「東西FXリサーチ」ユーロの買い入れペースは加速するか?

2020年9月10日



文/安藤麻矢 – 東西FXリサーチチーム

ユーロの買い入れペースは加速するか?

8日から協議が開始されている英国とEU の自由貿易協定(FTA)交渉が膠着している中、ユーロが2年振りの高値をつけている。

プットへのコールのゲージであるユーロ /米ドルの1ヶ月のリスク逆転は、過去6取引日の0.47から0.15に後退した。これは、コールオプションに対する需要の低下または共通通貨への強気な賭けの兆候である。

先週一時的に対米ドルでユーロが1.20ドルを上回った後、チーフエコノミストのレーン理事はユーロ・ドルの為替レートが金融政策にとって「重要だ」と述べ市場を驚かせた。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のための都市封鎖が3月に始まって以降、ユーロ相場は10%上昇している。そのために、物価に下押し圧力がかかっていることからラガルドECB総裁は非難されている。景気回復の遅れへの 兆候と相まって、追加の金融刺激策を正当化する方向に働く。

ブルームバーグのオプション価格モデルによると、ユーロの対ドル相場は今週前半は1.18ドルを下回る水準で推移したが、今後3カ月は1.14ドルを割り込むより1.22ドルを上回る可能性が高いとの見通しが示唆されている。。アクサのチーフエコノミスト、ジル・モエック氏はメディアに、為替レートがインフレに与える影響と、新型コロナ危機に対応する「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」(総額1兆3500億ユーロ=約170兆円)の買い入れペース加速の可能性をリンクさせることも考えられると述べている。

中央銀行は木曜日に主要な政策ツールを変更しないことを広く期待しているが、一部のトレーダーは、ECBのラガルド大統領が2016年以来初めてインフレがマイナスになったことを考えると、単一通貨について語ることを期待している。

おそらくヨーロッパの中央銀行がその6月の安値からのドルに対するユーロの6%近くの上昇で不快に成長しているという推測のために強気のバイアスは弱まった。

英国のジョンソン政権が9日、英議会下院に示した発効済みの欧州連合(EU)との離脱協定の一部を修正する内容を含む国内法案に EU首脳は国際法違反であると強く反発している。

現段階では中断などの動きは起きていない。ただ離脱協定の議論を蒸し返すような動きには国内からも批判があがっている。メイ前首相は8日の議会で「今後どうやって英国が署名した協定を順守すると諸外国を安心させられるのか」と述べ、国の信頼を損なう恐れがあると指摘した。

欧州中央銀行(ECB)の政策担当者は、2年ぶりの高値に上昇したユーロ相場に神経をとがらせており、何らかの介入があるのではないかと投資家やエコノミストは警戒している。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)が3月に始まって以降、ユーロ相場が10%上昇したことで物価に下押し圧力がかかり、ラガルドECB総裁の仕事を難しくした。それは景気回復ペースが鈍る兆候と相まって、追加の金融刺激策を正当化する方向に働く。

ECBが10日に開く政策委員会で、そうした対応が打ち出されるとは考えにくいが、ラガルド総裁と政策委メンバーは、行動が必要な場合に備え下準備の開始を決めるかもしれない。ECBが取り得る選択肢を幾つか挙げる。


口先介入

ECBの政策担当者は為替レートを目標にしないと繰り返し述べる一方で、自分たちの発言が影響力を持ち得ることを承知している。ユーロの対ドル相場が先週一時1ユーロ=1.20ドルを上回った後、チーフエコノミストのレーン理事はユーロ・ドルの為替レートが金融政策にとって「重要だ」と述べ市場を驚かせた。

ユーロの対ドル相場は今週前半は1.18ドルを下回る水準で推移したが、今後3カ月は1.14ドルを割り込むより1.22ドルを上回る可能性が高いとの見通しがブルームバーグのオプション価格モデルで示唆されている。

バークレイズとゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェースを含む金融のエコノミストらは、10日の政策委後にラガルド総裁がレーン理事に倣う可能性があると考えている。ドラギ前総裁は度々口先介入を行った。


追加緩和の示唆

ラガルド総裁は、ECBが今後何を行うか示唆することさえ望むかもしれない。アクサのチーフエコノミスト、ジル・モエック氏によれば、為替レートがインフレに与える影響と、新型コロナ危機に対応する「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」(総額1兆3500億ユーロ=約170兆円)の買い入れペース加速の可能性をリンクさせることも考えられる。

ピクテのストラテジスト、フレデリック・デュクロゼ氏は「ラガルド総裁が今週にも政策オプションとして利下げを持ち出す可能性が高まりつつある」と指摘した。


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