FXニュース:米小売売上高の発表控え
2024年12月17日
東西FXニュース – 2024年12月17日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米総合PMI増インフレ圧
- 米ダウ続落ナズダック高
- 米長期金利上昇4.42%台
- 今夜から2日間米FOMC
- 明日から日銀金融会合も
- 明後日には英MPC金利
- 独首相不信任で議会選挙
今日2024年12月17日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の154円34銭付近から、円の高値でドルの安値の153円80銭付近の値幅約54銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円4〜5銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の153円51〜52銭付近の前東京終値比で約53銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、ドイツ連邦議会でオラフ・ショルツ独首相の信任投票が市場予想通りに反対多数で否決され、不信任を受けたドイツ連邦議会の解散と来年2月23日の独議会総選挙の実施についてのニュース続報があり、欧州ユーロ圏主要国のドイツの政治懸念が再燃したことでは、来年の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の段階的な欧州小幅利下げ継続予想が優勢さを保つ中で、欧州ユーロに対して世界的に流動性が高い安全資産でもあり、来年の米国利下げペース鈍化予想も出ていた高金利通貨のドルが買われた影響が波及したほか、明日から始まる日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) 金融政策決定会合での日銀の追加利上げ見送り予想による低金利通貨の円売りの影響も続き、昨夜21時47分頃にはドルは円相場で一時154円9銭付近に上昇していたため、昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場も一時154円8〜9銭付近と154円台の始値となっていた。
ただし、昨夜22時30分の米国市場では、最新米国経済指標の発表が始まり、12月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数が前回の31.2と市場予想の12.0を大幅に下振れする0.2に低下したことを受けては、昨夜22時36分頃にドルは円相場で一時153円97銭付近と一時153円台に下落し、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、その後の昨夜23時45分頃に発表された米国景気関連の最新米国経済指標の12月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の速報値は前回の49.7と市場予想の49.8を下回る48.3であったものの、12月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は前回の56.1と市場予想の55.7を上回る58.5に上振れし3年2カ月ぶりの高水準を記録したほか、12月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も前回の54.9と市場予想の55.1を超える56.6に上昇し2年9カ月ぶりの高水準を記録した。
この市場予想以上の米国景気要因のインフレ圧が意識されたことから、米国市場では来年の米国利下げペース鈍化予想が高まったほか、今夜から始まる12月17日〜18日 (日本時間では時差先行により翌19日未明まで) の二日間に開催される米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国小幅利下げ予想値は、今日の市場に向けて一時95.4%と市場確定値の70%以上の優勢さを保ってはいたが、市場の一部で燻っていたタカ派の米国金利据え置き予想値が一時4.6%付近に上昇し、今夜この後の最新米国重要経済指標の米国小売売上高に注目が移る中でも欧州などと比較した米国景気要因のインフレ圧を受けたユーロ売りドル買いが入り、米国ニューヨーク債券市場でも米国政策金利の先高感などから米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午前1時台の一時4.413%付近に向けて再上昇を始めたため、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の金利差トレードの円売りドル買いもあり、同時進行中だった世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場でも冬季の午前1時のロンドン・フィキシング (London Fixing) を前にした主要取引通貨のドル需要があったため、深夜24時25分頃と24時29〜30分頃にかけてドルは円相場で一時154円47銭付近と、昨夜から今朝までの米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。
一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国長期金利の上昇により企業への貸付ローン金利上昇への警戒感により、米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が8営業日連続の続落に向けて大幅安になったが、堅調な米国景気を受けては米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) は反発して小幅高に向けており、その一方で世界的なハイテク企業の株比率が高く海外資金調達が可能な米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は、ドナルド・トランプ次期米国政権の関与などからイーロン・マスクが大株主のテスラ株が上昇し、グーグル株などの牽引もあって大幅に続伸し、史上最高値を更新するなど強弱混合したが、米国ダウなどの一部株価の下落を受けては今週の日米英金融政策会合を控えたイベントリスクもあり、一部のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) により世界的な安全資産の米国債の買い戻しや低リスク通貨の円の買い戻しの抵抗が入ったことでは、午前4時10分頃には対ドルの円相場が一時154円0銭付近まで反発を見せていた時間も観測された。
とはいえ、米国ニューヨーク債券市場では、安全資産の米国債買いの抵抗後にも午前6時25分頃にも米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.407%付近と4.4%台の高利回りの推移を続けており、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いや当面の間の日米金利差予想からはドルの買い戻しや持ち高調整も入り、午前6時20分頃にはドルも円相場で一時154円21銭付近に買い戻されていた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の153円97銭付近から、円の安値でドルの高値の154円47銭付近の値幅約50銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は154円15銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の153円65銭付近と比較すると約50銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時154円9銭付近の始値で、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いなどが入り始めた影響では、今朝9時42分頃にドルは円相場で一時154円34銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、日本市場時間の時間外の米国債券取引では、世界的な安全資産の米国債買いの抵抗が再び入り、今朝11時13分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.393%付近に低下したことでは、債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差縮小時の円買いドル売りの抵抗も入り、今朝11時17分頃に対ドル円相場は一時153円80銭付近と今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、日本市場でも明日から始まる12月18~19日の日銀金融政策決定会合では、日銀の追加利上げ見送り予想が優勢で、その一方で昨夜の米国景気要因の影響により来年の米国利下げペース鈍化予想が意識されたことでは、米国政策金利の先高観から米国長期金利が反発上昇を始めたため、ドルも円相場で反発した。
とはいえ、今夜この後の米国市場で最新米国重要景気指標の11月米国小売売上高などの発表を控えているほか、今夜から始まる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) による米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) に続き、明日から始まる日銀 (BoJ / Bank of Japan) 金融政策決定会合と、明後日の英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) 金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) とイベントが続くことから、イベントリスクによる持ち高調整も影響し、今日の東京株式市場の午前の部で一時プラス圏だった日経平均株価が早期の利益確定売りや持ち高調整などで午後の部で反落し、午後15時30分に3万9364円68銭の終値をつけ、前日比92円81銭安で大引けしたリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しの抵抗も入っていた影響では、午後の米国長期金利上昇時にもドルの円相場での上値は午後15時43時分頃の一時154円26銭付近に留まり、今朝記録した日本市場の高値を上抜けることはなく上昇幅を縮小し、夕方の欧州市場の参入後と今夜17時の東京終値の頃の英国ロンドン外国為替市場の参入では米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は一時4.421%付近と更に上昇したが、この時間には米国ダウ先物が続落を見せたリスク警戒の影響などもあり、米国長期金利上昇による日米金利差拡大時の円安ドル高の中でも、低リスク通貨の円相場でのドルの上値を小幅域に抑えていた。
そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円4〜5銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の153円51〜52銭付近の前東京終値比では約53銭の円安ドル高になった。
今夜20時頃の英国ロンドン外国為替市場では、金利先物市場のデータを基にして米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、今夜12月17日から米国現地時間の18日にかけて開催される今月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時97.1%付近と、市場で確定値と考えられている70%を大幅に超えた優勢の織り込み済みの推移を続ける一方で、一部のタカ派の米国金利据え置き予想値は一時2.9%付近と前日同時刻と同レベルの燻りを残している。
今夜この後の米国市場では、米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の1日目が始まるイベントに加えて、最新米国重要経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に最新米国重要景気指標でもある11月小売売上高が発表され、続いて今夜23時15分に11月の米国鉱工業生産と11月の米国設備稼働率、深夜24時に10月の米国企業在庫と12月の全米住宅建設業者協会 (NAHB / National Association of Home Builders) 住宅市場指数と、27時に米国20年債の入札予定を控えている。
また、世界の債券や株式とコモディティ市場などの影響や、世界政治や世界情勢などの最新ニュースなどの為替相場への影響などは引き続き注視されており、今週の日米英金融政策会合後には欧米のクリスマス・ホリデー・シーズンの冬休み時期も本格化するため、イベント時の値動きや、世界市場の流動性の減少により平常時よりも増幅された荒い値動きが出やすくなる時間があることなどに注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円70〜72銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の161円27〜28銭付近と比べると約43銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、先述の通り、今週の日米金融政策会合の市場予想のより日米金利差予想の円安ドル高の外貨影響が波及したほか、来年の欧州ユーロの段階的な欧州小幅利下げ予想が高まった一方で、前日にも欧州大幅利下げ予想の後退を受けた欧州ユーロの円相場での買い戻しが入っていた影響が続いていた。
また、欧州ユーロ圏主要国ドイツの政治懸念は再燃したものの、市場予想通りの展開であったことから、イベントリスク経過後の欧州ユーロの買い戻しが入りやすかったイベント前の円相場における為替への影響は限定的なものとなっていた。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0496〜1.0498ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0504〜1.0505ドル付近と比べると約0.08セントのユーロ安ドル安であった。
主な要因は、昨夜の欧米景気指標の比較では米国インフレ圧の方が強いことが意識されたほか、米国長期金利上昇時の円相場などの主要通貨に対するドル買いの影響が欧州ユーロにも外貨波及していた。
なお、その後も続いている欧州市場では、今夜18時にはドイツの最新経済指標の発表があり、12月の独IFO (Information and Forschung) 企業景況感指数は前回の85.7と市場予想の85.6を下回る84.7であったが、続いて今夜19時に発表された欧州ユーロ圏総合の12月の欧州経済研究センター (ZEW / Zentrum für Europäische Wirtschaftsforschung / ) 景況感調査は前回の12.5を上回る17.0で、同時発表の12月の独ZEW景況感調査の期待指数も前回の7.4と市場予想の6.5を大きく上回る15.7に上振れした。
ただし、同じく今夜19時に発表された欧州ユーロ圏総合の10月の欧州貿易収支は、季調済が前回136億ユーロから前回126億ユーロに下方修正された上で市場予想の116億ユーロを下回る61億ユーロに低下し、季調前も前回の125億ユーロに対し68億ユーロに減少していた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は195円63〜69銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の193円91〜9銭付近と比べると約1円72銭の大幅な円安ポンド高であった。
主な要因は、今日の午後16時に英国雇用市場関連の最新英国経済指標が発表され、11月の英国失業率が前回の4.7%に対し4.6%に改善された失業率低下に加えて、11月の英国失業保険申請件数も前回の2.67万件に対し0.03万件と大幅な改善を見せており、堅調な雇用市場を背景とした英国賃金インフレ圧予想などの影響もあり、明後日の12月19日の英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) では英国金利据え置き予想が市場予想で上昇し、明日から始まり同じく明後日に発表予定の日銀 (BoJ / Bank of Japan) の金融政策決定会合での追加利上げ見送り予想の影響により、日英金利差予想の円安ポンド高が進行した。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年12月17日の日本時間(JST)20時38分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時38分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。
| 通貨ペア | JST 20:38の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 | 
| ドル/円 | 153.79 〜 153.81 | +0.28 (円安) | 
| ユーロ/円 | 161.36 〜 161.37 | +0.09 (円安) | 
| ユーロ/ドル | 1.0491 〜 1.0492 | −0.0013 (ドル高) | 
| 英ポンド/円 | 195.25 〜 195.31 | +1.34 (円安) | 
| スイスフラン/円 | 171.53 〜 171.59 | −0.63 (円高) | 
| 豪ドル/円 | 97.55 〜 97.59 | −0.22 (円高) | 
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