FXニュース: 米ISM製造業景気指数が予想以上の56.1で一時130円台の円安に

2022年6月02日
FXニュース: 米ISM製造業景気指数が予想以上の56.1で一時130円台の円安に


東西FXニュース – 2022年6月2日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FRB期待と米長期金利上昇で日米金利差拡大によるドル買いの円売りも優勢
  • 日経株価安時とサウジアラビアの原油増産示唆では低リスク通貨の円買いも
  • 欧州中央銀行(ECB)理事会のオーストリア中銀ホルツマン総裁の発言の影響

今日2022年6月2日の木曜日の東京外国為替市場のFXの対ドル円相場の為替レートは、9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値が130円22銭前後から高値129円77銭前後の値動き幅45銭程で、今夜17時の東京市場終値は129円87〜88銭前後で、同時刻の前日比で約48銭の円安ドル高であった。今日で5営業日連続の円安ドル安の続伸となり、今日は朝などに130円台の円の安値を記録していた時間帯があった。

原因はまず、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク市場時間に発表された米国重要経済指標の米供給管理協会のサプライマネジメント協会(ISM)の5月の製造業景況感指数が56.1で、前月の55.4や市場予想の54.5を大きく超えて上昇しており、同指数は50が景気拡大と縮小の境界と考えられているために予想以上の好景気指数で、米連邦準備理事会(FRB)のインフレ対策の積極的な金融引き締めや利上げで米景気後退のリセッションが起きるのではないかという懸念が改善されてドルが買われやすくなり、その一方で低リスク通貨の円がリスクオンで売られ、対ドルの円相場が130円台に跳ね上がった。

一時は130円19銭付近の先月中旬以来の円安ドル高水準に達し、今朝のニューヨーク終値も130円10~20銭で前日比1円45銭の大幅な円安ドル高であった。

先行指標の米製造業の新規受注指数もインフレにも関わらず需要が回復上昇しており、供給業者納入指数は納期の遅れを示唆していたが、仕入れ価格指数は低下して米国のインフレがピークアウトしたのではないかと考えられた。その一方で、米雇用指数は49.6で、前月の50.9からやや下がったことから分析すると、米製造業の需要は景気回復で増えており、原料高もインフレのピークを超えた可能性はあるが、納期の遅れがあり、その原因は労働者不足などの問題ではないかということなので、改善の余地がある。

現に、米国では今年3月の終わりに記録的な求人件数がニュースになり、米労働市場は堅調と考えられていた。しかし、業界によっては労働者不足などが問題になっており、コロナ流行時の一時離職後の復帰遅れや、より安全で快適な仕事を求めての転職などで、米原油増産を考慮した際の問題点でも、賃上げされたにも関わらず重労働が多いという理由で転職での人手不足が問題になっていた。

米雇用動態調査(JOLTS)4月分でも、非農業部門の求人件数が高い水準で推移しており、米雇用市場の堅調さを示すと共に、米景気経済回復への期待と、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めや利上げ予想が強まり、円だけでなく幅広い外貨に対しても米ドルが買われて高騰した。

今朝の債権市場でも米長期金利が上昇し、一時2.95%付近になり、5月中旬以来の高水準で、日米金利差拡大によるドル買いの円売りも優勢となっていた。その流れを受けて始まった今日の日本東京市場でも、早朝には一時は130円24銭付近の円の安値をつけた。

しかし、円安から始まった今日の東京市場では、朝10時頃の仲値決済では、輸出企業の高値でのドル売りの円買いで円相場が反発し、輸入企業による円からのドル買いで再反発してドルが上昇したところから、利益確定売りや持ち高調整などで徐々に大幅な円安から小幅な円安方向へと円の下げ幅を縮めた。

今日の日本時間には、英フィナンシャル・タイムズ(FT)のニュースで、ロシア制裁により世界の原油生産量が大幅減少する場合にはサウジアラビアが西側諸国に対して原油生産量を増産する用意をしているとのことで、低リスク通貨の円のリスクと考えられていた原油価格上昇抑制への期待と、輸入コスト増加によるドル追加実需も節約できる可能性もあることから、低リスク通貨の日本円が安値で買われる機会も増えており、午後の円相場では欧州市場の参入もあり、円は今朝の下げ幅を縮めた。

また、先日に日本の純対外資産額が発表されたが、円安での貿易赤字懸念があった一方で、現在も日本は後続のドイツを引き離して世界一の純対外資産額を保っていたことで、最近は少々の原油高時でも低リスク通貨の日本円がリスク回避で買われる機会が増えていた。今日も日経平均株価が一時200円超ほど下落すると、リスク回避で低リスク通貨の日本円が買われて反発し、朝の130円台から午後の129円台に下げ幅を縮めていった。

今日のユーロは、欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化への期待値と、ドルに対する円売りの波及で、今日の17時の東京終値では円は対ユーロで5営業日連続の円安で、138円78~81銭で前日比15銭の円安ユーロ高であった。

ただし、今夜その後の18時に速報で発表された最新の欧州ユーロ圏の4月の卸売物価指数(PPI)の前年同月比は、前回修正36.9%と予想の38.5%に対して今回37.2%で、前月比が前回5.3%と予想の2.3%に対して今回が1.2%だった。もし、欧州ユーロ圏のインフレもピークアウトの可能性があると、インフレ対策での欧州中央銀行(ECB)の過剰な利上げ期待は下がるが、予想以上ではないものの欧州インフレは継続していることを示しており、欧州中央銀行(ECB)が利上げすると日欧金利差も拡大する可能性がある。 一方、ユーロは対ドルでは続落しており、今日17時の東京終値では1.0686~1.0687ドルで前日比0.28セントのドル高ユーロ安だった。

原因は、昨夜の欧州市場では欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのオーストリア中央銀行のホルツマン総裁が、「0.5%の利上げは、ECBがインフレ対策に本気という明確なシグナルとなる」と発言したことではユーロ買いのドル売りが入ったのだが、先述の市場予想以上の米経済指標の発表で、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締め加速の方が速い可能性が高いことで、ドル買いのユーロ売りが優勢になった。円相場でのドル上昇も、ユーロや他の外貨に対しても波及していた。

英ポンドも、英国が祝日連休で休場中ではあるが、対ドル円相場が下げた影響もあり、今夜17時の東京終値は、162円70〜76銭で、前日比26銭の円安ポンド高であった。

また、今夜この後にも米国の重要な景気経済指標の発表が予定されており、特に21時15分の5月の米ADP雇用統計などは世界の投資家達に注目されている。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年6月2日の日本時間(JST)19時6分(英国夏時間(GMT+1)11時6分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペアJST 19:06の為替レート東京外国為替市場前日比
ドル/円129.80 〜 129.81+0.41(円安)
ユーロ/円138.75 〜 138.76+0.12(円安)
ユーロ/ドル1.0687 〜 1.0689-0.0027(ドル高)
英ポンド/円162.77 〜 162.83+0.33(円安)
スイスフラン/円135.13 〜 135.19+0.05(円安)
豪ドル/円93.34 〜 93.38-0.08(円高)


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