FXニュース:米国債売りで長期金利上昇
2023年11月07日
東西FXニュース – 2023年11月7日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米国債入札やFRB発言控え
- 日米金利差拡大時の円売り
- 米主要株価三指数小幅続伸
- 今年の円安ユーロ高を記録
- 豪RBAが追加利上げを決定
今日2023年11月7日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の149円96銭前後から円の安値でドルの高値の150円49銭前後の値幅約53銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円46~47銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の149円68~69銭付近の前東京終値比では約78銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロが円相場で今年最大の円安ユーロ高の記録を更新しており、他の主要通貨に対する円安の影響がドル円にも波及し始めていた。
そこに、今週から米国冬時間になり日本との時差が1時間拡大した昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場が始まり、米国ニューヨーク債券市場で先週末の米国雇用統計の発表後に米国追加利上げ予想の後退や安全資産の米国債買いの影響で債券価格上昇に伴う利回りの低下時には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時は4.5%台に低下してドルが売られたが、週明け市場では債券価格上昇後の利益確定売りや今週の米国3年債、10年債、30年債の入札予定を控えた需給悪化懸念などの持ち高調整売りと、今週は米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定も相次ぐために警戒感の売りなどもあり、債券価格低下に伴う利回り上昇で米国長期金利が4.6%台に反発上昇し、日米金利差拡大時の円売りドル買いが優勢になったため、昨夜23時47分頃の一時149円68銭付近が米国市場での円の高値でドルの安値となり、その後にはドルは円相場で上昇を続けた。
また、同時進行だった決算報告期終盤の米国ニューヨーク株式市場では、米国ダウ工業株30種平均 (DJI / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P総合500種 (SPX / S&P500) が揃って6営業日連続で続伸し、米国ナスダック総合 (IXIC / NASDAQ Composite Index) は7営業日続伸と、米国主要株価三指数が小幅続伸を続けていたことでも、安全資産の米国債売りや低リスク通貨の円が売られていたことなども為替相場に影響を及ぼした。
米国ニューヨーク債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は午前4時10分頃には一時4.671%付近に上昇し、日米金利差拡大時の円売りドル買いの勢いが増したほか、欧州ユーロなどの他の主要通貨に対してもドルが買い戻された影響が円相場に波及したため、冬時間になった米国ニューヨーク外国為替市場の終盤の今朝6時57分頃にはドルは円相場で一時150円8銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の149円68銭前後から円の安値でドルの高値の150円8銭前後の値動きで、今朝7時頃のニューヨーク終値を150円7銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約68銭の円安ドル高をつけていた。
今朝8時半には日本の最新経済指標の発表があり、9月の全世帯家計調査の消費支出の前年同月比は前回の-2.5%と市場予想の-2.7%に対し-2.8%と、前回と市場予想よりも消費支出の停滞を示したが、9月の毎月勤労統計調査の現金給与総額の前年同月比は前回の1.1%と前回修正の0.8%に対し市場予想通りの1.2%と賃金の上昇傾向は見られた。
今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場では、今週は米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長や、高官の米国ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁と米国ダラス連銀のローガン総裁などの要人発言が多数予定されているために、イベント前の持ち高調整が入り始めており、次回12月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の市場予測値は今日のフェッドウォッチ (CME FedWatch Tool) が 確定値と考えられている70%を超えたおよそ90.2%の次回の米国政策金利据え置き予想値を示しているものの、残りの9.8%には一部のタカ派の追加利上げ予想が燻っており、年内は日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が金利抑制の大規模緩和金融政策を「粘り強く」継続する市場予想が優勢であったため、米国長期金利の上昇を受けた円安要因の日米金利差による円売りドル買いの金利差トレードが入りやすく、ドルが円相場で上昇を続けたため、今朝9時3分頃の一時149円96銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となった。
日本市場の今朝9時55分の仲値決済では、日本企業の輸入実需の円売りドル買いも入り、ドルは円相場で150円台に乗せた上昇を続けた。
ただし、今日の東京株式市場では日経平均株価 (Nikkei 225 / JP225) が下落したことでは、リスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いの抵抗で、ドル円はやや横ばいに近い値動きになった時間も混ざっていたが、欧州ユーロに対する円安とドル上昇の影響もあったため、ドルは小幅ながら円相場で上昇を続けていた。
今日の昼の12時半頃には、日本市場やアジア市場と時間帯が近いオセアニア市場で、オーストラリアの中央銀行にあたる豪州準備銀行 (RBA / Reserve Bank of Australia) が定例理事会で5会合ぶりの豪政策金利の追加利上げを決定し、前回の4.10%から市場予想通りの4.35%に0.25%の利上げを再開したが、同時発表の声明文では金融引き締めに積極的なタカ派姿勢をやや後退させたと市場で受け止められたため、発表後に豪ドルが主要通貨に対して売られた影響も円相場に波及していた。
日本市場の夕方には欧州英国市場の参入が始まり、午後16時に発表された欧州ユーロ圏のドイツの最新経済指標の9月の独鉱工業生産が、前月比は前回の-0.2%と前回修正の-0.1%と市場予想の-0.1%に対し-1.4%に低下し、前年同月比も前回の-2.0%と前回修正の-1.9%と市場予想の-2.7%に対し-3.7%に大幅に悪化したことでは、欧州景気懸念のリスク回避でユーロが売られて安全資産のドルが買われた影響が円相場にも波及し、ドルは円相場で午後16時41分頃に一時150円49銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、欧州景気懸念では安全資産の米国債も買われたため、米国長期金利が一時低下した時にはドル売りの抵抗もやや入っていた。
そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は150円46~47銭付近と、昨夜17時の149円68~69銭付近の前東京終値比で約78銭の円安ドル高になった。
今夜この後には、最新米国経済指標の発表予定や米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時半頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の発言予定、22時頃から同じくFOMC投票権を持つ米国シカゴ連銀にグールズビー総裁の発言予定、22時半に9月の米国貿易収支、23時15分頃から同FOMC投票権を持つFRBのバー副議長の発言予定、23時50分頃から米国カンザスシティ連銀のシュミッド総裁の発言、深夜24時頃から同FOMC投票権を持つFRBのウォラー理事の発言予定、26時頃から同FOMC投票権を持つ米国ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言予定、27時に米国3年債の入札、27時25分頃から同FOMC投票権を持つ米国ダラス連銀のローガン総裁の発言予定、29時に 9月の米国消費者信用残高などが発表される予定である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は160円94〜96銭付近と、前営業日同時刻の昨夜17時の160円63〜64銭付近の前東京終値比で約31銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、昨夜の英国市場や米国市場でも円売りの影響で一時160円台後半の今年最大の円安ユーロ高を記録していたが、今日の日本市場では日欧の金利差トレードの影響もあり、今日の午後15時過ぎには一時161円2銭付近と、2008年8月以来の円安ユーロ高の記録をさらに更新していた。
ただし、今日の夕方のドイツの経済指標の悪化を受けて、欧州景気懸念でユーロの利益確定や持ち高調整で、安全資産のドルだけでなく低リスク通貨の日本円も買われたため、今夜その後の20時台の英国市場では、前日比で円高ユーロ安に市場反転も見せている。
ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0696〜1.0697ドル付近で、昨夜17時の1.0730〜1.0732ドル付近の前東京終値で約0.34セントのユーロ安ドル高だった。
主な原因は、欧州ユーロは先週末の米国雇用統計発表後の6日に一時およそ1カ月半ぶりと言われるユーロ高ドル安を記録した後であったため、米国長期金利の反発に伴うユーロの利益確定売りとドルの買い戻しが進んだほか、今日の午後の欧州ユーロ圏主要国のドイツの最新経済指標が市場予想を下回り、欧州景気懸念の安全資産としてもドルが買われていた。
また、今夜19時に発表された欧州ユーロ圏総合の最新経済指標の9月の欧州卸売物価指数 (PPI) も、前月比が前回の0.6%と前回修正の0.7%に対し市場予想通りの0.5%に欧州のインフレ鈍化を示していたが、前年同月比では前回の-11.5%と市場予想の-12.5%に対し-12.4%と前回よりは大幅に鈍化したが、市場予想ほどの鈍化ではなかった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンドの円相場の終値は183円31〜37銭付近で、昨夜17時の185円23〜29銭付近の前東京終値比で約8銭の小幅な円安ポンド高であった。
主な要因は、日英金利差による円売り英国ポンド買いの影響の側で、昨夜の英国ロンドン外国為替市場では英国ポンドがドルに対して一時1.24ドル台の9月中旬以来のポンド高ドル安を記録後に、米国長期金利が反発上昇してドルに対して売られて下げたため、ユーロよりも小幅域の円安になっていた。
そして、今夜20時台の英国市場では、欧州ユーロ同様に前日比で市場反転も見せている。
原因は、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) のチーフエコノミストのピル氏が、「新たな展開がなければ、その時点で金利のあり方を検討したり、見直したりする可能性がある」と発言していたことも、英国利上げ終了予想が抵抗要因となったことや、今日発表された英国最新経済指標の10月の英国小売連合 (BRC) 小売売上高調査の前年同月比は、前回の2.8%から2.6%に低下していたことで英国景気懸念も燻っていた。
今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年11月7日の日本時間(JST)20時43分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) 11時43分頃。なお、サマータイム制のある米国市場も今週から冬時間になり、日本との時差が1時間広がり14時間遅れのJST-14 / GMT-5になった) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。
| 通貨ペア | JST 20:43の為替レート | 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比 | 
| ドル/円 | 150.41 〜 150.42 | +0.73 (円安) | 
| ユーロ/円 | 160.46 〜 160.47 | -0.17 (円高) | 
| ユーロ/ドル | 1.0667 〜 1.0668 | -0.0063 (ドル高) | 
| 英ポンド/円 | 184.67 〜 184.73 | -0.56 (円高) | 
| スイスフラン/円 | 166.82 〜 166.88 | +0.15 (円安) | 
| 豪ドル/円 | 96.42 〜 96.46 | -0.94 (円高) | 
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