FXニュース:今週米英日金融政策会合
2025年9月15日
東西FXニュース – 2025年09月12日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米消費者態度指数下振れ
- 米期待インフレ5年上昇
- 米長期金利が下げ幅縮小
- 米ナズダック最高値続伸
- 米NATOに対露制裁要請
- 仏国債の格付け引き下げ
今日2025年9月15日月曜日の日本の東京外国為替市場は敬老の日の国民の祝日で休場であったが、今朝9時頃から今夜17時頃までの世界FX市場の日本市場相当時間の対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円69銭付近から、円の高値でドルの安値の147円34銭付近の値幅約35銭で、本日17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は147円47銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円46銭付近の前東京終値比で約1銭の小幅な円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の夜の日本市場が終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場でも、日本銀行 (日銀 / BoJ / Band of Japan) の利上げに否定的であったことが世界市場でも有名だった高市早苗前経済安全保障担当相が、10月4日の自民党総裁選に向けた共同通信社の全国緊急電話世論調査で自民党の次期総裁にふさわしい人物として最有力候補であったニュースを受けた円売りが続き、先週金曜日の夜18時44分頃に対ドルの円相場は一時147円98銭に下落していた。
148円台の大台の手前付近からは利益確定や持ち高調整の一時抵抗が入り始めたことでは、欧州英国市場の後半にあたる先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円84銭付近の始値であったが、時差遅れによりこの時間が現地朝にあたる米国市場でも欧州英国市場と同様の円売りが先行したほか、先週金曜日の夜21時39分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.069%付近に上昇しており、債券利回りの金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いも入ったため、先週金曜日の夜21時40分頃にドルは円相場で一時148円7銭付近と、148円台の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、再び148円台からは市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整の売りが入ってドルは円相場で147円台に戻し始めたが、米国長期金利は先週金曜日の夜22時45分頃には一時4.072%付近に上昇したことでは、ドルは円相場で147円台後半に留まっていた。
米国市場では、先週金曜日の夜23時に最新米国経済指標の9月米国ミシガン大学消費者態度 (信頼感) 指数の速報値の発表があり、米国関税政策が消費者心理を冷やし経済悪化への懸念などから前回の58.2と市場予想の58.0を下回る55.4に下振れしていた影響では、先週金曜日の夜23時22分頃にドルは円相場で一時147円59銭付近に下押ししたが、同ミシガン大学の米国消費者調査では1年先の期待インフレ率は前回と横ばいの4.8%であった一方で5年先の期待インフレ率は前回の3.5%から3.9%に上昇していた。
米国ニューヨーク株式市場で世界的なハイテク企業比率が高い米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が史上最高値を連日で続伸していた株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) による世界的な安全資産の米国債売りの影響もあり、米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が深夜24時57分頃に一時4.086%付近に上昇し、先週土曜日の午前1時16分頃にも一時4.084%付近に高止まりしていた債券利回りの金利差の影響では、先週土曜日の午前1時16分頃にドルは円相場で一時147円87銭付近に下げ渋った。
しかし、米国長期金利上昇による金利警戒感では、前日には高値引けしていた米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が反落し、マイナス圏の推移に転じていたことでは一部株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による低リスク通貨の円の買い戻しが入り始めたほか、先週末の同市場からは翌週にあたる今週には、9月16~17日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が控えており、米国利下げ予想の影響によるドル売りやイベント前の利益確定や持ち高調整の影響があり、その後の今週の9月18日には英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策会合 (MPC / Monetary Policy Committee) と、9月18日〜19日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Band of Japan) の日銀金融政策決定会合の中銀イベントウィークであることなどから、週末とイベントリスクを控えた利益確定や持ち高調整も入り、ドルは円相場で上昇幅を縮小した。
イベントリスクの影響などにより、米国ニューヨーク株式市場の終盤には、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) の下落に続き、史上最高値続伸後の米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) も利益確定などで反落して安値の終値に向けており、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) は史上最高値を連日で続伸の高値引けではあったが、米国主要株価三指数中の二指数が安値引けに向けた株価リスクオフの影響などでは、安全資産の米国債の買い戻しと低リスク通貨の円買いが起きており、先週土曜日の午前4時前には米国長期金利は一時4.063%付近に上昇幅を縮小し、先週土曜日の午前4時2分頃にドルは円相場で一時147円46銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、週末を控えた利益確定と持ち高調整の影響では、世界的に流動性が高い基軸通貨で米国現地通貨でもあるドルの買い戻しも入ったことではドルは円相場で反発したが、時間帯の近い世界市場ではイベントリスクによるドルの買い控えも入っていたことでは、ドルは円相場で147円台後半に付近に留まった。
このため、先週金曜日の夜21時頃から先週土曜日の朝5時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の148円7銭付近から、円の高値でドルの安値の147円46銭付近の値幅約61銭で、先週土曜日の朝5時55分頃のニューヨーク終値は147円68銭付近と、前営業日同時刻の147円21銭付近の前ニューヨーク終値比で約47銭の円安ドル高をつけて、先週末を迎えていた。
週末のニュースでは、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、和平交渉の進展どころか逆にウクライナへの攻撃を増しているロシア政府のウラジーミル・プーチン大統領の姿勢について、「我慢の限界に近づいている」と発言し、欧州などの北大西洋条約機構 (NATO / North Atlantic Treaty Organization) の加盟国宛に、「全てのNATO加盟国がロシアからの原油購入を止めれば、ロシアに対する大規模な制裁を科す用意がある」と、対露協調制裁を呼びかける「最終通告」をする書簡を公開したが、「ご存じと思うが、一部のNATO加盟国のロシア産の原油購入はショックだ。そうした行動は、ロシアに対する交渉や駆け引きの力を大幅に弱める。いずれにせよ、あなた方が足並み揃えられるのならこちらは発動できる。いつになるか教えてほしい」とソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS / Social Networking Service) 投稿したほか、「加えて、NATO加盟国全体で中国に50~100%の関税を課し、ロシアとウクライナの戦争終結後に完全撤回する措置も取れば、多大な犠牲を出しているこの馬鹿げた戦争を速やかに集結させるのに大いに役立つことだろう」などの発言をしていた。
また、先週末に米国格付機関のフィッチ・レーティングスは、仏政治懸念の影響から市場で警戒されていた通り、フランスの長期外貨建て債務の格付けをAA-からA+と過去最低水準に引き下げたが、格付けの見通しはネガティブから安定的に変更した。
今朝の週明けのアジア・オセアニア市場では、今朝6時5分頃にドルは円相場で一時147円53銭付近に売られる窓開きから始まったが、今朝7時頃には窓埋めの買い戻しを超えた一時147円78銭付近に反発上昇しており、今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場は祝日休場で連休ではあったが、時間帯が近い世界FX市場では今朝9時頃の東京始値相当時間の対ドル円相場は一時147円68銭付近と、先週金曜日の夜の前東京終値よりも円安ドル高から始まり、今朝9時28〜29分頃に対ドル円相場は一時147円69銭付近と、今日の日本時間相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、日本市場の祝日休場につき、日本企業の輸入実需などのドル買いがなかったほか、中国市場でドルが売られた影響などでは市場高値後のドルは円相場で上昇幅を縮小し、昼下がりの13時21分頃にドルは円相場で一時147円34銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。
また、今日の午後のニュースでは、米国政府のドナルド・トランプ大統領は今年初頭にも米国移民政策の抗議活動に対して米国カリフォルニア州ロサンゼルスに州兵を派遣した事件があったが、先月8月にも米国首都ワシントンD.C.の警察権を米国連邦政府が直接掌握する非常事態措置を発表して州兵を派遣するなどしてきたことに対し反対デモが起きたことがあるが、自身も黒人女性で過去にもブラック・ライブズ・マター (Black Lives Matter) 運動を擁護したり米国コロンビア特別区を聖域都市と宣言して連邦移民当局との協力を制限するなど対立してきた米国民主党のムリエル・バウザー市長が、今回も米国に不法滞在する個人情報提供について問題視し、「米国首都ワシントンD.C.の警察は、米国移民・税関捜査局 (ICE / Immigration and Customs Enforcement) に協力しない」と発言したことに対し、ドナルド・トランプ大統領が、「必要であれば国家非常事態を宣言し、連邦化する」と政治圧を示唆したことでも、米国の国内情勢懸念によるドル売りと低リスク通貨の円買いが入ったが、午後からの欧州市場参入後の午後15時26分頃には米国長期金利が一時4.090%付近に上昇した影響があり、ドルは円相場で一時147円61銭付近に買い戻されていた。
夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入後の午後16時32分頃には、米国長期金利が反落を始めて一時4.077%付近になったため、ドルは円相場で一時147円37銭付近に下押ししたが、主要取引通貨でもあることからドルには再び買い戻しも入り、先週末には英国首都のロンドンでも、以前から英国政府が海峡をボートなどで渡った難民らの難民申請中に国費で一般のホテルに無料で滞在させていたところ、難民申請中のアフリカ系の男性が現地の英国人少女に性的嫌がらせをした事件を発端に大規模な難民受け入れ反対デモなどが起きていた国内情勢の影響などもあり、英国財政懸念が燻る中で再びドルの買い戻しが入った。
このため、今夜17時の東京外国為替市場相の終値相当時間の対ドル円相場は147円47銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円46銭付近の前東京終値比ではほぼ横ばいレンジ圏に近い約1銭の小幅な円安ドル高となっていた。
また、世界的な安全資産の米国債買いの影響では、米国長期金利低下が続き、今夜19時28分頃には一時4.059%付近にまで低下したため、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜19時台に小幅な円高ドル安に転じている時間も観測されている。
今夜この後には米国市場では、最新米国経済指標予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分の9月米国ニューヨーク連銀製造業景気指数などを控えている。
なお、今週9月16~17日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のビッグイベントを控え、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長や高官達はFOMC後の定例記者会見までは発言自粛期間のブラックアウト中であるが、米国政府のドナルド・トランプ大統領などの政府関係者の要人発言などには引き続き注意が必要である。
また、世界の株式市場と債券市場と金 (ゴールド) や原油先物価格などを含むコモディティ市場などの為替相場への影響と、ウクライナや中東周辺などの世界情勢や日本やフランスなどを含めた世界の政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共にFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値相当時間には173円5銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の173円13銭付近の前東京終値比で約8銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、フランスの政治や財政の不透明感を受けて米国格付け大手フィッチ・レーティングスが仏国債を格下げした影響があったほか、先週金曜日の夜にドイツ連邦銀行のヨアヒム・ナーゲル総裁が、「更なる欧州利下げは物価安定を脅かす可能性がある」と発言した一方で、フランスの中央銀行にあたるフランス銀行のフランソワ・ビルロワドガロー総裁は、「欧州追加利下げの可能性」に言及しており、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の利下げサイクルが終了に近いとされる中でも、終了に至るどうかの意見が理事会内で分かれているとの観測報道もユーロ相場に影響を与えており、ユーロ安ドル高にもなっていた。
ただし、今夕の欧州株式市場がプラス圏で始まり、堅調なプラス圏の推移を見せた時間に低リスク通貨の円売りが入り、その後の今夜20時台の欧州市場では小幅な円安ユーロ高やユーロ高ドル安への市場反転も見せている。
先述の通り、ユーロドルも、今日17時の東京外国為替市場の終値相当時間には1.1735ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.1740ドル付近の前東京終値比で約0.05セントのユーロ安ドル高であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は200円29銭付近と、先週金曜日の夜17時の200円1銭付近の前東京終値比で約28銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、英国財政懸念はやや燻るものの、欧州ユーロ圏のフランスほどの政治懸念には至らず、また国内での政治関連の暴力事件なども米国ほどではなかった英国ポンドは低リスク通貨への円売り要因が弱かったこともあり、先週金曜日の日本の世論調査のニュースを受けた円売りの影響が残る形となったほか、今週9月18日に予定される英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策会合 (MPC / Monetary Policy Committee) では、今週9月18日〜19日に予定される日本銀行 (日銀 / BoJ / Band of Japan) の日銀金融政策決定会合と同様に、日英金利据え置き予想が意識されていたことなどから、当面の間の日英金利差継続予想が為替に影響を及ぼしていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年9月15日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時22分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時22分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 20:22の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
ドル/円 | 147.36 〜 147.37 | −0.10 (円高) |
ユーロ/円 | 1.1755 〜 1.1757 | +0.12 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.1727 〜 1.1728 | +0.0015 (ドル安) |
英ポンド/円 | 200.58 〜 200.64 | +0.57 (円安) |
スイスフラン/円 | 185.31 〜 185.37 | +0.06 (円安) |
豪ドル/円 | 98.12 〜 98.16 | −0.08 (円高) |
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