FXニュース:米雇用統計が市場予想以上でドル買い戻しが

2022年12月05日
FXニュース:米雇用統計が市場予想以上でドル買い戻しが

 

東西FXニュース – 2022年12月5日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米平均時給が前月比0.6%増で市場予想0.3の倍増
  • 米国の非農業部門の米雇用者数が前月比26.3万人増
  • 米利上げ減速予想で長期金利低下時は売りの抵抗も
  • 中国ゼロコロナ緩和の香港欧英株高時のリスクオン

今日2022年12月5日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間のドル円相場の為替レートは、円の安値の135円25銭前後から高値の134円14銭前後の値動き幅が約1円11銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は135円11~12銭付近で、前営業日同時刻の前東京終値比で約47銭の円安ドル高であった。

主な原因は、前回の東西FXニュースでも発表予定をお知らせしていた最新米国重要経済指標の米雇用統計が市場予想を上回ったことで、それまでに先月発表の米国消費者物価指数 (CPI) を受けた米国インフレのピークアウト感や利上げ長期化での米景気懸念、そして先週の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の発言などで、今月13~14日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国の利上げペース減速協議に関して0.75%から0.5%の米利上げ幅の減速予想で低下したドル売り要因であった米長期金利が、回復傾向を見せた時間を中心に、ドルの買い戻しが入った影響が今日は見られた。

市場トレンドの動きとしては、先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場で日本時間の22時半に発表された最新米国雇用統計の11月の米平均時給が、前月比で前回の0.4%と前回上方修正の0.5%と市場予想の0.3%に対して0.6%に上昇しており、米失業率も前回と市場予想と同じ3.7%で堅調さを保ち、非農業部門雇用者数 (NFP) の前月比も、前回と26.1万人と市場予想の20.0万人に対して26.3万人に増えており、市場予想以上に好調な雇用統計により、米利上げ抵抗要因の景気懸念が緩和され、それまで下げていた米長期金利が一時回復傾向を示し、日米金利差拡大時の円売りドル買いで一時135円98銭付近に円相場が急落した。(チャート画像のドル一時急騰の部分である。)

ただし、パウエル議長の発言などを受けた前述の0.5%の米利上げ減速予想は根強く、米長期金利の一時回復幅が3.6%台付近に限られていたことでは、以前には一時4%台であった時と比較すると再び低下して3.47%台に金利差縮小感を示した時間もあったために、それまでの欧州英国市場で一時133円台まで円高ドル安が進んだ直後では、安値買いで高値感の出たドルが利益確定などで売られて値戻しする抵抗があった米国市場では、先週土曜の朝のニューヨーク終値を134円30~40銭付近の前日同時刻比約1円の円高ドル安で記録した。

週が明けて始まった今日の日本の東京外国為替市場では、今朝10時前の仲値決済に向けて、今日は5と10のつく日本の貿易企業の決済日が集中しやすい五十(ゴトー)日で、日本の輸入実需の円売りドル買いが先行し、10時前に134円76銭付近に円相場が下落したが、続いて輸出企業のまとまったドル売り円買いも続き、また今朝までに時間外の債権市場で米長期金利の指標となる米長期債権価格が一時上昇すると共に利回りが一時低下したことでは投資系の利益確定などもあり、10時台後半には一時134円14銭付近の今日の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、日本市場でも好調な米雇用統計の世界FXニュースなどを受けて、安値でのドルの買い戻しの動きがあり、そこからは米長期金利の低下も収まってきたことなどからも、再びドルが買われて上昇し、今夜この後に発表予定の米国経済指標の発表を控えての様子見の動きも混ざった。日本市場の午後からの欧州英国市場の参入では、米長期金利が3.5%台を超えて回復傾向を見せたこともあり、かねてからの円安要因であった日米金利差拡大予想による円売りドル買いが入り、ユーロに対しても安値でのドルの買い戻しが入った影響もあってドル上昇が加速し、夕方には今日の日本市場の円の安値でドルの高値の135円25銭付近を記録した。

そのため、今夜17時の今日の日本の東京外国為替市場のドル円相場の終値は135円11~12銭付近で、先週金曜17時の前東京終値比で約47銭の円安ドル高になった。

その後の今夜の欧州英国市場では18時台には米長期金利回復時の日米金利差拡大によるドルの買い戻しのショートカバーなどが続き、今日は一時高値をつけていたユーロの利益確定売りのドル買いも入り、ドル円は135円台中盤付近を記録している。

今夜この後にも最初の米国経済指標の発表予定があり、日本時間のスケジュールは23時45分に11月のサービス部門と総合の米国購買担当者景気指数 (PMI) の改定値と、深夜24時に10月の米製造業新規受注、そして、海外FXで今注目度の高い11月の米ISM非製造業景況指数などが発表される予定で、世界のFXトレーダー達が今後の為替相場のファンダメンタル分析での値動き予想材料として注目している。

一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の日本の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は142円37~39銭付近で、前営業日同時刻の前東京終値比で約60銭の円安ユーロ高だった。対ドルでの円安の影響が、他の主要通貨のユーロにも波及していた。

ユーロドルは、17時の今日の日本の東京外国為替市場のユーロドル相場の終値は1.0537~1.0538ドル付近で前営業日同時刻比で約0.08セントの小幅なユーロ高ドル安であった。それまでの米長期金利の一時低下時にユーロ高が進んでおり、今日は中国でのゼロコロナ行動規制の緩和期待などから香港株や、中国の取引先の欧州株の上昇時のリスクオンのユーロ買いの安全資産のドルと円売りの影響もあり、一時は1ユーロが1.0585ドル付近に上昇し、6月以来のユーロ高ドル安水準を記録していたことで、午後からのドルの買い戻しでユーロは上昇幅を小幅に縮めたものの、東京終値時点では僅差でユーロ高であった。

しかし、その後の欧州英国市場では、好調だった米雇用統計を受けて、米長期金利の回復時には欧米金利差予想によるドルの買い戻しも入っており、今夜19時台には前営業日比で横ばいレンジ付近の値動きや、僅差で一時ユーロ安ドル高にも転じながら推移している。

今日は欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁の発言や、欧州ユーロ圏の最新経済指標の発表もあり、17時50分にはフランスの11月の仏サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値が前回と市場予想の49.4に対して49.3で、17時55分に発表されたドイツの11月の独サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回と市場予想の46.4に対して46.1で、18時の欧州ユーロ圏総合の11月の欧サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回と市場予想の48.6に対して48.5に下げたことなどが、ユーロドルの一時市場反転に影響を及ぼしていた。

しかし、先ほど19時に欧州市場で発表された欧州ユーロ圏総合の10月の小売売上高は、前月比と前年同月比ともに前回と市場予想よりも改善されていたことでは、ユーロドルはレンジ付近から再びユーロ高ドル安にも再転する値動きも見せている。

今日の英国ポンドは、今夜17時の日本の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は166円7〜13銭付近で、前営業日同時刻比で約1円16銭の大幅な円安ポンド高になった。ドルやユーロなどの多数の主要通貨に対する円安の影響の波及に加えて、米国や欧州と比較しても英国は高インフレが継続し、日英金利差拡大予想などのポンド買いも値動きに影響していた。

今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、18時半に英国の最新経済指標の発表もあり、11月の英サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は、前回と市場予想と同じ48.8であったが、キリスト教が国教である英国では、大規模なクリスマスセール期間で企業などの売り上げなどが一時伸びやすい時期で、高金利で投資市場規模から海外からの投資資金の流入しやすい環境から、今日の英国株上昇を受けてのポンド買いなども入った影響などが観測された。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年12月5日の日本時間(JST)20時25分(英国時間(GMT)11時25分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:25の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 135.35 〜 135.36 +0.71 (円安)
ユーロ/円 142.90 〜 142.92 +1.13 (円安)
ユーロ/ドル 1.0557 〜 1.0559 +0.0028 (ドル安)
英ポンド/円 166.06 〜 166.12 +1.15 (円安)
スイスフラン/円 144.77 〜 144.83 +1.53 (円安)
豪ドル/円 92.02 〜 92.06 +0.66 (円安)


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