FXニュース:ブラックフライデーの米短縮市場を控え調整が

2022年11月25日
FXニュース:ブラックフライデーの米短縮市場を控え調整が

 

東西FXニュース – 2022年11月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 今夕の米長期金利の再上昇では前日比円高から円安に反発
  • 米利上げ減速予想で長期金利低下時のドル売り円買いも
  • 東京都区消費者物価コア指数が約40年ぶりの上昇率に
  • 前月開催分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨が発表

今日2022年11月25日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間のドル円相場の為替レートは、円の安値の139円5銭前後から高値の138円38銭前後の値動き幅約67銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は138円80䬻〜82銭付近で、前日同時刻の前東京終値比で17銭の円高ドル安であった。ただし、今夜その後の欧州英国市場では、20時台までに円安ドル高に転じている。

今週これまでの円相場上昇の主な原因は、9月と10月の日本銀行(日銀 / BoJ)の円買いドル売り為替介入でも止められなかった日米金利差拡大による円安ドル高トレンドが、今月11月に発表された米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の議事要旨と米国経済指標の最新10月分の米雇用統計と米消費者物価指数 (CPI) などを受けて、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の大幅利上げペース減速予想が優勢になり、米長期金利が低下し、これまでに大幅利上げ継続予想で買われていた投資用の余剰のドルの利益確定売りと持ち高調整の円買いの動きが強く出て、円高ドル安方向に転じたことが挙げられるが、日本銀行 (日銀 / BoJ) の大規模緩和の金利抑制により、米利上げ減速はあっても米利上げは継続する予想から、長期的な円安要因の日米金利差拡大予想も一方では継続している。

昨夜の日本の東京外国為替市場の終了後に今朝未明まで継続していた英国ロンドン外国為替市場でも、前日の米連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事要旨の内容を受けて、来月以降の米利上げペース減速予想が優勢で米長期金利低下が続き、日米金利差縮小時のドル売り円買いが継続し、一時138円5銭付近の前日比で大幅な円高ドル安を記録した。ただし、世界的な基軸通貨のドルには、その後には安値の買い戻しなどの抵抗も入った。

また、日本時間で昨夜21時半の欧州市場では、先月10月に開催分の欧州中央銀行 (ECB) 理事会の議事要旨が発表され、9月から2会合連続で通常の3倍の0.75%の大幅利上げが決定されたこの会合での大幅利上げの決定は、「非常に多数の参加者の支持を得た」とされたものの、「少数の参加者は0.50%の利上げを希望」していたことが明らかになり、欧州中央銀行 (ECB) にも大幅利上げペース減速予想が浮上し、一時円高ユーロ安に傾いた時間があり、ユーロに対する円高がドル円相場にも一時波及した。

ただし、欧州中央銀行 (ECB) 理事会の今後の金融政策についての議論内容では、「欧州ユーロ圏のリセッション(景気後退)が深刻にならなければ、インフレ抑制のために利上げを継続するべき」というタカ派の意見がある一方で、「もし長期的な景気後退があれば、欧州のインフレそのものを大きく抑制する可能性があるため、利上げの一時停止も可能ではないか」などの様々な意見が飛び交っており、特に方向性が掴めないことから、徐々にユーロが買い戻される動きが出始めたことで、ドル円相場への影響の波及は限定的なものになった。

欧州英国市場の後半から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場は感謝祭の祝日休場で、今夜の米国市場もブラックフライデーの一部短縮市場により、米国では週末と半ば連休の様なホリデームードのため、今朝の東京開場前の海外FX市場やアジア・オセアニアの世界FX市場でも、週末を前にしたポジションの持ち高調整が進み、それまでの円安ドル高の流れを引き継いだ薄商い市場ではあったが、それまでに利益確定などで売られた後のドルが、世界的な流動性の高い基軸通貨であることから、安値感から買い戻される動きも入り始めた。

今朝8時半の日本の東京外国為替市場の開場直前には、日本の最新経済指標の発表があり、11月の東京都区部消費者物価指数 (CPI) の生鮮食料品を除くコア指数の前年同月比は前回の3.4%と市場予想の3.5%に対して3.6%上昇し、市場予想を超えた約40年7カ月ぶりの上昇率と言われ、日本の場合は日本銀行(日銀)の金利抑制の大規模緩和継続予想が大優勢であるために、インフレ率加速による金利への影響は考えられていないが、歴史的なインフレ加速度による景気懸念という観点からは、少々の円売りでの市場反応も見られた。

8時50分には日本の経済指標の前週分の対外対内証券売買契約等の状況も発表され、対内株式では前回の5566億円と前回修正の5533億円に対して45億円に大幅減少し、対外中長期債でも前回の-1239億円と前回修正の-1205億円に対して-5266億円に減少した。10月の企業向けサービス価格指数も同時発表され、前年同月比は前回と市場予想の2.1%に対して1.8%で、それまでの米利上げペース減速予想での円高ドル安基調が、今朝のドルの買い戻しに加えての日本の経済指標を受けた景気懸念などでやや停滞し始め、9時前のドル円は138円台後半になっていた。

その後に9時から始まった今日の日本の東京外国為替市場では、今朝10時前の仲値決済に向けて、今日は25日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい「5と10の付く日の五十日(ゴトービ)」で、貿易実需などのまとまった円売りドル買い注文が入り、10時過ぎには一時139円5銭付近の今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、ドルの高値の後には輸出企業のドル売り円買いや、米利上げ減速予想による米長期金利低下時の日米金利差縮小による高値のドルの利益確定売りの円買いなども入り、再びドル円は138円台に押し戻されていき、昼の13時半頃には米長期金利が前日の3.69%台付近から更に低下した3.64%台付近に低下したために、今日の日本市場での円の高値でドルの安値の一時138円38銭付近を記録した。

しかし、日本市場の午後になり、時差で朝の欧州英国市場が参入すると、時間外の米債権市場で安全資産の米国債が売られて米長期金利が回復上昇を始めたことで、日米金利差拡大時のドル買い円売りが入り始めた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は138円80䬻〜82銭付近で、昨日17時の前東京終値比では17銭の比較的小幅な円高ドル安になった。

そして、今夜その後の欧州英国市場では、米長期金利の再上昇を受けた日米金利差拡大のドル買い円売りが継続し、米利上げペースの減速があっても米利上げは継続し、最終的なターミナルレートは以前の想定よりも高金利の5%付近になる可能性等の日米金利差拡大予想もあることなどから、週末前の持ち高調整の高値圏のユーロの利益確定売りのドル買いなどの主要通貨に対するドル上昇の影響の波及もあり、ドル円は再び139円台に乗せて、18時台後半には一時139円52銭付近を記録し、前日比では再び円安ドル高に転じている。

一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は144円48~51銭付近で、前日同時刻の前東京終値比で約28銭の円高ユーロ安であった。ただし、今夜その後の欧州市場では、前述の基軸通貨のドルに対して前日比で円安ドル高に転じたこともあり、20時台には円安ユーロ高に転じている。

ユーロ対ドルは、17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0409~1.04010ドル付近で、前日同時刻比で約0.07セントのユーロ安ドル高になった。今夕の米長期金利の再上昇を受けたユーロの利益確定売りのドル買いや、今日までに発表された欧州ユーロ圏のECB議事要旨や今日の夕方の最新経済指標でのユーロの一時売りの影響などが現れていた。

16時に発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツのGFK消費者信頼感調査は、前回の-41.9と市場予想の-39.6に対して市場予想以下の-40.2であった。

ただし、より重要度の高いドイツの7〜9月期の独国内総生産 (GDP) の改定値は、季調前の前年同期比が前回と市場予想の1.1%に対し1.2%に上昇し、季調前の年同期比も前回と市場予想の1.2%に対して1.3%に上昇したことは好感された。前期比でも、前回と市場予想の0.3%に対し0.4%に改善したことでは、一時売られたユーロはすぐに買い戻される動きも出た。

16時45分にはフランスの11月の仏消費者信頼感指数が発表され、前回の82に対して市場予想通りの83であった。

今日の英国ポンドは、今夜17時の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は167円81〜87銭付近で、前日同時刻比で約2銭の僅差の円安ポンド高であった。

しかし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、主要通貨のドルやユーロに対して前日比で円安に転じたのと同様に、20時台には円安ポンド高にも転じている。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年11月25日の日本時間(JST)20時25分(英国時間(GMT)11時25分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:25の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 139.39 〜 139.41 +0.42 (円安)
ユーロ/円 145.03 〜 145.04 +0.27 (円安)
ユーロ/ドル 1.0403 〜 1.0404 -0.0013 (ドル高)
英ポンド/円 168.63 〜 168.69 +0.84 (円安)
スイスフラン/円 147.58 〜 147.64 +0.78 (円安)
豪ドル/円 93.99 〜 94.03 +0.30 (円安)


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