FXニュース:高市首相日銀総裁と会談
2025年11月18日
東西FXニュース – 2025年11月18日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米製造業景況指数上振れ
- 米FRB副議長も慎重発言
- ユーロ円180円台を記録
- 米主要株価三指数が下落
- 日経平均株価も大幅下落
今日2025年11月18日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の155円38銭付近から、円の高値でドルの安値の154円82銭付近の値幅約56銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円5銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の154円71銭付近の前東京終値比で約34銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、 17兆円規模を超える25兆円規模の達する可能性があるとの一部報道を受けた日本政府の高市早苗政権の財政悪化警戒の円売りに加えて、同市場からは翌日にあたる今日の午後15時30分に高市早苗首相が日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁と首相官邸で新政での初の会見を開くと報じられた影響もあり、日銀の早期利上げ予想が後退したことでも円安ドル高トレンドになっていた。
世界市場では、最近の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の高官達の発言を受けて、次回12月9〜10日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国小幅利下げ予想が過半数以下に後退しており、米国政策金利維持予想が過半数を超えの優勢に転じた推移を続けて時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、昨日の朝の一時4.160%付近からは上昇幅を縮小したが、下げても一時4.120%付近までの高利回りを維持しており、昨夜20時11分頃のドルは円相場で一時154円88銭付近に上昇していた。
その影響などから、時差先行の欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時154円85銭付近で、この時間の1分間の値動きの中で瞬時に記録していた一時154円84銭付近が昨夜の米国市場における円の高値でドルの安値となり、その後の欧米市場ではドルは円相場で上昇を続けた。
米国市場では、昨夜22時30分に最新米国経済指標の11月米国ニューヨーク連銀製造業景気指数の発表があり、前回の10.7と市場予想の6.7を上回る18.7に上振れし、悪化が警戒されていた市場予想に反した上昇を見せたことも、米国景気要因のインフレ圧が意識されたドル上昇圧となり、発表時のドルは円相場で一時154円90銭付近に上昇したほか、発表後の昨夜22時38分頃の米国長期金利は一時4.146%付近に再上昇し、債券利回りの金利差トレードによりドルは欧州ユーロに対しても買われた。
さらに、昨夜23時30分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のフィリップ・ジェファーソン副議長の要人発言があり、「現在の米国政策金利のスタンスは依然としてやや引き締めだが、景気を刺激も冷やしもしない中立水準に近づいている」と指摘し、「リスクバランスが変化していることを踏まえて、中立金利に近づいている時には慎重に歩を進めなくてはならない」と、米国追加利下げに慎重な発言をしたことが話題になり、ドルは円相場で155円台に上昇し、深夜24時46分頃に一時155円30〜31銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
また、フィリップ・ジェファーソン副議長は、史上最長となった先日までの米国連邦政府機関の一部閉鎖中に発表が延期された政府系の米国重要経済指標について、「次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) までに、どの程度の政府発表の経済指標を確認できるかどうかの詳細は未だによく分からない」との警戒感も見せており、雇用最大化と物価安定の二大責務を掲げる米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達の間でも、「インフレリスクのほか、米国労働市場についての見方が分かれており、米国追加利下げの必要性を巡る見解は一致していない」と言及したが、インフレリスクに警戒感を示す高官達が多くいたことから、先にインフレリスク、そして労働市場と述べたこともあり、金利先物市場データの動向などから米国政策金利の市場予想値を示すことで世界的に有名なCME (Chicago Mercantile Exchange / 米国シカゴ・マーカンタイル取引所) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、次回の米国政策金利据え置き予想値が米国小幅利下げ予想値を上回り続けた。
深夜24時に発表された最新米国経済指標の8月米国建設支出の前月比も、前回マイナス圏だった−0.1%がプラス圏の0.2%に修正された上で、今回も0.2%を維持しており、深夜24時56分頃には同時進行中だった時差先行の欧州市場が終盤へと向かう中で、 対ドルの一時155円台の円安ドル高の外貨影響がユーロ円に波及した影響もあって、欧州ユーロが円相場で180円の大台のレジスタンスライン (Resistance line / 抵抗線) を上抜けて一時180円2銭付近へと上昇し、1999年の欧州ユーロ導入以来の史上最大の180円台に乗せた円安ユーロ高を更新した。
ただし、米国ニューヨーク株式市場では、前日にも米国利下げ予想の後退を受けた金利警戒感により金利に敏感な米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) が小幅安になっていたがこの日にも続落し、中でも米国ダウ工業株が大幅な続落に向けたほか、最近のAI (Artificial Intelligence / 人工知能) 投資への過熱感などから時折調整が混ざっていた世界的なハイテク企業比率の高い米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) も、米国AI 半導体大手の米国エヌビディア (NVIDIA) の決算報告を今週の11月20日の木曜日に控えていることから警戒感が高まり、前日の小幅高から転じて反落に向けており、これらの米国主要株価三指数が揃って前日比で安値の終値に向けたことでは、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による市場安値後の低リスク通貨の買い戻しの抵抗も入ったことでは対ドルの円相場は下落幅をやや縮小した。
しかし、次回の米国利下げ予想の後退により、安全資産の米国債の買い戻しの影響は限定的となり、一時の下押し後にもドルは円相場で155円台前半の推移を続けており、午前5時35分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のクリストファー・ウォラー理事の発言では、利下げ要求の政治圧を見せていたドナルド・トランプ米国大統領の時期FRB議長候補としても知られることからハト派発言が予想されていた通り米国労働市場軟化を警戒したややハト派発言もあったが、市場では次回の米国金利維持予想が優勢で、米国債券市場では今朝6時58分頃にも米国長期金利は一時4.142%付近の高利回りであったことでは、前ニューヨーク終値比で円安ドル高が進行していた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の154円84銭付近から、円の安値でドルの高値の155円31銭付近の値幅約47銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は155円26銭付近と、前営業日同時刻の154円55銭付近の前ニューヨーク終値比で約71銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、一時155円台への円安ドル高の進行を受けた利益確定や持ち高調整の抵抗などでは、今朝7時1分頃と8時17分頃などにドルは円相場で一時155円18銭付近に下押ししたが、今朝9時頃からの今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値も一時155円28銭付近と一時155円台からの始まりとなった。
世界市場で次回の日米金利維持予想が市場で優勢さを続ける中で、今朝の時間外の米国債券取引で米国長期金利が一時4.148%付近に向けた債券利回りの日米金利差トレードの円売りドル買いの影響が先行し、今朝9時5分頃にドルは円相場で一時155円38銭付近と、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、今日の午後の日本政府の高市早苗首相と日銀の植田和男総裁の会談を控える様子見も意識されており、今朝ニュースで片山さつき財務相の円安けん制の発言が話題になり、「為替動向は一方的で急激、憂慮している」と発言し、「過度な変動を、高い警戒感を持って見極めている」ことでは為替介入警戒感がやや燻り、「為替はファンダメンタルズ反映した安定推移が重要」とも述べたが、今朝早朝の米国主要株価三指数下落の影響もあって東京株式市場で今日の日経平均株価がマイナス圏から始まった株価下落時のリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いも入り始めたことでは円相場が反発し、日経平均株価が下落幅を大幅域で拡大していた昼下がりにその勢いが増し、午後13時26分頃に対ドル円相場は一時154円82銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。
今日の日経平均株価は一時4万8661円52銭付近の前日比1662円39銭安の今日の底値を記録後にはやや反発して下げ幅を小幅に縮小し、今日の午後15時30分頃に4万8702円98銭の終値をつけ、前日比1620円93銭安の-3.22%の大幅安で大引けし、株価影響の低リスク通貨の円買いが収まった後にはドルは円相場で反発して再び一時155円台に向け始めていた。
午後15時30分頃から日本政府の高市早苗首相と日銀の植田和男総裁の首相官邸での新政権になってからの初の会談があり、市場では高市早苗政権の財政拡張的な経済政策で財政悪化警戒感の円安圧がある中で、国内債券市場では債券価格低下に伴う利回り上昇で新発10年国債の利回りが指標となる国内長期金利は一時1.755%と2008年以来の高利回りを記録するなど、中立金利とかけ離れた政策金利による円安懸念がある一方で為替介入への警戒感が燻っていたが、会見後の日銀の植田和男総裁は、追加利上げに関しては、「今後のデータ・情報次第で適切に判断していく」と従来通りの追加利上げ方向を維持し、賃金上昇を伴う2%のインフレ目標に向けて、「インフレ率が2%で持続的・安定的に上手く着地するように、徐々に金融緩和の度合いを調整していると伝えた」としており、高市早苗首相が求めている強い経済成長と物価安定の両立についても物価を2%で持続的・安定的に上手く着地することによって、「物価安定だけではなくて、息の長い経済成長につながると申し上げた」とし、それに対して高市首相は、「それはそういうことかなと了解されていた」と報告していた。
また、植田和男総裁は、高市早苗首相との今日の会談では、日銀の金融政策への政治的な要請は「特になかった」とも発言しており、「為替についても議論したが、具体的な内容については差し控える」としたが、為替相場は「ファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが望ましい」と述べて、「政府と連携して、為替の動向およびその経済への影響について注視していきたい」と話していた。
夕方からの欧州市場の参入が本格化する夕方16時頃には、ドルは円相場で一時155円22銭付近と再び155円台に乗せていたが、日銀の追加利上げ方向が維持される観測報道を受けては、日本市場時間中にはドルは円相場で今朝の高値を上抜けせずに東京終値を迎えたが、日銀が政府と綿密なコミュニケーションを取る必要が以前よりも求められていることでは、日銀の早期の追加利上げ予想は世界市場ではやや後退したままであった。
このため、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円5銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の154円71銭付近の前東京終値比で約34銭の円安ドル高になった。
なお、今夜その後の欧州英国市場では、ドルは円相場で更なる上昇に向けており、今夜20時47分頃にはドルは円相場で一時155円44銭付近への上抜けも見せている。
今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定や次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、深夜24時に米国政府機関の一部閉鎖に伴い発表が延期されていた8月米国製造業新規受注指数と11月米国NAHB (National Association of Home Builders / 全米住宅建設業者協会) 住宅市場指数の発表があり、続いて深夜24時30分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのマイケル・バー理事の発言予定と、30時に9月対米証券投資の発表などを控えている。
また、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響と、中東やウクライナ情勢などの世界情勢に加えて、世界政治経済のニュースや米国政府のドナルド・トランプ大統領や日本政府の高市早苗首相などを含む世界の政治や経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は179円72銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の179円64銭付近の前東京終値比で約8銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、今朝9時5分頃の日本市場でもユーロ円は一時180円2銭付近と、180円台の大台に乗せていたが、日経平均株価の大幅下落を受けた低リスク通貨の円の買い戻しにより上昇幅を一時縮小していた。
ただし、今夜その後の欧州市場では、今夜20時46分頃にユーロ円は一時180円9銭付近と、史上最大の円安ユーロ高の再更新に向けている。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1592ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1612ドル付近の前東京終値比で約0.20セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、米国利下げ予想の後退に対する米国金利据え置き予想の上昇を受けて、円相場だけでなく欧州ユーロなどの主要通貨に対してもドルが買われて上昇した。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は203円93銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の203円79銭付近の前東京終値比では約14銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、英国と日本の両政府に財政懸念があったが、昨日の高市早苗政権の財政拡張案がおよそ17兆円規模を上回る25兆円規模になる可能性が浮上したこともあって、ドルなどの主要通貨に対する円安の進行があったほか、経済圏が近い欧州ユーロに対する史上最大の円安になった外貨影響も波及していた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月11月18日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の21時7分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時7分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 21:07の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
| ドル/円 | 155.32 〜 155.33 | +0.62 (円安) |
| ユーロ/円 | 179.99 〜 180.00 | +0.36 (円安) |
| ユーロ/ドル | 1.1587 〜 1.1588 | −0.0024 (ドル高) |
| 英ポンド/円 | 204.21 〜 204.27 | +0.48 (円安) |
| スイスフラン/円 | 195.03 〜 195.09 | +0.14 (円安) |
| 豪ドル/円 | 100.98 〜 101.02 | −0.06 (円高) |
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