東西FXリサーチ – 引き続き安定感が欠ける英ポンド

2019年12月25日



文/安藤麻矢 – 東西FXリサーチチーム

ジョンソン首相率いる与党保守党の圧勝で終わった英総選挙により、1月末の期限までに英国が欧州連合(EU)を離脱することはほぼ確実視されている。

英国の離脱への調査結果が発表された直後にGBP / USDは1.3515もの高値で取引され、その後の数日間は水準の戻るまでに苦労した。現在のところ、ポンド/米ドルペアのテクニカルセットアップは引き続き良好である。2020年第1四半期の見通しは、GBP / USDが1.3700に向かうと予測され、短期的なスターリングの背景は前向きに映る。ポンド価格はさらに上昇する可能性も示唆されるが、クリスマスの休暇に加え 来たるEU-UK貿易交渉への懸念が強気感情を後退させるので、これらの利益は緩やかになる可能性が高いと言われている。

しかしながら、投資家心理が安定するにはまだ時早に映る。ジョンソン首相はEU離脱後の移行期間を、2020年の1年間に限定するとした国内法の制定を目指す考えを明らかにしたことから、 「合意なき離脱」が引き続き懸念され、ポンドは急落した。ジョンソン氏は先の総選挙で、20年末までのEU完全離脱を公約に掲げ、 来年1月31日にEUを離脱する予定だが、その後移行期間に入り、金融サービスから漁業まであらゆる分野の協定についてEUと協議する必要がある。

一部の層は、英国がこの分裂を利用して独自の規制を築くことを望んでいる一方で。移行を可能な限りスムーズにするために、EUに近づけることを希望する層もいる。

銀行、保険会社、資産運用会社は、2016年のブレクジット国民投票以降、欧州連合からの出発に向けて数十億ドルを費やし、1兆ポンド(1.3兆ドル)もの資産を海外に移動させている。 英国の金融サービスの年間収入の約25%は、EU関連ビジネスが占めていると政府機関によって報告されていることからもわかるように、今後のイギリスとEUとの貿易協定の行く先がポンド市場に大きく影響している。すでに英国の金融業界は欧州離脱後の大変動の結果を回避および準備を進めていると言われている。

EU首脳は公正な競争を保障する確かな規定がなければ合意できないと述べていることからも、両者がすべて合意に達するには、もっと時間が必要だと警告しているように、トレーダーは今後のポンド市場は英国とEUとの貿易協定に目を見張っている。