FXニュース: 今日は米祝日休場と日欧英株価上昇で持ち高調整の動きが優勢

2022年5月30日
FXニュース: 今日は米祝日休場と日欧英株価上昇で持ち高調整の動きが優勢

 

東西FXニュース – 2022年5月30日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日欧英の株価上昇でリスクオンの低リスク通貨の円売りも影響
  • 日本銀行の黒田総裁が衆議院予算委員会で今の円相場を比較的安定した状況と発言
  • 今夜21時に欧州経済指標のドイツの消費者物価指数(CPI)が発表で注目される

今日2022年5月30日の月曜日の東京外国為替市場のFXの円相場の為替レートは、9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値が127円39銭前後から高値126円86銭前後の値動き幅53銭程で、今夜17時の東京市場終値は127円36〜37銭前後で、同時刻の前東京終値の前営業日比で約23銭の円安ドル高であった。

今日は米国が5月最終月曜の祝日の戦没将兵追悼記念日(メモリアル・デー)の休場中で、今朝10時頃の仲値決済は、30日で5と10のつく日の「五十日」決済集中日ではあったが、輸入元の米企業が休みのために輸入実需が少なく、代わりに月末を控えた日本の輸出企業のドル売り円買いが活発であった。米景気の先行き不透明感から米長期金利も低下しており、投資系からもドルの持ち高調整売りがあり、11時前には今日の円の高値の126円86銭付近まで円が買われ、昼のニュースでは、参院予算委員会に出席した日本銀行の黒田東彦総裁も、現在の円相場について「比較的、安定的な状況に戻っている」と発言していた。

しかし、15時頃に時差で朝の欧州英国市場が参入してくると、欧州と英国の株価が堅調で、今日の午後は日経株価も上昇していたために、株安時のリスク回避で買われていた低リスク通貨の円が売られた影響が出て、円安ドル高に市場が反転した。16時台の終値前には今日の円の安値の127円39銭付近まで円が売られ、17時の今日の東京終値は、127円36〜37銭前後で、前営業日比で約23銭の円安ドル高となった。

今日の日経株価上昇の原因は、世界経済回復期待の影響が大きく、新型コロナで都市封鎖(ロックダウン)中であった中国上海市が、目前に迫った来月6月の解除方針で景気支援策を発表したニュースでは、世界経済に影響を及ぼす中国景気回復への期待が高まり、東京株式市場の相場が大幅に続伸した。同時にそれまでに株安時のリスク回避で買われた低リスク通貨の円売りが優勢になった。

今日のユーロは、先週末の米株上昇の影響もあり、欧州株も堅調時のリスクオンで、以前の株安時のリスク回避で買われた安全資産のドル売りと低リスク通貨の円が、欧州通貨に対して売られていた。加えて、先週に欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化予想で買われた影響も続いており、米長期金利低下時にも買われていた。そのため、今日17時の東京終値の円相場は対ユーロで続落しており、136円82~85銭で前日比34銭の円安ユーロ高であった。

今夜18時の東京終値後に発表された欧州ユーロ圏の経済指標の5月消費者信頼感(確定値)が前回と同じで予想通りの-21.1で、同時発表の5月経済信頼感は、前回105.0(改定104.9)と予想の104.9に対して105.0でほぼ横ばい状態で、19時前にも同様の円安ユーロ高のトレンドが継続していた。ただし、今夜21時の欧州中央銀行(ECB)の利上げ予想に影響を与える今夜の経済指標発表前で、持ち高調整などの動きも出てきている。

今日のユーロは対ドルの17時の東京終値も、1.0743~1.0744ドルで前日比0.08セントのドル安ユーロ高で、ユーロの終値はドルに対して3営業日連続で上昇していた。午後に独10年国債利回りが上昇していたことでもユーロが買われた。

欧州株堅調の背景に、欧州ユーロ圏主要国のドイツ株が4営業日連続で続伸しており、好調ではあるが、今夜21時に5月の独消費者物価指数(CPI)の速報値が発表予定であり、今後の欧州中央銀行(ECB)の利上げ予想に繋がるようなインフレ加速懸念が後退するかどうかが注目されており、今後も最新のFXニュースや速報には注意が必要である。

今日の英ポンドは、英国市場が今週後半に祝日四連休を控えており、ホリデー前の持ち高調整の動きも活発になってきている。米国市場が休みであるために、米ウォール街と並ぶ英シティの金融街を持つロンドンの投資銀行系の動きも市場に反映されやすかった。また、英国の記録的なインフレの要因のエネルギー高騰は、エネルギーショックから生活費懸念へとシフトしており、英政府が先週の英景気懸念を高める討論を経て、先週末に追加経済支援策を福祉支給者向けに決定し、一般家庭への長期的解決にはならないという懸念はあるものの、生活困窮者や年金や福祉受給者への一時救済という点は英経済支援策として評価され、英ポンドが買われていた。そのため、17時の今夜の東京終値は160円76〜82銭で、前営業日比で約22銭の円安ポンド高であった。

ただし、英国市場では、今週木曜の春の祝日と金曜のプラチナ・ジュビリーと週末の大型連休前の持ち高調整の動きも始まっており、週の後半は休場となるために注意が必要である。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年5月30日の日本時間(JST)19時20 分(英国夏時間(GMT+1)11時20分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:20の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 127.26 〜 127.28 +0.13(円安)
ユーロ/円 136.93 〜 136.95 +0.45(円安)
ユーロ/ドル 1.0758 〜 1.0760 +0.0023(ドル安)
英ポンド/円 160.83 〜 160.89 +0.29(円安)
スイスフラン/円 132.68 〜 132.74 -0.03(円高)
豪ドル/円 91.39 〜 91.43 +0.43(円安)


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