FXニュース:今夜から2日間の米FOMC
2025年12月09日
東西FXニュース – 2025年12月09日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米長期金利一時4.19%台
- 米主要株価三指数が反落
- 米政権H200中輸出容認
- 豪RBAタカ派の金利維持
- 日経平均株価は小幅続伸
- 日銀植田和男総裁の発言
今日2025年12月9日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の155円74銭付近から、円の安値でドルの高値の156円21銭付近の値幅約47銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円20銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円34銭付近の前東京終値比で約86銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券取引で米国債売りが続き、債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、昨夜21時26分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.161%付近に上昇したため、債券利回りの金利差トレードの円売りドル買いが入り、昨夜21時34〜35分頃にかけてドルは円相場で一時155円66銭付近に上昇していた。
原因の一つとして、今夜この後の12月9日から米国現地時間の翌日10日 (日本時間では時差で翌11日未明) の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を控えた持ち高調整があったほか、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の来年2026年5月の任期満了後の次期FRB議長候補に、大幅な米国利下げ要求を続けるドナルド・トランプ米国大統領の政権のアメリカ合衆国国家経済会議 (NEC / National Economic Council) のケビン・ハセット委員長が最有力候補との連日の観測報道があったことなどを受けて、今月の米国小幅利下げ予想は市場の織り込み度が89.4%付近になっていたが、その後の来年5月までの米国利下げペースにはFRBがより慎重になる可能性が指摘された市場予想などが影響を与えていた。
その影響から、欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円56銭付近で、昨夜22時56分と58分頃にも先ほどの欧州英国市場で記録した一時155円66銭付近に再上昇していた。
しかし、昨夜23時15分頃に日本の青森県東方沖で震度6以上のマグニチュード M7.5の地震が発生し、震源深さは54キロで青森県太平洋沿岸と北海道中部や岩手県などに津波警報や注意報が発令された世界ニュースがあったことでは、日本の有事に買われやすい低リスク通貨の円買いが入った影響では、昨夜23時26分頃にドルは円相場で一時155円39銭付近に一時急落し、昨夜の米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、その後に津波警報や注意報が無事に解除に向けたことでは、世界市場では一時的な値動きに留まり、ドルは円相場で反発上昇した。
昨日のニュースで話題になっていた欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のイザベル・シュナーベル専務理事の、「近い将来ではないが」と前置きはしていたものの、「次の動きが利上げとの見方に異論はない」というタカ派発言を受けて、欧州金利据え置き後の追加利上げの可能性が市場で意識される中で、独連邦10年債の利回りが指標となる欧州長期金利も一時2.87%台に向けて上昇し、欧米長期金利上昇に連れやすい英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利も一時4.55%台に上昇した影響では、新発10年物の日本国債の利回りが指標となる国内長期金利も一時1.98%付近に向けて上昇はしていたが、債券利回りの金利差トレードでは高金利通貨に対して低金利通貨の円は売られやすかった。
深夜24時44分頃の米国ニューヨーク債券市場では、米国長期金利は一時4.195%付近と4.19%台にも上昇したため、債券利回りの日米金利差を受けた円売りドル買いが入り、深夜24時45分頃にドルは円相場で一時155円99銭付近と、昨夜から今朝までの米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。
一方、米国ニューヨーク株式市場で、米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) が反落したほか、世界的なハイテク企業の比率が高い米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) も上昇幅を縮小後にマイナス圏へと小幅反落に向けたため、米国主要株価三指数が揃ってマイナス圏の小幅安の終値に向けたペア・マーケット (弱気市場) に転じた株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) では、市場安値後の低リスク通貨の円買いが入ったことでは円相場は対ドルの下げ幅を縮小した。
また、米国ニューヨーク債券市場でも、午前3時に米国3年債の入札があったため、入札に伴う米国債買いの影響が他の種類の米国債にも波及したこともあって、一時4.19%台に上昇していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も、入札後の午前4時20分頃や市場終盤にも一時4.169%付近と4.16%台にまで上昇幅を縮小したことは円相場でのドルの上値を押さえていたが、同米国市場からは翌日にあたる今夜この後から始まる米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のイベントを前にした利益確定や持ち高調整では米国市場の基軸通貨で自国通貨のドルの買い戻しが優勢だった。
また、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、「米国エヌビディア (NVIDIA) のH200の出荷を認めると習近平中国国家主席に伝えた」と発言したニュースがあり、米国との半導体規制問題があった中国に対し、米国エヌビディア社の中国市場でのシェアを回復したいとの強い要請を受けて、次世代AI (Artificial intelligence / 人工知能) やHPC (High Performance Computing / ハイパフォーマンス・コンピューティング / 高機能計算) 向けの高性能GPU (Graphics Processing Unit / 画像処理装置) のNVIDIA H200の中国輸出販売を容認したというニュースの影響があり、米国エヌビディア株が時間外取引に向けて上昇したことも低リスク通貨の円売りの一因となり、米国株引け後の米国ニューヨーク外国為替市場終盤の今朝6時30分頃のドルは円相場で一時155円96銭付近に再上昇していた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の155円39銭付近から、円の安値でドルの高値の155円99銭付近の値幅約60銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は155円92銭付近と、前営業日同時刻の155円33銭付近の前ニューヨーク終値比で約59銭の円安ドル高をつけた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、今日の昼の12時30分頃にオーストラリアの中央銀行にあたる豪州準備銀行 (RBA / Reserve Bank of Australia) の豪州政策金利発表のイベントを控えており、その後の午後13時30分頃からRBAのミシェル・ブロック総裁の記者会見も予定されていることからイベント前の持ち高調整が入り、今朝8時16分頃にドルは円相場で一時155円98銭付近に上昇していた。
今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円85銭付近で、今夜この後から始まる米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を控えた日本国内の持ち高調整では円の買い戻しが先行したが、日本市場の今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入った影響に加えて、今朝9時過ぎの米国長期金利が一時4.178%付近に再上昇していたことや豪ドル円の外貨影響などがあり、今朝10時4分頃にドルは円相場で一時156円4銭付近と、一時156円台に上昇した。 しかし、今朝の東京株式市場で今日の日経平均株価が今朝早朝の米国エヌビディアのAI半導体関連のニュースの影響もあってプラス圏から始まった後に、新発10年物の日本国債利回りが一時1.98%付近への上昇を見せた国内金利警戒感などにより一時マイナス圏に反落した時間があったことでは低リスク通貨の円の買い戻しが入ったほか、日本政府の片山さつき財務相が今朝の閣議後の記者会見でその国内金利について、「市場の動向を非常に注視はしている」と発言したことでも意識され、今朝11時3分頃に対ドル円相場が反発して一時155円74銭付近と今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。 一方、正午12時30分頃に前述のオーストラリアの中央銀行にあたる豪州準備銀行 (RBA / Reserve Bank of Australia) が、豪州政策金利を市場予想で優勢であった通りに、現状の3.60%で金利据え置きする決定をしたが、市場の一部で燻っていた今後の追加利上げの可能性について、午後13時30分頃からのRBAのミシェル・ブロック総裁の記者会見では、「金融引き締めが必要となるシナリオについても議論した」とタカ派発言があったことでは、豪ドルが円相場で上昇した外貨影響が対ドル円相場にも波及し、市場安値後のドルの買い戻しが入っていたこともありドルは円相場で反発した。 また、今日の日経平均株価は、今朝の一時反落後に反発して昼前から再びプラス圏に戻したことでも、低リスク通貨の円に対してドルが買われて再び156円台に向けて上昇した。 午後14時7分頃には対ドル円相場は一時156円12銭付近と156円台になっていたが、午後14時30分頃から衆院予算委員会の質疑応答において日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の発言があり、「経済・物価の中心的見通しが実現していけば、利上げで緩和調整。中心的見通しが実現していく確度が少しずつ高まっている」などのタカ派発言を受けては円が買い戻されて、午後14時32分頃に一時155円86銭付近まで反発した。 ただし、通常の動きと異なる形で国内長期金利が急上昇する様な場合には、「市場における安定的な金利形成を促す観点から、機動的に国債買い入れ増額などを実施する」という国債買い入れオペによる金融緩和的な金利抑制についての発言があったことでは、ハト派的と市場が反応した円売りも入り、ドルも円相場で再び156円台に向けて反発した。 午後15時30分に今日の日経平均株価は5万655円10銭の終値をつけ、前日比73円16銭高の+0.14%で大引けし、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りも入っていた影響では、この時間にはドルは円相場で一時156円12銭付近と再び156円台に乗せていた。 今日は日本政府の高市早苗首相の発言もあり、「日々の金利や為替の動きを注視している。投機的動向含め過度な変動や無秩序な動きに必要に応じて対応」と発言していたことも、為替介入と同様に国債が大規模に買われる時の金利差トレードへの警戒感がやや燻ったことは抵抗になり、一時155円台後半に下押しした時間もあった。 とはいえ、夕方からの欧州市場と今夜17時頃からの英国ロンドン外国為替市場の参入では、時間外の米国債券取引で米国長期金利は今夜17時頃の一時4.179%付近から4.18%台方向に向けた上昇を見せていた債券利回りの金利差トレードの影響があり、今夜17時0分の1分間の値動きの中でドルは円相場で一時156円21銭付近と、再び156円台に上昇後の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。 このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円20銭付近で、昨日17時の155円34銭付近の前東京終値比では約86銭の円安ドル高になった。 なお、今夜18時頃から英国経済紙フィナンシャル・タイムズ (FT / Financial Times) のイベントに日銀の植田和男総裁が出席し、日本のインフレや金利、金融、財政、日本円の対外価値などに関してのテーマの発言とされていたが、「財政刺激策を受けて、現時点では特に基調インフレが加速するリスクはそれほど高くないと見ている」ことや、「食品インフレと円安がインフレ期待を変える可能性を注視」しているとしたほか、「為替相場はファンダメンタルズに沿うべき」と発言していたが、同時刻頃に時間外の債券市場で大量の米国債が買われたことから米国長期金利が今夜18時22分頃に一時4.153%付近にまで急反落し、金利差トレードの影響もあって対ドルの円相場が上昇していた。 今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標などの発表予定や債券市場で米国債入札予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、深夜24時に米国雇用関連の最新経済指標の10月米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数と、同時刻に以前の米国政府の一部機関の閉鎖中に発表が延期されていた9月分のデータの9月米国景気先行指標総合指数、そして27時に米国10年債の入札予定なども控えている。 また、今夜この後の12月9日から米国現地時間の翌10日にかけて米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のイベントが始まり、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の今後の金利調整のドット・プロットや、FOMC後のジェローム・パウエル議長の要人発言に市場の注目が集まっている。 加えて、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響と、ウクライナ情勢や中東や中米などの世界情勢と、世界政治経済のニュースやドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相などを含む要人発言などのファンダメンタルズ分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。 一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は181円83銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の181円12銭付近の前東京終値比で約71銭の円安ユーロ高であった。 主な要因は、欧州景気要因のインフレ圧などから欧州金利据え置き後の、今後の欧州利上げの可能性について、先述の通り、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のイザベル・シュナーベル専務理事が異論なしであったことから、欧州長期金利上昇時の影響や市場予想などがユーロ円相場に影響を与えていた。 英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は208円23銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の207円1銭付近の前東京終値比では約1円22銭の大幅な円安ポンド高になった。 主な要因は、欧米長期金利上昇時には連れ高になりやすい英国長期金利だが、今日も4.5%台で上昇し、今夜には一時4.53%付近に向けた上昇を見せており、主要通貨の中でも高金利通貨である英国ポンドの方が低金利通貨である円に対する上昇幅は大きかった。 ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1641ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1660ドル付近の前東京終値比で約0.19セントのユーロ安ドル高であった。 主な要因は、米国長期金利上昇時の主要通貨に対するドル買いの影響が大きかったが、今夜この後の米国イベントの様子見の値動きもあってことでは小幅域となっている。 今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月12月9日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の21時23分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時23分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 21:23の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
| ドル/円 | 156.24 〜 156.26 | +0.92 (円安) |
| ユーロ/円 | 181.85 〜 181.87 | +0.75 (円安) |
| ユーロ/ドル | 1.1638 〜 1.1640 | −0.0020 (ドル高) |
| 英ポンド/円 | 208.16 〜 208.22 | +1.21 (円安) |
| スイスフラン/円 | 193.69 〜 193.75 | +0.40 (円安) |
| 豪ドル/円 | 103.66 〜 103.70 | +0.59 (円安) |
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。
海外FX口座開設サポート
海外FX口座開設に必要な書類
海外FX口座開設メリットとは
海外FX会社ランキング
海外FX会社の特徴比較
東西FXタイアップキャンペーン実施中
海外FXキャンペーン実施中
FXニュース一覧
マーケットコメント覧
海外FXのお知らせ一覧
海外FXの初心者方向けの情報
FX週刊ニュース一覧
海外FXのキャンペーン情報一覧
FX中級者
FX中級者
FX上級者
NEW FX用語辞典
損益計算シミュレーション
最大単位数シミュレーション
証拠金シミュレーション
ピップ値計算機
ロスカットシミュレーション









Googleニュースでフォロー




