FXニュース:米PMI市場予想を上回る

2025年5月23日
今日2025年5月23日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円2銭付近から、円の高値でドルの安値の143円23銭付近の値幅約79銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円34銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年05月23日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米新規失業保険申請改善
  • 米トランプ減税下院可決
  • 米トリプル安懸念が後退
  • 日経平均株価プラス圏に
  • 独GDP上振れリスクオン
  • 英小売売上高も上振れ

今日2025年5月23日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円2銭付近から、円の高値でドルの安値の143円23銭付近の値幅約79銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円34銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の143円5銭付近の前東京終値比では約29銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨夕発表の欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の5月独サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値の下振れに続き、昨夜17時に発表の欧州ユーロ圏総合の5月欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の50.1と市場予想の50.5を下回る48.9に下振れし、好景気と不景気の境界線の景気ボーダーラインの50以下の不景気側に転じたため、欧州景気懸念で欧州主要株価の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) が下落し、欧州ユーロ売りで低リスク通貨の円買いと低リスク通貨の円が買われた外貨影響が対ドル円相場に波及し、昨夜17時10分頃にドルは円相場で一時142円80銭付近と一時142円台に下落していた。

ただし、時間外の米国債券取引では、米国債の買い戻しの後の米国債券価格上昇を受けた米国債売りの影響があり、夕方16時30分頃に一時4.578%付近と4.5%台に低下していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反発上昇し、昨夜20時45分頃の一時4.616%付近に向けて再び4.6%台に上昇したため、債券利回りの日米金利差を受けたドルの買い戻しも入ったことでは、昨夜20時5分頃にドルは円相場で一時143円78銭付近と、143円台に反発した。

その影響から、欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時143円36銭付近の始値であったが、米国市場では米国連邦議会下院がドナルド・トランプ米国大統領の減税を含む法案の可決に向けたことで米国財政懸念への警戒感が燻り、再びドルが売られた影響では、昨夜21時15分頃にはドルは円相場で一時143円27銭付近と米国市場の円の高値でドルの安値を記録したほか、米国債券価格低下に伴う利回り上昇の影響で昨夜21時25分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.623%付近に上昇していた。

しかし、昨夜21時30分の米国市場では最新米国経済指標の発表が始まり、前週分米国新規失業保険申請件数は前回の22.9万件と市場予想の23.0万件よりも堅調な22.7万件であったことを受けては、ドルの買い戻しが入り始めた。

前週分米国失業保険継続受給者数は市場予想の188.3万人より軟調な190.3万人であったものの、前回188.1万人が前回186.7万人に改善の修正がされていたことで、抵抗を交えながらもドルの買い戻しとなった。

続いて、昨夜22時45分に発表された5月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値も、前回の50.2と市場予想の49.9を上回る52.3に上振れし、5月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の50.8と市場予想の51.0を上振れする52.3に上昇し、5月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の50.6と市場予想の50.3を上振れする52.1と、すべて市場予想以上かつ景気ボーダーラインの50以上の好景気側の米国景気指標となったことから、先立って発表されていた欧州ユーロ圏総合の同指標は市場予想以下で不景気側であったことと比較した対ユーロのドルの買い戻しも起きた外貨影響もあり、発表時のドルは円相場で一時143円86銭付近に上昇した。

昨夜23時に発表された4月米国中古住宅販売件数は、年率換算件数が前回の402万件と市場予想の410万件を下回る400万件で、前月比も前回の−5.9%と市場予想の2.0%に対し−0.5%と市場予想以下であったことは抵抗となったが、前月比では前回よりは改善されており、抵抗を交えた後にはドルは円相場で再び上昇した。

昨日の日本時間の早朝には、北米カナダで開催されていた主要7カ国 (G7 / Group of Seven) 財務相・中央銀行総裁会議で日本政府の加藤勝信財務相と米国政府のスコット・ベッセント財務長官が会談したが、「通貨レートは市場で決定されるべき」という認識を共有し、円安是正の為替問題については、「議論しなかった」と日米双方が発表していたニュースの後ということもあり、この日の米国市場ではドルは円相場で買い戻しが入りやすかった。

また、米国連邦議会下院で可決されたドナルド・トランプ米国大統領の減税を含む法案については、米国財政懸念を受けた上院で修正されることへの期待感もあり、米国ニューヨーク債券市場では米国債の買い戻しが入り、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起きたため、米国長期金利が4.6%台から4.5%台に戻したため、金利警戒感の緩和により、米国ニューヨーク株式市場では前日に大幅安となっていた米国株の買い戻しが入り、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏に反発上昇した時間があったことも、米国トリプル安への警戒感の緩和による低リスク通貨の円売りとドルの買い戻しとなり、午前2時38分頃にドルは円相場で一時144円33銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、米国関税政策をめぐる不透明感も根強く、米国主要株価三指数には市場高値後の早期の利益確定売りや持ち高調整が入りやすかったことでは、米国ダウ工業株 (DJIA) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500) は小幅安の終値に転じ、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ) のみプラス圏に留まったが上昇幅を縮小した小幅高の終値をつけたことでは低リスク通貨の円の買い戻しも入っていたほか、米国債の買い戻しの影響により米国長期金利が市場終盤の午前5時40分頃の一時4.532%付近に向けた低下を続けていたこともあって、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りの抵抗も入っていた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の143円27銭付近から、円の安値でドルの高値の144円33銭付近の値幅約1円6銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円1銭付近と、前営業日同時刻の143円68銭付近の前ニューヨーク終値比で約33銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のオセアニア市場でも米国長期金利低下を受けたドル売りの影響が続いたこともあり、円相場は143円台に戻していたが、今朝8時30分には、日本の最新重要経済指標でインフレ指標である4月日本全国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表があり、前年同月比は市場予想の3.5%を上回る前回と同じ3.6%で、生鮮食料品除くコアCPIの前年同月比も前回の3.2%と市場予想の3.4%を上回る3.5%と2023年1月以来の高水準に上昇し、生鮮食料品とエネルギー除くコアコアCPIも前回の2.9%から上昇した市場予想通りの3.0%であったことでは、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の追加利上げ予想が意識された円買いも入り、今朝8時48分頃に対ドルの円相場は一時143円77銭付近に反発していた。

その影響から、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時143円86銭付近の始値であったが、今日の日本市場の仲値決済に向けては25日が週末にあたるため、今日が5と10がつく日本の貿易企業の決済日が集中しやすい五十日 (ごとおび / ゴトーび) となっていたことでは、日本企業の輸入実需の円売りドル買いが先行し、今朝9時6分頃にドルは円相場で一時144円2銭付近と今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国トランプ減税恒久化を含む法案が米国連邦議会の下院で可決されたニュースへの日本市場の反応もあり、上院での修正は見込まれるものの、米国財政懸念は燻っており、一時144円台の市場高値を記録後のドルには利益確定売りや持ち高調整が起きやすく、ドルは円相場で再び143円台へと上昇幅を縮小し始めた。

ただし、今日の東京株式市場では日経平均株価が上昇し、プラス圏の推移を続けたことは、株価影響のリスク選好のリスクオン (Risk-on) による低リスク通貨の円売りに影響を与えていたが、午前の部でより大幅な上昇を見せた日経平均株価が、午後の部では上昇幅を縮小した時間もあり、ドル円は143円台後半から前半に向けていたが、午後15時30分頃に今日の日経平均株価は3万7160円47銭の終値をつけ、前日比174円60銭安の+0.47%で大引けした。

午後15時頃から欧州市場と参入すると、この時間に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新重要経済指標の1〜3月第一四半期独国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) 改定値は、前期比が前回と市場予想の0.2%を上回る0.4%に上振れし、前年同期比も前回と市場予想の−0.2%から0.0%に上昇修正され、季調前の前年同期比も前回と市場予想の−0.4%から−0.2%に改善されたことでは、欧州ユーロが世界的に流動性の高いドルに対して買い戻された外貨影響が対ドル円相場に波及したほか、今日の夕方に欧州主要株価指数の独DAXが上昇し、株価スク選好のリスクオンで豪ドルなども買われていた。

午後15時頃には、英国の最新経済指標の4月英国小売売上高の発表もあり、前月比が前回の0.4%と前回下方修正の0.1%と市場予想の0.3%を上回る1.2%に上振れし、前年同月比も前回2.6%と前回下方修正の1.9%と市場予想の4.5%を上回る5.0%に上昇し、自動車を除くコアも前月比が前回の0.5%と前回下方修正の0.2%と市場予想の0.1%を上振れする1.3%に上昇し、前年同月比も前回の3.3%と前回下方修正の2.6%と市場予想の4.4%を上回る5.3%と、いずれも市場予想以上であったことから、英国ポンドも世界的に流通量が多いドルに対して買われた外貨影響などが対ドル円相場に波及していた。

日本市場の時間外の米国債券取引では、世界的な安全資産でもあった米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が午後15時11分頃の一時4.545%付近に上昇したが、米国債券価格低下に伴う利回り上昇であったため、それピークに安値からの米国債の買い戻しの影響で反落し、夕方16時頃の世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の参入時には米国長期金利は一時4.514%付近に低下していたため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りも入った影響では、夕方16時49分頃にドルは円相場で一時143円23銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録して、今朝の上昇幅を縮小していた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円34銭付近で、昨夜17時の143円5銭付近の前東京終値比では約29銭の円安ドル高となった。

今夜この後の米国市場では最新米国経済指標の発表予定と、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時35分頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官達の米国セントルイス連邦準備銀行 (連銀) のアルベルト・ムサレム総裁と米国カンザスシティ連銀のジェフリー・シュミッド総裁の発言予定があり、今夜23時に4月米国新築住宅販売件数、25時頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRBのリサ・クック理事の発言予定などを控えている。

また、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響と、日米を含めた各国の米国関税交渉の行方と世界経済と政治影響に加え、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円50銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の161円90銭付近の前東京終値比で約60銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨日の欧州経済指標の下振れを受けた欧州景気懸念が、前述の今日の欧州経済指標の上振れで緩和され、今日の日経平均株価の上昇や夕方の欧州主要株価指数の上昇を受けた株価リスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円や世界的に流動量が多いドル対して欧州ユーロが買われた。

その影響から、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1337ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1319ドル付近の前東京終値比で約0.18セントのユーロ高ドル安であった。

また、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の追加利下げ継続予想が後退した影響による欧州ユーロの買い戻しも入っており、ユーロドルもユーロ高ドル安になっていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は193円19銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の192円15銭付近の前東京終値比で約1円4銭の大幅な円安ポンド高だった。

主な要因は、今日の午後に発表された先述の英国経済指標の4月英国小売売上高が市場予想を大きく上振れしたことを受けて、英国ポンドも低リスク通貨の円やドルなどの主要通貨に対して上昇した。

それに加えて、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の前回の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) では利下げ反対票が複数入ったタカ派寄りであった影響も燻っていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年5月23日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時24分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時24分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:24の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 143.37 〜 143.38 +0.32 (円安)
ユーロ/円 162.69 〜 162.71 +0.79 (円安)
ユーロ/ドル 1.1346 〜 1.1348 +0.0027 (ドル安)
英ポンド/円 193.42 〜 193.48 +1.27 (円安)
スイスフラン/円 173.48 〜 173.54 +0.05 (円安)
豪ドル/円 92.61 〜 92.65 +0.35 (円安)

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