FXニュース:米国信用格付け引き下げ

2025年5月19日
今日2025年5月19日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の145円35銭付近から、円の高値でドルの安値の144円66銭付近の値幅約69銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円89銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年05月19日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 独DAX史上最高値を更新
  • 米消費者態度指数が低下
  • 米予想インフレ率は上昇
  • 米関税物価上昇圧を意識
  • 今週日米関税交渉を控え

今日2025年5月19日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の145円35銭付近から、円の高値でドルの安値の144円66銭付近の値幅約69銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円89銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の145円29銭付近の前東京終値比では約40銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の先週金曜日の夜の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) が史上最高値を更新し、欧州株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円売りでドルの買い戻しが入った時間があったため、先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時145円65銭付近の始値であった。

米国市場では、先週金曜日の夜21時30分から最新米国経済指標の発表が始まり、4月米国住宅着工件数は年率換算件数が前回の132.4万件と前回上方修正の133.9万件と市場予想の136.5万件に対し136.1万件と市場予想以下で、前月比も前回の−11.4%と前回上方修正の−10.1%と市場予想の3.1%に対し1.6%の市場予想以下となり、4月米国建設許可件数も年率換算件数が前回の148.2万件と前回下方修正の148.1万件と市場予想の145.0万件を下回る141.2万件に低下し、前月比も前回プラス圏の1.6%と前回上方修正の1.9%と市場予想の−1.2%を下振れするマイナス圏の−4.7%といずれも市場予想以下であったことでは、ドルは円相場で反落した。

ただし、同時発表だった4月米国輸入物価指数は前回マイナス圏の−0.1%と前回下方修正の−0.4%と市場予想の−0.3%を上回るプラス圏の0.1と市場予想以上で、4月米国輸出物価指数も前回の0.0%と前回上方修正の0.1%と市場予想の−0.4%を上振れするプラス圏の0.1%であったことはやや抵抗になっていた。

先週金曜日の夜23時には5月米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値の発表があり、前回の52.2と市場予想の53.4を下回る50.8と2022年6月以来の低水準に下振れしたことを受けては、発表時の先週金曜日の夜23時にドルは円相場で一時145円40銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を瞬時に記録したが、調査期間が米国対中関税引き下げの発表直後までとやや限定的で、発表後の影響から消費者態度指数が確報値で上方修正される可能性が意識されたことでは、ドルの買い戻しも入り始めた。

また、この米国ミシガン大学の米国消費者調査では、米国関税政策により米国の物価上昇圧の高まりの観測から1年先の米国消費者の予想インフレ率が前月の6.5%から7.3%へと大幅に上昇しており、1981年11月以来の高水準となり、米国消費者の長期の予想インフレも前回の4.4%から4.6%に上昇しており、米国インフレ圧への警戒感から米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) でも米国政策金利の据え置きを続ける市場予想が強まった。

米国ニューヨーク債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いが起き、発表前の先週金曜日の夜21時40分頃には一時4.393%付近と一時4.3%台にまで低下していた米国長期金利が大幅な反発上昇を見せ、発表後の深夜24時45分頃には一時4.444%付近と4.4%台で上昇したほか、米国市場終盤の一時4.483%付近に向けた上昇を続けたため、米国長期金利上昇時の主要通貨に対するドル買いが続き、先週土曜日の午前1時5分頃にドルは円相場で一時146円10銭付近と、一時146円台の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

とはいえ、今週に予定される日米財務相会合を控えた円安是正問題の為替議論への市場警戒感もあり、一時146円台の米国市場の高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整の抵抗も入りやすく、一時145円台へと戻し始めたことでは反落に向けていた。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が米国長期金利上昇を受けて一時反落したものの、先行していた欧州主要株価指数の独DAXが史上最高値の更新後に上昇幅は縮小したものの前日比で高値の終値をつけると、米国主要株価三指数も反発上昇してプラス圏に戻して上昇に向けており、米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) も米国主要株価三指数が揃って前日比で高値の終値に向けると、欧米株価上昇時のリスク選好のリスクオンでは低リスク通貨の円売りが入り、ドルは円相場で一時145円台後半の推移を続けた抵抗要因となっていた。

しかし、米国ニューヨーク株式市場終了後の米国ニューヨーク外国為替市場の終盤にあたる先週土曜日の午前5時46分頃から、大手格付け会社の米国ムーディーズ・レーティングスが、米国政府債務や利払い費が増加していることを理由に、米国の信用格付けを最上位のAAA (トリプルA相当) からAA1 (ダブルAプラス相当) への引き下げたニュースが話題になり始めて、主要格付け会社の3社中でムーディーズが唯一、最後まで米国に最上位の格付けを付与していた主要格付け会社であったことから、主要格付け3社全社の格下げを受けて、大規模なドル売りが起き始めたところで、午前5時55分頃の米国ニューヨーク終値を迎えたが、週末を控えた米国終盤の市場参加者は少なく、米国ニューヨーク債券市場で進んでいた米国債売りの影響で米国長期金利が上昇していた影響はまだ残っていた。

このため、先週金曜日の夜21時頃から先週土曜日の朝5時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の145円40銭付近から、円の安値でドルの高値の146円10銭付近の値幅約70銭で、先週土曜日の朝5時55分頃のニューヨーク終値は145円70銭付近と、前営業日同時刻の145円67銭付近の前ニューヨーク終値比では約3銭の小幅な円安ドル高をつけて、先週末を迎えた。

週明けの今朝早朝のオセアニア市場では、先週末のムーディーズの米国債AA1への格下げのニュースを受けたドル売りの影響が、週末も一部開場していた中東バーレーン市場などで進んだ影響があり、週明けの窓開けでドルは円相場で一時145円21銭付近から始まった。

その影響から、今朝9時頃からの今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時145円35銭付近と145円台前半始値となり、先週末のニューヨーク終値時点の145円台後半よりも円高ドル安で始まった。

日本市場でも、先週末に米国大手格付け会社のムーディーズ・レーティングスの米国債の信用格付け引き下げを受けた円買いドル売りが先行したほか、明日5月20日から今週22日まで北米カナダで開催される主要7カ国 (G7 / Group of Seven) 財務相・中央銀行総裁会議の後に、日本政府の加藤勝信財務相と米国政府のスコット・ベッセント財務長官の日米財務相会談が予定されているが、前週の米韓関税交渉において為替議論の観測報道が出ていたことへの警戒感が燻り続いており、国内では一部で1985年9月22日のプラザ合意の歴史上の過去の先進国協調のドル安により米国輸出の競争力を高めて貿易赤字を減らすことを目的とした時の様な円安ドル高是正のための交渉提案の可能性への警戒感が燻り、日本単独の為替介入よりも国際協調介入の方の効果は大きいことから、前回の日米関税交渉では警戒後に、「特定の通貨目標は求めない」と米国側の為替議論は出なかったものの、前回の日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入後に日本単独では効果が続かなかった日本政府側から円安ドル高是正提案があることなどへの警戒感があった。

その警戒感から、今朝の日本市場の仲値決済では、日本企業の輸入実需の円売りドル買いよりも国内輸出企業の円買いドル売りが優勢で、今朝10時頃に対ドル円相場は一時144円80銭付近と、円相場が再び144円台に上昇した。

ただし、1985年9月22日のプラザ合意では、ドル高是正後の円高進行を受けて日本からの輸出減少と国内景気の低迷が起きたため、1987年2月のG7では過度なドル安進行を防ぐためのパリのルーブル合意があり、それ以降は世界市場の為替相場は市場を中心に安定したと言われているが、日本国内では円高不況懸念から日銀が低金利政策を実施したが、金融機関からの過剰流動性によるバブル景気とその後のバブル崩壊が起きたことでは、今回の日米関税交渉でも年間9兆円もの日本の対米貿易黒字解消のための日米相互関税交渉などはあっても、円安是正やドル高是正のための為替操作のための為替議論は出ない可能性を意識した世界市場でのドルの買い戻しも起きたことでは、ドルは円相場で反発した。

今日の参院予算委員会に出席した日銀の内田真一副総裁は、基調的な物価上昇率が目標の2%に高まり、賃金上昇と伴う経済と物価の好循環が続けば、引き続き、日本の国内政策金利を引き上げていく方針を改めて示していた。

また、時間外の米国債券取引では、世界的な安全資産とされていた米国債の格付け引き上げを受けて、米国債売りの影響が続いており、昼の13時53分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.524%付近と4.5%台に乗せた上昇を続けていたこともあり、昼の13時58分頃にドルは円相場で一時145円35銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、今日の東京株式市場では、市場警戒感の影響により日経平均株価が下落しており、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが入ったことでは円相場が再び上昇し、午後15時30分に今日の日経平均株価は3万7498円63銭の終値をつけ、前営業日比255円9銭安で大引けした。

時差で午後から現地の朝となる週明けの欧州市場の参入が始まり、続いて世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が参入すると、先週末のムーディーズの米国信用格下げを受けたドル売りが再燃し、夕方16時38分にドルは円相場で一時144円66銭付近と再び144円台に反落し、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円89銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の145円29銭付近の前東京終値比で約40銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の高官達の発言予定と最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時45分に次回のFOMC投票権を持つFRBのフィリップ・ジェファーソン副議長の発言予定と、同時刻に米国ニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁の発言予定に続き、今夜23時の4月米国景気先行指標総合指数の発表などを控えている。

vまた、世界の株式市場と債券市場や商品先物市場などの為替相場への影響と、日米を含めた世界各国の米国関税交渉の行方と世界経済と政治影響に加え、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円80銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の162円81銭付近の前東京終値比で約1銭のほぼ横ばいに近い僅差の円高ユーロ安であった。

主な要因は、先週末の欧州主要株価指数上昇を受けたリスクオンと、今日の日経平均株価下落受けたリスクオフの低リスク通貨の円買いの影響があったが、ドル売りで欧州ユーロが買い戻されるなどの他の主要通貨への外貨影響も円相場に波及していた。そのため、今夜その後には、ユーロドルのユーロ高ドル安の波及もあり、円安ユーロ高の市場反転も見せている。

そのため、ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1236ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.1207ドル付近の前東京終値比で約0.29セントのユーロ高ドル安であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は193円69銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の193円40銭付近の前東京終値比で約29銭の円安ポンド高だった。

主な要因は、米国長期金利の一時4.5%台の上昇に連れる様に、今夜は英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利も一時4.7%台で大幅な上昇を見せており、今夜18時15分頃には一時4.780%付近に向けた時間もあったことから、日英金利差が影響を及ぼした。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年5月19日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時58分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時58分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:58の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 144.75 〜 144.76 −0.54 (円高)
ユーロ/円 163.31 〜 163.32 +0.50 (円安)
ユーロ/ドル 1.1280 〜 1.1282 +0.0073 (ドル安)
英ポンド/円 193.86 〜 193.92 +0.46 (円安)
スイスフラン/円 173.87 〜 173.93 −0.37 (円高)
豪ドル/円 93.27 〜 93.31 −0.11 (円高)

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