東西FXリサーチ – メイ首相の辞任後の英ポンドの将来

2019年6月03日



文/安藤麻矢 – 東西FXリサーチチーム

先週のポンド市場はイギリスの政治の先行き不安が影響し、荒れ模様となった。すでに予想されていた通り、5月24日イギリスのメイ首相は与党・保守党の党首を辞任すると発表し、最後の登板を6月7日にすると述べた。首相はブレクジット問題を解決されることとなり、今後もポンド市場は不透明なままとなる。

メイ首相の辞任発表の前日の23日、英タイムズのよってたメイ首相の24日にも辞任の意思を表明する可能性があると伝えたため、政治混乱を警戒して売りが出た。このヘッドラインの投資家心理への影響は大きく、 早朝のロンドン外国為替市場ではポンドの売りが続き対ドルで下落した。英国時間8時時点は1ポンド=1.2610~20ドルと前日16時時点に比べ0.0040ドルのポンド安・ドル高だった。

政治不安は為替市場を揺るがすファンダメンタルズの一つで、約3年前 の2016年6月23日に行われた欧州連合(EU)離脱への国民投票でも通貨ポンドが売られた。同国の欧州連合(EU)離脱が確実な情勢となると、即通貨ポンドの売りが進み、1985年以来の水準を付けた。ポンドはドルに対し一時10%以上も下落し、1ポンド=1.3305ドルまで下げた。このポンドの一日の下げ幅は過去最大となった。そして投票が締め切られた直後は、残留支持が勝つとの見通しから1ポンド=1.5ドルまで上昇した。

これらの2つのヘッドラインを見ただけでも、いかに政治不安は投資家心理に影響を与えるかが一目瞭然となる。

今後のポンド市場の将来は次の首相にかかってくる。もし、ジョンソン前英外務大臣のようなBrexitの強硬派が首相になるとポンド価格はさらに下落すると言われている。逆に、可能性は低いがフィリップ・ハモンド財務相のような保守派が首相になると、ポンドが上向きになるとメディアは報道している。

いずれもポンドの将来への鍵はドルに対して1.26 の上で保持できるかどうかが問題となってくるだろうとの見方がある。 先週23日のポンド価格は今年の1月2日に1.2435を思い起こさせる。

オアンダのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は先週の金曜日に不確実性は高まり、英国ポンドのボラティリティは高まると述べ、合意なき離脱の可能性が増しているためポンドラリーは高まると加えている。

英保守党メイ英首相の後任候補の指名は、6月10日週までに終わる予定だ。 メイ首相の退陣表明を受けて、次期党首候補の一人となっているEU離脱派、ジョンソン前外相は、「実利的な離脱目指すが、合意なしにも準備が必要」と発言している。