FXニュース:欧ECB政策金利連続維持

2025年9月12日
今日2025年9月12日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円16銭付近から、円の高値でドルの安値の147円56銭付近の値幅約40銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円46銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年09月12日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米CPIコアは想定範囲内
  • 米新規失業保険申請増加
  • 米長期金利一時3.99%
  • 欧ECBラガルド総裁発言
  • 日米株価史上最高値続伸
  • 日世論調査高市氏最有力
  • 来週の日米金融会合控え

今日2025年9月12日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円16銭付近から、円の高値でドルの安値の147円56銭付近の値幅約40銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円46銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の147円79銭付近の前東京終値比で約33銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜17時に日本市場が終了した後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、日本銀行 (日銀 / BoJ / Band of Japan) の利上げに否定的であったことで知られる高市早苗前経済安全保障担当相が自民党総裁選に出馬の意向を示したニュース報道による円売りドル買いの影響が続いていたほか、昨夜21時15分の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会の発表を控えた欧州ユーロ売りドル買いの外貨影響の波及などで、昨夜19時42分頃にドルは円相場で一時147円99銭付近に上昇したが、米国市場でも昨夜21時30分に最新米国重要インフレ指標の8月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) などの経済指標の発表を控えていたことでは持ち高調整や様子見の値動きもあり、 昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円96銭付近の始値であった。

昨夜21時15分に欧州中央銀行 (ECB) 理事会が欧州政策金利を発表し、前回に続いて2会合連続となる欧州政策金利の据え置きを決定し、現状の2.15%の金利維持を発表したが、これまでのクリスティーヌ・ラガルド総裁などのECB高官達の「欧州利下げサイクルが終了に近づいている」というタカ派発言を受けた市場予想通りであったことでは、その後の欧州利下げサイクルの先行きに市場の関心が移り、その後の昨夜21時45分から予定されていたクリスティーヌ・ラガルド総裁の定例記者会見での要人発言に市場の注目が集まった。

ただし、昨夜21時15分の欧州中央銀行 (ECB) 理事会の声明文では、今後の政策金利の見通しへの言及は特になかったものの、欧州における2025年と2026年のインフレ見通しが小幅に上方修正された一方で2027年分では小幅に下方修正され、また欧州域内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) 見通しでは2025年を上方修正したが2026年が下方修正されており、その下方修正や発言前の警戒感などから安全資産でもあるドイツ国債に買いが入った影響では、独債券価格上昇時の利回り低下が起きて独連邦10年債の利回りが指標となる欧州長期金利が一時低下したため、債券利回りの金利差トレードでは欧州ユーロ売りが一時先行した。

一方、昨夜21時30分の米国市場では、来週9月16~17日に米国政策金利を決定する次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を控える米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の市場予想に影響を与えている重要インフレ指標の一つとして世界的な注目を集めていた最新米国重要経済指標の8月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表が始まり、前月比が前回の0.2%と市場予想の0.3%を上回る0.4%に上振れしたことを受けては、米国関税インフレへの警戒感が燻ったことで発表の瞬間にドルは円相場で一時148円18銭付近に上昇し、昨夜の欧米市場における円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、8月米国消費者物価指数 (CPI) は前年同月比では前回の2.7%に対し市場予想通りの2.9%で、天候条件などで価格変動の激しい生鮮食品などを除いた物価基調として重要度の高い8月米国CPIコア指数も、前月比が前回と市場予想通りの0.3%の横ばいで、前年同月比も前回と市場予想通りの3.1%の横ばいであったことでは、市場で優勢だった次回の米国利下げ予想を変えるほどではない想定範囲内と市場で受け止められて、米国長期金利の低下と共にドルは円相場で瞬時に反落を始めた。

また、昨夜21時30分に同時発表された米国雇用関連の最新経済指標の前週分米国新規失業保険申請件数が、前回の23.7万件と前回修正の23.6万件と市場予想の23.5万件よりも悪化した26.3万件に下振れし、2021年10月以来の高水準になった米国労働市場への警戒感もあり、昨夜21時30分の1分間の値動きの中でドルは円相場で一時147円55銭付近に急落し、同じく発表された前週分米国失業保険継続受給者数が前回の194.0万人と市場予想の195.0万人よりも堅調な193.9万人に改善された強弱混合はやや抵抗となったが、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の二大責務 (Dual mandate) である 「雇用最大化と物価安定」において、米国雇用市場軟化懸念は市場での米国利下げ予想を高めるため、米国債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、発表前の一時4.060%付近から発表後の昨夜21時39分頃の一時4.005%付近に向けて急落していたため、昨夜21時36分頃にはドルは円相場で一時147円36銭付近に下落していた。

同時進行中の欧州市場では、昨夜21時45分頃から欧州中央銀行 (ECB) 理事会後の定例記者会見でのクリスティーヌ・ラガルド総裁の要人発言がライブ中継で始まり、「欧州労働市場は経済の強みとなっている」であることや、欧州ユーロ圏の経済成長のリスクについて、「より均衡が取れてきている」と欧州景気への楽観的な発言があった影響では、先ほどの欧州GDPの見通しの下方修正への警戒感で売られた欧州ユーロが買い戻されたほか、「基調インフレの指標はECBの目標の2%に一致している」と言及したことから、特に今後の追加利下げを示唆しないややタカ派寄りの発言と市場で受け止められて、独10年債の利回りが指標となる欧州長期金利が反発上昇したことを受けた債券利回りの金利差トレードでも欧州ユーロが対ドルなどで反発上昇した外貨影響が対ドル円相場に波及した。

なお、クリスティーヌ・ラガルド総裁は、昔はハト派寄りのイメージがあったECBにおいて最近のタカ派発言が取り沙汰されていたことなどについて、「私はタカ (Hawkish / 鷹) でもハト (Dovish / 鳩) でもないが、ちょっとした知恵を持つフクロウ (Owl / 梟) の様に、何が起きているのかを全てをよく観察したい」と、会合毎に決定するデータ重視の中道派であることを示唆する動物のユーモアで記者団の質疑応答が続く会場の雰囲気を和ませており、先述の米国経済指標発表後のドル売りで欧州ユーロが買い戻された影響が続いた。

ちなみに、日銀の植田和男総裁は、記者に対し1つの質問でお願いしますという状況で2つ以上の質問が出てきても丁寧に対応していたが、クリスティーヌ・ラガルド総裁は、「2つまでは許容するが3つ目は許さない」と強気姿勢であったことも、ややタカ派寄りの印象を残した。

欧州長期金利が反発上昇した一方で、米国ニューヨーク債券市場では午前2時の米国債入札を控えていた影響もあり、先述の急落後にも米国長期金利低下が続き、昨夜23時49分頃には米国長期金利は一時3.999%付近と瞬時ではあるが一時4%台割れも起こしたため、債券利回りの金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売やユーロ買いドル売りが入り、昨夜23時42分頃にドルは円相場で一時146円99銭付近と瞬時の147円割れを起こしたほか、深夜24時の英国ロンドン外国為替市場で金価格値決めなどのロンドン・フィキシング (London Fixing) による主要取引通貨のドル買いは抵抗になったものの、その後の深夜24時22分頃にはユーロドルが一時1.1746ドル付近と昨夜の欧米市場におけるユーロの高値でドルの安値を記録した外貨影響の対ドル円相場への波及もあって、続いて午前1時11分頃にはドルは円相場で一時146円98銭付近と米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、米国長期金利低下や米国利下げ予想を受けた金利警戒感の緩和では、米国ニューヨーク株式市場では、前日に史上最高値を続伸した米国主要株価二指数が連日続伸に向けており、米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と世界的なハイテク企業比率が高い米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が史上最高値続伸のプラス圏の終値に向けたほか、前日には下げていた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) も上昇に転じ、米国主要株価三指数が揃って高値引けのブルマーケット (Bull market / 強気市場) となった株価影響では、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で安全資産の米国債売りで米国10年債の利回りが下げ幅を縮小し、米国債入札後で株引け後の午前5時53分頃には米国長期金利は一時4.031%付近に下げ幅を縮めたため、株高を受けた低リスク通貨の円売りもあって対ドルの円相場は上昇幅を縮小し、ドルは円相場で147円前半に下げ幅を縮小していた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の148円18銭付近から、円の高値でドルの安値の146円98銭付近の値幅約1円20銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円21銭付近と、前営業日同時刻の147円46銭付近の前ニューヨーク終値比で約25銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時147円23銭付近の始値であったが、昨夜の米国利下げ予想の影響による米国長期金利低下を受けたドル売りが先行した影響では、今朝9時16分頃にドルは円相場で一時147円16銭付近と今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝早朝の米国主要株価三指数上昇の影響では、東京株式市場で今日の日経平均株価が上昇して始まり、プラス圏の推移のままで連日での史上最高値の続伸に向けた日米株価影響のリスク選好のリスクオン市場では、低リスク通貨の円売りが入ってドルは円相場で反発上昇したほか、海外投資家参入の日本株上昇を受けた世界的な安全資産売りの影響により米国長期金利も低下幅を縮小したため、午後14時7分頃にドルは円相場で反発上昇し一時147円56銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、午後15時30分に今日の日経平均株価は4万4768円12銭の終値をつけ、前日比395円62銭高の+0.89%で大引けした。

午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入でドル売りが先行したことでは、夕方16時23〜24分頃にかけてドルは円相場で一時147円24銭付近に反落したが、夕方16時37分頃には時間外の米国債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.048%付近に反発上昇したため、債券利回りの金利差トレードでドルが買い戻しされて下げ幅を縮小し、147円中盤付近に戻した。

また、今日の夕方のニュースでは、日本の共同通信社の全国緊急電話世論調査で自民党の次期総裁にふさわしい人物として、日銀の利上げに否定的だった高市早苗前経済安全保障担当相が28.0%で首位となり、続いて、小泉進次郎農相が22.5%で2位、林芳正官房長官が11.4%で3位、4位は茂木敏充前幹事長と河野太郎前デジタル相の両者がいずれも6.1%で、上川陽子前外相が3.8%、小林鷹之元経済安保相が3.6%、加藤勝信財務相が0.4%の順位と報じられたことも、夕方からの円売りに影響を与えていた。

そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円46銭付近で、昨夜17時の147円79銭付近の前東京終値比では約33銭の円高ドル安になった。

また、その後の今夜18時44分頃の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、対ドルの円相場は一時147円98銭付近まで売られたが、148円台を前にした反落も見せている。

今夜この後には米国市場では、最新米国経済指標予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に9月米国ミシガン大学消費者態度 (信頼感) 指数の速報値などを控えている。

なお、来週9月16~17日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を控え、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長や高官達は委員会が終わるまでの発言自粛期間のブラックアウト中であるが、米国政府のドナルド・トランプ大統領などの政府関係者の要人発言などには引き続き注意が必要である。

また、世界の株式市場と債券市場と金 (ゴールド) や原油先物価格などを含むコモディティ市場などの為替相場への影響と、ウクライナや中東周辺などの世界情勢や日仏を含めた世界の政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共にFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は173円13銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の172円82銭付近の前東京終値比では約31銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨夜の欧州金利据え置き後に今後の欧州追加利下げについての言及がなかったことから欧州ユーロ買いが対ドルなどで入った影響や、日経平均株価が連日で史上最高値を続伸した株価上昇時の円売りがあったことに加えて、日銀の利上げに否定的な高市早苗前経済安全保障担当相が世論調査で自民党総裁選の有力候補になったニュースでも円売りが入った。

先述のユーロドルも、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1740ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1693ドル付近の前東京終値比で約0.47セントのユーロ高ドル安になっていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は200円1銭付近と、昨日の夜17時の199円77銭付近の前東京終値比で約24銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、今日の午後15時に発表された最新英国重要経済指標の7月英国月次国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の前月比は、前回の0.4%に対し市場予想通りの0.0%に低下したことでは発表時に英国ポンドが円相場で一時199円66銭付近に一時反落したが、市場予想通りであったことでは上昇トレンドの中での一時反落では押し目買いによる買い戻しも入りやすく、その後の日本の世論調査のニュースを受けた円売りの勢いに乗って反発上昇してポンド円は200円台になっており、今夜19時11分頃には一時200円48銭付近にまで上昇している。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年9月12日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時28分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時28分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:28の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 147.72 〜 147.73 −0.07 (円高)
ユーロ/円 173.26 〜 173.27 +0.44 (円安)
ユーロ/ドル 1.1727 〜 1.1728 +0.0034 (ドル安)
英ポンド/円 200.21 〜 200.27 +0.44 (円安)
スイスフラン/円 185.43 〜 185.49 +0.50 (円安)
豪ドル/円 98.17 〜 98.21 +0.44 (円安)

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