FXニュース:急速に進んだ円安が輸出企業のドル売り等で和らぎ今日は一時円高に

2022年3月29日
FXニュース:急速に進んだ円安が輸出企業のドル売り等で和らぎ今日は一時円高に


東西FXニュース – 2022年3月29日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 今日も昨日に645億円落札があった日銀の連続指し値オペが月末まで実施
  • 本日より4回目のウクライナ和平交渉会談期待値でリスクオンのユーロ買いが
  • 今夜から明日発表の米国の連銀総裁発言や景気経済指標も要注意

本日2022年3月29日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、取引時間の9時から17時の円の高値が123円12銭前後から安値は124円31銭前後の値幅1円19銭程で、今夜17時の東京外為終値は、123円55〜56銭で前日比37銭の円高であった。

約15日間の取引日を含めた連日、日米金利差拡大予想や金融政策の違いから急速に進んでいた大きな円安の流れの中で、昨日は一時125円台の円安も記録したドルの高値圏であったために、今日は円安で海外価格競合性が出て外貨で利益を上げた輸出企業によるドル売り円買いや、投資家の利益確定売りや調整が進んだ。

また、今日は3月期末のインターバンクのスポット取引の今月の最終日でもあった。

しかし、今日も日銀の連続指し値オペで、一時は124円31銭の円安になる時間もあった。日銀が長期金利抑制の目的で0.25%の利回りで無制限に国債を買い入れる公開市場操作の「連続指し値オペ」を、昨日から今月末31日まで実施中で、積極的利上げ予想で期待されている米連邦準備理事会(FRB)との金融政策の違いから、日米金利差拡大予想による円安ドル高の動きは以前からもあった。昨日午後の指し値オペでは645億円が全額落札された。

今日は日本政府の財務省で神田真人財務官がアンディ・ボーコル米財務次官代行と会談し、昨日125円台の円安ドル高を記録した日米為替問題に関して、通貨当局で緊密に意思疎通を図っていくことを確認した。神田財務官は、「悪い円安にならないようにしっかり注視していかなければならない」と語っており、政府の為替介入の可能性については「為替レートは市場が決定する。米国などの通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ適切に対応する」とコメントした。また、日本と米国などを含めた主要7カ国(G7)の「過度の変動や無秩序な動きは、経済や金融の安定に悪影響を与え得る」と云う合意に沿って対応していくとした。

日本政府による円買いでの日本円価格安定のための為替介入は、今日の時点では、1998年以降は実施していないと公表はされている。ただ、実質的には、日本の金利上昇を抑制する日銀の大規模緩和の継続や、日本国債の長期金利上昇抑制目的の公開市場操作の「連続指し値オペ」は日銀が実施しており、その一方で米連邦準備理事会(FRB)は関係者の発言などで政策金利の積極的な利上げが予想されているために、日米金利差拡大予測がすでに円売りドル買い円安などの円の為替相場に影響を及ぼしている。

しかし、神田財務官は、「中央銀行と政府との不一致は全くない」と強調していた。

一方、長期深刻化しているウクライナ情勢については、今でも欧州の地政学リスク等のリスクオフとリスクオンが、対ユーロの為替相場などに影響を与え続けている。

ロシアのウクライナ侵攻が継続し、民間人被害拡大や攻撃を受けたチェルノブイリ原発周辺火災で周囲の空間線量が上がるなどして戦争状態が懸念されているが、兼ねてより行われていたウクライナ危機の和平交渉に続き、今日からウクライナとロシアの四回目の和平交渉会談がトルコのイスタンブールで開催される。

そのため、今日はこのニュースの期待値から、ユーロがリスクオンで安全資産の米ドルや低リスク通貨の日本円に対して買われたことがあり、今日のユーロの為替相場は東京終値17時に135円88~90銭で前日比約17銭の円安ユーロ高で、同時刻にドルに対しても1.0998ドル前後で前日比約0.47セントのドル安ユーロ高であった。

また、今夜の東京の後の18時頃に時差で朝の欧州市場では、欧州主要株価指数が上がり、欧州債利回りが上昇していたことからも、ユーロ買いドル売りが起きていた。

英ポンドに関しては、昨夜の日本時間20時過ぎに英国中央銀行(BoE)のベイリー総裁が、英国で「エナジーショック」と呼ばれている来月四月に54%増のエネルギー価格値上げで「実質所得への打撃は大きくなりそうだ」と発言したが、今後の英国の政策金利の利上げ観測が不透明であったことと、インフレ景気懸念で、それまでは日英金利差で進んでいた円安ポンド高の反発要因となり、ポンド売りのポンド安に影響した。そのため、今夜17時の東京終値の円相場では、161円75〜81銭前後で前日比約46銭の円高ポンド安だった。

日本時間では今夜この後の22時以降に、時差でまだ29日の米国では、経済指数の発表が予定されており、23時の3月の米消費者信頼感指数や、米国ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の挨拶も予定されているので、投資家の見守り姿勢が市場の値動きに出ている。

発表の結果によっては、更なる値動きが予想されるので、今後も為替相場に影響を与える最新のファンダメンタル・ニュースや速報には注意が必要である。

今日の東西F Xニュース執筆終了時の2022年3月29日の日本時間(JST)19時17分(英国夏時間(GMT+1)11時17分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペアJST 19:17の為替レート東京外国為替市場前日比
ドル/円123.50 〜 123.52-0.42(円高)
ユーロ/円136.37 〜 136.39+0.66 (円安)
ユーロ/ドル1.1038 〜 1.1042+0.0087 (ドル安)
英ポンド/円161.70 〜 161.76-0.51 (円高)
スイスフラン/円131.94 〜 132.00-0.56 (円高)
豪ドル/円92.65 〜 92.69-0.17 (円高)


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