東西FXリサーチ – ブレクジットの継続的な延長の混乱、ポンド価格変動

2019年4月09日



文/安藤麻矢 – 東西FXリサーチチーム

先週金曜日の海外市場は、米国が発表した雇用統計結果にみられたポジティブとネガティブ要素が相殺されたため大きな動きは見られなかったが、ますます不透明になる英EU離脱協議を受けてポンド売りが進んだ。

マーケットセンチメントを揺さぶる英国EU離脱問題は市場の予想通り解決案が見つからぬまま6月30日まで延長の話があります。

イギリスのメイ首相は先週の5日、EUのトゥスク大統領宛ての書簡で6月末までの再延期を申請した。しかしながら、延期の必要性を疑問視するフランスのルメール経済・財務相などはこの申請に否定的な態度を示している。さらに書簡ではEU側からの重要な質問への回答がないことから、再延期を認めることへの理解に悩むとの声があがる。EUは10日の臨時首脳会議でイギリスからの延長申請への対応を協議するが、再延期には全加盟国の同意が必要となるため、「合意なき離脱」となるリスク感も出てきた。

メイ首相は 、ブレクジット案へ議会の過半数の確保をターゲットとし野党労働党との妥協を見つけることより長い時間がかかれば、英国が欧州連合を去る可能性は低いと述べている。英国議会によってすでに メイ首相とEUがまとめた離脱協定案を三度否決しており、このまま国内政党が今後の方向性への具合案を見出せなければ、12日に「合意なき離脱」を迫られる。

EU離脱案が混沌とするなか、貿易および政治への先行き不安感がポンド買いへのリスクを高めている。ポンド/米ドル主要通貨ペアは1.3000を上回っているが、2019年のトレンドラインが最後の数セッションでサポートから抵抗に変わった後では、これ以上上向きになることは難しいとみられている。3月13日の1.3383の高値から新たな下降トレンドを辿っているが、ブレクジット交渉に根本的な変化がない限りはさらなる変動がみられる可能性がある。

三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ報告書では、4 月のポンド下落リスク要因としては、 EUがイギリスの合意なき離脱を迎えるリス クを排除していないことに加え、長期の離脱延期には、英国の明確な方向性を求めていることから、たとえ英国内での議論が進展したとしても、EUの最終的な判断は見通しにくく、合意 なき離脱を回避できるかは依然予断を許さない。そのため、 不透明感の高まりから、ポンドの急落リスクには引き 続き留意が必要と述べている。