FXニュース:米耐久財受注額想定以上

2024年8月27日
FXニュース:米耐久財受注額想定以上

 

東西FXニュース – 2024年8月27日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利の反発と上昇
  • 米小幅予想値確定値超え
  • 円利益確定と外貨買戻し
  • 日経平均株価が大幅反発

今日2024年8月27日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の144円45銭付近から、円の安値でドルの高値の145円17銭付近の値幅約72銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円0〜2銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の143円90〜91銭付近の前東京終値比で約1円10銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の年次経済シンポジウムのジャクソンホール会議で米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長が「米国の金融政策を調整する時が来た」と、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国利下げ転換を示唆するハト派発言をした影響もあり、週明けの昨日の月曜日の日本市場ではドルは円相場で一時143円44銭付近の日通しの円の高値でドルの安値を記録したが、その後には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が下げ止まって反発を始めたこともあり、高値後の円の利益確定売りと安値後のドルの買い戻しが入り始めた。

昨夜の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場はサマー・バンクホリデー (Summer Bank Holiday) の祝日休場で世界市場全体の流動性は減少していたものの、開場していた時間帯が重なる欧州市場では昨夜20時45分頃には米国長期金利が一時3.816%付近に上昇したため、欧州市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時144円13銭付近の始値であった。

米国ニューヨーク外国為替市場では、昨夜21時30分に発表された最新米国経済指標の7月の米国耐久財受注は、前月比が前回マイナス圏だった-6.6%と前回下方修正の-6.9%と市場予想の4.2%を大幅に上回るプラス圏の9.9%に改善され、米国景気懸念の後退により、発表後の昨夜21時32分頃にドルは円相場で一時144円36銭付近に上昇した。

ただし、7月の米国耐久財受注から輸送用機器を除いたコアな前月比では、前回の0.5%と前回下方修正の0.1%と市場予想の0.0%に対し-0.2%であったことを受けては、一時上昇後のドルには利益確定売りが入ったほか、同時進行中の欧州市場では中東情勢への懸念もあって地政学的リスク回避で世界的な安全資産である米国債が買われた影響で、米国長期金利は昨夜22時過ぎの一時3.783%付近の昨日の低利回りの底に向けて一時急落したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りが入り、昨夜22時頃にドルは円相場で一時143円86銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、米国ニューヨーク債券市場では、債券価格上昇に伴う利回り低下後には、数日ぶりの高値となった米国債の利益確定売りや持ち高調整が入り、債券価格低下に伴う利回り上昇が起きたことでは、一時低下後の米国長期金利が急反発し、昨夜23時頃には一時3.818%付近に上昇したため、日米金利差拡大を受けたドルの買い戻しが再開してドルは円相場で昨夜23時2分頃に一時144円46銭付近と144円台を回復し、上昇トレンドに転じた。

原因は、昨夜に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国サンフランシスコ地区連銀のメアリー・デイリー総裁の発言があり、先週金曜日のパウエル議長と同様に、米国利下げ転換への「時期が来ている」と言及したものの、米国利下げ幅については、0.25%の小幅利下げから開始する公算が大きいという認識を示したことが米国ブルームバーグ・テレビ (Bloomberg TV) のインタビューで明らかになり、9月の米国利下げが年内1回の見通しであった軌道から外れる事態は考えにくいことも示唆し、「最も可能性の高い」今後の状況の予測として、米国のインフレが引き続き緩やかに鈍化し、「安定した持続可能な」ペースで米国雇用市場が拡大することであり、その予測通りであれば、「通常通りのペースで米国金融政策を調整するのが合理的だと思われる」と述べたことが話題になり、米国市場では今年9月の米国小幅利下げが、これまでの想定通りに年内1回程度行われる可能性が意識され、市場予想に影響を及ぼした。

先週にパウエル議長も米国利下げ転換の時期が来たことには言及し、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) が開催される9月の米国利下げは示唆したものの、経済指標次第という含みもあり、利下げ幅がどの程度になるかについては何も言わなかったことから、市場では一部の大幅利下げ予想値が一時上昇していたことが、日米金利差縮小予想による円買いドル売りに影響を及ぼしたが、発言を受けて大幅利下げ予想値が再び低下して小幅利下げ予想が再び市場で確定値と考えられている70%を超えて上昇したため、米国長期金利の反落後にも再び反発上昇が起き、先週金曜日の一時の大幅利下げ予想の上昇で買われ過ぎた円の利益確定売りと、売られ過ぎたドルに買い戻しの調整が続き、午前3時43分頃にドルは円相場で一時144円65銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国金利先物のデータを基にして米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) では、今年9月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国連邦準備制度理事会 (FRB) の今年9月の米国利下げ予想値は、今日は0.25%の小幅利下げ予想値が71.5%付近に上昇した一方で、0.5%の米国大幅利下げ予想値は28.5%付近に低下している。

一方、米国大幅利下げ予想の後退を受け、米国政策金利の小幅利下げ予想では企業への貸付ローン金利などで高めの金利が継続することが意識された米国ニューヨーク株式市場では、前営業日には金利警戒感緩和で米国主要株価三指数が揃って上昇した後であったため、高値後の株の利益確定売りや持ち高調整が起き、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が大幅安に転じたことに加えて、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) も小幅安の終値に転じたことでは、低リスク通貨の円が買い戻されて、対ドル円相場は反発したが、米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) は小幅高の終値と下げ渋ったことでは、ドルも円相場で144円台中盤付近に留まった。

中東情勢への警戒感による地政学的リスク回避でも低リスク通貨の円が買われたほか、世界的な安全資産でもある米国債が買われる抵抗も混ざったが、米国政策金利予想では米国小幅利下げ予想が確定値を超えていたこともあり、米国ニューヨーク債券市場の今朝早朝の終値時点でも米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は3.816%付近と、前営業日比で+0.006と上昇しており、債券利回りを受けた金利差トレードでは日米金利差拡大時の円売りドル買いが優勢であったため、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の利上げ方向と米国の利下げ方向の金融政策の方向性の違いはあるものの、すぐに日米金利差が急速に拡大することなく当面の間は小幅調整で日米金利差が継続する可能性が意識されたことなどでは、為替相場は前営業日比では小幅ながらも円安ドル高のニューヨーク終値に向かった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の143円86銭付近から、円の安値でドルの高値の144円65銭付近の値幅79銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円50銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の144円33銭付近と比べて約17銭の円安ドル高をつけていた。

このトレンドを受け継いだ今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、ドルは円相場で今朝8時18分頃の一時144円23銭付近が底値となり、その後にはドルの買い戻しが入り始めたため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時144円50銭付近の始値で、9時0分の1分間の値動きの中で瞬時記録した一時144円45銭付近が今日の日本市場での円の高値でドルの安値となり、ドルの買い戻しが入り始めた。

ただし、今朝の東京株式市場では、午前の部の今日の日経平均株価が低下して始まっていたため、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の低リスク通貨の円買いは抵抗になっていた。

しかし、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては、日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入ったほか、日本市場時間の時間外の米国債券取引でも、米国大幅利下げ予想の後退の影響もあり、米国長期金利が再び上昇を始めたため、債券利回りを受けた日米金利差拡大でも、前日の高値後の円には利益確定売りが入りやすく、持ち高調整もあってドルは円相場で上昇した。

また、円の利益確定売りや持ち高調整のドルの買い戻しにより、前東京終値比で大幅な円安ドル高に傾き始めると、円安時に日本株を買い円高時に利益確定売りをしがちな海外投資家達の日本株の買い戻しが起き始めた影響もあり、午前の部では前日比で低下していた日経平均株価が、午後の部では下げ幅を縮めてプラス圏に転じ、その後には前日比での大幅な円安を追い風に受けて大幅高に向けたことでは、以前の日本株価低下時に買われていた低リスク通貨の円売りが日経平均株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で起き、世界的な安全資産の米国債売りの影響もあり米国長期金利は今日の日本市場の午後14時51〜53分頃に一時3.832%付近に上昇後だったため、午後15時頃に今日の日経平均株価が3万8288円62銭の終値をつけて前日比178円40銭高の大幅高で大引けした頃には、ドルは円相場で144円台後半と145円台方向を視野に入れていた。

午後からの欧州市場に続き、祝日連休明けの世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が参入すると、米国長期金利上昇時の円売りドル買いに加えて、英国の夏の祝日連休明けかつ今月の月末も近い英国市場で世界共通の金価格の値決めなどでも使用される世界的に流動性が高い基軸通貨でもあるドルの実需の買いの影響などもあり、夕方の16時35分頃にドルは円相場で一時145円17銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円0〜2銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の143円90〜91銭付近の前東京終値比では約1円10銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定や米国債の入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時に米国住宅関連の最新経済指標の4〜6月第2四半期の米国住宅価格指数と6月米国住宅価格指数と 6月米国S&Pケース・シラー住宅価格指数が同時発表され、続いて今夜23時に8月の米国消費者信頼感指数と8月の米国リッチモンド連銀製造業指数、26時に米国2年債の入札予定などを控えている。

また、中東情勢などのニュースに加えて、債券利回りを受けた日米金利差トレードや、株式市場からの為替相場への影響などにも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円86〜87銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の160円90〜92銭付近の前東京終値と比較して約96銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の午後の日経平均株価が前日比で大幅高に転じて大引けしたことを受けたリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りと欧州ユーロ買いに加えて、前日の大幅な円高後の円の利益確定売りでも欧州ユーロが円相場で買い戻された調整が影響を及ぼした。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1161〜1.1163ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1180〜1.1182ドル付近の前東京終値と比較すると約0.19セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、米国大幅利下げ予想値の後退と米国小幅利下げ予想値の確定値超えの上昇による調整もあり、米国長期金利の反発上昇を受けた主要通貨に対するドルの買い戻しが影響を与えていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は191円40〜46銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の189円85〜91銭付近の前東京終値と比べると約1円55銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、主要通貨のドルや欧州ユーロへの前日の高値後の円の利益確定売りや持ち高調整の影響が波及したことに加えて、今日の午後の日経平均株価の大幅高の終値での大引けを受けた低リスク通貨の円売りでも、欧州ユーロだけでなく英国ポンドは買われやすかった。

また、日本市場時間の夕方が時差で現地の朝にあたる英国祝日連休明けの今日の英国株式市場では、英国主要株価指数の英FTSE 100 (Financial Times Stock Exchange 100 index ) が上昇して始まったことでも、株価上昇時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られやすく、投資実需もあって英国ポンドが買われる値動きが影響を及ぼしていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月27日の日本時間(JST)19時40分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時40分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:40の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 144.82 〜 144.83 +0.92 (円安)
ユーロ/円 161.65 〜 161.67 +0.75 (円安)
ユーロ/ドル 1.1162 〜 1.1163 −0.0018 (ドル高)
英ポンド/円 191.41 〜 191.47 +1.56 (円安)
スイスフラン/円 170.94 〜 171.00 +1.01 (円安)
豪ドル/円 98.16 〜 98.20 +0.70 (円安)

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