FXニュース:日銀金融会合タカ派意見
2025年12月29日
東西FXニュース – 2025年12月29日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 日政府財政案警戒感燻る
- 米主要株価三指数小幅安
- 米宇首脳会談の領土問題
- 中国軍台湾周辺軍事演習
- 日経平均株価も安値引け
- 債券利回りの金利差売買
今日2025年12月29日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の156円51銭付近から、円の高値でドルの安値の156円5銭付近の値幅約46銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円10銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の156円36銭付近の前東京終値比では約26銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場はクリスマス翌日のボクシングデーの祝日連休の休場で、時間帯の近い欧州市場もドイツとフランスや北欧などの一部でホリデームードが続き、世界市場全体の流動性減少による小動きの中でも、先週金曜日の日本政府の高市早苗政権の2026年度予算案の閣議決定を受けた財政拡張への警戒感の円売りが燻る一方で、先週金曜日の夜20時2分頃の時間外の米国債券取引では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.156%付近に上昇した債券利回りの金利差トレードの影響のドル買いがあり、先週金曜日の夜21時20分頃にドルは円相場で一時156円49銭付近に上昇した。
ただし、週末の12月28日に米国政府のドナルド・トランプ大統領とウクライナ政府のウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、米国フロリダ州で米宇首脳会談を開催する予定であるとニュースで報じられた影響などもあり、欧州市場の一部や時間帯が近い世界市場でウクライナ和平と欧州周辺の地政学リスク後退への期待感が高まったことでは、欧州ユーロが世界的に流動性の高い対ユーロの安全資産でもあるドルに対して買われた外貨影響の対ドル円相場への波及があったことでは、先週金曜日の夜22時頃から始まったクリスマス明けの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時156円42銭付近となっていた。
米国市場でも、クリスマスから年末年始にかけて長期休暇を取る一部現地企業や投資家などがいたことでは平常時よりも市場流動性が低下し、小動きの中では少しの値動きでも値幅が振れやすくなったことでは、前述のユーロドルのドル下落圧の外貨影響の波及に加えて、米国債券市場では祝日明けの米国市場での米国債買いの影響などにより米国債券価格上昇時の利回り低下が起き、米国長期金利は先週金曜日の夜22時45分頃に一時4.116%付近に反落したため、債券利回りの金利差トレードで主要通貨に対するドル売りが起き、先週金曜日の夜22時46分頃にドルは円相場で一時156円23銭付近とこの日の米国市場における円の高値でドルの安値を記録したほか、同時刻にユーロドルも一時1.1797ドル付近と米国市場におけるユーロの高値でドルの安値を記録していた。
しかし、その後には米国市場での現地ドル実需があったことなどに加えて、市場高値後で実需減の欧州ユーロの利益確定売りや持ち高調整などが入り、ユーロドルでドルがユーロに対する反発上昇を始めたため、ユーロドルの外貨影響の波及を受けて、先述の日本政府の財政警戒感による円売り要因があった対ドル円相場でもドルが円相場で反発上昇を始めた。
先週金曜日の夜23時40分前後の米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が一時は揃ってプラス圏であったことも、株価影響で安全資産の米国債が売られて米国長期金利が一時4.125%付近に反発し、低リスク通貨の円売りに対するドル買いも入ったことでは、先週金曜日の夜23時55分頃にドルは円相場で一時156円49銭付近に反発していた。
とはいえ、年末年始を控えた市場流動性減少の中で、米国主要株価三指数上昇後の利益確定や持ち高調整が入った一方で積極的な買い戻しがなかったことでは、米国主要株価三指数は小幅ながらも反落し、前営業日比では揃って小幅安の終値に向け始めた株価影響はやや抵抗になったが、ホリデーシーズンの時短などで市場参加者減少に伴う小幅な値動きであったことでは、株価の小幅反落の為替相場への影響はやや限定的であった。
米国ニューヨーク債券市場でも、米国債券価格上昇後の米国債売りが続き、先週土曜日の午前2時34分頃には米国債券価格反落に伴う利回り上昇の影響により米国長期金利は一時4.148%付近に上昇したため、債券利回りの金利差トレードの影響による低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いが入り、この時間のドルは円相場で一時156円73銭付近と、この日の米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。
米国主要株価三指数が小幅安の終値に向けていたほか、米国市場でも世界市場全体の参加者数の減少を受けて、日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入への警戒感がやや燻り、市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整の影響もあって、ドルは円相場で156円台中盤付近に前東京終値からの上昇幅を縮小した。
このため、先週金曜日の夜22時頃から先週土曜日の朝6時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の156円23銭付近から、円の安値でドルの高値の156円73銭付近の値幅約50銭で、先週土曜日の朝6時55分頃のニューヨーク終値は156円57銭付近と、前営業日同時刻の155円83銭付近の前ニューヨーク終値比では約74銭の円安ドル高をつけて週末を迎えていた。
週末中の米国政府のドナルド・トランプ大統領とウクライナ政府のウォロディミル・ゼレンスキー大統領との米宇首脳会談後では、会談後にドナルド・トランプ大統領が、「和平交渉には非常に厄介な問題が一つか二つある」と、ロシアとウクライナの領土問題などが未解決であることを示唆していたが、「ロシア政府のウラジーミル・プーチン大統領を含めた三者会談は、適切な時期に実現するだろう」と発言していた。
週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今朝8時50分に日銀が前回12月18〜19日開催分の日銀金融政策決定会合における主な意見を公表し、「賃金と物価がともに緩やかに上昇していくメカニズムは維持される可能性が高く、先行き、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度は高まっている。『物価安定の目標』の持続的・安定的な実現という観点から、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切である」という前回の利上げ決定の背景と今後の追加利上げ方向を維持する見通しの意見があった。
また、今後の国内政策金利先行きについても、「日本の実質政策金利は、群を抜いて世界最低水準であり、為替市場を通じた物価への影響も踏まえ、緩和度合いの調整を行うことが妥当」との考えがあったほか、「0.75%に金利を引き上げた後も、実質金利は大幅なマイナスであり、緩和の範囲内の調整である」としており、今後の追加利上げ余地を示唆したタカ派寄りの意見がある中で、「先行きの政策運営については、経済・物価や市場の状況を見極め、タイミングをみながら金利の調整を行っていくことが重要」としたことから、市場では今後の日銀の追加利上げ継続予想が高まった。
日銀金融政策決定会合の主な意見には日本政府の主な意見もあったが、財務省と内閣府ともに特に利上げへの反対意見はなく、財務省は、「日本銀行には、政府との緊密な連携のもと、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けた適切な金融政策運営を期待する」とし、内閣府も、「日本銀行には、日本銀行法、政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携し、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向け、適切な金融政策運営を期待する」としていた。
今朝8時51分頃には、前回の日銀金融政策決定会合での今後の追加利上げ方向の維持を示唆するタカ派発言の影響などを受けて、ドルは円相場で一時156円40銭付近に下落していたため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時156円48銭付近であった。
今朝9時頃に週明けの東京株式市場が始まると、日銀のタカ派寄りの主な意見を受けた円買いと国内金利警戒感が意識された株売りが入り、今日の日経平均株価がマイナス圏から始まり一時急落したため、日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による国内第一安全資産で低リスク通貨の円の買い戻しが入り、今朝9時10 分頃にドルは円相場で一時156円6銭付近に下落した。
ただし、日本市場の今朝9時55分の仲値決済に向けては、年末年始の国内休暇時期が近づく中でも日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要などがあった影響に加えて、一時急落後の日経平均株価が一時反発して下げ幅を小幅域へと縮小した株価影響があったほか、先週金曜日の日本政府の閣議決定後の高市早苗政権の財政懸念の円売り要因も燻ったため、今朝11時18分頃にドルは円相場で一時156円51銭付近と今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、今朝の日本周辺のアジア地域のニュースでは、中国政府の中国人民解放軍が台湾を取り囲んで実弾を使用した大規模な軍事演習を始めたことから、日本近海の地政学リスクが高まり、有事に備えて買われやすい国内第一安全資産で低リスク通貨の円が買われたほか、時間外の米国債券取引で世界的な安全資産でもある米国債も買われた影響などにより、正午12時台と午後13時台には一時4.143%付近だった米国長期金利が低下し、午後15時4.134%付近に向けたことも、米国長期金利低下時のドル売りに影響を及ぼしていた。
午後15時30分頃には、今日の日経平均株価は一時の下げ幅は縮小したものの、5万526円92銭の終値をつけて前日比223円47銭安の-0.44%の安値で大引けした株価影響も低リスク通貨の円買いに影響を与え、夕方からの欧州市場の参入後の米国長期金利が午後16時25分頃の一時4.109%付近に向けて低下していた一方で、今朝の主な意見を受けた日銀の追加利上げ予想の金利先高観の影響などにより新発10年物の日本国債の利回りが指標となる国内長期金利は夕方16時台には一時2.062%付近に上昇していたため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りが起きて、夕方16時55分頃にドルは円相場で一時156円5銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録し、前東京終値比で円高ドル安の東京終値に向けた。
市場安値後のドルは円相場で下げ幅を縮小し始めていたが、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円10銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の156円36銭付近の前東京終値比では約26銭の円高ドル安になった。
なお、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、4連休明けの英国ロンドン市場で世界最大規模の金価格値決めなどの主要取引通貨のドル実需があることもあり、日本市場の安値後のドルは円相場で下げ幅を縮小しており、今夜20時台には前東京終値比で小幅な円安ドル高への市場反転なども見せている。
今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、深夜24時に11月米国住宅販売保留指数と、深夜24時30分に週間米国原油在庫などを控えている。
また、年末年始が近づく世界市場の市場流動性の中でも、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響や、ウクライナ情勢や中東や南米などの世界情勢に加えて、世界の政治・経済の最新ニュースやドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相などを含めた要人発言などのファンダメンタルズ分析は、世界市場での最新経済指標データやテクニカル分析と共に引き続き世界のFXトレーダー達の今後の為替相場の値動き予想材料になっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は183円87銭付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる 先週金曜日17時の184円6銭付近の前東京終値比で約19銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、今朝発表された日銀金融政策決定会合の主な意見を受けて、今後の日銀の追加利上げ予想が意識された円買いが債券市場での国内長期金利上昇時にあったほか、日米主要株価が共に小幅安で終えたことから、株価下落時のリスク回避のリスクオフでも低リスク通貨の円の買い戻しが、リスク市場に弱い欧州ユーロや英国ポンドなどに対しても一時入った影響が今夜17時の東京終値時点には残っていたが、その後には市場反転も見せている。
そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は210円50銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の210円76銭付近の前東京終値比で約26銭の円高ポンド安であった。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1779ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.1772ドル付近の前東京終値比で約0.07セントのユーロ高ドル安であった。
主な要因は、時間外の債券市場で世界的な安全資産でもある米国債が買われたことから、債券価格上昇時の利回り低下が起き、夕方の米国長期金利低下時の債券利回りの金利差トレードによる主要通貨に対するドル売りの影響が、円相場だけでなく今夜17時のユーロドルの東京終値時のドルの小幅安に波及していたが、その後にはドルの買い戻しの影響により、今夜20時台にはユーロドルも小幅なユーロ安ドル高に市場反転している。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月12月29日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の20時59分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場相当時間の11時59分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム後の時差調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 20:59の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
| ドル/円 | 156.38 〜 156.39 | +0.02 (円安) |
| ユーロ/円 | 184.06 〜 184.08 | +0.04 (円安) |
| ユーロ/ドル | 1.1765 〜 1.1767 | −0.0005 (ドル高) |
| 英ポンド/円 | 210.93 〜 210.99 | +0.23 (円安) |
| スイスフラン/円 | 197.96 〜 198.02 | ±0.00 (レンジ) |
| 豪ドル/円 | 104.69 〜 104.73 | −0.05 (円高) |
注意:
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