FXニュース:今週米FOMCと日銀会合
2024年9月16日東西FXニュース – 2024年9月16日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米大幅利下げ予想値上昇
- 日米金利差縮小予想円高
- 米消費者態度指数は改善
- 欧米主要株価指数が上昇
- 日休場で市場流動性低下
- 2023年以来の円高ドル安
今日2024年9月16日月曜日の日本の東京外国為替市場は敬老の日の祝日休場であったが、世界市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の140円85銭付近から、円の高値でドルの安値の139円58銭付近の値幅約1円27銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場相当時間の対ドル円相場の終値は139円87〜88銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の140円90〜91銭付近の前東京終値比では約1円3銭の大幅な円高ドル安であった。
今日の午後16時36分には、日本市場が休場中で市場流動性が減少していた中でも、世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の参入後に、ドル円は一時139円58銭付近と、2023年7月以来の今年最大の円高ドル安の記録を更新するなど、円相場が続伸した。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のファンダメンタルズのマーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の日本市場でも今週の9月17〜18日開催の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国中央銀行制度にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ転換の市場予想値が100%の確定値で推移する中で、次回の米国利下げ幅の市場予想値が注目され、米国経済紙のウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) が米国大幅利下げの可能性を指摘した記事などの影響などがあり、これまで市場で優勢だった次回0.25%の米国利下げ予想に対して0.50%の米国大幅利下げ予想値が上昇したため、日米金利差縮小予想と日経平均株価大幅下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも低リスク通貨の円買いドル売りが進み、ドルは円相場で一時140円64銭付近とその時点での今年最大の円高ドル安の記録を更新していたが、先週金曜日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場でも、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時低下していたことなどもあり債券利回りの金利差トレードの日米金利差縮小による円買いドル売りが続いたことで、先週金曜日の夜18時44分頃と19時42分頃にも対ドルの円相場は一時140円36銭付近と続伸していた。
また、英国市場で英国経済紙のフィナンシャル・タイムズ (FT / Financial Times) も大幅利下げの可能性を指摘したほか、現職の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達が次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベント前の発言自粛のブラックアウト期間 (Blackout period) に入っていた中でも米国ニューヨーク連邦銀行のウィリアム・ダドリー前総裁がシンガポールで開催された会合で、0.50%の米国大幅利下げをする「強い根拠がある」とハト派発言をしたことを米国経済チャンネルのブルームバーグ (Bloomberg) ニュースなどが報道し、市場では次回の米国大幅利下げへの警戒感が高まり、先週は日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の田村直樹審議委員が2026年の後期までに少なくとも1%程度の日銀追加利上げを示唆する発言をしていたという観測報道も英訳されて世界市場のニュースになっていた影響があり、米国利下げ予想と日銀の段階的な追加利上げ予想との日米の金融政策の方向性の違いが意識され、日米金利差縮小予想により米国長期金利の低下時には債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りが起きやすくなっていた。
ただし、同時進行中だった欧州市場では、先週に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会が欧州政策金利を以前の4.25%から市場予想通りの3.65%に0.25%の小幅な欧州追加利下げを決定した後であったことでは、イベントリスク経過後の欧州株式市場では欧州主要株価指数のドイツの独DAX (Deutscher Aktien IndeX) が大幅に続伸していたリスク選好のリスクオン (Risk-on) の影響があり、世界的な安全資産の米国債が売られた影響では、先週金曜日の夜17時台に一時3.634%付近に低下後の米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が反発し、先週金曜日の夜20時50分頃には一時3.660%付近に上昇したことを受けては、ドルの買い戻しの抵抗も入った。
そのため、英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時140円83銭付近の始値で、先週金曜日の夜21時台の米国債券市場で米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時3.671%付近へと上昇していたことでは、先週金曜日の夜21時5分頃に債券利回りを受けたドルの買い戻しの影響で、ドルは円相場で一時141円2銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録していた。
しかし、先週金曜日の夜21時30分に発表された最新米国経済指標の8月の米国輸入物価指数は前月比が前回の0.1%と市場予想の-0.2%を下回るマイナス圏の-0.3%に鈍化し、8月の米国輸出物価指数の前月比も前回の0.7%が前回0.5%に下方修正されたことに加えて市場予想の-0.1%を下振れするマイナス圏の-0.7%に低下したことなどで、再びドルが売られて円相場で下落した。
また、日本時間の先週金曜日の夜が時差で現地の朝だった米国市場でも、前述の欧米のニュース報道を受けた米国大幅利下げへの警戒感が高まったほか、次回が米国大幅利下げではなく米国小幅利下げに留まった場合には年内の米国追加利下げの可能性が指摘されるなど、日米金利差縮小予想による円買いドル売りが再燃し、同米国市場からは翌週にあたる今週9月17〜18日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のイベントに続き、その翌日の9月19〜20日には日銀金融政策決定会合を控えるという日米金融政策のイベント週を控えたイベントリスクにより、週末を控えた利益確定や持ち高調整やポジション調整などが入り始めて、一時141円台の市場高値後のドル売りが円相場で続いたほか、一時上昇後の米国長期金利が先週金曜日の夜22時台には一時3.656%付近にまで一時反落したため、日米金利差縮小予想と債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響などで、先週金曜日の夜22時50分頃にドルは円相場で一時140円28銭付近と、この時点での今年最大の円高ドル安記録を再更新した。
ただし、先週金曜日の夜23時に発表された最新米国経済指標の9月の米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値が前回の67.9と市場予想の68.5を上回る69.0に上昇したことを受けては、米国景気好感や投資実需などもあるドルの買い戻しも入り始めたほか、再び安全資産の米国債が売られて債券価格反落時の利回り反発の影響で、先週金曜日の夜23時20分頃には米国長期金利が一時3.675%付近に上昇したため、米国市場の安値後のドルは円相場での下げ幅を縮めた。
加えて、米国大幅利下げ予想値の上昇を受けた金利警戒感の緩和からは、米国ニューヨーク株式市場では、欧州主要株価に続き米国主要株価三指数も上昇し、米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が前日に続いての大幅続伸の終値に向けたほか、米国S&P 500種 (Standard and Poor’s 500 index) も前日に続き続伸の終値に向けた株式市場のブル・マーケット (Bull market / 強気市場) の為替相場への影響では、リスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られて投資用のドルが買われたことでも、先週土曜日の午前3時57分ドルは円相場で一時141円1銭付近にまで買い戻されたが、市場終盤には再び日米金利差縮小予想やイベントリスクの持ち高調整のドル売りで140円台に戻していた。
先週土曜日の早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は、米国利下げ予想値で大幅利下げ予想値が上昇した日米金利差縮小予想の影響があり、3.647%付近と、前営業日比-0.028と再び低下して終えていた。
このため、先週金曜日の夜から土曜日の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の141円2銭付近から、円の高値でドルの安値の140円28銭付近の値幅約74銭で、先週土曜日の朝6時頃のニューヨーク終値は140円85銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の141円82銭付近と比べると約97銭の円高ドル安をつけ、週末を迎えていた。
週明けの今朝早朝のシンガポールなどのアジア市場とニュージーランドやオーストラリアのオセアニア市場でも、日米金利差縮小予想の円買いドル売りが入り、今朝7時45分頃にもドルは円相場で一時140円45銭付近に売られていた。
今朝9時頃からの今日の東京外国為替市場は「敬老の日」の祝日連休の休場で、日本市場と時間帯が近いアジア周辺市場でも、中国市場が明日の9月17日まで「中秋節」の連休で、韓国市場も今日は「秋夕(チュソク)」の祝日休場であることに加えて、東南アジアのインド市場もイスラム教の「ムハンマド生誕祭」で祝日休場と、アジア周辺の世界市場全体の市場流動性の減少により、今日は小さな値動きでも値幅が増幅されやすくなっていた。
今朝9時頃の東京外国為替市場相当時間の世界市場の対ドル円相場は一時140円85銭付近にドルが反発したものの、これが今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値となり、米国大幅利下げ予想値の上昇を受けた日米金利差縮小予想の円買いドル売りが再燃し、再び対ドルの円相場が上昇を始めた。
午後からの欧州市場と世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の参入を受けて、今日の午後16時35分頃の時間外の米国債券取引では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時3.640%付近にまで低下した債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りや、米国大幅利下げ予想値が更に上昇を続けて米国小幅予想値よりも優勢になり始めたことを受けた日米金利差縮小予想の円買いドル売りなどが起き、アジア市場で市場流動性が低下していた時に、英国市場の円買いドル売りの影響の値幅が拡張したこともあり、今日の午後16時36分頃には、ドルは円相場で一時139円58銭付近に下落し、2023年7月以来の今年最大の円高ドル安の記録を更新した。
今日の夕方の英国ロンドン外国為替市場では、米国金利先物のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、今週の9月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値が、0.25%の米国小幅予想値が前営業日同時刻の一時57.0%付近から更に低下して今日は一時41.0%付近に後退した一方で、0.50%の米国大幅利下げ予想値は前営業日同時刻の一時43.0%付近から更に上昇して一時59.0%付近と優勢に転じていたことで、今週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントリスクが意識される中で、米国大幅利下げ予想値の上昇に伴う日米金利差縮小予想の円買いドル売りが影響を及ぼしていた。
とはいえ、今週は日銀金融政策決定会合のイベントも控えており、英国市場時間のその後の米国債券取引では米国長期金利が低下幅を縮小し始めたことでは、今年最大の安値後のドルには世界的な流動性の高さによる需要もあり買い戻しが入り始めたほか、今日の日本市場が祝日で円には実需が少なかったことでは高値後の円の利益確定売りや持ち高調整が入り、下落後のドルにはショートカバーによる買い戻しの抵抗も入り始めた。
このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場相当時間の対ドル円相場の終値は139円87〜88銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の140円90〜91銭付近の前東京終値比では約1円3銭の大幅な円高ドル安になっていた。
今夜この後の欧米市場は平日営業予定のため、米国市場では最新米国経済指標などの発表予定があり、日本時間の経済市場カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に9月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数の発表予定などを控えている。
なお、前述の通り、現職の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達は、今週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) を控えた発言自粛のブラックアウト期間に入っているため、以前に収録されたインタビューや観測記事などの掲載以外では、新規発言影響の可能性は低いものの、欧米の株式市場の影響や債券利回りを受けた金利差トレードの影響などは続いている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値相当時間は155円46〜48銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の156円29〜30銭付近の前東京終値比で約83銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、先週に欧州中央銀行 (ECB) 理事会が市場予想通りの欧州追加利下げを決定後に、日本銀行 (日銀 / BoJ) には2026年後期に向けた段階的な日銀追加利上げ観測が出ていたことに加えて、今日の米国大幅利下げ予想の再燃を受けた日米金利差縮小予想により、他の主要通貨であるドルに対して円相場が大幅に上昇した外貨影響が、欧州ユーロにもユーロ円での円高や、ユーロドルでのドル安への圧力として波及していた。
そのため、ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間は1.1114〜1.1115ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.1091〜1.1093ドル付近の前東京終値比で約0.23セントのユーロ高ドル安だった。
英国ポンドにも、欧州ユーロと同様に円高ドル安の外貨影響などが波及しており、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値相当時間は184円23〜29銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の185円25〜31銭付近の前東京終値と比べて約1円2銭の大幅な円高ポンド安であった。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年9月16日の日本時間(JST)19時40分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時40分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 19:40の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 140.04 〜 140.05 | −0.86 (円高) |
ユーロ/円 | 155.75 〜 155.77 | −0.54 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.1120 〜 1.1122 | +0.0029 (ドル安) |
英ポンド/円 | 184.83 〜 184.89 | −0.42 (円高) |
スイスフラン/円 | 165.85 〜 165.91 | −0.28 (円高) |
豪ドル/円 | 94.41 〜 94.45 | −0.27 (円高) |
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。