FXニュース:日米の金融政策の違いと金利差拡大予想で128円台の円安記録続伸

2022年4月19日
F Xニュース:日米の金融政策の違いと金利差拡大予想で128円台の円安記録続伸|


東西FXニュース – 2022年4月19日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米セントルイス連銀ブラード総裁発言で日米金利差拡大予測のドル買い進む
  • 原油高リスク等の要因で円安ユーロ高も2015年以来の一時138円台を記録
  • 日英金利差で英国ポンドの今日の円相場も167円台の円安ポンド高

今日2022年4月19日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値128円32銭前後から高値127円0銭前後の値動き幅1円30銭程で、今日17時の東京外為終値は128円7〜8銭で前日比1円44銭の大幅な円安ドル高であった。その後に時差で朝の欧州と英国ロンドン市場でも、一時は利益確定売りの反発が入ったものの、今夜19時になっても128円台の円安ドル高が続いていた。

今朝未明の米国ニューヨーク外国為替市場でも、米連邦準備理事会(FRB)関係者のセントルイス連銀のブラード総裁が、米国の政策金利の利上げ幅が0.75%に加速することは「基本的なシナリオにはないが、排除はしない」と発言したことが原因で、FRBが積極的な金融引き締めを加速させる予想が強まって米金利が上昇し一時2.88%に達したため、日米金利差拡大や今後の拡大予測でのドル買いが起きており、127円台に達する円安になっていた。

そして、今日の東京市場で、昨日の日銀の黒田総裁の金利抑制の大規模緩和金融政策の根強い継続の発言と比較して日米の金融政策の違いが明確となり、円売りドル買いがさらに進み、128円台の記録的な円安ドル高が続伸した。

また、今朝10時頃の仲値決済では、連日進む円安ドル高と原油資源高などの輸入資源コスト増加で、輸入実需増加のために日本の輸入企業が円を売ってドルを買った他にも、資源国オーストラリアの豪ドルなどの輸入用外貨の実需買い等の円安の動きも加わっていた。

一方、今日も鈴木俊一財務相が、閣議後の会見で現在進行中の円安に関して、繰り返し「急速な変動は望ましくない」と発言はしたが、以前と同じ内容で具体的な政策なども提示されなかったために市場では反応薄で、朝から127円台の円安ドル高が続いたことに歯止めがかからず、午後までには128円台に達する円安になり、2002年5月以来の約20年ぶりの円安記録をさらに更新した。

昨夜から今朝未明のニューヨーク市場での先物取引でも原油高で、一時109ドルに達したほか、今日の日本市場時間にも106〜108ドル近辺の高値圏であったために、ウクライナ危機のリスク回避用に、世界的に流動性の高い安全資産のドルに続く第二の「低リスク通貨」として以前は買われていたこともあった日本円が、記録的な円安継続と原油資源高によるコスト増の貿易赤字リスク増で安全資産としての価値が下がってしまっていることも、今日の円安の一因となった。

日本円の代わりに第三の安全資産のスイスフランや、南半球でウクライナ危機から距離の離れた豪ドル等が買われる機会もあり、原油高騰時にはこれらの代替安全通貨や、現地で流動性の高く実需のあるユーロやポンド等に対しても、今日は円安になりやすかった。

そのため、今日は春の復活祭(イースター)の祝日連休明けで欧州市場が開いたユーロに対しても、今日の東京終値17時には138円32~34銭で前日比1円68銭の大幅な円安ユーロ高で、2015年8月以来の138円台の安値を記録した。

同じく、イースター祝連休明けで実需があり、また日英金利差もある英国ポンドも、今夜の東京終値17時には166円67〜73銭で前日比1円47銭の大幅な円安ポンド高だった。その後の今夜19時前の欧州ロンドン市場でも、167円台の円安ポンド高に続伸した。

同様に祝日連休明けで市場の開いた資源国のオーストラリアの豪ドルに対しても、日本の輸入実需と現地実需の買いも動きが加わり、今日は記録的な円安で、今夜の東京終値17時が94円60〜64銭で前日比1円28銭の円安豪ドル高であった。

ロシアのウクライナ侵攻は長期継続化しており、日本時間の昨夜もロシア軍がウクライナ東部のドンバス地方で大規模な攻撃を開始したことを、ウクライナのゼレンスキー大統領が動画で伝えた。ロシアと地理的に近い欧州ユーロ圏の北欧フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟検討のニュースも、ロシアのウクライナ侵攻の危機感によるものが大きい。しかし、ロシアからの反発があるために、エネルギー問題のある欧州ユーロを不安定にさせる懸念もある。そのため、今朝はリスク回避ムードのドル高ユーロ安であったが、今日は午後に時差で朝の欧州ロンドン市場の連休明け始業で、現地実需のユーロやポンド買いや、欧州や英国の連休明けの投資銀行などで高値になったドルの利益確定売りや調整などで起きており、日本時間の午後からはドル安ユーロ高に転じる値動きもあった。

円安による輸入資源コスト増加での物価上昇のインフレ懸念の中、日本政府は今月中に緊急対策をまとめることが期待されているが、日銀の金融政策の修正の可能性が昨日の黒田総裁の発言で期待できなくなったことで、今日は円安に歯止めがかからない状態になっていた。

ユーロ対ドルは、リスクオフの安全資産としてドルが買われることに加えて、米国のインフレ率がFRBの政策目標を上回る傍らで米景気回復も見られるため、FRBが金融引き締めを進めやすくなる予測が強まっており、先週の欧州中央銀行(ECB)理事会では利上げがなく、欧州金融政策正常化の加速もなかったことから、今朝未明のニューヨーク市場では欧米の金融政策の違いや金利差でユーロ売りドル買いのドル高ユーロ安も起きており、今日の午後の欧州の祝日連休明けの現地需要ユーロ買い等が一段落してくると、ユーロ対ドルは今後も再度ドル高ユーロ安に転じる可能性は考えられる。

そのため、今後も金融政策発表や景気指数などの、ファンダメンタル分析用のF Xニュースには注意が必要である。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年4月19日の日本時間(JST)19時2分(英国夏時間(GMT+1)11時2分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペアJST 19:02の為替レート東京外国為替市場前日比
ドル/円128.34 〜 128.35+1.71(円安)
ユーロ/円138.55 〜 138.57+1.91(円安)
ユーロ/ドル1.0794 〜 1.0796+0.0004(ドル安)
英ポンド/円167.15 〜 167.21+1.95(円安)
スイスフラン/円135.47 〜 135.53+1.09(円安)
豪ドル/円94.63 〜 94.67+1.31(円安)


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