FXニュース:米イラン経済追放作戦

2026年8月25日
FXニュース:米イラン経済追放作戦

 

東西FXニュース – 2026年08月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米バイバック財源観測
  • 米債券利回り長期金利
  • 米経済制裁対象国拡大
  • 米株混合日経平均反発

今日2026年8月25日火曜日の日本東京外国為替市場の今朝9時から今夜17時までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の159円9銭付近から、円の安値でドルの高値の159円46銭付近の値幅37銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は159円44銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の159円18銭付近の前東京終値比で約26銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、中東情勢の長期化警戒による有事に備えたドル買いに対し、日本政府の高市早苗政権の拡張的な積極財政による財政懸念の円売りなどが為替相場に影響を与えており、昨夜17時30〜35分頃にかけてドルは円相場で一時159円28銭付近に上昇して高止まりを見せた。

ただし、ドルが円相場で数分以上かけても高止まりから上抜けをしない天井感の抵抗が意識されたことに加えて、コモディティ (Commodity / 商品先物) 市場では、週末にイラクがイランと交渉して石油タンカーをホルムズ海峡通過させた週明けのニュースの影響が、時差で日本時間の夕方が現地時間の朝となる世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場などで話題になった供給懸念の一時緩和などを受けて、昨夜17時35分頃に一時1バレル85.55ドル付近と85ドル台後半だった米国WTI (West Texas Intermediate / ウエスト・テキサス・インターミディエート) 原油先物価格が、昨夜17時55分頃の一時1バレル84.69ドル付近の84ドル台後半に向けて上昇幅を縮小したエネルギー・インフレ圧緩和に連れて、時間外の米国債券市場でも米国10年債券利回りが指標となる米国長期金利が昨夜17時35分頃の一時4.716%付近から昨夜17時51分頃の一時4.710%付近に向けた債券利回りの金利差トレードのドル売りが入り始めると、ドルも円相場で上昇幅を縮小した。

また、昨夜20時台のニュースでは、米国CNBC (Consumer News and Business Channel) テレビが、先日8月19日に米国財務省が米国長期債のバイバック (Buyback / 買い戻し) 額の規模を1回あたり20億ドルから少なくとも40億ドルに倍増すると発表し、その後にスコット・ベッセント米国財務長官が、さらにその40億ドルを上回る可能性もあるとも述べていた米国財務省の米国債バイバックの財源について、「米国財務省が米国長期債のバイバックを拡大する際に、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が保有している約1兆ドル規模にも及ぶ『財務省一般勘定』(TGA / Treasury General Account)を財源として活用する可能性がある」と報じたため、「TGAを財源に使えば、短期国債の発行数を増やさずに長期債を購入できるようになるため、米国財務省が米国長期金利に下押し圧力をかけられる」との観測が市場で話題になり、米国債券市場では米国WTI原油先物価格の一時1バレル85ドル台への反発に連れて昨夜20時19〜27分頃にかけて一時4.722%付近に反発上昇して高止まりしていた米国長期金利が反落し、昨夜20時44分頃の一時4.709%付近に向けて一時急落したため、債券利回りの金利差トレードのドル売りにより昨夜20時38分頃のドルは円相場で一時158円99.8銭付近に反落していた。

しかし、実際に米国財務省がFRBのTGA資金を米国債バイバック財源として自由に使用できるかどうかは不明n部分があることなどもあり、この後の米国市場では米国政府のスコット・ベッセント米国財務長官が、「史上最大規模の経済制裁」と称する米国によるイランへの追加の新経済制裁発表の記者会見を日本時間の午前2時頃から予定していたことなどもあり、米国政府のドナルド・トランプ大統領がその発表イベントに向け、「イランは完全に崩壊しつつある」と発言するなど、中東情勢の長期化警戒の「有事のドル買い」の影響も燻ったことでは、ドルは円相場で反発し、欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時159円10銭付近だった。

米国市場でも、前述の欧州英国市場と同様に米国財務省の米国債バイバック財源の観測報道の影響を受けた米国債買いが再び市場に影響を与え、米国債券価格上昇時の利回り低下の影響により、昨夜21時8〜16分頃にかけて一時4.714%付近に反発していた米国長期金利が、昨夜21時32〜33分頃に一時1バレル86ドル台に上昇していた米国WTI原油先物価格が一時1バレル85ドル台に戻したことなどにも連れて、昨夜21時44分頃に一時4.706%付近に反落したため、昨夜21時44分頃には世界的に流動性が高い基軸通貨のドルは原油の主要取引通貨でもあることから原油や金利に連れやすいこともあり、ドルは円相場で一時158円89銭付近に反落し、同米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

とはいえ、先日8月19日には米国政府のドナルド・トランプ大統領が、自己運営のSNS (Social Networking Services / ソーシャル・ネットワーキング・サービス) のトゥルース・ソーシャル (Truth Social) の投稿発言で、「イランに対し、これまでいかなる国に対しても実施されたことがない最も厳しい経済作戦を開始する」と発表し、石油密輸や資金移転、船舶登録などを通じたイランへの資金供給網の遮断を要求するとともに、「イランに『生命線』を提供する国や企業、金融機関に対しても経済的措置を講じる」として、「経済版Dデー」 (Economic D-Day / 経済版の重要軍事作戦開始日) を予告しており、前日の世界市場でも英国経済紙フィナンシャル・タイムズ (FT / Financial Times) への寄稿で米国政府のスコット・ベッセント財務長官が、「夜明けと共に『経済版Dデー』が始まる。敵対国に対して実施された史上最大の金融攻撃となる」と述べていたことが話題になっていたことなどあり、様子見の一方で中東情勢の有事に備えた「有事のドル買い」が入ったため、米国債券市場での米国長期金利低下の一方で市場安値後のドルは円相場で反発し、同時進行中の英国ロンドン市場の深夜24時のロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けた主要取引通貨のドル買いの影響などもあって、深夜24時頃のドルは円相場で一時159円20銭付近に反発上昇していた。

米国ニューヨーク債券市場で午前1時6分頃の米国長期金利が一時4.691%付近と4.7%台割れに低下した債券利回りの金利差トレードは抵抗となったが、その後の米国長期金利が再び4.7%台方向に向けた反発を始めるなかで、午前2時頃から、世界的な注目を集めていた米国政府のスコット・ベッセント財務長官の米国のイランへの追加の新たな経済制裁の発表の記者会見が始まり、米国の対イランの経済的追放作戦や対イラン経済孤立作戦を意味する「エコノミック・アウトキャスト作戦 (Operation Economic Outcast)」を発表し、イランの世界的な金融ネットワークに対する「経済的総攻撃を開始する」と表明し、「イラン政府が経済を支えるために利⁠用しているデジタル資産、テクノロジー、金、航空、海運の5分野が新たに二次制裁の対象に追加」されるほか、「イランの資金洗浄に関与すればドルへのアクセスを遮断する」として、イランとビジネス関係を持つ国々に対しても資金源となる関係を断つように警告し、「応じなければ、いかなる国も二次制裁の対象となる」とした。

米国財務省は、「イランの核・ミサイル開発やイラン産原油・石油製品の取引に関与した」として約60の個人・団体・船舶を新たに制裁対象に指定し、その中にはイランと取引などの関係を持つ中国やシンガポールとアラブ首長国連邦 (UAE / United Arab Emirates) とフランスなどの国の一部の事業が含まれるとされ、中国のイランからの石油購入取引に関与した中国の金融機関はその時点では含まれていなかったが、スコット・ベッセント米国財務長官は、「金融機関についての追加制裁は、週内の後日に発表する」と予告し、「世界の金融システムを吹き飛⁠ばしたいわけではない。基準を示した上で猶予期間を与えることが重要と考える。しかし、事態は非常に速く動く。我々は本気だということを認識すべき」として、米国金融システムやドルへのアクセス制限を示唆したため、米国長期金利の反発と共に欧州ユーロなどからドルが買われた外貨影響が対ドル円相場にもドル上昇圧として波及し、米国長期金利が4.7%台に反発していた午前3時50分と4時20分頃にドルは円相場で一時159円21.5銭付近に上昇したほか、米国長期金利が一時4.708%付近に反発後の上昇幅を拡大したことなどに連れて、午前4時29〜30分頃のドルは円相場で一時159円21.6銭付近と約159円22銭に上昇し、同米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、「史上最大規模の経済制裁」と称されていたことから世界市場でイベントに対する警戒がされていた割には、以前にドナルド・トランプ米国大統領やスコット・ベッセント財務長官がイランを経済的に孤立させる案について発言していた内容などと比較すると特段のサプライズ感のない想定範囲内であったほか、即時発動というよりは詳細については後日に発表という不透明感などもあったことではこの日の米国の対イランの経済的追放作戦や対イラン経済孤立作戦を意味する「エコノミック・アウトキャスト作戦 (Operation Economic Outcast)」に対する市場反応はやや限定的となり、また、イラン・イスラム共和国政府のアリ・マダニザデ経済財務大臣も米国がイランの世界的な金融・経済関係を遮断するための新たな制裁強化策を打ち出したことに対し、「我々はこうした計画を以前から想定しており、2年間に渡る計画を策定して今回の事態に十分備えている」と述べ、「我が国の金融・貿易上の『生命線』を断ち切ることは簡単ではない」として、米国による新たな経済圧力に対抗する姿勢を示していた。

米国ニューヨーク株式市場では、中東情勢の長期化に加えて経済制裁対象国拡大の可能性への警戒感などがあり、米国主要株価三指数の中では米国長期金利低下時の金利緩和を受けて反発上昇した米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) のみ前日比で小幅高の終値をつけたが、米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) は小幅安の終値をつけており、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による安全資産の米国債買いが入り、一時4.709%付近に上昇後の米国長期金利は市場終盤の午前5時53分頃に一時4.702%付近と上昇幅を縮小したため、市場高値後のドルも円相場で上昇幅を縮小した。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の158円89銭付近から、円の安値でドルの高値の159円22銭付近の値幅約33銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は159円11銭付近と、前営業日同時刻の158円95銭付近の前ニューヨーク終値比で約16銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のオセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時159円14銭付近であったが、今朝の東京株式市場で今日の日経平均株価がマイナス圏から始まった株価下落時のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが入った影響では、今朝9時7分頃のドルは円相場で一時159円9銭付近の今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入り始めたことでは、今日は5と10がつく決済日が集中しやすい「五十日」 (ごとおび / ゴトーび) だったこともあり、今朝10時1分頃のドルは円相場で一時159円23銭付近に買われた。

また、東京株式市場でも、今日の日経平均株価が反発を始めており、午前の部の終盤にはプラス圏に上昇したことでも株価影響の円買いが収まり、午後の部もプラス圏から始まり堅調推移となって、午後15時30分頃に今日の日経平均株価が6万5856円43銭の終値をつけて328円34銭高の+0.5%の小幅高で大引けすると、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の円売りが入ったほか、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場参入の影響による主要取引通貨のドル買いも入り、中東情勢の長期化や米国経済制裁拡大など警戒感が燻るなか、夕方16時43分頃にドルは円相場で一時159円45.5銭付近に上昇したほか、夕方16時47分頃にドルは円相場で一時159円45.6銭付近と約159円46銭に上昇し、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。

このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は159円44銭付近となり、昨日17時の159円18銭付近の前東京終値比で約26銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定や米国債入札などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、今夜22時に6月米国S&P/ケース・シラー住宅価格指数と6月米国住宅価格指数と4〜6月第2四半期米国住宅価格指数と、今夜23時に7月米国新築住宅販売件数と8月米国リッチモンド連銀製造業指数とコンファレンス・ボードの8月米国消費者信頼感指数と、26時に米国2年債入札などを控えている。

世界市場でも、米国とイランとイスラエルとレバノンと周辺国および仲介国や関連国のパキスタンやオマーンなどの中東情勢の続報と、原油などの世界的なエネルギー主要輸送ルートのホルムズ海峡と主要産油国サウジアラビアとイエメンの親イラン武装組織フーシ派の紅海とバブ・エル・マンデブ海峡などが引き続き注視されており、原油などのコモディティと債券利回りや株式市場の為替相場への影響と、ロシアとウクライナ情勢の続報や、米中関係および日中関係などの世界情勢と世界の政治・経済のニュースとドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相と各国政府・中央銀行関係者等の要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に、世界のFXトレーダー達の為替相場の値動きの市場予想材料となっている。

一方、 欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は185円91銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の185円71銭付近の前東京終値比で約20銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、 ドル円の外貨影響や株価リスオンの円売りの影響があったほか、今夜17時の欧州市場で発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の8月独Ifo企業景況感指数が前回の86.6と市場予想の87.2を上回る88.8に上振れし、中東情勢の長期化による世界的なエネルギー・インフレ圧に加えて、欧州景気要因のインフレ圧が意識されていた。

経済圏が近く欧州ユーロに連れやすい英国ポンドも、今日17時の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は217円45銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の217円0銭付近の前東京終値比で約45銭の円安ポンド高であった。

ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1660ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1667ドル付近の前東京終値比で約0.07セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、中東情勢の長期化に警戒した「有事のドル買い」の影響が燻っており、欧州ユーロ圏のフランスの一部企業が米国経済制裁の対象に含まれたことなども警戒されていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2026年8月25日の日本時間 (JST / Japan Standard Time) 20時27分 (チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / GMT+1 / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場の12時27分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。欧州英国市場は2026年3月29日日曜日〜2026年10月25日日曜日が英国夏時間となり、米国でも2026年3月8日日曜日〜2026年11月1日日曜日が米国夏時間で共にサマータイム入りしており、冬時間の頃と比較すると日本時間と1時間の時差短縮の調整があったことには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:27の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00東京終値比
ドル/円 159.31 〜 159.32 +0.14 (円安)
ユーロ/円 185.77 〜 185.78 +0.07 (円安)
ユーロ/ドル 1.1659 〜 1.1661 −0.0006 (ドル高)
英ポンド/円 217.10 〜 217.16 +0.16 (円安)
スイスフラン/円 198.41 〜 198.47 −0.01 (円高)
豪ドル/円 113.93 〜 113.97 −0.06 (円高)

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