FXニュース:日経平均大幅安の円買い

2024年8月19日
FXニュース:日経平均大幅安の円買い

 

東西FXニュース – 2024年8月19日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米住宅着工件数想定以下
  • 米建設許可件数も下振れ
  • 米消費者態度指数上振れ
  • 米長期金利低下ドル売り
  • 米雇用統計下方修正予想
  • 今週の日米イベント控え

今日2024年8月19日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の148円0銭付近から、円の高値でドルの安値の145円18銭付近の値幅約2円82銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円11〜13銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の149円3〜4銭付近の前東京終値比で約2円92銭の大幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の先週金曜日の夜20時頃の英国ロンドン外国為替市場では、債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時3.873%付近に低下したため、前日に発表された最新米国重要経済指標の7月の米国小売売上高の上振れを受け上昇後のドルの利益確定売りや週末を控えた持ち高調整が進んでいたため、英国市場の後半にあたる先週金曜日の夜21時頃から始まった先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時148円5銭付近と、前東京終値比で対ドルの円相場が上昇して始まった。

また、先週金曜日の夜21時30分に発表された最新米国経済指標の7月の米国住宅着工件数は、年率換算件数が前回の135.3万件と前回下方修正の132.9万件と市場予想の133.0万件を下回る123.8万件と弱く、前月比も前回の3.0%が前回1.1%に下方修正されたほか、市場予想の-1.7%を下振れするマイナス圏の-6.8%に低下するなど2020年5月以来の低水準となり、当初はハリケーンの影響があったとされていたものの、先行指標である7月の米国建設許可件数の年率換算件数も前回の144.6万件と前回上方修正の145.4万件と市場予想の142.5万件を下回る139.6万件に下振れしており、前月比でも前回の3.4%と前回上方修正の3.9%と市場予想の-1.5%以下のマイナス圏の-4.0%であったことから、ハリケーンの影響だけでなく米国で高金利が長期化していたことが影響を及ぼしている可能性から、米国景気減速懸念が再び燻り、発表直後の21時31分頃にはドルは円相場で一時147円61銭付近に下落した。

ただし、先週金曜日の夜23時に発表された8月の米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値は、前回の66.4と市場予想の66.9を上回る67.8であったことでは、先ほどの米国景気減速懸念が後退したことで、米国ニューヨーク債券市場では世界的な安全資産でもある米国債の価格上昇後の利益確定売りや持ち高調整が入り、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が反発して先週金曜日の夜23時30分頃に一時3.917%付近に上昇したため、債券利回りの金利差トレードで日米金利差を受けた円売りドル買いが起き、先週金曜日の夜23時35分頃にはドルは円相場で一時148円26銭付近に買い戻されたほか、その1時間後の深夜24時35分頃には米国長期金利が一時3.921%付近にまで上昇したことから、深夜24時45〜46分頃にドルは円相場で一時148円27銭付近と、先週末の米国市場での円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、市場高値後のドルには週末を控えた利益確定売りが再び入り始めたことに加えて、利回り上昇時の債券価格低下後の米国債には安値買いの反発もあったことでは、米国長期金利は反落を始め、米国ニューヨーク債券市場の終値時点の前日比-0.029の3.885%付近に向けた大幅な低下を見せたため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りでドルは円相場で、米国ニューヨーク外国為替市場の終値直前の先週土曜日の朝6時頃の1分間の値動きの中で一時147円53銭付近の先週末の米国市場の円の高値でドルの安値に向かった。

一方、米国長期金利の低下を受けては、金利先行きの警戒感はやや緩和し、9月の米国利下げ予想では小幅利下げ予想値が市場で確定値と考えられている70%をやや上回る水準で推移しており、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) は小幅ながらも続伸の終値に向けていたことでは、米国ニューヨーク株式市場では米国主要株価三指数続伸時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では低リスク通貨の円がやや売られていたことでは、先週末の米国市場での円相場のドルの下値は147円台に留まっていた。

このため、先週金曜日の夜から土曜の朝までの先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の148円27銭付近から、円の高値でドルの安値の147円53銭付近の値幅74銭で、先週土曜日の朝6時頃のニューヨーク終値は147円53銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の149円28銭付近と比べて約1円75銭の大幅な円高ドル安をつけて週末を迎えていた。

週明けの今朝早朝7時43分頃のアジア・オセアニア市場では、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時3.911%付近に向けて反発していたため、ドルは円相場で一時148円5銭付近まで買い戻されたものの、今週の8月23日の金曜日には、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の発言予定と同日に、年次経済シンポジウムのジャクソンホール会議で米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の発言予定の日米イベントを控えている週の始まりということで、イベントを控えた早期の持ち高調整などが入り始めてドルは円相場で反落しながら始まったため、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時147円96銭付近の始値で、9時0分の1分間の値動きの中で瞬時記録した一時148円0銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となり、今日の日本市場では対ドルの円相場が上昇した。

今朝は前東京終値比で大幅な円高ドル安が進行して始まったこともあり、円安時に買った日本株を円高時に利益確定売りをする海外投資家達の円高時の日本株売りの影響で、今朝の東京株式市場では日経平均株価が大幅に下落して始まったことも、日本株安リスク回避のリスクオフ (Risk-off) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが強まった。

また、週明けの今朝のニュースでは、週末中の日曜日に英国経済紙フィナンシャル・タイムズ (FT / Financial Times) が、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国サンフランシスコ地区連邦銀行のメアリー・デイリー総裁のインタビューを掲載した内容も日本語訳されて話題になり、米国の借入金利を現在の5.25〜5.50%から調整することを検討する時期であることに言及した上で、米国労働市場については「減速してはいるが、弱くはない」ので先日発表された7月の米国雇用統計の下振れだけで判断するのは時期尚早としたものの、米国労働市場を軟化させないことは「非常に重要だ」と発言し、「漸進主義は、弱くも遅くもなく、遅れてもいないが、慎重だ」とも発言しており、米国インフレ率については、目標の2%に向かっていることを「一段と確信している」と発言していたことなどから、米国小幅利下げ予想値が確定値超えの優勢さを保っていたことも、今週の植田総裁とパウエル議長の発言を控えた日米金利差縮小予想の影響があり、今日の日本市場の時間外の米国債券取引では一時反発後の米国10年債の利回りが反落を始め、午後の一時3.865%台の米国長期金利に向けて低下したため、米国長期金利低下時の日米金利差縮小による円買いドル売りも続いた。

更に、お盆休み明けで市場流動性の減少から少しの値動きでも値幅が拡大しやすくなっていた今日の日本市場の話題では、今週8月21日の水曜日に発表予定の米国労働省労働統計局 (BLS / Bureau of Labor Statistics) の年次改定値の暫定値において、昨年2023年4月から今年2024年3月までのおよそ1年間の米国非農業部門雇用者数が大幅に下方修正されるとの市場予想が浮上したことへの警戒感が加わり、今週の金曜日よりも早期の水曜日のイベントも意識され、週明けの早期の日米のイベントリスク回避の利益確定や持ち高調整の円買いドル売りの一因となっていた。

午後15時頃には、今日の日経平均株価は円高時の海外投資による日本株の利益確定売りや持ち高調整が進んで下落幅を更に広げており、3万7388円62銭の終値と前営業日比674円5銭安の大幅安で大引けしたため、日本株安を受けたリスク回避のリスクオフの国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが強まったことに加えて、世界的な安全資産でもある米国債も買われていた米国長期金利低下時のドル売りの影響で、午後15時8分頃にドルは円相場で一時145円18銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

なお、今日の株式市場のニュースでは、セブン・イレブンなどのコンビニやイトーヨーカ堂などを傘下に持つ日本の大手総合流通持株会社のセブン&アイ・ホールディングス (7&iHD) が、北米カナダのコンビニエンス・ストア大手のアリマンタシォン・クシュタール社から買収をオファーされたという報道を受けて、大規模なM&Aで円買いが入る可能性から便乗的な円買いも一時は入っていたが、まだ初期的な法的拘束力のない買収提案であったことが発表された。

午後からの欧州市場の参入では、米国金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、今年9月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ予想値は、今日の午後の時点でも、0.25%の米国小幅利下げ予想値が市場での確定値と考えられている70%超えの71.5%付近で推移しており、0.50%の米国大幅利下げ予想値は28.5%付近で推移していることもあり、今日の日本市場で大幅な円高ドル安の進行後には、市場安値圏からのドルの買い戻しも入り始めたが、今週のイベントリスクや中東情勢警戒感なども燻り、世界的な安全資産である米国債の需要があったことでは、夕方の米国長期金利低下によりドルの円相場での買い戻しは146円台に留まった。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円11〜13銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の149円3〜4銭付近の前東京終値比では約2円92銭の大幅な円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表と米国連邦準備制度理事会 (FRB) 理事の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時15分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のクリストファー・ウォラー理事の発言予定があり、続いて今夜23時に7月の米国景気先行指標総合指数が発表される予定である。

また、夏休み時期の市場流動性により、普段よりも値幅が大きく出やすくなっていることなどもあり、ニュースの影響に加えて、米国長期金利の金利差トレードや日本だけでなく欧米の株式市場などからの為替相場への影響などもFXトレーダー達に注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円35〜36銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の163円72〜73銭付近と比較すると約2円37銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、日経平均株価の大幅安を受けたリスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円が買われた一方で、リスク市場に弱い欧州ユーロや英国ポンドが円相場で売られていた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1042〜1.1044ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0984〜1.0988ドル付近と比較すると約0.58セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、米国長期金利低下時のドル売りの影響があったほか、円相場でのより大幅な円高ドル安の外貨影響も波及した。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円46〜52銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の191円97銭〜192円3銭付近と比べると約2円51銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、欧州ユーロと同様に、日本株安を受けたリスク回避市場で買われやすい低リスク通貨の円に対して英国ポンドも売られたほか、ドルやユーロなどの他の主要通貨への大幅な円高の影響も波及し、今日は前営業日比で大幅な円高ポンド安になっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月19日の日本時間(JST)19時26分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時26分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:26の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 146.43 〜 146.44 −2.60 (円高)
ユーロ/円 161.53 〜 161.54 −2.19 (円高)
ユーロ/ドル 1.1030 〜 1.1032 +0.0046 (ドル安)
英ポンド/円 189.74 〜 189.80 −2.23 (円高)
スイスフラン/円 169.21 〜 169.27 −2.11 (円高)
豪ドル/円 97.92 〜 97.96 −0.91 (円高)

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