FXニュース:今日は米国フェデラルファンド(FF)金利目標0.25~0.50%の利上げで一時119円台の円安ドル高から|東西FXニュース

2022年3月17日
FXニュース:今日は米国フェデラルファンド(FF)金利目標0.25~0.50%の利上げで一時119円台の円安ドル高から|東西FXニュース


東西FXニュース – 2022年3月17日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • ウクライナとロシアの停戦会談の期待値でユーロが上昇
  • 日銀と米欧英中銀の金融政策の違いも為替相場に影響
  • 今夜の英中銀金利発表前の期待でリスクオンのポンド買いも

今日2022年3月17日の東京外国為替市場は、今朝未明のニューヨーク株式市場時間に米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)がフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25~0.50%に利上げ決定したニュースを受けての日米金利差によるドル買い円売りで一時119円台の記録的な円安ドル高になった流れを受けて始まり、その直後は利益確定売りなどで118円台後半に戻っていたものの、東京外為時間でも朝の9時40分頃に再び119円2銭に達し、10時の仲値決済も118円87~88銭で前日比50銭の円安ドル高、17時の東京終値も118円67〜68銭で前日比30銭の円安ドル高であった。

しかし、今夜の東京外為の終値の後19時頃には、時差で朝の欧州市場時間で低リスク通貨の日本円が安値で買い戻され、ロンドン市場時間10時頃には118円61銭前後から118円中盤に差し掛かる前日比レンジに近づく値動きもしてきている。

理由は、日本では時差で今朝のニュースになったが、米国時間で16日の米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)において、米国の短期金利の指標である米フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を従来の0~0.25%から0.25~0.50%へ上げる決定をし、その直後のインタビューで次の5月の会合についてもパウエル議長が言及し、今年7回が予想される米利上げペースの加速予測が高まり、日米金利差拡大のドル買い円売りの円安ドル高が東京時間に大きかったからである。また、金利差だけでなく、日本と米国と英国と欧州との金融政策の違いも今日の円売りの原因となっていた。

この後の日銀の会合の発表では、日本では金利を据え置く可能性が高いとされているが、円安による輸入原料高の国内インフレが懸念される一方で、実は日本の輸出大企業の中には、円安の方が価格競合性が高くてよく売れるので利益が出しやすく、また受け取った外貨の価値が上がることによって恩恵を受ける海外にも支店のある国際的な輸出企業も多いので、好調な成績でインフレ対策の賃上げ要求を受けた今年の春闘の回答も相次いでいる。

日本はかつて、長年に渡って日米貿易摩擦問題を生み出したほどの貿易黒字大国であった為に、2011年の震災後の数年に渡る貿易赤字期の後でも過去の膨大な貿易黒字の積み上げで世界最大の対外純資産額としての「低リスク通貨」の地位を確立してきたため、最近7ヶ月の円安や輸入高騰による一時的な貿易収支赤字の影響があっても、安全資産の低リスク通貨として日本円を安値で買い戻す投資家もいる。ドル高で利益確定後の抵抗も入って、日本より9時間遅れの時差のグリニッジ標準時(GMT)のロンドン市場の前日比では、日本時間19時24分のロンドン時間の朝10時までには円高ドル安レンジに近い抵抗も入ってきており、円安トレンドの中でも、低リスク通貨の底力が見られた。

一方、ウクライナとロシアの停戦会談継続のニュースが相次いで市場の期待値が上がっており、今日の東京外為ではユーロが買われて、日本円にもドルにも上昇傾向を見せていた。

東京終値17時の円相場の為替レートでは、131円05~07銭で前日比の1円33銭の円安ユーロ高であった。ユーロは同様の理由で円と同じ安全資産の米ドルに対しても上昇し、17時に1.1043~44ドルで前日比0.84セントのユーロ高ドル安だった。また、今夜の最新の速報で先ほど発表のあった欧州の2月の消費者物価指数(HICP改定値)の前年同月比は前回と予想の5.8%に対して5.9%で、HICPコア指数(改定値)は前回と予想と同じ2.7%であった。

今夜はこの後の日本時間21時に、英国中央銀行のイングランド銀行(BoE)が政策金利発表も控えているので、英ポンドの値動きにも注目されている。英中銀は前回に金利値上げがあり、今回も景気刺激策などの金融政策が期待されている為、発表前からの期待値からリスクオンで東京外為時間には英ポンドが買われて円安ポンド高の方が目立っていたが、今夜の発表によって影響受ける可能性があるので、欧州時間の10時過ぎにはポンド買いの一方で利益確定売りや調整等の抵抗も入り、前日までの上昇から比較すると発表前には円高ポンド安と円安ポンド高のレンジに近い値動きもしている。

しかし、英国も金利上昇や積極的金融政策を今夜発表すれば、円安ポンド高などの値動きに繋がる可能性があるので、ファンダメンタル・ニュースには今後も注意が必要である。英国現地時間のGMTでの一日レンジは155円97銭〜156円60銭前後で、10時42分には156円32銭、10時55分には156円23銭前後であった。

今日のFXニュース執筆終了時の2022年3月17日の日本時間(JST)20時5分(ロンドン時間11時5分)付近の、クロス円を中心とした東京前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:05の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 118.60〜118.61 +0.23(円安)
ユーロ/円 131.08〜131.09 +1.36(円安)
ユーロ/ドル 1.1051〜1.1053 +0.0092(ドル安)
英ポンド/円 156.43〜156.49 +0.33(円安)
スイスフラン/円 126.19〜126.25 -0.05(円高)
豪ドル/円 87.09〜87.13 +0.52(円安)

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