FXニュース:米FRB理事がタカ派発言
2024年6月26日
東西FXニュース – 2024年6月26日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米高金利長期化予想再燃
- 米利上げの可能性に言及
- 米長期金利上昇で金利差
- 日経平均株価大幅続々伸
- 160円台で為替介入警戒
- 今年最大の円安ドル高
- 仏選挙前懸念燻るユーロ
- 豪CPI上振れ利上げ予想
今日2024年6月26日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の159円66銭付近から、円の安値でドルの高値の159円93銭付近の値幅約27銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は159円88〜90銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の159円48〜49銭付近の前東京終値比では約40銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向の分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨夜20時台の英国ロンドン外国為替市場では、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のミシェル・ボウマン理事のタカ派発言があり、米国高金利長期化予想が再燃し、円売りドル買いや、英国ポンドなど主要通貨に対するドル買いが起き始めた。
ミシェル・ボウマン理事は、昨夜の英国ロンドンでの講演で、米国のインフレ見通しついての上振れリスクを指摘し、米国政策金利をしばらくの間、高金利で維持するという米国の利下げ転換に対する慎重な姿勢を示し、「まだ、米国政策金利の利下げには適切な時点ではない。米国経済の見通しに関するリスクと不確実性を踏まえ、米国金融政策スタンスの将来的な変更を検討するアプローチにおいては、私は慎重な姿勢を保つつもりである」と話した。
また、同理事は講演後の討論会でも、「今年年内の米国利下げは見込んでいない」とタカ派発言を繰り返し、加えて、米国のインフレ率が上振れした場合には、「必要であれば、追加利上げの可能性がある」とのタカ派発言を続けており、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の中でもタカ派で知られていたボウマン理事だが、今月6月12日に発表された最新の米国政策金利の見通しのドットプロット (Dot plot / 金利予測分布図) では今年年内の米国利下げ予測値の中央値が前回の3回から1回までのタカ派寄りに修正されたものの、その中でも今年年内の米国利下げをしない0回を支持したタカ派の参加者が4人いたことが知られていたが、その一人はボウマン理事であると市場で受け止められており、年内0回の4人と年内1回までの7人と合わせた年内1回までの中央値の11人が、19人の投票権を持つ参加者内でハト派寄りの2回の8人を多数決で上回る結果となったが、6月以前の今年年内3回と比較すると、年内0〜2回までといずれもがタカ派寄りの予想値になっていた。
米国高金利長期化予想の再燃を受けて、日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入警戒感が最意識されていた英国ロンドン外国為替市場では、昨夜19時9分頃にはドルは円相場で一時159円29銭付近まで下げており、債券市場でも世界的な安全資産でもある米国債が欧州市場で選挙前のフランスの欧州政治懸念などでも買われていた影響があり米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時低下していたが、昨夜20時頃からの前述のボウマン理事のタカ派発言が報道され始めると、ドルは円相場で反発を始めており、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時159円46銭付近の始値であった。
ただし、開場時にはまだ欧州市場の値動きの影響が残り、米国長期金利は一時4.214%付近にまで低下していたため、債券利回りの影響を受けていた昨夜21時7分頃の一時159円43銭付近が米国市場での円の高値でドルの安値となったが、その後の米国市場では、前述のボウマン理事のタカ派発言を受けた米国高金利長期化予想の高まりにより、米国長期金利が反発後に一時4.260%付近に向けた上昇を始めたため、債券利回りの日米金利差拡大を受けた金利差トレードでも円売りドル買いが起き、ドルは円相場で上昇した。
また、米国市場で昨夜22時に発表された最新米国経済指標の4月の米国S&Pコアロジック・ケース・シラー米国住宅価格指数 (S&P CoreLogic Case-Shiller 20-City Composite Home Price NSA Index) の前年同月比は、前回の7.4%が前回7.5%に上方修正され、市場予想の7.0%を上回る7.2%の高い伸びとなったことも、根強い住宅インフレによる想定以上の米国インフレの上振れリスクを意識させ、ドル買いの一因となった。
ただし、より重要度は低いものの、同時発表だった4月の米国住宅価格指数の前月比では、前回の0.1%が前回0.0%に下方修正され、市場予想の0.3%に対し0.2%であったことはやや抵抗になっていた。
続いて、昨夜23時に発表された米国コンファレンス・ボード (The Conference Board / 全米産業審議会) の6月米国消費者信頼感指数は、前回の102.0と前回修正の101.3と市場予想の100.0に対し100.4と市場予想は上振れしていたが、同時発表だった6月の米国リッチモンド連銀製造業指数が前回の0と市場予想の-3を下振れする-10であったことでは強弱混合の経済指標となったが、先述の米国高金利長期化予想の再燃により、米国長期金利は更に上昇していたため、抵抗を交えながらもドルは円相場で上昇を続けていた。
深夜頃には米国市場と時間が重なる世界最大規模の英国ロンドン市場が終盤に近づいており、月末や四半期末の決算日が近いこともあってロンドン・フィキシング (London Fixing) の取引通貨としてのドル買い需要などもあったため、米国長期金利上昇時の日米金利差拡大の円売りドル買いに加えてドルが買われたため、深夜0時34〜35分頃にかけてドルは円相場で一時159円76銭付近のこの日の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
午前1時頃からは、先述のボウマン理事と同じく次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のリサ・クック理事の発言があり、米国ニューヨークの講演で、「米国インフレが大幅に改善し、米国労働市場が徐々に沈静化する状況では、米国経済の健全なバランスを維持するために金融政策の抑制具合を緩和することは、ある時点では適切となるだろう」と、「ある時点」での米国利下げを示唆するハト派寄りの発言もしたが、「その様な調整のタイミングは、米国経済データの推移とそれに対する米国景気見通しとの、リスクバランス次第となる」と、「今後データ次第」という中道派に近い見解であることを示しており、具体的な米国利下げ時期への言及は避けていた。
米国市場では、明日の夜に最新米国重要経済指標の1〜3月四半期の米国実質国内総生産(GDP / Gross Domestic Product) の確定値と、今週6月28日の金曜日の夜に5月の米国個人消費支出 (PCE / Personal Consumption Expenditure) 物価指標の米国PCEデフレーターとPCEコア・デフレーターの重要インフレ指標の発表イベントを控えており、もしも今週金曜日の夜の米国重要経済指標が上振れをした場合には、イベント時のボラティリティ (Volatility / 価格変動性) の高さでは160円台を急激に突破して為替介入が入るのではないかという警戒感があった一方で、イベントリスクが意識され始めたことでは、安全資産の米国債に買いが入り始めたこともあり、米国ニューヨーク債券市場では午前2時に米国2年債の入札もあったため、上昇後の米国長期金利が反落を始めたことでは、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は、今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点では4.249%付近と、前日比で0.015%の小幅上昇域に留まったことでは、ドル円の利益確定や持ち高調整はやや抵抗になっていた。
また、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) は、米国高金利長期化予想の影響もあって前営業日比で大幅安の終値となったものの、国際的なハイテク企業が多い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は前日比で大幅高の終値をつけて相殺し、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) も前営業日比で小幅高であったことでは、ドルからでも買える低リスク通貨の円需要は比較的限られていた。
このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の159円43銭付近から、円の安値でドルの高値の159円76銭付近の値幅約33銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は159円70銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の159円62銭付近と比べて約8銭の円安ドル高をつけていた。
その後の今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時159円70銭付近の始値で、日本市場の開場直後の9時1分頃につけた一時159円66銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となり、米国高金利長期化予想の円売りドル買いの影響に加えて、今朝の日本市場の仲値決済でも日本企業の輸入実需の円売りドル買いが優勢であったことから、ドルが円相場で上昇し、今朝10時41分頃に一時159円90銭付近の今朝の日本市場の円の安値でドルの高値圏を記録したほか、午後からの欧州英国市場の参入後の夕方16時22分頃にも、ドルは円相場で一時159円93銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
円安の追い風を受けて、今日の東京株式市場では日経平均株価が大幅に続伸し、午後15時台には3万9,667円7銭の終値をつけ、前日比493円92銭高の大幅高で大引けしたことも、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りの一因になっていたが、フランスの選挙日を控えて欧州政治懸念が燻っていることでは欧州ユーロが買いにくい雰囲気が出ていたことでは、ドル以外では豪ドルや英国ポンドなどに買いが入っていた。
日本市場とオセアニア市場の時間が重なる今朝10時30分頃には、オーストラリアの最新経済指標の5月の豪消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の前年同月比が前回の3.6%と市場予想の3.8%を上振れする4.0%に上昇しており、先日にオーストラリアの中央銀行にあたる豪州準備銀行 (RBA / Reserve Bank of Australia) のミシェル・ブロック総裁が、データ次第では追加利上げの可能性を示唆するタカ派発言をしていた経緯があったため、今日の午後の日経平均株価の大幅高を受けたリスクオンでは低リスク通貨の円売りで資源国通貨でもある豪ドルが買われて上昇しており、他の主要通貨に対する円安の影響も対ドル円相場に波及していた。
また、先述の米国高金利長期化予想の影響により、今日の日本市場時間と午後からの欧州英国市場参入後の米国債券取引でも米国長期金利が上昇し、今夜の英国ロンドン外国為替市場では今夜18時台に一時4.285%付近に上昇したため、ドルは円相場で160円台をタッチし始める勢いに向かっていた今夜17時頃に、東京外国為替市場は終値を迎えていた。
このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は159円88〜90銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の159円48〜49銭付近の前東京終値比で約40銭の円安ドル高になった。
また、その後の今夜18時6分頃の英国ロンドン外国為替市場では、ドルは円相場で一時160円6銭付近を記録し、その後にも何度も160円台にタッチし、今夜19時14分頃には一時160円15銭付近になり、追記として今夜20時3分頃には一時160円39銭付近に達し、今年4月29日に記録した160円台の今年最大の円安ドル高を超える勢いになり、1986年12月以来の円安ドル高を記録しているが、為替介入の引き金となると考えられているボラティリティ (Volatility / 価格変動性) では前日比で1円安を超えていないものの、今週は米国重要物価指標のイベントを控えていることから、為替介入への警戒感は燻っている。
今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定と米国債入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜20時に米国MBA住宅ローン申請指数、今夜23時に 5月の米国新築住宅販売件数、23時30分に米国週間原油在庫と、26時に米国5年債の入札予定などを控えている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は170円97〜99銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の171円6〜7銭付近と比較すると約9銭の小幅な円高ユーロ安であった。
主な要因は、昨夜の欧州株式市場で欧州主要株価が反落し、ドイツの主要株価指数の独DAX株価指数 (Deutscher Aktien-indeX) が前日比で大幅安となり、フランスの仏CAC40株価指数 (Cotation Assistée en Continu quarante 40 index) も前日比で下落し、フランスの総選挙を控えた日が近づいたことなどで欧州政治懸念が再び燻り、欧州市場ではリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で世界的な流動性が高いドルや世界最大の対外純資産国の日本の低リスク通貨の円などが買われたが、その一方で、円相場もドルや豪ドルに対して金利差や日経平均株高のリスク選好市場で下げていた影響の波及では小幅域になっており、今夜の英国ロンドン外国為替市場では、ドルなどの外貨への円安の影響の波及が強まり、今夜19時台には円安ユーロ高に転じている。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0692〜1.0694ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0725〜1.0727ドル付近と比べると約0.33セントのユーロ安ドル高であった。
また、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツの最新経済指標の7月の独GFK消費者信頼感調査が前回の-20.9と前回修正の-21.0と市場予想の-18.9を下回る-21.8に悪化したことも、ドイツに続くフランスの政治懸念と相まって、欧州ユーロが安全資産のドルや低リスク通貨の円に対して売られる一因になっていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は202円58〜64銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の202円33〜39銭付近と比べて約25銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、先述の通り、今日の日経平均株価の大幅続伸を受けたリスク選好市場では低リスク通貨の円売りから欧州ユーロが買いにくい雰囲気であったため、ドルや豪ドルや英国ポンドが買われやすかった。ただし、英国も7月4日に総選挙を控えていることでは、小幅域になっていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年6月26日の日本時間(JST)19時54分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時54分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
| 通貨ペア | JST 19:54の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 | 
| ドル/円 | 160.25 〜 160.27 | +0.77 (円安) | 
| ユーロ/円 | 171.25 〜 171.27 | +0.19 (円安) | 
| ユーロ/ドル | 1.0685 〜 1.0687 | -0.0040 (ドル高) | 
| 英ポンド/円 | 202.84 〜 202.90 | +0.51(円安) | 
| スイスフラン/円 | 178.47 〜 178.53 | ±0.00 (レンジ) | 
| 豪ドル/円 | 106.74 〜 106.78 | +0.42 (円安) | 
注意:
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