「東西FXリサーチ」クロス円での円高進行の可能性

2020年9月16日



文/安藤麻矢 – 東西FXリサーチチーム

クロス円での円高進行の可能性

地政学的な緊張が高まり、世界的な経済の回復が著しく市場のセンチメントを悪化させている場合、セーフヘブンに関連する日本円のボラティリティへの敏感さから今後数週間で 通貨を押し上げる可能性がある。

昨日のドルは105.35円付近で取引されていたものも、前日からの流れを引き継いで円高地合いとなるなか、ドルは一時105.26円まで、ユーロは124.93円から124.54円まで下落した。

ロイターにコメントしたFXプライムbyGMO・常務取締役の上田眞理人氏は昨日からの円高について、市場の予想である菅新政権によるアベノミクスの継承の可能性によって祝儀的な株高/円安を期待した投機筋が、期待に反した反応からポジションを巻き戻していることが要因だろうと語っている。ユーロは1.1832ドル付近。昨日1.19ドルちょうどまで上昇したが、利益確定売りに押された。

ユーロ、米ドルは1.18ドル、ドル/円は105円と、両通貨ペアともクリティカルなポイントに近づいており、ユーロが1.18ドルを割り込んだ際には、ユーロロングの巻き戻しが一時起こり、圧縮を受けたユーロ安はユーロ/円にも影響を与えて、その結果、対ドルでも円高が進行する可能性があると同氏は付け加えている。

ユーロ安にさらに英ポンド安が加わることで、クロス円での円高進行は大幅になる可能性が高いと言われている。

世界の中央銀行が新しいコロナウイルスのパンデミックに対応して金融システムに前例のない量の流動性を注入したため、市場の恐怖ゲージ、ボラティリティインデックスまたはVIXは3月18日をピークに着実に低下した。

この流動性の大幅な増加により、当面はボラティリティが抑制され、VIXが低くなり、「セーフヘブン」の日本円が引きずり込まれた。

これは、ボラティリティの復活が間近に迫っている可能性を示唆していると言われている。ボラティリティインデックスは、8月の過去5年間で平均33.76%上昇し、現在、5.1%下落して月末に向かっている。

さらに、夏の低迷が終わりを迎えるにつれ、多数の基本的な逆風が安全への飛行を引き起こす可能性があり、9月の初めに予想される数量の増加により、市場のボラティリティが悪化し、日本円に影響する可能性がある。


選挙前にエスカレートする可能性が高い米中緊張

米国と中国の緊張の高まりに直面して金融市場で見られた驚くほど沈黙した対応は、11月の米国の選挙を控えたただの態度として、激怒のレトリックを却下した市場を示している可能性がある。

一方、日本円の潜在的な強気のドライバーを相殺するのは、安倍晋三首相の2.2兆ドルの刺激策に裏打ちされた国債発行の最近の急増だ。

2020年の債券発行は60%を超えると推定されているため、世界的な需要の欠如により、日本銀行は日本国債(JGB)の購入を増やし、イールドカーブ制御の効果的な実施を継続する必要があるかもしれない。

さらに、消費者物価の上昇率は2%の必須レートよりも大幅に低く抑えられており、日銀が現在の刺激策を拡大するよう促す可能性がある。日本のコア消費者物価は7月の2ヶ月連続で0%にとどまった。

したがって、緩和的な金融政策の設定は、ボラティリティのある期間中の日本円の潜在的な上昇を制限する可能性がある。これにより、政策立案者が既存の刺激策を積極的にロールバックするまで、3月の高値からセーフヘブンの通貨の真の逆転が妨げられる可能性がある。


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