夕方16時21分頃に時間外の米国債券取引では米国長期金利が一時4.027%付近に低下し、欧州英国通貨に対する米国長期金利低下時のドル売りと日米金利差予想による円買いドル売りが続き、その夕方16時21分頃にドルは円相場で一時146円69銭付近と146円台に下落し、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円90銭付近で、世界FX市場の昨夜17時の147円47銭と比べると約57銭の円高ドル安となり、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の147円46銭付近の前東京終値比では約56銭の円高ドル安になった。
ただし、今夜その後の欧州英国市場では、時間外の米国債券市場で米国長期金利が反発したことを受けたドルの買い戻しも入ったことでは下げ渋り、今夜17時32分頃などからドルは円相場で一時147円台への反発も見せ始めている。
今夜この後には米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に最新米国重要景気指標の8月米国小売売上高と、同時刻に8月米国輸入物価指数と8月米国輸出物価指数が発表され、今夜22時15分に8月米国鉱工業生産と8月米国設備稼働率、今夜23時に7月米国企業在庫と9月米国NAHB住宅市場指数と7月米国企業在庫などの発表を控えている。
また、今夜この後から始まる9月16~17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) と米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の終了後の定例記者会見におけるジェローム・パウエル議長の要人発言のビッグイベントを控えており、FRB高官達はFOMC後までの発言自粛のブラックアウト期間入りしているが、米国政府のドナルド・トランプ大統領や欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 関係者などの要人発言には注意が必要なほか、今週は9月18日の英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策会合 (MPC / Monetary Policy Committee) と9月18〜19日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Band of Japan) の日銀金融政策決定会合も控えるイベント満載の中銀ウィークである。
また、世界の株式市場と債券市場と金 (ゴールド) や原油先物価格などを含めたコモディティ市場などの為替相場への影響や、ウクライナや中東などの世界情勢と日本やフランスなどの世界の政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズニュースの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共にFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は173円25銭付近で、世界市場の昨夜17時の173円5銭付近と比べると約20銭の円安ユーロ高で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の173円13銭付近の前東京終値比では約12銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、欧米日主要株価上昇時のリスク選好のリスクオンで欧州ユーロや英国ポンドが低リスク通貨の円に対して買われやすかったほか、前述の通り、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の利下げサイクル終了予想の影響などによりユーロドルがユーロ高ドル安になっていた外貨影響が波及した。
そのため、ユーロドルも、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1794ドル付近で、世界市場の昨日17時の1.1735ドル付近と比べると約0.59セントのユーロ高ドル安で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.1740ドル付近の前東京終値比でも約0.54セントのユーロ高ドル安であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は200円20銭付近で、世界市場の昨夜17時の200円29銭付近と比べると約9銭の円高ポンド安で、日本市場の前営業日にあたる先週金曜日の夜17時の200円1銭付近の前東京終値比では約19銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、今週9月18日に 開催予定の英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策会合 (MPC / Monetary Policy Committee) では英国政策金利の据え置き予想が優勢になったことでは、ポンド円が200円台に乗せる円安ポンド高になっていたが、今週9月18日〜19日に開催予定の日本銀行 (日銀 / BoJ / Band of Japan) の日銀金融政策決定会合でも金利据え置き予想が優勢ではあるものの、自民党総裁選のニュース続報を受けて今年年内の日銀の追加利上げの可能性が市場で再び意識されたことなどから円の買い戻しが入って円相場が反発した。
また、今日の午後15時に最新英国経済指標の発表があり、8月英国失業保険申請件数が前回の−0.62万件が前回−3.33万件に改善の修正がされた一方で、今回分は1.74万件と悪化しており、8月英国失業率も前回の4.4%が4.3%に改善の修正がされた一方で今回分が4.4%に戻しており、国際労働機関 (ILO / International Labour Organization) 方式の7月英国失業率では前回と市場予想通りの4.7%の横ばいではあったが、英国財政懸念が燻る中で一時はマイナス圏に改善された英国失業保険申請件数が再びプラス圏になったことも、円相場で200円台に上昇後の英国ポンドの上値を抑えた為替相場の値動きに一時影響を与えていたが、今夜その後の英国市場では再び円安ポンド高に戻す市場反転なども見せている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年9月16日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時45分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時45分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されていることには注意が必要である。
通貨ペア | JST 19:45の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
ドル/円 | 147.04 〜 147.05 | −0.43 (円高) |
ユーロ/円 | 173.62 〜 173.63 | +0.57 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.1806 〜 1.1808 | +0.0071 (ドル安) |
英ポンド/円 | 200.47 〜 200.53 | +0.18 (円安) |
スイスフラン/円 | 185.78 〜 185.84 | +0.61 (円安) |
豪ドル/円 | 98.00 〜 98.04 | −0.25 (円高) |
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