FXニュース:米連邦公開市場委員会(FOMC)新金利発表前の市場は

2022年11月01日
FXニュース:米連邦公開市場委員会(FOMC)新金利発表前の市場は

 

東西FXニュース – 2022年11月1日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利が一時4.11%付近に上昇後の取引で3.98%付近に低下
  • 高インフレでは米連邦準備理事会(FRB)の米大幅利上げ継続予想
  • 鈴木財務相が日本の非公開為替介入の覆面介入の実施に言及
  • 欧州ユーロ圏消費者物価指数が10.7%のインフレ上昇率記録
  • 豪準備銀行(RBA)が通常の0.25%に政策金利利上げ幅を縮小

今日2022年11月1日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値の148円82銭前後から高値147円51銭前後の値動き幅が約1円31銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円93〜96銭付近で、前日同時刻の前東京終値比では約7銭の円高ドル安であった。

日本時間で今夜から明後日の朝までの米国現地時間11月1〜2日の米国連邦公開市場委員会(FOMC)で注目の米国の新政策金利の発表イベントを控えた今日の世界FX市場では、米国連邦準備理事会(FRB)関係者達が発言を控えるブラックアウト期間であるために、米10年債の利回りが指標となる米長期金利が今朝までの米国市場で一時4.11%付近に上昇した時のドル買いと、その後の今日の日本市場と今夜の欧州英国市場では米長期金利の下落時のドル売りとが連動する様なイベント前のドル円の為替相場になっている。

時間に沿った市場トレンドの動きの解説では、まず昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、米国経済指標が示した米インフレの高止まりにより、今週の米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)ではインフレ対策の通常の3倍の0.75%の大幅利上げ継続予想が優勢で、米長期金利が一時4.11%に上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いが優勢になり、今朝までの米ニューヨーク市場の対ドル円相場の終値は148円70~80銭付近で、前営業日同時刻比で約1円30銭の大幅な円安ドル高になっていた。

しかし、その後の今日の日本市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)の新政策金利の発表を米国現地時間11月2日(時差で日本では翌朝)に控えたドルのイベント前リスクの抵抗なども入り、発表後にもしもパウエル議長が次回の12月以後の米利上げ幅の減速協議や米経済見通しなどについて発言をする場合には注意が必要であるために、今日の市場ではドル円の持ち高調整や、結果が分かるまでのドルの買い控えの抵抗なども入り、今朝のドル円は横ばいに近い動きに転じ始め、今日の日本市場では米長期金利の上昇後の下落に合わせてイベント前のドルが下げ始めた。

また、今朝のニュースでは日本政府の鈴木俊一財務相が、日本政府と日本銀行(日銀/BoJ)の非公開為替介入の「覆面介入」の実施について、「急激な変動(ボラティリティー)を平す効果を、最大限に高めるため」で、前回までの円買い為替介入には一定の効果があったとしており、「引き続き、過度な変動(ボラティリティー)は容認できない」と発言し、今夜からの米連邦公開市場委員会(FOMC)イベント前の円安牽制をしていた。

一方で、日本銀行(日銀)の黒田東彦総裁は、今朝の参院財政金融委員会で、「物価上昇の主因は、輸入物価の上昇」と発言し、円安が主な原因ではないと主張し、「日本経済はコロナ禍からの回復過程にあり、金融緩和で下支えすることが必要」と、円安要因である日銀の金利抑制の「異次元」大規模緩和金融政策の現状維持と継続を支持していた。

今朝10時頃の仲値決済では、月末決算後の月初めもあり、日本の貿易企業の取引でも比較的、価格変動(ボラティリティー)に注意をした控えめな取引が昼頃までは行われていた。

ただし、午後からの欧州英国市場の参入では、夕方に米長期金利が4%割れの3.98%付近に向けて下落をしてきており、金利差縮小時のドル売りと、イベント前の持ち高調整や発表までのドルの買い控えなども相まって、ドルが円やユーロなどに対して売られて下落したことで、対ドル円相場が上昇した。

米経済新聞ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での米利上げ減速協議に関する記事で先日話題になったニック・ティミラオス記者の「米金利の上昇が米国連邦準備(中銀)の損失に拍車をかける(Higher Interest Rates Fuel Losses at Fed)」可能性についての記事を今日の米国版の朝刊2面に掲載しており、「米中央銀行は現在、金利収入よりも多くの金利費用を支払っている」と指摘していたことなども、英国ロンドン外国為替市場では今日の話題になっていた。

そのため、今夜17時の今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円93〜96銭前後で、前日同時刻の前東京終値比では約7銭の円高ドル安に転じた。

今夜この後にも米国の最新経済指標の発表があり、世界のFXトレーダーや投資家達が為替相場の値動き予想材料として注目している。日本時間でのスケジュールは、今夜22時45分に10月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値、23時に10月の米ISM(Institute for Supply Management = 全米供給管理協会)製造業景況指数と、9月の米建設支出などが発表予定である。

一方、ユーロは、昨夜の欧州市場で発表された欧州ユーロ圏の10月の欧消費者物価指数が、前年同月比で10.7%の上昇率と市場予想を超えたインフレ率が加速しており、統計データの記録が残っている1997年以降での過去最高のインフレ上昇率を記録した。

それが原因で、一時は欧州インフレ悪化の景気懸念からユーロ売りの安全資産のドル買いが起きており、その後の米国ニューヨーク市場では、さらに米長期金利の一時上昇時の金利差拡大予想のドル買いも相まって、ユーロ安ドル高になっていたが、今日の日本市場では、米長期金利の下落時のドル売りやイベント前のドルの買い控えが優勢になったことで、ユーロドルは今夜17時の日本市場の終値は0.9928〜0.9931ドル付近で、前日同時刻比と同じレンジ圏だった。

今夜その後の欧州英国市場では、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が「欧州金利はまだ目標値に達しておらず、欧州ユーロ圏のインフレは高すぎる」と発言したことなどで一時ユーロ買いが入り、またイベント前の米ドルの持ち高調整や買い控えなどもあり、20時頃までには前日比でユーロ高ドル安に転じていたが、20時15分には再び僅差でユーロ安ドル高やユーロ高ドル安にも転じるというレンジ付近の値動きをしている。

ユーロの円相場も一時横ばい圏で、17時頃に146円95~99銭付近の前日同時刻比で約1銭の円安ユーロ高から、146円89〜91銭付近の前日同時刻比で約5銭の円高ユーロ安に転じていた。

今日の英国ポンドは、英国と経済的な結びつきの多い欧州の記録的な高インフレ継続による欧州ユーロ圏の景気懸念への警戒感などで、英国でも景気減退懸念が起きて英国ポンドが売られた影響もあり、今夜17時の日本の東京外国為替市場の円相場の終値は170円45〜51銭付近で、前日同時刻比では約9銭の円高ポンド安であった。

オーストラリアの豪ドルは、今日はオーストラリア豪準備銀行(RBA)が新政策金利を発表し、通常の0.25%に利上げ幅が縮小されたことで、一部の市場予想の0.5%の利上げ幅を下回ったことから、午後の日本市場で豪ドルが売られる機会が増えた。

そのため、今夜17時の今日の日本の東京外国為替市場の豪ドルの円相場の終値は95円4〜8銭付近で、前日同時刻比で約10銭の円高豪ドル安であった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年11月1日の日本時間(JST)20時32分(英国時間(GMT)11時32分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:32の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 147.14 〜 147.16 -0.86(円高)
ユーロ/円 146.27 〜 146.28 -0.67(円高)
ユーロ/ドル 0.9939 〜 0.9940 +0.0011(ドル安)
英ポンド/円 169.99 〜 170.05 -0.55(円高)
スイスフラン/円 148.27 〜 148.33 -0.15(円高)
豪ドル/円 94.92 〜 94.96 -0.22(円高)


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