FXニュース:米雇用統計NFPが大幅上昇

2023年10月09日
FXニュース:米雇用統計NFPが大幅上昇

 

東西FXニュース – 2023年10月09日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米失業率は横ばいの3.8%
  • 米平均時給は市場予想以下
  • 米長期金利4.8852%記録
  • 今日は日米韓加が祝日休場
  • 中東情勢受けたリスク回避も
  • 今週に米国CPIの発表を控え

今日2023年10月9日月曜日の日本の東京外国為替市場は、「スポーツの日」 (旧:体育の日) の祝日休場であるが、9時から17時頃までの日本市場相当時間の世界FX市場の外為取引の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の149円8銭前後から円の安値でドルの高値の149円22銭前後の値幅約14銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は149円16~17銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の148円87~89銭付近の前東京終値比で約29銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、先週末の米国ニューヨーク外国為替市場で、日本時間の先週金曜の夜21時半に発表された米国連邦準備制度理事会 (FRB / The Federal Reserve Board) が重視する最新データの1つとして知られている最新米国重要経済指標の9月の米国雇用統計の米国非農業部門雇用者数 (NFP / Non-farm payrolls ) が、前回の18.7万人と前回上方修正の22.7万人と市場予想の17.0万人に対し33.6万人と前回と市場予想を超えた大幅な増加を見せ、米国雇用市場データに強い指標があったことで、米国金融引き締め長期化予想が高まり、発表前には4.7%台だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.8%台に大幅に上昇し、一時4.8852%付近の2007年7月以来と言われる高利回りも記録したことで、日米金利差拡大による円売りドル買いで、発表直前に一時148円90銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録後だったドルは円相場で一時急伸し、指標の発表後の21時51分頃には一時149円53銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、米国長期金利の上昇を受けては、日米金利差拡大のドル円以外にも、ユーロなどの他の主要通貨に対してもドルが買われていた。

ただし、米国雇用統計で同時に発表された9月の米国失業率は、前回の3.8%と市場予想の3.7%に対して、前回と横ばいの3.8%と市場予想値よりもやや弱く、9月の米国平均時給も、前月比が前回の0.2%と市場予想の0.3%に対し0.2%と前回と横ばいで、前年同月比では前回と市場予想の4.3%をやや下回る4.2%であったことでは、円相場のドルも市場高値後の早期の利益確定売りの抵抗が入り始めた。

同時進行中だった米国ニューヨーク株式市場では、堅調な米国雇用指標があったことで米国利上げ長期化予想への警戒感もあり、一時は一部の株価がリスク回避の株売りで下落したために安全資産の米国債が買われた影響もあって、米国長期金利は深夜過ぎに4.8%台から再び一時4.7%台後半に一時下落したが、一部の米国株が買い戻されて反発した影響もあり、米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が再び一時4.8%台に向けて反発したため、先週末の米国市場ではドルは円相場で米国雇用統計の発表直前につけた市場安値を割り込むことはなかった。

なお、米国と隣接する北米カナダの9月の加雇用統計も同時発表され、カナダも9月の加新規雇用者数が増えて加失業率が減るという堅調さを示していた。

米国市場でも今日はコロンブスの日の祝日であるために、先週末の米国市場では連休を控えた利益確定や持ち高調整が抵抗要因になっていたものの、翌週にあたる今週の木曜の夜には、米国雇用統計と同じく米国連邦準備制度理事会 (FRB) が重視する「最新データ」である米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表予定イベントを控えているため、こちらは鈍化継続予想が出ていたことも、週末を控えた持ち高調整が進み、新規ポジション形成には為替介入警戒感もあって、やや買い控えや様子見のやや横ばいに近い値動きも混ざった。

一方、先週末の土曜の午前3時頃には、次回の米国連邦公開指標委員会 (FOMC / The Federal Open Market Committee) の投票権を持ち、先日の米国の追加利上げの可能性を複数形で表現したタカ派発言が話題になり、最近のタカ派代表として注目されている米国連邦準備制度理事会 (FRB / The Federal Reserve Board) のボウマン理事の講演発言があり、「依然として米国のインフレ率が高すぎる」ことを理由に、「更なる金融引き締めが必要になる見通し」を繰り返していたことでも、今週発表予定の米国インフレ指標のイベントに注目が集まっている。

なお、この日のボウマン理事の講演原稿でも、「入手されるデータで、米国のインフレの進展が停滞する場合や、インフレ率を適時に目標の2%に低下させる過程が緩慢すぎると示される場合には、今後の米国連邦公開指標委員会 (FOMC) で米国政策金利誘導目標のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの引き上げを支持することに、依然として前向きだ」と、先日と同じく米国利上げ長期化予想を高めるタカ派発言が続いていた。

また、ボウマン理事は、9月の米国雇用統計で米国非農業部門雇用者数 (NFP) が市場予想の倍近くの大幅上昇になり、前回の8月と前々回の7月の同雇用者数も上方改定されたニュースを受けて、「米国の堅調な雇用の伸びを反映している」と指摘しており、この堅調な雇用市場に加えての今週発表予定の米国インフレ指標のデータが市場では注目されている。

今週は、木曜の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントの前日の水曜にも米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) などが発表される予定で、「今後の利上げはデータ次第」のFRBが重視するデータへの市場の注目度は高い。

ちなみに最新の米国経済指標としての重要度はやや低いものの、先週土曜の午前4時頃に発表された米国経済指標の8月の米国消費者信用残高の前月比は、前回の104.0億ドルと前回修正の109.9億ドルと市場予想の117.0億ドルに対して-156.3億ドルの大幅な減少を見せ、米国政策金利の上昇に伴う高金利利息がかかるカードローンでの支払いを控えている米国消費者マインドがやや意識されていた。

一方、米国のニュースでは、全米自動車労組 (UAW) は、労働協約を巡る協議が進展したとしてフォード・モーター、ゼネラル・モーターズ、ステランティスでのストライキ拡大ハ一時見送られたものの、先週は米医療保険ネットワーク大手のカイザー・パーマネンテの医療従事者達が増員と賃上げを求めて米国医療業界で過去最大規模のストライキを起こすなど、米国労働市場でのストライキが分野を超えて拡大し長期化する懸念もあることでは、今回の米国雇用統計が示した市場予想を下回る米国平均時給の伸びを受けてストライキなどの影響で今後の米国賃金インフレに繋がる可能性への一部懸念もあがっている。

そのため、先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の148円90銭前後から円の高値でドルの安値149円53銭付近の値動きで、前週末の土曜の朝6時頃のニューヨーク終値を一時149円32円銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約81銭の円安ドル高をつけていた。

なお、先週末には、中東イスラエルで起きたパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃について、米国のバイデン大統領がホワイトハウスで演説し、「米国はイスラエルと共にある」と発言したことで、イスラエルを支援する姿勢を示したことで、中東情勢への米国の関与に警戒した週末市場のある中東市場ではリスク回避のドル売りも入り始め、今朝早朝の週明けのオセアニア市場でもその影響もあり、今朝早朝の7時8分頃にドルは円相場で一時148円98銭付近の安値を記録していたが、米国金融引き締め長期化予想もあり、7時53分頃には一時149円24銭付近まで反発した。

今朝9時頃からの日本市場は祝日休場であるが、アジア市場では日本と時間帯の近い韓国も休場であったが、今日は中国が中秋節・国慶節の大型連休明けで、今朝は中国市場での値動きの影響が出やすくなったこともあり、米国雇用統計発表後の米国金融引き締め長期化予想による日米金利差拡大予想の円売りドル買いがやや入った後に、中国市場でも警戒感によるリスク回避もありドル売り円買いが入り、今朝10時2分頃に一時149円8銭付近の今日の日本市場該当時間の円の高値でドルの安値を記録した。

世界的な大市場である日本市場の不在と、今夜この後の米国市場とカナダ市場も休場予定であることから、日本市場時間にはやや横ばいに近い値動きに転じた。

午後からの欧州市場の参入では、午後14時31分頃に一時149円22銭付近の今日の日本市場該当時間の円の安値でドルの高値を記録したが、今夜この後の米国市場が休場であるため実需も少なく、積極的なドル買いは入らなかったことから、その後は少し下げてからやや横ばいに近い値動きが続いた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は149円16~17銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の148円87~89銭付近の前東京終値比では約29銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場は祝日休場予定であるために経済指標の発表予定はないが、次回の米国連邦公開委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定はあり、今夜22時頃から米国ダラス連銀のローガン総裁の発言予定、22時15分頃からFRBのバー副議長の発言予定、26時半頃からFRBのジェファーソン理事の発言予定などが注目されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は156円95~96銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の157円9~11銭付近と比較すると約14銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、大型連休明けの中国での景気リスク回避のリスクオフで、低リスク通貨の円が買われた影響が出たほか、欧州市場で今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏の最新経済指標のドイツの8月の独鉱工業生産が前年同月比と前月比ともに市場予想以下であったことから欧州景気懸念のユーロ売り円買いも入っていた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0521~1.0523ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0550~1.0552ドル付近の前東京終値比で約0.29セントのユーロ安ドル高だった。

主な要因は、先週末の米国雇用統計を受けて米国利上げ長期化予想が浮上していたところに、今日の午後からの欧州市場では欧州景気懸念に加えて、欧州中央銀行(ECB / European Central Bank)理事会メンバーのラトビア中央銀行のカザークス総裁が、「今後の欧州利上げ幅は、小さなものになる見通し」で、「大幅な利上げサイクルは終了している」と発言したことが話題になっていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は181円47~53銭付近と、前営業日同時刻である先週金曜日17時の181円68~74銭付近の前東京終値比では約21銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、欧州通貨に連動しやすい英国ポンドも、リスクオフで低リスク通貨の円が買われる市場では、リスクに弱いとしてユーロ同様に売られやすい通貨であったことなどが影響を及ぼしていた。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年10月9日の日本時間(JST)19時37分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の夏時間 (GMT+1 / BST / JST-8) 11時37分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:37の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 149.12 〜 149.13 +0.25 (円安)
ユーロ/円 156.99 〜 157.04 −0.10 (円高)
ユーロ/ドル 1.0529 〜 1.0531 −0.0021 (ドル高)
英ポンド/円 181.56 〜 181.62 −0.10 (円高)
スイスフラン/円 163.83 〜 163.89 +0.62 (円安)
豪ドル/円 94.90 〜 94.94 +0.10 (円安)


注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。