FXニュース:国際通貨金融委員会(IMFC)開催で英米欧中銀総裁発言前の調整が

2022年4月21日
FXニュース:国際通貨金融委員会(IMFC)開催で英米欧中銀総裁発言前の調整が


東西FXニュース – 2022年4月21日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 先月から15円近い急な円安ドル高が進み今日も利益確定売りやイベント調整続く
  • 日本銀行(日銀)の金利抑制の連続指し値オペが今日から26日まで実施
  • 欧州中央銀行(ECB)関係者の前向き発言連発でユーロ買いが

今日2022年4月21日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、9時から17時までの取引時間の円の動きが127円台後半から正午過ぎの安値の128円台64銭付近で、今日17時の東京外為終値は128円4〜5銭で、前日比では61銭の円高ドル安であった。

主な原因は、今夜、国際通貨金融委員会(IMFC)が開催で、英米欧の中銀総裁発言前のイベントリスクでの調整の他にも、先月3月初旬の114円台から昨日の129円台までに15円近い急速な円安ドル高が進んだことで、昨日の午後から利益確定売りや調整が進んでいたことが影響したほか、今朝から昼頃まで上昇していたドル買い円売り要因の米長期金利上昇が、今日の午後には高止まりして少し下がったことで、それまで日米金利差拡大で売られていた円が買い戻されたことが、今日の円の反発の理由に挙げられる。

日本時間で昨夜から米国ワシントンで開催された20か国・地域(G20)財務大臣・中央銀行総裁会議に続き、今夜も国際通貨基金(IMF)の国際通貨金融委員会(IMFC)が開催される。現地では今日付けだが、日本時間では時差で深夜過ぎの明日未明に、ベイリー英国中央銀行(BoE)総裁をはじめ、パウエル米国連邦準備理事会(FRB)議長やラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の発言が予定されている。また、明日も世界銀行・IMF合同開発委員が開催予定と、春の大イベント続きで値動きにイベントリスクが予想されていた。

そのため、昨日の午後も欧米の復活祭後のホリデー明けに、東京市場の午前に129円台の記録的な円安を更新した後、今年3月初めの114円台付近から昨日の129円台までに15円近い円安ドル高が進んでいたために、夜のG20のイベント前に利益確定売りと持ち高調整が活発になり、欧州英国市場参入の午後には大手投資系の利益確定のドル売りや、米長期金利の一時高止まりで日米金利差が拡大しない時に持ち高調整の安値での円買いなどが起きて、昨日午後に127円台まで急落していた。

しかし、今日の午前中は円安ドル高要因の根強い日米の金融政策の違いや、米長期金利の再上昇の時間帯もあり、再び日米金利差拡大と米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融政策による日米金利差拡大予想でのドル買いで今日の昼頃には128円台に戻していた。 しかし、午後には再び米長期金利が高止まりし始めたので、円が買われる機会もあった。

また、今日のお昼のニュースで、鈴木俊一財務相が、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後の会見で、「最近のやや急激な円安進行について説明した。急激な変化は望ましくないので、G7と緊密な意思疎通を図る。」と発言した。先日までの「口先介入」とは異なり、今日は行動も伴っていたために、市場での反応も少しあり、市場の一部で円安牽制と受け止められて調整が出たり、輸出企業のドル売り円買いなどで、報道後に一時的な為替安定への動きが観察できた。ただし、先述の様に、今日の午後の取引で米長期金利の上昇が一時高止まりしてきたことが、より大きな原因と考えられる。

一方、日本銀行は今朝も今朝は国債を指定した利回りで無制限に買い入れる金利抑制の「指し値オペ(公開市場操作)」を通知した。今日から26日まで「連続指し値オペ」の予定で、再び米長期金利が上昇したり、米FRB関係者発言などで日米金利差拡大予想が強まると、円安ドル高要因の日米金利差が再び継続する可能性は高い。今朝10時の仲値決済でも輸入実需で円が売られてドルや外貨が買われていたので、午前中は円が下がり、正午頃に今日の最安値を記録したのが、午後に先述の理由で盛り返す形となった。

今日は欧州中央銀行(ECB)関係者の連続での発言による利上げ予想の強まりで、ユーロ買いのドル売りが進んでおり、ドル売りが対円や対英ポンドにも波及していた。

最新では今日の午後に、スペインのルイス・デギンドス欧中銀行副総裁が「経済データ次第では7月に利上げを行う可能性がある」と発言した速報で、ECBの金融引き締めの期待値が高まり、ユーロ買いドル売りが起きており、今夜17時の東京外国為替終値では、ユーロ対ドルは1.0922~23ドルで1.14セントのドル安ユーロ高であった。

また、低リスク通貨としての円の貿易赤字リスクの100ドルを超える原油高が続いていたので、円も売られてユーロが買われ、今日の円相場は対ユーロで続落し、今日17時の東京外国為替市場の終値は、139円85~87銭で前日比80銭の円安ユーロ高であった。今日その後に時差で朝の欧州市場でも、今夜18時前にユーロが一時139円99銭2015年6月以来の円の安値を記録した。

原因は、今日の午後の発言以前にも、昨夜のロンドン外国為替市場と、今朝未明のニューヨーク外国為替市場でも、欧州中央銀行(ECB)の理事会関係者達が欧州ユーロ圏の金融政策の正常化に前向きな発言をしており、ユーロ買いが連発で優勢となったことが大きい。

昨夜、ドイツ連邦銀行のヨアヒム・ナーゲル総裁が「経済指標はECBが債券購入(APP)を近いうちに終了させるべきだと示唆している」と発言したほか、欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのラトビア中央銀行のマーティン・カザークス総裁が、「顕著なインフレリスクがあるので、年内に恐らく追加引き締めも必要になるだろう。7月の利上げもあり得る。現在マイナス0.5%の中銀預金金利が、7〜9月などの年内にゼロに達するとの市場予想に反論はしない。」と発言し、ユーロ買いが起きていた。

加えて、「現時点では0.25ポイント利上げが適切と思われるが、経済指標次第ではより大幅な利上げも検討することが常に可能であり、現在の物価上昇(インフレ)データは欧州中央銀行(ECB)が賃金上昇加速を待つべきではないことを示している為に、物価上昇圧や景気が大幅に弱まったとしても、政策正常化が遅れることはあっても、止まることはない。」とし、今後の期待値からもユーロ関連の為替の値動きに影響が出た。

欧州ユーロ圏の現在のインフレ率は、過去最高と言われる記録的な7.5%に達しており、更に上昇中と言われている。ロシア産の天然ガス依存率の高い国のある欧州連合(EU)で、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰問題や、欧州と隣接する地域を持つウクライナでの地政学的に近い戦争の長期深刻化が欧州ユーロ経済に影響を与える懸念から欧州中央銀行(ECB)はこれまで慎重に行動したとされていたが、インフレ対策で政策金利を利上げ済みの英国中央銀行のイングランド銀行(BoE)や米連邦準備制度(FRB)等と比べると、インフレ対策の遅れが懸念されていた。

欧州中央銀行政策委員会では、2015年から始まった債券購入プログラム(APP)終了後に利上げをするとされており、6月8〜9日の議題となる予定である。マーティン・カザークス総裁は、「金融市場に大きな緊張が見られない場合には、7〜9月頃に量的緩和(QE)終了が可能で適切と思われる。6月末に可能かどうかは最新の経済予測を入手時に協議する必要があると思う。」と話していた。

一方、日本ではインフレで企業の賃上げ件数が増えてきている、今日の新聞で発表された主要117社対象の企業採用調査や2023年度採用計画では、2022年の春闘で賃上げ実施の企業が39%にのぼり、新卒採用や賃上げに前向きな企業が増えていた。

インフレ問題に関しては、昨夜から今朝のG20でも、エネルギーや食料を含む資源価格高騰による物価上昇問題等が議論され、ロシアによるウクライナ侵攻が要因の一つになっていることから、米欧日は即座に戦争を止めるべきだとロシアを批判したが、ロシアは米欧日の対露経済制裁がインフレを招いたと反論していた。インフレ加速は、コロナ経済からの回復期の世界経済の大きな懸念になっており、国際通貨基金(IMF)は一昨日に発表の2022年の世界経済見通しで成長率を下方修正したところであった。英米の相次ぐ利上げはインフレ対策であり、金利差で金利の高い方の実施国通貨が買われやすくなる要因になっている。

日英金利差の大きい英国ポンドは、今日の東京17時終値頃も167円39〜45銭で前日比40銭の円安ポンド高であった。今週は春の大イベント続きで、今後も為替に影響を与えるFXニュースや経済指数には今後も注意が必要である。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年4月21日の日本時間(JST)19時17分(英国夏時間(GMT+1)11時17分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペアJST 19:17の為替レート東京外国為替市場前日比
ドル/円127.93 〜 127.95-0.72(円高)
ユーロ/円139.69 〜 139.70+0.64(円安)
ユーロ/ドル1.0917 〜 1.0919+0.0109(ドル安)
英ポンド/円167.34 〜 167.40+0.35(円安)
スイスフラン/円135.00 〜 135.06+0.25(円安)
豪ドル/円95.21 〜 95.25±0.00(レンジ)


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