FXニュース:米ダウとS&P最高値更新
2024年10月14日東西FXニュース – 2024年10月14日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米金融株決算受け株買い
- 米経済の軟着陸期待上昇
- 米PPIは市場予想比混合
- 米消費者態度指数は低下
- 米消費者予想インフレ増
- 米緩やかな利下げ予想に
- 日米祝休場時の世界市場
今日2024年10月14日月曜日の日本の東京外国為替市場はスポーツの日の祝日休場であるが、世界FX市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の149円14銭付近から、円の安値でドルの高値の149円39銭付近の値幅約25銭で、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は149円34〜35銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の148円76〜78銭付近の前東京終値比では約58銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の夜20時前の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、この時間の金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、次回2024年11月6〜7日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅予想値が0.25%の米国小幅利下げ予想値が市場で確定値と考えられている70%を超える一時84.3%付近で推移を続ける一方で、一部のタカ派の米国金利据え置き予想値が一時15.7%付近に上昇したこともあり、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.100%台に上昇し、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の金利差トレードの円売りドル買いの影響でドルは円相場で一時149円台に乗せて上昇し、前東京終値比の円安ドル高に市場反転を見せ始めていた。
先週金曜日の夜20時頃には、米国主要企業の決算報告があり、世界的な金融大手の米国JPモルガン・チェースの第3四半期決算は約2%の減益は見せたものの市場予想よりも好調な投資銀行業務により純金利収入が増加して1株あたりの利益は市場予想を上回っており、米国ウェルズ・ファーゴ (Wells Fargo & Company) の同四半期決算も貸し倒れに備えた引当金額が前年同期の12億ドルから10.7億ドルに減少したことで1株あたりの利益が市場予想以上となり、米国大手金融機関の市場予想以上の決算報告を受けて、米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) 期待が高まり、投資家達のリスク回避姿勢が緩和されてリスク選好のリスクオン (Risk-on) 市場になったことも、安全資産の米国債売りに伴う債券価格低下時の利回り上昇と、低リスク通貨の円売りに繋がった。
英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる先週金曜日の夜21時頃から時差で始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時149円0銭付近の始値で、先週金曜日の夜21時30分に発表された最新米国経済指標の9月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) において、前月比が前回の0.2%と市場予想の0.1%を下回る0.0%であったことでは米国インフレ鈍化を受けたドル売りでドルは円相場で瞬時に一時148円77銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録したが、9月の米国PPIの前年同月比では前回の1.7%が前回1.9%に上方修正された上で市場予想の1.6%を上回る1.8%であったことでは米国インフレの市場予想比の根強さによるドルの買い戻しも混ざり始めてドルは円相場で反発した。
また、天候条件などで価格変動が激しい食品とエネルギー除く物価基調を見る9月の米国PPIコア指数の前月比も前回の0.3%から市場予想通りの0.2%に鈍化したことではこの時間のドルの買い戻しはやや限られたが、9月の米国PPIコア指数も前年同月比では前回の2.4%が前回2.6%に上方修正された上で市場予想の2.7%を上回る2.8%に上昇したことでは、先週金曜日の夜21時36分頃にはドルは円相場で一時149円台に戻し始めており、先週金曜日の夜21時40分頃には米国長期金利は一時4.113%付近にまで上昇したため、先週金曜日の夜21時47〜48分頃にはドルは円相場で一時149円26銭付近に反発上昇した。
ただし、米国の隣国の北米カナダでは、先週金曜日の夜21時30分にカナダの最新経済指標の9月の加雇用統計が発表されており、9月加新規雇用者数が前回の2.21万人と市場予想の2.70万人を大幅に上振れする4.67万人に増加したほか、9月加失業率も前回の6.6%と市場予想の6.7%よりも堅調な6.5%に改善されたことを受けた北米周辺の雇用市場関連の外貨影響も、この時間の世界的に流動性が高いドルの値動きに波及していた。
続いて、先週金曜日の夜23時に発表された最新米国経済指標の10月の米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値は、前回の70.1と市場予想の70.8を下回る68.9に低下したことでも、ドルは円相場で一時148円98銭付近に下押ししたが、合わせて発表された1年先の予想インフレ率が上昇したことでは米国PPIに続く強弱混合となり、再びドルの買い戻しが入り、ドルは円相場で瞬時に149円台に反発し、再上昇を始めた。
この日の米国経済指標の発表後には、前述の米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールは、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時90%付近に上昇し、次回の米国金利据え置き予想値は一時10%付近に低下したが、大幅利下げ予想は0%の圏外値であり続けていたことでは、米国主要株価上昇を受けたリスク選好のリスクオンの米国長期金利上昇後の低リスク通貨の円売りが目立ち始めた。
先週金曜日の夜の米国ニューヨーク株式市場では、先述の米国主要企業の株主向けの決算報告好感の影響などのリスク選好のリスクオンの株価上昇の影響があり、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が史上最高値を更新したほか、米国S&P 500種 (Standard and Poor’s 500 index) も史上最高値を更新し、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も前日比上昇するなど、米国主要株価三指数が揃って上昇の終値に向けたことでは、米国株式市場のブル・マーケット (Bull market / 強気市場) 特有のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りが続き、先週金曜日の夜23時33分頃にドルは円相場で一時149円28銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
また、同時進行中だった世界最大規模の英国市場で深夜24時のロンドン・フィキシング (London fixing) で主要取引通貨のドル需要があった影響もあり、深夜24時2分頃にもドルは円相場で一時 149円27銭付近の高値圏に達したが、欧州市場と英国市場が終盤の利益確定や持ち高調整に向かう中で、米国市場も週明けにあたる本日10月14日の月曜日はコロンブスの日(Columbus Day) の祝日で連休であるため、連休の週末を控えた利益確定や持ち高調整の抵抗が入ったことでは、先週土曜日の午前2時4分頃に一時148円96銭付近にドルは円相場で下押ししたが、先週土曜日の午前2時10分頃からは次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の中でもタカ派代表で知られるミシェル・ボウマン理事の発言があり、金融安定化に向けたリスク・マネジメントなどに関するスピーチをしていたことで、この日の米国金融株の好調な決算を受けたソフトランディング期待が再び高まりドルは円相場で再び149円台になり、米国主要株価三指数が揃って上昇の終値をつけたことを受けて、先週土曜日早朝の午前5時13〜17分頃には一時149円17銭付近の高値圏で数分間の高止まりを見せた。
また、先週土曜日早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は、リスクオンの安全資産の米国債売りの影響があり一時4.101%付近と前営業日比+0.037上昇して終えた。
このため、先週金曜日の夜から土曜日の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の148円77銭付近から、円の安値でドルの高値の149円28銭付近の値幅約51銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は149円13銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の148円57銭付近と比べると約56銭の円安ドル高をつけて週末を迎えていた。
週明け月曜日の今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、今朝8時頃にはドルは円相場で一時149円39銭付近と先週の米国市場のドルの上値を上抜けて上昇したため、今日の日本市場は祝日休場であったが、今朝9時頃の今日の東京外国為替市場の始値相当時間の世界FX市場の対ドル円相場は一時149円30銭付近と、円安ドル高が進行していた。
今朝9時2〜3分頃に一時149円36銭付近で推移していた対ドル円相場は、今日の日本市場が祝日休場で市場流動性が低下する中で、平日にはこの時間に入っている日本企業の輸入実需の円売りがなかったことに加えて、今夜は米国市場も祝日休場予定でドル需要も弱く、世界市場の外貨影響ではオセアニア通貨の豪ドルに対する円売り後の安値からの低リスク通貨の買い戻しが入り、円相場が外貨に対して反発した影響などが対ドル円相場に波及し、仲値決済相当時間の今朝9時55分頃と10時37分頃と10時44分頃には対ドルの円相場は一時149円14銭付近で下げ渋っていた時間の為替レートが、今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値となった。
しかし、午後からの欧州市場に続き、世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が参入すると、専門家達の指摘で米国でのインフレの根強さから沈静化に想定よりも時間がかかる場合には来年2025年の米国利下げ速度が落ちる可能性が市場で意識されたことや、再び米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時86.2%付近の推移となり、次回の米国金利据え置き予想値は一時13.8%付近に上昇しており、円売りドル買いが勢いを増したため、今日の夕方の16時50分頃にドルは円相場で一時149円39銭付近と、今朝のオセアニア市場の高値に並ぶ今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は149円34〜35銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の148円76〜78銭付近の前東京終値比で約58銭の円安ドル高になった。
また、その後の今夜17時17分頃の英国ロンドン外国為替市場では、ドルは円相場で一時149円46銭付近に上昇し、ドルは円相場で今日のアジア・オセアニア市場の高値を更新したことに続き、今夜19時台後半の英国ロンドン外国為替市場ではドルは円相場で一時149円台中盤から後半向けて更に上昇し、日通し高値を更新中である。
今夜この後の米国市場は祝日休場予定のため、最新米国経済指標の発表予定はないものの、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官の発言予定はあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、28時頃から次回のFOMCの投票権を持つFRBのクリストファー・ウォラー理事の発言が予定されている。
また、中東情勢などの世界ニュースの為替相場への影響なども世界のFXトレーダー達に注視されている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値相当時間は163円21〜23銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の162円83〜84銭付近の前東京終値と比較すると約38銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、今週の10月17日に次回の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会を控えているが、市場では欧州追加利下げ予想はかなり織り込み済みになっていた影響があり、今日は日本と米国と北米カナダ市場は休場であるが、欧州周辺国や英国では平日であるため、先週末の米国主要株価三指数に続き、今日の午後から始まった欧州主要株価指数が上昇して始まったことで、リスク選好のリスクオン市場では欧州ユーロや英国ポンドに対して低リスク通貨の円が売られやすいことが円相場に影響を及ぼした。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間は1.0927〜1.0929ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0943〜1.0945ドル付近の前東京終値と比較すると約0.16セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、今週の欧州中央銀行 (ECB) 理事会を控えたイベントリスクも意識され始める中でも、今日の夕方に次回の米国小幅利下げ予想が優勢である一方で、米国金利据え置き予想値が再び上昇した影響に加えて、円相場などでドルが上昇していた外貨影響も波及した。
また、先週末に、米国の格付け機関のフィッチ・レーティングス (Fitch Ratings) が、欧州ユーロ圏内ではドイツに続く主要国であるフランスの信用格付けの見通しを、安定からネガティブに格下げした影響もやや残り、フランスの10年債売りに続きドイツ10年債売りに一時波及したのであるが、その後には米国債買いの影響に連れるような買い戻しが入ったことでは、今日の市場への影響はやや限定的ではあるが、米国比の欧州利下げ予想の影響と共に日本時間の午後にあたる欧州現地の週明け朝市場では格下げ影響がやや燻っていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値相当時間は195円9〜15銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の194円51〜57銭付近の前東京終値比では約58銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、ドルや欧州ユーロに対する円安の影響が波及したほか、今日の東京終値相当時間には、欧州主要株価指数と共に英国主要株価指数のFTSE100も小幅高で推移していた。ただし、その後には一時やや反落したものの、時々プラス圏付近に反発も見せている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年10月14日の日本時間(JST)19時30分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時30分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 19:30の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 149.41 〜 149.43 | +0.64 (円安) |
ユーロ/円 | 163.25 〜 163.30 | +0.42 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0926 〜 1.0928 | −0.0017 (ドル高) |
英ポンド/円 | 195.08 〜 195.14 | +0.57 (円安) |
スイスフラン/円 | 173.73 〜 173.79 | +0.05 (円安) |
豪ドル/円 | 100.43 〜 100.47 | +0.13 (円安) |
注意:
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