FXニュース:米長期金利が4%付近に上昇

2024年1月04日
FXニュース:米長期金利が4%付近に上昇

 

東西FXニュース – 2024年1月4日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FOMC追加利上げの可能性
  • 米FRB高官の追加利上げ言及
  • 米ISM製造業景況が予想以上
  • 米JOLTS求人数は予想下振れ
  • 日経平均株価安でリスク回避
  • 今夜と明日の米雇用関連指標

今日2024年1月4日木曜日の連休明けの日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の142円85銭前後から円の安値でドルの高値の143円90銭前後の値幅約1円5銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円41~42銭付近と、昨日17時の世界市場の142円43~45銭付近の前東京終値相当時間比では約1円1銭の円安ドル高であったが、日本市場の正月三が日の連休前の前営業日にあたる先週金曜日17時の141円38~40銭付近の昨年末の前東京終値比では約2円3銭の大幅な円安ドル高で、今夜21時頃の英国ロンドン外国為替市場では144円台に円安ドル高が進行している。

今日の為替相場の値動きの主な要因は、昨夜の東西FXニュースでもお伝えしていた通り、日本市場の祝日中にも海外FXや世界市場は平日営業であったため、元旦に発生した石川県能登地震の被害拡大による懸念を受けた日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の早期のマイナス金利解除予想が減退した一方で、中東情勢警戒の原油高の影響による米国インフレ懸念が浮上し、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の今年早期の米国利下げ予想が確定値を下回ったほか、昨夜は追加の米国利上げの可能性に言及されたことで、米国長期金利上昇に伴う日米金利差拡大による円安ドル高が進行した影響が見られた。

時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析ではまず、昨夕の英国ロンドン外国為替市場で日米金利差拡大による円安ドル高が進行したため、昨夜22時頃から市場時間が重なる米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、一時142円93銭付近から始まった。

昨夜22時半頃からは米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国リッチモンド連銀バーキン総裁の発言があり、米国ノースカロライナ州のローリー商工会議所での講演で、米国失業率が低水準に留まっているデータなどを挙げて、米国雇用市場に深刻なダメージを与えずに米国経済のソフトランディング (軟着陸) を実現ができる可能性が高まっているとの認識を示したが、米国利下げに関しては「我々の多くは、今年のある時点から金利正常化に向けた動きが始まると予想していた」としたものの、特定の開始時期には言及しなかったほか、米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) による「追加の米国利上げの可能性は、依然として選択肢にある」ことにも言及したため、米国長期金利が上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いの勢いが増してドル円は143円台に上昇し、テクニカル指標の200日移動平均線 (MA / Moving Average) があった143円18銭付近を上抜けて、昨夜23時36分頃には一時143円73銭付近と更に円安ドル高が進行した。

ただし、世界市場でのドルの高値圏からは利益確定売りの抵抗が混ざったほか、深夜24時に発表された最新米国経済指標の昨年11月の米国雇用動態調査 (JOLTS/ Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数が、前回の873.3万件と前回修正の885.2万件と市場予想の885.0万件に対し879.0万件と、前回の上方修正後と市場予想を下回ったことを受けては、深夜24時4分頃にドルは円相場で一時142円81銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、深夜24時頃に同時発表だった最新米国重要経済指標の前月12月の米国供給管理協会 (ISM / Institute for Supply Management) 製造業景況指数は、前回の46.7と市場予想の47.1を上回る47.4に上昇しており、好景気と不景気を分けるボーダーライン (境界線 / Borderline) の50は下回ったものの、米国経済のソフトランディング期待が高まり、米国長期金利が更に上昇し3.99%台に乗せて4.00%付近に上昇したことで、日米金利差拡大による円売りドル買いが再燃し、ドルは円相場で深夜24時50分頃に一時143円73銭付近に上昇し、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、午前4時には、市場で注目されていた先月12月12〜13日開催分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事要旨が発表され、「景気抑制的な金融政策スタンスを、当面維持することが適切との見解で一致」したことや、「米国政策金利は、想定より長くピーク水準で維持される可能性がある」との見解も示されており、また「さらなる追加利上げが適切になる可能性があると指摘」との内容もあったことなどから、確定値を下回っていた早期の米国利下げ予想がさらに減退したことも円安要因となり、午前4時6分頃にも再び一時143円73銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録したが、再トライで上抜けできなかったことでは、テクニカル分析的なダブルトップ (Double Top) の毛抜き天井の売り抵抗が入り始めた。

また、昨年大幅上昇後の年明けの米国株の利益確定売りや持ち高調整のトレンドも続いていたため、この日の米国主要株価三指数が揃って低下したことも、米国株安時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) により、市場安値後の安全資産の米国債が買われた影響で債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時3.90%台に低下したため、日米金利差縮小時の市場安値圏からの低リスク通貨の円買いはやや抵抗要因になった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の142円81銭前後から円の安値でドルの高値の143円73銭前後の値動きで、今朝7時頃の冬時間のニューヨーク終値は143円29銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の141円99銭付近と比べて約1円30銭の円安ドル高をつけていた。

今朝9時頃からの今日の連休明けの日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は、早朝のアジア・オセアニア市場の持ち高調整の影響もあり、一時142円99銭付近から始まった。

また、お正月の石川県の能登半島地震の被害拡大懸念などによるリスク回避の影響もあり、今朝の東京株式市場で日経平均株価 (Nikkei Stock Average) が大幅な下落を見せ始めたため、日本株安時の国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われる値動きが先行したため、今朝9時15分頃に対ドルの円相場は一時142円85銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、日銀の早期の金融修正予想が減退すると同時に米国の早期の利下げ予想も後退しており、米国金利先物市場のデータを基にした米国政策金利のフェデラル・ファンド(FF Federal Funds)の市場予想値で有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange ) グループのフェドウォッチ (FedWatch) では、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が今年早期の3月19〜20日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国利下げを開始という予想確率は、今日は0.25%の小幅利下げ予想が65.6%に低下して確定値の70%を更に下回り、一部にあった0.50%の大幅利下げ予想も4.6%に減退した一方で、金利据え置き予想は29.9%に上昇したため、今朝早朝に一時低下した米国長期金利が3.95%台へと再上昇したことでは、日米金利差拡大による円売りドル買いが再開した。

また、今朝は前営業日比で一時700円以上の大幅安を記録した日経平均株価が午後には下落幅を縮めたことによる低リスク通貨の円買い需要の一時低下や、午後からの欧州市場の参入が始まったことで、米国長期金利再上昇による日米金利差拡大の円売りドル買いも入ったことなどから、午後14時35分頃にはドルは円相場で一時143円90銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、午後15時15分に新年大発会の今日の日経平均株価が3万3288円29銭の終値と、前営業日比で175円88銭安の大幅安で大引けしたことを受けては、再びリスク回避で国内第一安全資産の低リスク通貨の円買い需要の抵抗も入ったほか、夕方から英国ロンドン外国為替市場すると、米国債買いによる利回りの一時低下の影響もあったために抵抗が入った。

しかし、抵抗後には、英国ロンドン外国為替市場でも、再び世界的に流動性の高いドルが買われた値動きもあったため、抵抗幅は限られていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は143円41~42銭付近で、世界市場の昨日17時の142円43~45銭付近の前東京終値相当時間比では約1円1銭の円安ドル高であったが、日本市場の連休前の前営業日にあたる先週金曜日17時の141円38~40銭付近の前東京終値比では約2円3銭の大幅な円安ドル高になった。

また、今夜21時頃の英国ロンドン外国為替市場では144円台に円安ドル高が進行している。

今夜この後にも最新米国経済指標などの発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時半に 12月の米国チャレンジャー人員削減数、22時15分に12月の米国オートマティック・データ・プロセッシング (ADP / Automatic Data Processing) 雇用統計、22時半に前週分の米国失業保険継続受給者数と米国新規失業保険申請件数、23時45分に12月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers Index) と12月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 、25時に米国週間原油在庫などの発表予定があり、明日に米国重要指標の米国雇用統計を控えているため、今夜もADPなどの米国雇用関連の経済指標などに注目が集まっている。

一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は156円85〜86銭付近と、世界FX市場の昨夜17時の156円15〜17銭付近の前東京終値相当時間比で約70銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今年早期の日銀修正予想が後退していたため、日欧金利差の影響が見られた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0935〜1.0937ドル付近で、世界FX市場の昨夜17時の1.0961〜1.0963ドル付近の前東京終値相当時間比で約0.26セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、来年早期の米国利下げ予想の減退や米国長期金利上昇の影響が観測された。

また、今日の午後16時45分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の12月の仏消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) 速報値は、前月比が前回の-0.2%と市場予想の0.2%に対し0.1%と市場予想ほどは上昇しなかったが、前年同月比では、前回の3.5%に対し市場予想通りの3.7%であった。

ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場で今夜17時50分に発表されたフランスの12月の仏サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は、前回と市場予想の44.3が45.7に上方修正され、今夜17時55分のドイツの12月の独サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 改定値も前回と市場予想の48.4に対し49.3に上方修正され、今夜18時の欧州ユーロ圏総合の12月の欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 改定値も前回と市場予想の48.1に対し48.8に上方修正が続いたことでは、欧州景気懸念がやや後退し、欧州ユーロの買い戻しも見られている。

しかし、今夜この後の22時には、欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の12月の独消費者物価指数 (CPI) の発表予定も控えている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は181円93〜99銭付近で、世界FX市場の昨夜17時の180円3〜9銭付近の前東京終値相当時間比では約1円9銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、米国長期金利上昇につられるように英国長期金利が上昇した際に、日銀の早期の金融修正予想の後退があったことで、日英金利差による円売りポンド買いが影響した。

また、今夜18時半の英国ロンドン外国為替市場では最新英国経済指標の発表があり、12月サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 改定値も、欧州同様に前回と市場予想の52.7に対し53.4に上方修正され、景気境界線の50を超える好景気寄りのデータとなったことで、英国景気懸念がやや緩和された一方で、日本の景気懸念があった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年1月4日の日本時間(JST)21時9分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の12時9分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 21:09の為替レート 世界市場昨日17時の前東京終値相当時間比
ドル/円 144.07 〜 144.08 +1.64 (円安)
ユーロ/円 157.77 〜 157.78 +1.62 (円安)
ユーロ/ドル 1.0949 〜 1.0951 -0.0012 (ドル高)
英ポンド/円 182.83 〜 182.89 +2.80 (円安)
スイスフラン/円 169.46 〜 169.52 +1.86 (円安)
豪ドル/円 96.93 〜 96.97 +0.69 (円安)


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