FXニュース:米減税政策財政悪化懸念

2025年5月21日
今日2025年5月21日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円35銭付近から、円の高値でドルの安値の143円46銭付近の値幅約11銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円86銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年05月21日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FRB高官達の発言一致
  • 中東情勢イスラエル報道
  • 日米財務相会談警戒続く
  • 日米株価下落リスクオフ
  • 国内長期債利回りが上昇
  • 米長期金利上昇4.5%台

今日2025年5月21日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円35銭付近から、円の高値でドルの安値の143円46銭付近の値幅約11銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円86銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の144円15銭付近の前東京終値比では約29銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夕の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、カナダで開催の主要7カ国 (G7 / Group of Seven) 財務相・中央銀行総裁会議と日米会談のイベントリスクの影響もあって昨日16時54分頃の日本市場で一時144円9銭付近の日本市場の安値を記録後のドルは、日本市場終了後の高値の円の利益確定売りや持ち高調整で買い戻された影響では、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時144円59銭付近の始値であった。

米国市場では、先日の米国格付け会社ムーディーズ (Moody’s) の米国信用格下げを受けた米国債売りの影響による米国債券価格低下時の利回り上昇の影響が燻っていたほか、最近の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の高官達の発言の影響もあり、米国相互関税政策の不確実性の様子見で当面の間の米国政策金利の据え置き予想が優勢で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が4.4%台から4.5%台に再上昇し、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いが入り、昨夜22時19分頃にドルは円相場で一時144円98銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国ニューヨーク債券市場では、一時4.5%台に乗せて上昇していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、昨夜22時35分頃の一時4.517%付近からはピークアウトして上昇幅を深夜24時15分頃の一時4.482%付近に向けた縮小を始めたため、市場高値後のドルも円相場で反落を始め、昨夜23時57分頃には一時144円51銭付近に下押しした。

ただし、午前2時頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国セントルイス連邦準備銀行のアルベルト・ムサレム総裁の発言があり、「米国金融政策は現在、良い位置にある」と、当面の間の米国政策金利据え置きを支持していた他のFRB高官達に同調したほか、「米国インフレ期待が不安定になった場合は、FRBは物価安定を優先すべき」とタカ派寄りの発言もしたニュースを受けては、午前2時15分頃にドルは円相場で一時144円89銭付近に反発した。

しかし、米国ニューヨーク株式市場では、米国政府のドナルド・トランプ大統領は2025年末が期限の大規模な米国所得減税の恒久化などを盛り込んだ大型法案を米国共和党下院指導部と5月26日のメモリアルデーまでの下院本会議で可決を目指して調整しているが、トランプ減税により米国財政悪化への警戒感による米国株売りが入り、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って下落し、マイナス圏で下落幅を拡大していた午前4時47分頃に、株価下落時のリスク回避のリスクオフの (Risk-off) 低リスク通貨の円買いの影響により、ドルは円相場で一時144円43銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録し、米国主要株価三指数はその後の下げ幅は縮小したものの前日比の安値で揃って引けていた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の144円98銭付近から、円の高値でドルの安値の144円43銭付近の値幅約55銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円51銭付近と、前営業日同時刻の144円86銭付近の前ニューヨーク終値比では約35銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のオセアニア市場では、中東情勢の世界ニュースの影響があり、米国CNNテレビが、「イスラエルがイランの核関連施設を攻撃する準備を進めているという情報を米国当局者が入手」などと報じた影響により、リスク回避の低リスク通貨の円買いと安全資産のスイスフラン買いが起き、世界的に流動性が高いドルが売られて下落したため、今朝7時15分頃に対ドルの円相場は一時144円16銭付近に上昇していた。

今朝8時50分には日本の最新経済指標の発表があり、財務省の通関ベースの4月日本貿易統計の速報は、季調前が前回の5441億円と前回上方修正の5594億円と市場予想の2153億円を大幅に下回る−1158億円に低下し、季調済も前回の−2336億円と前回下方修正の−2917億円と市場予想の−2256億円に対し−4089億円に下振れしており、米国への輸出額は前年同月比で1.8%減の1兆7708億円と4カ月ぶりに減少し、4月2日に発動された米国相互関税や自動車関税の影響が意識されていた。

今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時144円31銭付近の始値であったが、今朝の東京株式市場で今日の日経平均株価がプラス圏から始まったことや、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いがあった今朝9時53分頃の一時144円35銭付近が、今日の日本市場の円の安値でドルの高値となった。

しかし、一時プラス圏から始まった今日の日経平均株価は、今朝早朝までの米国主要株価三指数が前日比の安値で終値をつけていた影響もあって反落した影響では、ドルも円相場で今朝10時36分頃に再記録した一時144円35銭付近を高抜けできずに下落を始めた。

日本市場では、先日の観測報道を受けた日米財務相会談のイベントリスクへの警戒感なども燻り続けており、今朝までの米国市場に続く米国財政悪化懸念の影響もあり、ドルは円相場で下落を続けたほか、マイナス圏に転じた日経平均株価が午後に下落幅を拡大し、午後15時30分頃に一時3万7298円98銭の終値をつけて前日比230円51銭安の-0.61%で大引けしたため、株価下落時のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われて上昇し、午後15時38分頃にドルは円相場で一時143円46銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、国内債券市場では、今日財務省が実施した日本国債入札で新発20年債の需要の弱さから他の年度の日本国債にも売り影響が波及し、利回りが国内長期金利の指標となっている新発10年債の債券利回りが一時1.529%付近に上昇したほか、国内超長期債の30年物や新発40年債の利回りも一時3.635%付近と過去最高を記録していた。

ただし、米国トランプ減税について、難航していると報じられた一方で、与党・米国共和党の下院指導部は法案を5月26日までに可決する方針を目指して調整しているとのニュースもあり、米国財政警戒感の影響もあり、米国売りとも呼べる米国株売りと米国ドル売りに続き、米国債売りのトリプル安が燻り、時間外の米国債券取引では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も夕方16時22分頃の一時 4.539%付近に向けた上昇を見せており、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入では米国長期金利上昇時のドルの買い戻しが入ったため、市場安値後のドルは円相場で下げ幅を縮小した。

そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円86銭付近で、昨夜17時の144円15銭付近の前東京終値比では約29銭の円高ドル安になった。

なお、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜18時15分頃の一時4.544%付近に向けて米国長期金利が更なる上昇を見せていたため、今夜17時54分頃にドルは円相場で一時144円19銭付近と、今日の日本市場の高値を上抜けて一時144円台に上昇している。

今夜この後には北米カナダでG7が続くほか、米国市場では最新米国経済指標の発表と、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の高官の発言予定や米国債入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜20時に米国MBA住宅ローン申請指数、25時20分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのミシェル・ボウマン理事の発言予定と、26時に米国20年債入札予定を控えている。

また、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響と、日米を含め世界各国の米国関税交渉の行方と世界経済と政治影響に加え、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円96銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円54銭付近の前東京終値比で約42銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、米国トランプ関税への調整のニュースを受けて、米国財政悪化への警戒感からドル売りが起きて欧州ユーロが買われたため、ユーロドルが一時1.1353ドル付近とおよそ2週間ぶりのユーロ高ドル安を記録しており、主要通貨に対する欧州ユーロ上昇の外貨影響がユーロ円相場にも波及した。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1328ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1276ドル付近の前東京終値比で約0.52セントのユーロ高ドル安であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は192円99銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の193円6銭付近の前東京終値比で約7銭の円高ポンド安だった。

主な要因は、今日の午後14時56分頃に日経平均株価の下落を受けた低リスク通貨の円買いが起きていた時には、ポンド円も一時193円84銭付近にまで円高ポンド安が進んでいたが、午後15時に発表された最新英国経済指標でインフレ指標の4月英国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) は、前月比が前回の0.3%と市場予想の1.0%を上回る1.2%に上振れし、前年同月比も前回の2.6%と市場予想の3.3%を超える3.5%に上昇し、物価基調の4月英国CPIコア指数の前年同月比も前回の3.4%と市場予想の3.6%を上回る3.8%であったことから、英国ポンドは円相場で買い戻されて下げ幅を縮小した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年5月21日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時23分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時23分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:23の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 143.69 〜 143.70 −0.46 (円高)
ユーロ/円 163.09 〜 163.10 +0.55 (円安)
ユーロ/ドル 1.1348 〜 1.1350 +0.0072 (ドル安)
英ポンド/円 192.75 〜 192.81 −0.31 (円高)
スイスフラン/円 174.51 〜 174.57 +1.18 (円安)
豪ドル/円 92.56 〜 92.60 −0.01 (円高)

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