東西FXリサーチ – 英ポンド、他の主要通貨に対する英国のEU離脱の不確実性の影響

2018年11月17日



文/安藤麻矢 – 東西FXリサーチチーム

欧州連合(EU)離脱問題への先行きの不透明さからポンド売りが進んでいる。15日には1ポンド=1.30ドル前後から一時1.27ドル台まで急落。対ドルでは今年最大の下落率、1日で約2%安とまでになった。しかし、翌日には売りの圧力が収まり 、1.2834ドル になった。ジェットコースターのように上げ下げの激しいイギリスポンドは投資家離れが進み、センチメントが高まり、国際経済への影響を高める不安感が募る。メディア報道によると国内の著名ヘッジファンドマネジャーで元GLG Partnersに従事後今年自身のヘッジファンドを立ち上げたグレッグ・コフィー氏は、欧州の金融ハブであるロンドンを離れ来年拠点をニューヨークへ移す計画があるという。

一連のボンド下落には、テレサ・メイ首相が宣言するブレクジット後の離脱協定案、つまり自由貿易圏の創設や金融分野での市場アクセスの確保などに反対する英国のラーブ欧州連合(EU)離脱担当相の辞任、それに引き続きメイ首相への不信任投票の動き、与党・保守党内でのメイ氏の党首交代を図る動きも強まっており、最近の為替市場のネガティブ材料となっている。

英紙デイリー・ミラーが行った世論調査では、対象者1070人のうち49%が離脱協定素案に反対と答え、賛成はわずか27%とした結果が報告され、各外相たちのメイ氏への支持と相対していることからも企業の動きも含め今後の市場の荒れが予想される。ビジネス観点からは、ブレクジット後は国内企業の財務を左右する高関税問題が懸念される。また、イギリスには、ユーロ圏からの移民人口が労働市場に影響を与えてきており、例えば建設業や清掃業、スーパーを始め、イギリス人に比べて安い時給で雇用を行っている企業には財務への圧迫が予想される。建設業界が2016に実施した労働調査で分かったことは英国の労働力人口は、10年以内に20~25%減少する可能性である。

実際にEU離脱が決定された2016年 以降、英国からの脱出組が増加し、投票後、17年6月までの1年間に12万3000人が出国して欧州大陸に帰国していることが記録されており、その数今後の課題となってくる。

野村の外国為替アナリストであるジョーダン・ローシェスター氏は、短期的にもポンドの価格に楽観的ではないと言っている。

英国は、移民人口を減少させ、財政的にユーロ圏から独立するが、英国はEUや米国などとの 欧州大陸や米国などと自由貿易協定(FTA)締結を狙っているため、欧州国の企業などからの反発などによるセンチメントも相場に影響を与える可能性がある。

三菱UFJ銀行のシニアアナリストの亀井純野氏は今後のEU離脱問題について当面「合意なき離脱」の回避を巡り先行き不透明感が高い時間帯が続き、メイ首相の不信任投票実施の可能性があると言っている。ブレクジットにはアイルランド問題もあり、今後のボラタリティーそして投資リスクに目を見張らなくてはならないだろう。