東西FXリサーチ – 労働党が追い上げる英国総選挙当日、ポンド対ユーロは0.06%高

2019年12月12日



文/安藤麻矢 – 東西FXリサーチチーム

イギリスの欧州連合離脱を争う英総選挙が今日、12月12日に投開票日を迎えた。今日も英ポンド対ユーロへの為替レート@ 1.1860、0.06%増、英ポンド対米ドルへの為替レート@ 1.3210、0.09%増となっている。

先週末に報告されている世論調査では、英総選挙で与党・保守党が議会過半数を得るとの楽観的な見方が強く、ポンドは今年6月以降で最長の連騰となっている。選挙での最大の注目ポイントであるジョンソン首相率いる保守党による下院の単独過半数確保には定数650議席のうち326議席を獲得する可能性は以前高いと見られている。

週明けの9日のロンドン外国為替市場では先週に続きポンド高となり、対ユーロで2年半ぶりの高値を更新しており、総選挙が決定した10月下旬以来、ポンドは約2%上昇し、11日(水)には 1.31ドル付近で取引され7か月ぶりの高値をつけ、中規模英国企業のFTSE 250指数では約3%上昇している。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの為替戦略グローバル責任者であるエルサ・リグノス氏は調査報告書の中で、ポンドの再上昇は、保守党がかなりの議席差で過半数を獲得する可能性を市場がほぼ完全に織り込みにいっているためだであると で指摘している。

しかしながら、まだ予断は許されない。10日に発表された世論調査では、与党・保守党が最大野党の労働党に9ポイントの差となり、10ポイント以上あった差は1桁まで追い上げられている。保守党は最大で367議席、少ない場合は311議席にとどまり、大勝する可能性もあれば過半数割れになる可能性もあるといわれる。

センチメントとポジショニングの指標からは、オプショントレーダーがポンドに対してここ8カ月で最も弱気に傾いていることを示唆している。

キャピタル・エコノミクスの エコノミストであるアンドリュー・ウィシャートは、今週火曜日の研究レポートの中で、もし保守党が過半数を獲得できず、ブレクジットの行き先に再び不透明になる場合は、ポンドは弱まるだけでなく、英国ボンド、特に株式に打撃を与える可能性を指摘している。

投票が締め切られる現地時間午後10時(日本時間13日午前7時)。3年以上にわたって企業や市場に根付いていたブレクジットの不確実性の一部を取り除かれるだろうか。

為替市場を大きく揺がす英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を争点とする英総選挙は12日、投開票日を迎えました。

ポンドはドルに対しても上昇。選挙戦を通じて保守党と最大野党・労働党との支持率の差は縮まったが、12日の総選挙で政権交代が実現するほどではない。週末の世論調査結果で欧州の投資家がポンド買いに動いたと、複数のトレーダーは述べ。ポンドはユーロに対し、一時0.3%高の1ユーロ=0.8393ポンド。ドルに対しては0.3%高の1.3181ドルで、過去1カ月の上昇率が3%に達した。

ポンドが上昇すればするほど、オプショントレーダーは神経質になる。

来週の英総選挙で与党・保守党が議会過半数を得るとの楽観から、ポンドは今年6月以降で最長の連騰となっている。だがセンチメントとポジショニングの指標は、オプショントレーダーがポンドに対してここ8カ月で最も弱気に傾いていることを示唆する。

レーダーは、ジョンソン首相勝利の見通しにどの程度の確信を持つことができるのか、世論調査への不信感ともバランスを取りながら見極めようとしている。世論調査は保守党勝利を示すものの、2016年の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票、17年の保守党が過半数を失った総選挙と、ことごとく信頼を裏切った。保守党勝利はすでに完全に織り込み済みと一部で受け止められている可能性もある。

クレディ・アグリコルのG10通貨戦略責任者、バレンティン・マリノフ氏は「保守党が十分な議席差を付けて勝利し、それがポンドの対ドル相場を今後も支え、1.34ドルかそれを上回る水準に押し上げるというのが中心シナリオのようだ」と指摘。「投資家はアウト・オブ・ザ・マネーのドルコールが比較的安いことを利用し、選挙前に自らのポジションに対するヘッジを進めている」と述べた。

総選挙が近づき、ポンドの上昇または下落に対するヘッジ費用は上昇。選挙結果を巡り根強い懸念があることを浮き彫りにしている。今後2週間のプロテクション費用は、17年6月の選挙前の同時期と比べて25%高い。