FXニュース:米CPIが市場予想を下回る

2024年5月16日
FXニュース:米CPIが市場予想を下回る

 

東西FXニュース – 2024年5月16日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米最新重要経済指標下振れ
  • 米小売売上高も想定下回る
  • 米長期金利低下でドル売り
  • 日米欧英金利差縮小円買い
  • 日米株価大幅上昇は抵抗に

今日2024年5月16日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の154円54銭付近から、円の高値でドルの安値の153円60銭付近の値幅約94銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は154円38〜40銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円9〜10銭付近の前東京終値比では約1円71銭の大幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と、時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時155円68銭付近であったが、昨夜21時30分に発表された最新米国重要経済指標の4月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の前月比が、前回と市場予想の0.4%を下回る0.3%で、前年同月比も前回の3.5%に対し市場予想通り3.4%に鈍化し、天候条件などで価格変動の激しい生鮮食品などを除き物価基調を見る4月の米国消費者物価指数 (CPI) コア指数の前月比も前回の0.4%から市場予想一致の0.3%に低下し、前年同月比も前回の3.8%に対し市場予想通りの3.6%に米国インフレ鈍化を示したことから、米国インフレ抑制のために米国中央銀行制度の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートを高金利のまま年内維持するというタカ派の市場予想が後退し、年内数回の米国利下げの可能性が意識された。

同時発表だった米国景気関連の最新重要経済指標の4月の米国小売売上高も、前月比が前回の0.7%と前回下方修正の0.6%と市場予想の0.4%を下振れする0.0%に低下し、自動車を除くコアな前月比も、前回の1.1%と前回下方修正の0.9%に対し市場予想通りの0.2%に低下したことも、景気要因のインフレ圧鈍化の懸念材料になった。

同じく発表された5月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数も、前回の-14.3と市場予想の-10.0を下回る-15.6であったことで、イベント時間に発表された最新米国経済指標が軒並み弱く、米国債券市場では安全資産の米国債買いが活発化し、米国利下げの可能性が意識されていたこともあり、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は発表前の一時4.42%台から発表後の一時4.36%台に向けた大幅な急落を始めたため、日米金利差縮小時の円売りドル買いや、欧州ユーロや英国ポンドなどの主要通貨に対する金利差トレードのドル売りが起き、イベントタイムだった昨夜21時30分頃にはドルは円相場で155円台から154円台に急落し、一時154円75銭付近を記録した。

ただし、先ほど発表された4月の米国消費者物価指数 (CPI) で価格変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアベースの前月比の上昇率が約6カ月ぶりに鈍化したものの、これ以前の米国消費者物価指数 (CPI) では何ヶ月間にも渡って市場予想上振れや高止まりなどの米国インフレの根強さが観測されており、長期的な総合データを分析して目標の2%の米国インフレ率への「確信」を持つことで、毎回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国の金融政策を決めることが知られている米国連邦準備制度理事会 (FRB) が、数ヶ月の米国インフレの高止まりと前日の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) が強弱混合であった後に、単月の米国消費者物価指数 (CPI) の下振れだけですぐに米国利下げ転換に踏み切る可能性は少ないということを一部の専門家達が指摘したことなどもあり、ドルの買い戻しが一時活発化し、昨夜22時56分頃にはドルは円相場で反発し、一時155円80銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国主要企業の決算報告シーズンの影響の残る米国ニューヨーク株式市場では、年内の米国利下げの可能性の市場予想を受けて、企業決算におけるローン金利負担の軽減などを意識させるため、米国主要株価三指数は揃って続伸し、安全資産の米国債や低リスク通貨の円が価格上昇後に利益確定や持ち高調整で売られる抵抗の一因になっていた。

その影響で、昨夜22時台には、米国ニューヨーク債券市場で一時急落後の米国長期金利が一時4.38%台に反発していた。

しかし、米国のインフレの中でも根強いと考えられている住宅インフレへの警戒感に対して、昨夜23時に発表された最新米国経済指標の5月の全米住宅建設業者協会 (NAHB / National Association of Home Builders) 米国住宅市場指数は、前回と市場予想の51を想定外に下回る45に低下したことで、米国インフレ圧の鈍化が再び意識され、買い戻されたドルが利益確定や持ち高調整で売られて米国消費者物価指数 (CPI) 発表時のレベルに戻すという証券用語の「往って来い」が起きた。

さらに、米国債券市場では、米国利下げ先送り予想の後退により、一時反発後の米国長期金利が再び低下を始めて一時4.34%台に向けたため、日米金利差縮小時の円買いドル売りや欧州ユーロや英国ポンドなどの主要通貨に対するドル売りが再燃し、午前2時40分頃には一時154円69銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

一方、昨夜1時頃から米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁の発言が米国ノースダコタ州ビスマークの講演で始まり、発言内容が米国ブルームバーグ (Bloomberg) や英国ロイター通信 (Reuters) などで午前2時台から報道され始めたが、先ほど発表された米国消費者物価指数 (CPI) で価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたコアベースの前月比上昇率が約6カ月ぶりに鈍化したものの、基調的インフレの動向を長期データで見極めるまでは、「現在の金利水準をもう少し長く維持する必要がある」と発言し、また米国住宅インフレの影響を注視しており、現在の米国政策金利や住宅ローン金利を考慮すると、「影響はもっと大きいと予想していた」とも発言したため、ドルは円相場で下げ止まって小反発したが、カシュカリ総裁は次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持っていないこともあり、米国ニューヨーク債券市場では米国長期金利が低下したままであったため、ドルは円相場で下げ止まりと小反発は見せたものの、金利差トレードの影響があり、積極的なドルの買い戻しには繋がらなかった。

午前4時20分頃からは、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のミシェル・ボウマン理事の発言があり、タカ派で知られる理事であるが、今回は仮想通貨のブロックチェーンサミットで「イノベーションと進化する金融情勢」という講演であったために、主に仮想通貨のブロックチェーンの話をしていた。

米国ニューヨーク株式市場では、今年の9月と12月の米国利下げ期待感が高まり、米国主要株価三指数が揃って連日で続伸し、中でも米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) と前日終値で史上最高値を更新後の米国ナズダック総合 (NASDAQ Composite) は前日比大幅高で、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500) も揃って三指数が終値ベースの史上最高値を記録するなど堅調であったため、米国株式市場の株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りの影響がやや抵抗になっていた。

午前4時に発表された3月の対米証券投資は前回の516億ドルと前回修正の420億ドルの倍近い1021億ドル規模に増加していた。

ただし、米国ニューヨーク債券市場では終値時点でも米国長期金利は4.347%に低下していたため、金利差で自動利益が狙える金利差売買では、日米金利差縮小時の円買いドル売りが優勢であった。

主要通貨全般に対するドルの値動きを示すドルインデックス (ドル指数 / United States Dollar Index) も、一時104.29と4月10日以来の低下を見せた影響も、対ドルの円相場に波及していた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の155円80銭付近から、円の高値でドルの安値の154円69銭付近の値幅約1円11銭の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は154円88銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の156円42銭と比べて約1円54銭の大幅な円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも米国長期金利低下の影響などもありドルが売られていたため、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時154円30銭付近であったが、今朝の日本市場に先立って今朝8時50分に発表された日本の最新重要経済指標の1〜3月四半期の日本の実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の一次速報値の前期比が、前回プラス圏の0.1%と前回修正の0.0%と市場予想の-0.4%を下回る-0.5%で、年率換算も前回の0.4%と前回修正の0.0%と市場予想の-1.5%を下回る-2.0%のマイナス圏に転じたことでは、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の追加利上げ予想が後退したため、今朝9時9分頃には対ドル円相場は一時154円54銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、この1〜3月四半期の日本の実質国内総生産 (GDP) 速報値が2四半期ぶりのマイナス成長に転じた原因は、一部の大手自動車メーカーの品質不正問題による生産と出荷停止の影響により、消費や設備投資が落ち込んだ一過性の問題である可能性が指摘されたため、目GDPでは前期比が0.1%増、年率換算で0.4%増と2四半期連続でプラスとなったことなどから日本の景気懸念が緩和され、また同1~3月期の国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターも前年同期比で3.6%上昇し、6四半期連続でプラス圏であったことでも、主要通貨に対して円が買われて円相場が反発上昇した。

また、円安を追い風にしたインバウンド (Inbound / 訪日外国人) の日本での国内消費額は前期比で11.6%増加し、年率換算額では実質6.5兆円規模と過去最高額の収益を記録した。

今朝9時55分の今日の日本市場の仲値決済では、昨日に続き国内輸出企業などの円買いドル売りが優勢で、今朝9時59分頃には、対ドル円相場は一時153円60銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、153円台ではドルの買い戻し意欲も強く、また今朝までの米国主要株価三指数が終値ベースで最高値を更新するなど堅調であったため、米国を主要取引先に持つ日本企業などの株が買われて、今日の東京株式市場でも日経平均株価が上昇したことでは、日米株価上昇時のリスク選好の低リスク通貨の円売りドル買いが続き、ドルは円相場での下げ幅を縮めて154円台に反発した。

昼の13時30分に発表された日本の最新経済指標の3月の日本鉱工業生産の確報値の前月比が、前回の3.8%から4.4%に上昇したことでは、円が買われる機会もあったが、(前年同月比は前回の-6.7%から-6.2%に改善されたもののまだマイナス圏に留まっていたことでは、やや横ばいに近い抵抗が混ざった。

午後15時台には、前述の今日の日経平均株価が3万8,920円26銭の終値と、前日比で534円53銭高の大幅高で大引けしたことでは、リスク選好の低リスク通貨の円売りでドルが買い戻されて下げ幅を更に縮めていたが、日本市場時間の時間外債券取引でも米国長期金利は今朝の一時4.31%台付近への低下後の反発上昇幅が4.34%台付近と低調であったことでは、日米金利差縮小時の円高ドル安は優勢さを保っていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円38〜40銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円9〜10銭付近の前東京終値比では約1円71銭の大幅な円高ドル安になっていた。

今夜この後の米国市場でも、最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に4月の米国住宅着工件数と米国建設許可件数、 4月の米国輸入物価指数と輸出物価指数、5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数が同時発表され、続いて今夜22時15分に 4月の米国鉱工業生産、4月の設備稼働率、そして時間は未定であるが、今夜も複数の米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言が予定されている。

史上最高値を記録後の米国株式市場でも、米国主要企業の決算報告シーズンの影響が残っており、為替相場への影響にも注意が必要である。

一方、欧州ユーロも、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は167円91〜96銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の168円98〜99銭付近と比べると約1円7銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、先述の米国10年債の利回り急落の影響が欧米債券市場で波及し、ドイツや英国などの10年債の利回りにも低下圧が強まったことで、日米欧英金利差縮小時の円買いが影響を及ぼした。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0875〜1.0876ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0825〜1.0826ドル付近と比べると約0.50セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、前述の最新米国消費者物価指数 (CPI) の下振れを受けて、年内の米国利下げ予想が高まったことから、円だけでなく、欧州ユーロや英国ポンドなどの他の主要通貨に対してもドルが売られていた。

英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は195円80〜86銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の196円63〜69銭付近と比べると約83銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、欧州ユーロ同様に、米国長期金利低下の影響の波及で、英国長期金利も一時低下したため、日英金利差縮小時の円買いポンド売りが影響を及ぼしたほか、ドルや欧州ユーロなどの他の主要通貨に対する円の上昇圧も波及していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年5月16日の日本時間(JST)19時40分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時40分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:40の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 154.68 〜 154.69 -1.41 (円高)
ユーロ/円 168.14 〜 168.15 -0.84 (円高)
ユーロ/ドル 1.0869 〜 1.0870 +0.0044 (ドル安)
英ポンド/円 195.97 〜 196.03 -0.66 (円高)
スイスフラン/円 171.31 〜 171.37 -1.10 (円高)
豪ドル/円 103.24 〜 103.28 -0.45 (円高)


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