FXニュース:米PMI市場予想を上振れ
2024年6月24日東西FXニュース – 2024年6月24日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米高金利長期化予想再燃
- 為替介入警戒緩和と牽制
- 日銀主な意見にハト派も
- 日経平均株高リスクオン
今日2024年6月24日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の159円93銭付近から、円の高値でドルの安値の159円62銭付近の値幅約31銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は159円68〜69銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の158円76〜78銭付近の前東京終値比では約92銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向の分析は、まず先週金曜日の午後から夕方の日本市場の後半と欧州英国市場の前半が重なる時間に発表された欧州ユーロ圏のフランス、ドイツ、欧州ユーロ圏総合の最新経済指標の6月の欧州購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) は軒並み市場予想を下振れしていたが、先週金曜日の夜21時頃から始まった先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時158円90銭付近の始値で、先週金曜日21時5分頃の一時158円85銭付近が米国市場のドルの円相場での底値になり、先週金曜の夜22時45分に発表された最新米国経済指標の6月の米国購買担当者景気指数 (PMI) は軒並み市場予想を上振れしたため、ドルは円相場で上昇した。
米国S&Pグローバル (S&P Global) が発表した最新米国景気指標でもある6月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は、前回の51.3と市場予想の51.0を上回る51.7で、6月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も前回の54.8と市場予想の53.7に対し55.1に上昇し、6月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も前回の54.5と市場予想の53.5を上振れする2022年4月以来の2年2カ月ぶりの高水準の54.6と強く、いずれも不景気と好景気を分けるボーダーラインの50を超える好景気側で想定以上に上昇をしていたことから、米国の景気要因のインフレ圧が意識され、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国高金利長期化予想が高まった。
また、前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) では、今年年内に1回までのタカ派寄りの米国利下げ見通しに修正されたことで日米の金利差拡大が当面の間は続くという市場予想の影響も相まって、先述の米国PMI発表時の先週金曜の夜22時45分にドルは円相場で158円台後半から159円台に乗せて上昇を続けたほか、米国ニューヨーク債券市場でも米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、この最新米国経済指標の発表前の一時4.198%付近から発表後の一時4.278%付近に向けて大幅な上昇を始めていたことで、債券利回りを受けた日米金利差トレードでも低金利通貨の円が売られて自動利益が得られる高金利のドルが買われて円安ドル高が進行した。
続いて、先週金曜日の夜23時に発表された5月の米国景気先行指標総合指数の前月比は前回の-0.6%と市場予想の-0.3%に対し-0.5%と前回より改善されたものの市場予想には届かなかったが、同時発表だった5月の米国中古住宅販売件数の年率換算件数は前回の414万件と市場予想の410万件に対し411万件と市場予想よりも強く、5月の米国中古住宅販売件数の前月比も前回の-1.9%と市場予想の-1.0%を上回る-0.7%と堅調であったことでも、米国長期金利上昇を伴うドル買いが円相場で継続し、ドルは円相場で159円台後半への大幅な上昇を続け、先週末の米国ニューヨーク外国為替市場終盤の先週土曜日の朝5時55分頃には、ドルは円相場で一時159円83銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録し、今年4月29日に記録していた年内最大の円安ドル高の160円台に迫っていた。
週末を控えた米国市場の終盤には、米国ニューヨーク株式市場で米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) は前営業日比で小幅高の終値であったものの、週末を控えた利益確定や持ち高調整の影響もあり、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) は前営業日比で小幅安の終値であったことでも、先週末の米国株式市場終了後も続いていた世界FX市場の外国為替市場で上昇トレンドだったドル円の短期の買いと利益確定も混ざっていた。
ただし、先日の米国政府の財務省の為替操作監視対象リストに、前回から対象の中国、ドイツ、マレーシア、シンガポール、台湾、ベトナムの6カ国・地域に加えて、新たに日本が追加されて以来、以前からジャネット・イエレン財務長官が為替介入牽制発言をしていた経緯もあり、日米貿易摩擦の影響もあって、米国市場では日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が今後の為替介入を160円台以前ではやりにくくなるのではという市場予想があり、先週の日本市場では日本政府の財務省の神田真人財務官は日本が監視リストに追加されたことについては、「問題があるとは捉えていない。為替の過度な変動がある場合には、適切な対応をしっかりと取っていく」と為替介入の継続を示唆していたが、159円台では為替介入への警戒感が市場ではやや緩和されており、市場予想での為替介入警戒域が以前の158円台や160円の手前付近から160円付近や160円台以降にシフトした影響も残っていた。
このため、先週金曜日の夜から土曜日の朝までの先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の158円85銭付近から、円の安値でドルの高値の159円83銭付近の値幅約98銭で、先週土曜日の朝6時頃のニューヨーク終値は159円80銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の158円93銭付近と比べて約87銭の円安ドル高をつけて週末を迎えていた。
週明け早朝のアジア・オセアニア市場時間の今朝8時50分には、今朝9時頃からの今日の日本市場に先立ち、先日6月13〜14日開催分の日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決定会合の「主な意見」が公開され、国債買い入れの減額について、市場参加者の見方を確認するプロセスの後に具体案を決めた方が、「よりしっかりとした規模の削減ができる」との慎重な意見が出ていたことで規模未定で次回先送りになっていたことが分かったほか、日銀の追加利上げに関しては、物価上振れリスクが出てきていることなどでは今後のデータを注視し、「目標実現の確度の高まりに応じて、遅きに失することなく、適時に金利を引き上げることが必要だ」、「コストプッシュを背景とする第二ラウンドの価格転嫁によって、物価が上振れる可能性もある」、「リスクマネジメントの観点から、金融緩和のさらなる調整の検討も必要だ」との意見が出ていたものの、具体的な追加利上げの時期に関しては、消費者物価の明確な反転上昇や中長期予想インフレ率の上振れなどが実際に起きた場合の「経済指標で確認してからで良い」という慎重な意見も出ていたことでは、次回の早急かつ具体的な日銀の追加利上げ予想がやや後退したことではドルが円相場で上昇し、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時159円90〜93銭付近の始値と、今朝9時0分の1分間の値動きの中で今日の日本市場の円の安値でドルの高値である一時159円93銭付近を記録しながら始まった。
また、日本市場の開場直後の今朝9時1分頃と9時15分頃と9時25分頃にも、ドルは円相場で一時159円92銭付近の高値圏に達し、しばらく高止まりを続けていた。
今朝10時10分には減額前の日銀国債買い入れオペが通知された一方で、先週末の米国ニューヨーク債券市場の終値時点は4.257%付近だった米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が、今朝の日本市場の時間外の米国債券取引でも同水準で取引されておりドルは底堅かったが、今朝も日本政府の神田真人財務官が、160円手前に迫っていた円安進行に関して、「過度な変動があれば、適切な行動を取る」と、為替介入について「常日頃から、24時間いつでも出来る様に準備している」と発言し、「米国為替報告書の影響は、断言して言うが、全くない」と明言して円安牽制の為替介入を示唆していたため、アジアと日本市場時間の安全資産の米国債買いで米国長期金利が一時4.250%付近に小反落したことなどを受けては、高値圏で推移していたドルの上値を抑え、昼の12時27〜28分頃にはドルは円相場で一時159円62銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録したが、前東京終値比では158円台から159円台の円安ドル高が進行していた。
一方、来月の追加利上げ予想がやや後退したことでは国内金利上昇警戒感への緩和もあり、今日の東京株式市場では今朝は一時前営業日比安で始まった日経平均株価が反発し、午後には前営業日比で一時は300円高を超える大幅な上昇を見せた後に、利益確定の抵抗を交えながらも3万8804円65銭の終値と前営業日比208円18銭高の大幅高で大引けしたため、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) でも低リスク通貨に円売りから欧州ユーロなどのリスク選好通貨が買われて、欧州ユーロに対する円安も進行した影響が、他の主要通貨にも波及したことも今日のドル円の円安要因になり、午後からの欧州英国市場参入の頃に米国長期金利が一時4.261%付近に反発上昇した影響もあり、ドルは円相場で反発した。
ただし、日本市場が終盤に近づくと、日本企業にご迷惑がかからない日本政府と日銀 (BoJ) の海外市場時間に向けた為替介入への警戒感が再び出て来たこともあり、夕方の英国ロンドン外国為替市場では、世界的な安全資産でもある米国債買いの影響で利回り低下が起き始めており、今夜17時過ぎには米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は一時4.247%付近にまで低下していた影響があり、その後は反発傾向ではあったものの、日本市場終盤付近では利益確定や持ち高調整により、円相場もドルに対して反発を始めていた。
そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は159円68〜69銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の158円76〜78銭付近の前東京終値比では約92銭の円安ドル高であった。
なお、その後の今夜19時7分頃の英国ロンドン外国為替市場では、米国長期金利が一時低下後に反発上昇し、その後の19時台中盤には一時4.266%付近に向けて上昇トレンドであったにもかかわらず、日本政府と日銀の為替介入への警戒感を再び煽動する様にドルは円相場で一時158円75銭付近の日通し安値を一瞬記録したが、同じ1分間の値動きの中で瞬時に159円台に買い戻されており、ステルス介入にしては規模が小さいことが市場で話題になっている。
今夜この後の米国市場では、特に注目度が高い最新米国経済指標の発表予定はないものの、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の発言予定があり、日本時間のスケジュールは、27時頃から米国サンフランシスコ連銀のデイリー総裁の発言予定などがある。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は171円5〜7銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の169円50〜55銭付近と比較すると約1円55銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、先週までに欧州政治懸念や欧州近隣のスイスのサプライズ利下げと英国のハト派寄りの金利維持の影響や欧州景気指標などを受けて売られた欧州ユーロが、今日の日本市場では日経平均株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りで買われたことに加えて、欧州市場でも自国通貨の欧州ユーロが基軸通貨のドルに対して利益確定や持ち高調整などで買い戻されていた影響の波及があり、欧州ユーロが円相場で大幅に上昇した。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0710〜1.0714ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0676〜1.0680ドル付近と比べると約0.34セントのユーロ高ドル安に反発していた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は202円9〜15銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の200円75〜81銭付近と比べて約1円34銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも、今日の日経平均株価の大幅高を受けたリスク選好市場で低リスク通貨の円から買われて大幅に反発上昇した。
先週の英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の英国政策金利維持にハト派の反対票の利下げ支持が2票混ざっていたこともあり、今年の夏の英国利下げ予想の影響による英国ポンド売りがあった後の買い戻しも入っていたことや、先週金曜日の夜17時30分に発表されていた最新英国景気指標の6月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値が前回の51.2と市場予想の51.3に対し51.4に上昇し、6月の英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は前回の52.9と市場予想の53.0を下回る51.2と強弱が入り混じっていたものの、景気ボーダーラインの50を超える好景気寄りの景気指標であったことも、英国利下げ予想が高まっている一方で、欧州と米国では中間的な文化関係も持つ英国の景気要因のインフレ圧も米国指標を受けてやや意識されていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年6月24日の日本時間(JST)19時51分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時51分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 19:51の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 159.48 〜 159.50 | +0.72 (円安) |
ユーロ/円 | 171.09 〜 171.11 | +1.59 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0727 〜 1.0729 | +0.0051 (ドル安) |
英ポンド/円 | 201.95 〜 202.01 | +1.20 (円安) |
スイスフラン/円 | 178.54 〜 178.60 | +0.32 (円安) |
豪ドル/円 | 105.98 〜 106.02 | +0.39 (円安) |
注意:
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